マチカネフクキタルとの3年間 with ゴルシ   作:あぬびすびすこ

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 一気に話が進みますぞ。


24、年始からの行事

 年始ということで、みんなで神社へ行くことになった。

 ゴールドシップと以前から来ているお馴染みの神社だ。天皇賞春の出走もここで決めたんだっけな。

 

「さあトレーナーさん! いきますよぉ~!」

 

 フクキタルにぐいぐい引っ張られていく。

 あまりにもやる気が満ちていて止められない!

 

「トレーナーさんが引きずられていくわ……」

「飼い主を引っ張りまくる犬みてーだな」

 

 スズカとゴールドシップは遠目から見て全然助けてくれないっ!

 諦めてされるがままになっていると、神前まで連れてこられた。

 

「いっしょに参拝しましょう! あれ、みなさんはどこに?」

 

 フクキタルが夢中で進んでいたせいで置き去りにしていったぞ。

 

「なるほど~……あの、すみませんでした」

 

 手をスリスリしながら謝ってきた。

 頭をぺしぺし叩いていると、ゴールドシップたちが遅れてやってきた。

 

「フクキタル、ソーファスト!」

「気合入ってたねぇ」

「もちろんです! 年に1度のお参りですから!」

 

 ささ、とみんなを引っ張って並ばせ、代表してスズカが鈴を鳴らした。

 ルドルフが喜びそうだな。

 

「ゴルシちゃんの5円玉、ありがたく受け取りな!」

 

 ゴールドシップが賽銭箱にお金を入れると、みんなも入れていく。

 そして礼をしてから手を合わせ、願い事を想う。

 

 みんなが楽しく走って、勝てますように。

 あと、フクキタルの夢に出てくるシラオキ様、今後も一緒に頑張りましょうね。

 

 しっかりと願ってから、ちらっとみんなの様子を見る。

 真剣に祈ってるなぁ……特にフクキタル。タイキはニコニコしながら手をすりすりしてるけど。

 

 祈り終わってから、ゴールドシップの提案でおみくじを引くことになった。

 相変わらず好きだな、こういうの。

 

「いくぜ! おみくじの王にアタシはなる!」

「おみくじに王はないと思うけど……」

「ま、まさか……ゴールドシップさんは王のおみくじを狙っているのですか!?」

「うそでしょ……あるの……?」

 

 スズカが困惑している中、みんなおみくじを引く。

 そして棒に書かれた番号を見て、箱から紙を取り出して、確認。

 

「また凶かよーー! なあトレぴっぴ、交換しようぜー」

「交換していいものじゃないと思うんだけど……あ、大吉」

「私は吉ですか~……むむむ!」

「チュウキチ? デス!」

「わたしも中吉だねぇ」

 

 みんな内容に一喜一憂している。

 ゴールドシップがぐいぐい肩で押し込んでくる中、自分のものを確認する。

 ふむ……大吉だ!

 

「おうおうトレーナーよぉー、アタシを差し置いて大吉たぁいい度胸じゃねーか!」

「トレーナーさん大吉だったんですか! むむむむむ! ふんぎゃろー! もう一回です!」

 

 ゴールドシップにオラつかれていたら、フクキタルがまたおみくじを買いにいった。

 多分大吉が出るまでやり続けるな、あれは。

 

 フクキタルのおみくじガチャガチャを遠目で見ていたら、不意にお守りを売るところで目についたものがあった。

 近づいて見てみると、それは神社にあるものにしてはかなりポップな見た目をしていた。

 

「お守り……じゃないんですね」

「ほんとだ。ミサンガかなぁ」

 

 1つ手に取ってみると、どうやら身につけることができるお守りのようだ。健康運を高めてくれる……らしい。

 (かん)むすびというもので、腕につけたりストラップにしたりできるんだとか。ウマ娘用もあり、つけて走っても壊れにくいと書いてある。

 見た目も可愛らしいお守りなので、みんなに買ってあげよう。それぞれの勝負服の色を考えて購入し、みんなに渡す。

 

「ありがとうございマス! とってもキュート!」

「綺麗……ありがとうございます」

 

 タイキとスズカはその場で開けて腕につけてくれた。

 緑色を基本にした神むすび。シンプルですっきりしているから、違和感を感じない。

 ソーラーレイはストラップにしますと鞄につけている。

 ゴールドシップはというと、取り出してじっくり観察をしている……そんなに見るものだろうか。

 

「へへっ、けっこういいな、コレ」

 

 機嫌よさそうに腕につけた。赤と白だから、一番それっぽいお守りだ。

 

「大吉出ましたよぉ~! ふべっ!?」

「フクちゃーん!?」

 

 フクキタルが大吉のおみくじを掲げながら走ってきたと思ったら、転んでしまった!

 しかもおみくじが木の枝に引っかかって破けている。ああ、なんとも……。

 とにかくケガはないか確認すると、顔が痛いだけらしい。むくっと起き上がって頭をかく。

 

「えへへ、つい調子に……はわ~~っ!? わ、私の大吉!」

「オウ……残念デスネ」

「せ、せっかく引けたのに~~!」

 

 涙目になっているフクキタルの頭を軽くなでて、彼女の分のお守りを渡す。

 受け取ってきょとんとしている彼女に、フクキタルにプレゼントと言うと、涙が引っ込んだ。

 

「と、トレーナーさんからですか!? なんと……! これはご利益万点っ! えーと、お守り……なるほど!」

 

 早速封を開けて手首につける。フクキタルの勝負服に合わせた赤青白の神むすび。

 それをじっくり見て、嬉しそうに頷いた。

 

「ありがとうございます! いやぁ、破けてしまいましたけど、大吉を引けたご利益はありましたね!」

「何度も引いたら意味がないんじゃ……」

「ラッキーがあったのでいいんです! あ、でも一応これも持っておきましょう」

 

 破けたおみくじを拾い集めるフクキタル。

 レースを頑張ったおかげで前向きになってきたが、こういうところは最初と変わらないなぁと思うのであった。

 

 

 

 

 

   ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 はさみ跳びでの高跳びをやってもらい、周囲からの視線を浴びに浴びた本日。

 トレーニング後にフクキタルから呼び出されたので、指定された場所に向かう。

 

「あ、トレーナーさん!」

 

 フクキタルが先に待っていたようで、こちらに手を振っている。

 

「急に呼び出してすみません。でも、大変なんですよ!」

 

 上を指さしたので、夜空を見上げる。

 綺麗に星が見えている。どれがフォーマルハウトだろう。いや、見えないか。

 

「たくさん星がありますからね! だから、1つ落ちてきちゃったんです! ほら!」

 

 そういってフクキタルが取り出したのは……箱?

 受け取って開けてみると、中にはチョコレートが入っていた。

 

「今日はバレンタインデーですからね! やっぱり占い好きですから、行事は大事にしませんと」

 

 楽しそうに話すフクキタル。なにやらデカいチョコが1つだけ入っている。

 

「私が改良に改良を重ねた十二星座チョコ! あ、その大きいのはふたご座です」

 

 だから他のより倍大きいんですよね~と語る。

 全部は食べきれないと思うぞと言うと、ダメですよ! と叱られた。

 

「こういうのは自分の星座を食べるからいいんです! ささ、どうぞ!」

 

 勧められるが、なんだかんだでどれも大きい。

 フクキタルも一緒に食べよう。そう言うと、私もですか? と不思議そうにしていた。

 

「私はふたご座なのでそのおっきいやつですね。で、トレーナーさん。2人で食べませんか?」

 

 大きいから、仲良く半分こということで。

 フクキタルからの提案に乗り、2人でゆっくりチョコを味わう。

 想像以上に甘くて美味しい。しっかり作ってくれている。

 

「おいしい~! ね、トレーナーさん、おいしいですか?」

 

 美味しいよ。そう言うと、嬉しそうに耳や尻尾を動かす。

 

「やっぱり私はこういう風に、円満甘々って感じがいいですね~。誰かに渡してドキドキしたりするより、トレーナーさんと一緒がいいです。感想も言えますし」

 

 えへへ、と照れながら笑うフクキタル。

 美味しい贈り物をありがとう、そう言うと、少し赤くなった頬をかいて笑う。

 

「ハッピーを上げようと思ったら、なんだか私までハッピーになっちゃいました!」

 

 またハッピーをあげますからね!

 楽しそうに体を動かして嬉しさを伝えてくれるフクキタル。

 チョコの甘さを感じながら、2人でぽつぽつと話をするのだった。




 年始からバレンタインまで一気に飛びました。
 何故ならここからレースが沢山始まっていくから!
 シニア級ではメンバーそれぞれの活躍を多めに書きますのでよろしくお願いします。
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