ピンチベック   作:あほずらもぐら

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皆さんこんにちは。M○ST2を発売日に買った投稿者のあほずらもぐらです。前作のキャラが軒並み登場するのがいいですね!最近はシリーズの知名度だけでやってる、名前ばっかりでキャラを出さず、ファンをガッカリさせる様なゲームも多いので余計に感動してしまう。あんまり親しくない人とイベント行く時に、仲のいい共通の友人が居ると安心するのと同じような感じです。それでは、本編、ご覧ください…


第19幕: 闇の中へ

秘密基地にて

 

 

 

『全員揃ったようやな。それじゃ、作戦会議の始まりや。』

 

『作戦って…あんなのどうやって止めんだよ…』

 

『あんなのって…彼、あんな事望んでると思う?』

 

『戦場に行けば人は変わっちまう…幾ら慈悲深い奴でも、優しさが原因で死にたくは無いからな…あいつ…あいつに何があったか、俺は知らねぇ。今となっては、知る事も出来ねぇ。それこそ、あんな姿になる方法をどうやって…』

 

『何で…あの人が、何したんですか…もっと…僕が早く来ていれば!』

 

『彼は…そういう人だからね…いつも無理ばかりする。今まで生きてる間、ずっと無理してたんだと思う…だから、一回でいい。頑張ったねって、言ってあげたい。』

 

『…彼を喪うのは、自治領に於いて多大な損失です!それに…それに…彼の顔が、また見たいです。彼は嫌がるでしょうね…でも、彼の笑った所が見たいんです。』

 

『俺も、あの馬鹿の事、”店”の娘に話した以上、約束を無碍にはしたくないからな…ま、死なない程度には協力するさ…報酬前払いだと、こういう時に困るんだがな…何より女の子に興味無さそうなアイツが慌てる顔が、一度見てみたいと思う。』

 

『不純な動機ですね…しかし猫の手も借りたい状況です。最近は怪しい賊が多いですから、戦力が確保出来るのは素直に嬉しいですね。』

 

『ウチの私兵も軒並み追撃部隊の迎撃に回すつもりさかい、使えるモンは何でも使わなアカン。ドリー、情報をこいつらに。』

 

『はい。皆さん、これを。』

 

カラドリウスが全員に冊子を配る。

 

『彼の斥候時代の現存する治療履歴を詳しく調べた結果、彼の肉体が核になっており、彼が絶命した事により制御を失い、現在暴走状態に陥っていると推測できます。そこで我々は、まずアブホースに深手を与え、彼の肉体を露出させた後、これに蘇生魔法を使用し、彼の制御能力を復活させる。これが大まかな作戦になります。』

 

『成程ねぇ…でも、アイツに近づく必要がある訳だ…そんな役、誰がやるんだ?』

 

『こちらで蘇生魔法が使える冒険者を派遣します。彼女と協働して、任務に当たって下さい。』

 

『分かった、でも…彼をどうやって迎撃するつもり?彼、あの子の拳すら平気で耐えたんだけど?』

 

『所定の場所に冒険者を一人ずつ待機させ、連戦で疲弊した所を叩く。アイツの能力は未知数や。全員で下手に突っ込めば全滅もあり得る。適当なタイミングで撤退して、最終関門に奴がたどり着いた時に全力で援護する。現実それくらいしか無い。』

 

『いかに奴が頑丈でも、ビクトリーの攻撃で怯んだ事には違い無いんだ。少なくとも、冒険者の攻撃なら倒せる…倒せる筈だ…』

 

『この作戦、絶対に成功させる。それから、彼に教える。君の帰りを待ってる人がここにいるよって。』

 

『分からせてやるか…幾ら他人から化け物だって言われても、本当に化け物になる必要なんか、何処にもねぇって、別に自分を恥じる事なんてねぇってよ。俺みたいなケチな戦争屋でも、生きる価値ってのはあるンだ…俺たちが、アイツに教えてやる。』

 

『私達が、証明しなければ。彼の価値を、存在する理由を。』

 

『そうやな…アイツに教えてやらんと…ウチの私兵になれば、現職の五割は多く稼げるっちゅう事を…あんな逸材、犬死にさせる訳にはいかへん…』

 

『…コーム…貴方、本当に昔から代わりませんね…』

 

『せやろ?ウチの信頼は最高議会の権勢の如く揺らがんのや!』

 

『…都合がいい人だね…』

 

 

 

『最高開始は明日の明朝からになります!貴公らの健闘を祈っています!』

 

 

 

 

遂に暴走を始めたアブホース!ピンチベックの運命やいかに!二人は、無事に彼を救出出来るのか!?教団はどう動くのか!?次回、乞うご期待!


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