とある副官のお話   作:成宮

2 / 5
一話で終わりと言っておいて感想もらって調子に乗った成宮です

風邪引いているのに突貫で書いた2話です

とりあえずひどいというか、熱でうなされているのでおかしなとこが多々ありそうです

*ラスト削除しました


葛藤

 上司に恵まれない、そんな人はいくらでもいる。むしろ自分はマシな方だと他者と比較することで己を慰めるのは本当に正しいことなのか。時には受け入れるだけではなく、違うと突っぱねることも必要なのではないか。

 

「すみません周倉さん。本当に、ごめんなさい」

 

 魔女帽子で顔を隠し俯く彼女、鳳統さんを見ると嫌とは言えなかった。

 つい先ほど諸葛亮からくだされた命令は"死体あさり"。資源に乏しい劉備軍は常に補給との戦いだ。しかし後援者がいるわけでもなく、強奪、徴収などをおこなうことはない。劉備軍は基本的には権力者からの好意で成り立っているといってもいい、表向きは。だがそんな人間がホイホイ現れるか?答えはもちろん否、そのような人間がいるならばこんな時代にはなっていなかっただろう。

 ではそのギリギリの劉備軍はどのように生き繋いでいるか、答えは"鹵獲"。打ち破った黄巾党らが置いていった物資を使用しているのだ。勿論そのままそっくり使ってしまっては当然世間体が悪い。なぜならそれらは元々黄巾党が村や街から奪い取ったものであるため、これではその物資が欲しいがために黄巾党と戦ったと思われかねない。故に劉備様達は手に入れた物資を近くの村へと還元するようにしている。

 だが勿論そんなことをしていてはすぐに干上がってしまう。故に軍師達はこっそりと裏から手を回す。鹵獲した物資からピンハネしたり、時には還元した物資がこっちに還ってくるように言葉巧みに誘導する。

 そして今回の死体あさりは正しくその一環。劉備様たちが村で歓待を受けているうちにこそこそと物資を手に入れてこい、という諸葛亮からの無慈悲な命令であった。

 

 理解はできる、だが納得はできない。

 

 必要なことだと思う、誰かがやらなければならない。しかしそれを周倉率いる部隊が毎回必ず行うことにはどう考えても納得できない。

 

 劉備が知れば泣くだろう。

 関羽が知れば怒鳴り散らし、叩き切られるかもしれない。

 張飛はその意味を理解しないかもしれないが、難色を示すだろう。

 北郷は糾弾するだろう、現実を知らないまま。

 

「ごめんなさい、本当にごめんなさい」

 

 目の前の鳳統はそれを理解し、なおこちらに向けて頭を下げる。花形と言える関羽、張飛にこの作業をさせることができない。では残った選択肢は一つのみ。

 まだこうして頭を下げ謝罪の言葉を口にする上司がいることに、少しだけ救われた気がする周倉であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう何度も行われているとあって、死体の懐をまさぐるというのは手馴れた作業だ。部下たちも手馴れた様子でその作業を行っている。この周倉隊は元黄巾党で占められている。部隊は異なり面識はなくとも、元仲間の死体あさりを行わせるのはあまりにひどい行為・・・かと思われたが。

 

「こいつらはただの賊だな。天和ちゃんの可愛さを知らずに死ぬとはなんと哀れなことよ」

 

「全くだ、地和ちゃんの元気を感じれば安らかに逝けただろうに」

 

「人和ちゃん、元気かなぁ・・・」

 

 意外とそんなことはなかったのである。

 一時期はまるで恐怖政治のような感じになっていたものの、持ち前の馴れ馴れしさですぐさま打ち解け、劉備たちも知らないような情報―――黄巾党の内部情報を周倉は知っていたりする。本来すぐさま上に知らせるべき事柄であるが、上への反発が根付いていた周倉にとってこっそり教えてくれた秘密を暴露するような真似は断じてできなかった。それでは部下のことを顧みないあいつらと同じだ。

 

「くっそう、俺も会ってみたかったなぁ」

 

「隊長ならぜってー天和ちゃんが好きになると思うぜ」

 

「いやいや、あの地和ちゃんの控えめな胸こそ至高」

 

「メガネっ娘は世界遺産です。というわけで人和ちゃんを」

 

 すぐさま己の派閥を増やそうとするところ以外、実に気にいい奴らである。時には対立するときもあるが、基本的に仲間意識が高く、こちらの苦労にも理解を示してくれる。文句も言うが、誠実に任務をこなす、とても頼りになる仲間たちだ。

 

「うおおおお!てめーらをぜってー張三姉妹に合わせてやるぜ!これは、男の誓いだ!だからそれまで死ぬんじゃねぇぞ!」

 

 歓声が上がる。とても死体あさりなんてしているような場面とは思えない光景であった。

 

 

 そしてあらかた物資を補給できた頃、この周倉隊にとってお楽しみの時間が訪れる。何も死体あさりを行うのは人間だけとは限らず、血の匂いを嗅ぎつけた肉食動物などが群がってくることもあるのだ。時には虎なんてやばいものも釣れる時があるが今回はまさに絶好の獲物が到来したのである。

 

「猪・・・だと?!」

 

 本来あまり肉を食べない猪がなぜか迷い込んできたのである。その丸々と肥ったからだは飢えで飛びついたというわけではなく、興味本位で姿を現したのかもしれない。それほどの貫禄があったのだ。

 

「っしゃ!お前ら下がってろよ」

 

 声を潜め後ろの部下たちに合図を飛ばす。ラージクラブ片手にゆっくりと背後から忍び寄る。だがその直前こちらの気配に気づいたのか、猪はこちらを振り返った。

 

「いいね、美味しそうだ」

 

 まだ、殺気は出さない。逃げられては元も子もない。油断を誘い、まっすぐとこちらに向かってくるようにしたい。

 

 ジリジリと後退をする。後退とは力のない弱者がするもの、だが野生動物には本当に弱者かどうかなどわからず、ただ逃げ出そうとしていることのみに反応する。

 

単調な動きで突撃してくる猪に向けて振りかぶられたラージクラブによるカウンターの一撃。だがその一撃は軽い脳震盪を起こさせる程度で100kgに近い巨体の勢いをわずかにぐらつかせるくらいでしかなく。

 そのまま鋭い牙が周倉に突き刺さるかと思えたその一瞬。

 

 猪は空を飛んだ。

 

 技術屋の周倉にしてみれば体勢が崩れればその運動エネルギーのベクトル操作は造作もないことであった。このラージクラブ、見た目は凶悪な鈍器に見えて実は中身スカスカのハッタリ用なのである。本来のラージクラブを関羽が使えば、恐らく猪はぺしゃんこになっていただろう。

 

 猪は勢いそのまま頭から木に激突し、完全に意識を失った。

 

「フゥー!さすが隊長!」

 

 すぐさま絶命させるために猪に群がる部下たちは、あっという間に血抜きまで済ませてしまう。その手際の良さに苦笑いを浮かべてしまう。

 

「いや、いいものが手に入った。俺たちも宴会と行こうや」

 

「そうですね。久々に食べごたえがありそうだぁ」

 

 荷物を手早くまとめ、この場を離脱する。猪だからいいが熊や虎が来てしまっては骨が折れる。特に虎は見返りがすくなさすぎてやっていられない。

 ヒャッハーと世紀末風に叫ぶバカを抑えつつ、軽い足取りで陣へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戻ってきた俺たちに待っていたのは屈辱。

 大したもてなしもなかったためか、早々に帰ってきてた劉備たちと鉢合わせしてしまう。猪を持っていた俺たちは、任務を放り出し狩りに行っていたと思われたようで、関羽が激しい叱責を行う。勿論責任者である周倉が呼び出され、部下たちは解放された。

 

「貴様、任務をなんだと思っている!」

 

「申し訳、ありません」

 

「狩りに行っていた?貴様の任務放棄で我々がどうなるか考えてはおらなかったのか?!」

 

「申し訳ありません」

 

「なんだ?!謝って済む問題ではないだろう」

 

 胸ぐらを掴まれ、そのまま突き飛ばされた。その瞳には怒りがいつにも増してはっきりと見て取れる。もしかしたら村で何かあったのかもしれない。

 

「あ、愛紗ちゃん。もういいから。周倉さんも反省してると思うし・・・」

 

「しかし桃香様っ、こいつはもと私の副官です。私は貴様を見誤っていた、くそっ、その程度ということか!」

 

「あ、愛紗」

 

「ご主人様も黙っていてください!これは、私と周倉の問題です」

 

 関羽をなだめる劉備と北郷を横目に諸葛亮を見ると、こちらをはっきりと睨みつけていた。口を開閉させる、たぶん、余計なことを喋るな、だろうか。世の横の鳳統はうつむき、スカートをきつく握り締めていた。

 

「いいだろう。桃香様とご主人様に免じて、今回だけは許してやる。次同じようなことを行えば、私が叩き切ってやる。懲罰は追って知らせる」

 

「ありがとうございます、本当に申し訳ありませんでした」

 

「フンッ」

 

 関羽はこちらを一瞥すると、天幕から出ていった。周倉は劉備と北郷頭を下げ、その場を後にする。背後で諸葛亮の話し声がする、恐らく真実を語った―――なんてことはありえない。再度利用するためにできる限り罰を軽いものにしようと働きかけているのだろう。恐らく北郷もそれに加わる、周倉がこんなところで消える歴史はありえない、そう思っているはず。

 

「くそっ」

 

 あの場で反抗的な態度を見せていれば、関羽に叩き切られていただろう。懲罰が自分ひとりで済んだ、それだけマシかもしれない。もしこれで部下たちにまで何かあったら本当に申し訳が立たないところであった。

 今夜はストレス発散しよう、運良く猪と言おう大物も手に入った。周倉隊で分け合っても十分お釣りがくる。久々に食事で満足感を得られるだろう。

 久々―――何故か周倉隊の食料配分はほかに比べ少ない。それ以外にも扱いは悪いし雑務なども多い。それは黄巾党で構成された隊であるから仕方ないとも言えないが、なんとも複雑な気持ちにならざる負えない。

 

 人々が笑って暮らせる世界に。

 

 俺たち周倉隊がどのような扱いを受けているか知っていますか、劉備様。

 

 だが周倉たちの不幸は止まらない。肉に思いを馳せて戻ってきた周倉が見たものは項垂れる部下たちの姿。

 

「どうした?何かあったのか?!」

 

「隊長、すんません」

 

 部下の中にはすすり泣いているものさえいた。果たして、なにが彼らをそうまでしたのだろうか。

 周倉の耳に届いた騒ぎ声、そして目の前に本来あるはずのものがない現状。ようやく、気づいた。

 

「すんません、猪、持ってかれちまいました。なんとか手に入れたのはこれだけで」

 

 そういって差し出したのはわずかばかりの肉。あの場にいなかった張飛が目ざとく猪を見つけ、有無を言わさず持ち出してしまった。ご馳走が食べれると期待していた張飛が落胆し、陣に戻るとあったのは肉の塊。劉備軍では隊ごとに食料が割り振られ、そこからやりくりする形をとっている。稀に今回のような獲物を見つけた際にはいざこざが発生しないようにその鯛で処理を行うようにしている、はずであった。

 

「横暴、すぎるっ・・・」

 

 すぐさま張飛の元へと向かう、がすでに猪は様々な種類の料理に変わり、分け合っていた。美味そうに大きな塊にかぶりつく張飛、それは周倉隊に分けられたものとほとんど変わらない大きさ。

 

「関羽様、これはどういうことですか?」

 

「ああ、周倉か。よく顔を出せたな」

 

 近くで張飛を見ながら肉にぱくついていた関羽に声をかける。よく顔を出せた、か。

 

「隊で手に入れた獲物は、隊のものではなかったのですか?」

 

「ふむ、そうだったか?鈴々が自慢げに持ってきたからてっきり鈴々が狩ってきたものかと。だが度量が狭いな、あれだけの大物、皆で分け合ってこそだろう。あの張飛のようにな」

 

 あまりの物言いに絶句した。この軍にはもとより軍規などなどなかったのだ。あるのは多少の価値観とその時の気分だけ。故に周倉はただ従うことしかできないのだ。

 

「貴様も自分の天幕に戻れ。せっかくの食事がまずくなる」

 

 そういって関羽はあとからやってきた劉備たちに合流する。背を向け、この場から立ち去る姿を見ていたのは、鳳統だけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまん、皆、すまん」

 

 周倉は初めて土下座をした。それくらい申し訳が立たなかった。自分に力があれば、そう思わずにはいられなかった。

 

「隊長、いえ、俺らこそすんません」

 

「・・・なにが、だ」

 

「俺らみたいな黄巾党あがりの隊長何かになったから、隊長までこんな扱いされてるんです」

 

「それは違う!」

 

「違いません」

 

 力強く、言い返された。俺もそれ以上言い返せなかった。たしかに心の奥底で思ったこともある、こいつらがいなければ俺もこんな目にあっていなかったんじゃないかと。だが逃げたらこいつらがどうなる?次の奴が誰になるかわからないが、俺よりマシな奴になる可能性はあるのか?

 

「隊長はいいひとです。初めはおっかなかったですが、初めて俺たちが信頼してもいいと思えました。・・・人和ちゃんの次くらいに」

 

「だな、天和ちゃんの次くらいに」

 

「おうとも、地和ちゃんには負けるがなっ」

 

 そう言って俺の馬鹿な部下たちは笑った。涙が出そうであった。

 

「ありがとう、これからも苦労をかけると思うが、よろしくなっ」

 

 突き出された拳、一人一人ぶつかり合わせる。こんなところに行くより、マジで黄巾党いったほうがいいのではないか、そう思ってしまう。だが黄巾党はいずれ滅びる泥船、こいつらをそこに載せることが果たして本当に幸せなのだろうか。

 

「あの、周倉さん・・・」

 

 か細い声の闖入者、鳳統によって急速に熱が冷める。今の会話、どこまで聞かれていたのだか。正しく失態、張三姉妹の秘密がバレたかもしれないと、皆息を飲む。誰も言葉を発せない衣装な雰囲気の中、やはり切り出したのは周倉。

 

「いつから、ここへ?」

 

 自分でも驚く程冷えた声、その発せられた声の対象はびくんと体を震わせる。いくら人にあらざると思える程の智謀を持っていたとしても見た目は子供、本人曰く子供じゃないと言い張るがそんな詐称はいくらでもある。自分がその一例た。

 

「あ、の、その、ひとこと、謝りたくて」

 

「なんのことだい?俺たちは規律を乱し、無断で狩りに向かい、その狩りで手に入れた大猪は取られ、皆で心を入れ替えようと反省会を開いていたところになんのようかな?謝ることなんて何一つないだろう?」

 

「あぅ、ぅ」

 

 自分でもやりすぎだと思う。もしかしたらただの八つ当たりになるかもしれない、だが辛抱できなかった。あの策を出したのが諸葛亮か、それとも鳳統か。いや、どちらでもかまわない、どちらも弁護せず、口を挟まなかったのだから。

 張三姉妹の話を聞いた鳳統を害するのは簡単、そのまま闇に消えさせてもいい。どうせ近いうちに彼女は死ぬという歴史の定めにいるのだから。いや、すでに狂っているこの世界、もしかして死なないのかもしれない。

 

「ところで最初の質問なんですが、いつからここに?」

 

「あわわ、その、周倉さんが、頭を下げているあたりから、です」

 

 迫力に負けたのか、素直に話し始めた。やはり聞いていた。決定的なキーワードは出ていなくても、彼女なら簡単にたどり着くだろう。

 

「そうか、ならこのあとどうなるか、わかるよね?」

 

「い、言いません。誰にも、言いませんからっ・・・」

 

 鳳統はへたりこんだ。 必死に首を振り、何度も言いませんという彼女の姿を見て笑いがこみ上げてきた。今更、何を言っているのだろうか。

 

「そんな言葉、誰が信用できると思う?この戦いを終わらせることができるかも知れない鍵を、軍師であるあなたが捨て置く?ありえない」

 

 そもそも彼女たちはこの戦いを集結させるために参戦した。いや、当初はそうだったかもしれないが今は飛躍するための踏み台程度にしか考えていないだろう。劉備と北郷はもしかしたら張三姉妹を見逃すかも知れない、関羽もそのふたりが言えば渋々従うだろう。張飛も恐らく。だが諸葛亮と鳳統はわからない。飛躍のための仕方ない犠牲、彼女たちはそう割り切れる。

 

「はっきり言おう。俺たちを使い捨ての駒と考えているお前たちが、戻り次第反逆者として処理しない保証がどこにある?」

 

「そ、そんなっ!?」

 

「理由なら腐るほどある。関羽、張飛隊をけしかければすぐに終わる。なにせ、装備も、食料も、休息すらまともに与えられてないのだからな」

 

 新参が後回しにされるなんて当たり前、挙句元は黄巾党なのだ、戦いにならないだろう。寧ろ関羽だけでも殲滅されるかもしれない。どうせこんな事態を計算しての配分だったのだろう。

 

「わ、わかりました」

 

「ほぅ、なにがわかったんですか?」

 

 百聞は一見に如かず、頭で理解した程度で何ができるというのか。だが次の言葉に周囲は絶句した。

 

「わ、私の真名、雛里にかけて誓います。ここであったこと、全て他言はしません」

 

 真名はそれほどまでに重いもの。その真名によっての誓いは何にも勝るものとなる。

 

「周倉さんたちが裏方を引き受けてくれていてくれたからこそ、今の私たちがあります。私が報いることができるのは、この程度しか、ありません・・・」

 

「た、隊長・・・」

 

「お、あ、すまん」

 

 完全に呆けていた。背中をつつかれ、ようやく意識を取り戻す。鳳統は、それほどの覚悟をもっているということだ。

 

「・・・皆、すまん」

 

 必死の形相で返事を待つ鳳統に背を向け、後ろに居た部下たちに向けて頭を下げた。

 

「すまん、皆。お前たちが一番大切なのは張三姉妹のことだってわかってて、今お前たちが必死に守ってきた秘密がばれるかもしれないっていう瀬戸際なのに、俺は鳳統を信じてもいいかも知れない、そう思ってる」

 

 今思えば諸葛亮とは違い、鳳統は必ず作戦終了後に声をかけに来た。煩わしくて、追っ払ったときでも、次回には必ず申し訳なさそうな顔で頭を下げに来た。

 

「これはお前たちに対して裏切りかも知れない。異論のあるやつは、前に出て、くれ」

 

 彼らは泣いていた。だが誰ひとりとして前に出ては来なかった。

 

「すまん、皆。俺は最低だ」

 

 たっぷり30秒、彼らに向けて頭を下げ今度は鳳統の方に向き直る。

 

「真名の誓い、受け取った。俺の真名は"誠"、雛里、お前を信じる」

 

「あ、ありがとうごじゃいま、す」

 

「泣くな。雛里、今後とも宜しく頼む」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

 目に涙を浮かべつつも、笑顔を振りまいた雛里が、誠は綺麗だと思った。

 




ここまで読んでいただきありがとうございます

まさか続くとは思わなかった(呆れ)
どっちかっていうとすぐ逃げ出したくなる方なので、もしリアル自分がこうなら
とっくに逃げ出してますね きっと

続きは仕事によるネガティブオーラが溜まったら書けるかもしれません

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。