二次創作で東方を知り、原作に触る事なく大人になってしまいました。結局、プレイ動画や中途半端な知識で書く事を決断。
吹けば飛ぶようなぐらいの軽い気持ちで書いているものなんで、まぁあまり期待しないで貰えるとありがたいです。
ビルの屋上、高い所の風は強いとはよく言ったもので、それに吹かれる体はフェンスへと叩きつけられた。
自分がベンチの上置いた、誰に宛てたものなのかすら分からない手紙が飛ばされないか、少し不安になった。だけれど、重石の下敷きになったそれは、簡単に飛ぶ様子を見せない。
俺はそのフェンスを乗り越え、狭い足場に両足を置く。その一歩先、下の路地裏を見つめる。…ビビリが発動したのか、フェンスから手を離す決心がつかない。
「ははは、…俺は落ちる度胸も無いって事か」
その時、幸か不幸か強い風が俺の背中を強く押した。体重はみるみるうちに空中へと投げ出され、いつの間にか足も宙へと引っ張られた。
あとは、当然落ちるだけ。
(嫌だ、死にたく無い‼︎)
飛び降り自殺を実行してしまった人は、皆自らの行動に強く悔いるのかも知れないと思えた。…だとしたら、彼ら彼女らの行いは非常に滑稽に映る。
…まさに今、地へと向かう俺が一番間抜けで、滑稽だと言う事には変わらないのだが。
理由があって、俺は目を瞑っていた。ただ、目を開けていれば、知りたくない情報が、更に入ってくるように思えただけなのだが。…だけれど、鏡が無いのに、それ以前に目も瞑っているのに、自分がどんな表情をしているか完璧に言い当てられる気がした。
…それは、後悔と絶望に包まれた表情。…本当に、滑稽。
(なんだ、あれ)
どれくらい地面に近づいたかが気になってしまい、俺は目を開けた。すると、目の前の空中が、何者かによって裂かれた。裂かれた空間からは、沢山の目が俺を覗く。…まるで、滑稽な俺を見届ける野次馬のように。
このタイミングで急に重力に逆らえる訳もなく、俺はその裂け目に取り込まれた。
(どこだ、ここ)
その中も裂け目と同様に、紫の背景と俺を見つめる目。…まるで、地面が無いようにも感じた。それでも、落ちる速さは当然増えていく。
「楽しませて頂戴ね」
妖艶な姿を想像させる声で、何者かがそう呟いた気がした。
その直後、すぐ正面に新しい裂け目が出てくる。…その先は少し霞みがかって、とてもぼやけた空。俺は、またそこに取り込まれる。…いや、"出る"の方が正解な表現かも知れない。
感覚的な話だが、そう言い切れる。
俺は、裂け目から出た瞬間、重力が反対になったのを感じた。…つまり、今の俺は重力によって上がった速さで、空を飛び上がっている。
…"つまり"、という言葉がまるで仕事していない。そのせいで、自分がこの状況を理解出来ていない事を知る。想像もつかない力が、俺の知らないところで密かに存在していたことに、実は胸を躍らせていたりもするが。
…十六の少年なぞ、大抵そんなものである。
「ぐえっ‼︎」
重力の影響で出た速さによって空に投げ捨てられ、その重力に引っ張り落とされる。…理解しようとしても、脳が全く認めようとしない。…そのせいだろうが、頭が全く回らない。
…まるで、今の空のように、俺の頭はぼやけている。
そして…
「マジで、ここ何処だよ…」
どうやら、自分は神隠し的なものにでも遭ったのだろう、という事しか分からなかった。
恐ろしいほど何も始まっていませんが、文字数はこのままを維持し続けるつもりです。
応援や、何かしらの指摘、この一話の感想文、原作知識(できれば妖々夢)の披露やらのコメントが来ると嬉しいし、助かります。