ピンチベック   作:あほずらもぐら

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どうも、タウ○ワークの求人が、自分が落とされた所ばっかりの投稿者、あほずらもぐらです。友達は常連だった店にコネで受かってました(血涙)いつもは学校があるので、遠いと早い時間帯から働けないし、親からは接客業ではなく作業系がいいのではと言われましたが、工場なんかは近くにないんですよね。飲食店やコンビニ、100円ショップまで受けましたが、見事に全敗。遅刻などもしていないし、滑舌も頑張って直してるんですが一体なにがダメなんですかね?顔とか?それでは、本編、ご覧下さい…


第八幕:「 前後不覚」の砂嵐

『何っ!同志アーソニストが倒れただと!?』

 

『はい!敵は変身能力を持っており、単独で行動していると推測されます!』

 

『よし!作戦を継続する!同志アーソニストの死を無駄にするな!我々は選ばれし神の選ばれし戦士だ!』

 

『今こそ我々の信仰と団結が試される時だ!』

 

『『選ばれし神と!』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『司祭様の為に!』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし、何故私に力を貸した?」

 

「これから面白くなるからよ!客が来るぞ小僧!備えよ!」

 

「成程、あの火炎術師…才能はかなりの物だったが捨て石か……贅沢なものだ。」

 

 

 

 

次の瞬間、白装束の集団がアブホースの前に現れる!不気味さすら覚える、統一化された合理的な挙動で、全員がロングソードを構える!

 

 

 

『総員に告ぐ!あの悪魔を生かして帰すな!』

 

 

「羽虫が喚くな!数だけの雑兵が何を言うか!我に弓引くカスどもが!楽には死ねんと心得よ!」

 

 

『やれ!奴を仕留め、同志の仇を討て!』

 

 

素早く突撃陣形を組み、戦士たちがアブホースに向かって突撃!先頭の一人が、下段の構えから、鋭い一撃を放つ!

 

「ムハハハハハハハ!冒険者ですらないゴミが!数打ちの鈍で何をしようが、無駄という言葉すらおこがましいわ!」

 

右腕で剣戟を受け止め、左腕で戦士の頭蓋を粉砕する!しかし、何という事か!戦士たちは怯む様子すら見せず、攻撃を続行する!

 

「くどいぞ!集団自殺なら他所でやれ!」

 

後続の戦士の血走った目がアブホースを捉える!しかし頭蓋骨粉砕!血走った目が捉える!頭蓋骨粉砕!血走った目が捉える!頭蓋骨粉砕!血走った目が捉える!頭蓋骨粉砕!血走った目が捉える!頭蓋骨粉砕!

 

 

しかし、長くは続かない!

 

『ハイーッ!』

 

アブホースの腕にロープが絡み付く!

 

「何!?」 

 

ロープを破ろうと一旦バックステップを試みるも、足にもロープが絡み付く!襲撃者の恐ろしいまでの技量!これは紛れもない冒険者の仕業である!

 

 

『我々の勝利!司祭様の勝利!』

 

 

何という事だろうか!目の前には、大量の爆弾を抱えた白装束の集団!先陣を切った彼らは、いわば囮である!投擲を避けたのは、突撃に擬装する為だったのだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そして選ばれしk…ヘ?』

 

 

しかし、先頭の戦士が激しく転倒!見ると、両足が寸断されている!

 

『何…で…痛い…』

 

『何だ!何が起きた!』

 

サーベルとブランダーバスを構えた黒コートにターバンの男が、砂煙から姿を見せる!

 

『貴様何m…ギャーッ!』

 

ブランダーバスが火を噴き、白装束が赤と桃色で染まる!ブランダーバスは単純な構造の銃だが、鉄片や鉛玉を凄まじい威力で拡散させる事が可能なのだ!

 

『チッ…金にはならねぇか…面倒くせぇな…』

 

すかさずアブホースに駆け寄り、鋼鉄製ロープをサーベルで両断!

 

「あ…貴方は…」

 

そう、この男は紛れもない、彼に手を差し伸べた冒険者、ストゥーピストである!一体、何故彼が駆けつけたのか?理由は簡単、彼はピンチベックと別れた後に風俗に行き、その帰りに戦闘での爆発音を聞きつけ、あわよくば火事場泥棒にと彼の屋敷に向かった次第である!

 

『その声、あんた、さっき一緒に飲み行った人か!てか、髪形変えた?』

 

「あ、あぁ、そんな所だ。しかしどうしてここに?」

 

『誰かが助けを求めている気がしてな、放って置けなかった。』

 

欺瞞である。

 

『チッ…まぁいい、ここで始末すれば無問題変わりなし!邪魔者二人消せる上、報酬倍なって寧ろラッキーね』

 

 

『疲弊させる事は出来たからな…だが同志達の仇には変わらん。』

 

 

物陰から、冒険者二人が姿を表す!

 

 

「新手か!蚊蜻蛉が幾ら来ようが同じ事!縄を投げて粋がる臆病者が!纏めて地獄に送ってくれよう!」

 

『それ腹話術か?意外とお茶目なんだな、あんた』

 

 

『我らの本懐を妨げる愚か者が!同志を殺めた事、如何なる罪か、身をもって思い知れ!』

 

『あなたルール破った。ルール権力そのもの。あなた死んだニュース届けば、私の雇い主喜びます。』

 

 

『俺は無視かよ!そりゃ俺は軽率で無作法だぜ?だがこれから命のやり取りするんだから、自己紹介くらいしとこうぜ、な?』

 

 

「大陸から来た糞にたかる蛆が!まずはお前からよ!虫けらの真似事で精々応戦してみるが良い!」

 

『その陰気そうなツラに、嫌と言う程拳食らわせてやるね!』

 

『フン、野盗だが何だか知らんが、悪魔の肩を持つなら死んでもらう!』

 

『あ、てめぇ言ったな?てめぇの墓石サウナストーンにしてやるから覚悟しやがれ!』

 

砂煙を上げ、ストゥーピストがサーベルを構え、白装束の冒険者、タングステンに向かって、ヒヨケムシめいた挙動で迫る!彼の故郷は荒涼とした砂漠であり、きめ細かい砂ですら彼の健脚を止める事は不可能である!

 

『下らん事を!』

 

正論!タングステンの持つバトルロッドから聖属性の光線が放たれ、上空から襲いかかる!その様はまさに天罰!しかし、立ち昇る砂煙のせいで狙いが定まらない!乾燥した地質を生かした攻防一体の走法!彼の故郷はオアシスを巡って争いが絶えない場所であり、彼は極限状態の戦場で、砂を巻き上げつつ微弱な風魔法でそれを操り、砂嵐を起こしながらも素早い移動を可能にする、撹乱戦法を編み出したのだ!砂漠戦に慣れない相手なら間違いなく前後不覚に陥り、集団戦であれば前線は崩壊するだろう!

 

『ならばこれでどうだ!』

 

タングステンの周囲に光球が浮かび、地面に向かって大量に着弾する!衝撃で砂嵐は瞬く間に晴れ、ストゥーピストの姿が現れる!とどめとばかりにエンチャントの呪文でバトルロッドを強化し、腰の入った回転でストゥーピストを打ちつけようと試みる!しかしこれをストゥーピストはブランダーバスの銃撃で弾く!衝撃で砂嵐を払うまではよかったが、その砂がタングステンの足元に集まったせいで踏み込みが甘くなっていたのだ!

 

『ロウリュは俺の小便でしてやるぜ!』

 

サーベルが唸りを上げ、タングステンの脇腹を捉える!次の瞬間、タングステンは内臓を地面にぶち撒け絶命した。

 

 

 

 

 

〜一方そのころ〜

 

 

 

雷撃に喩えられる拳と、殺意が拳の形を成した大質量がぶつかり合う!

しかし、近接格闘に慣れた冒険者、ファイブフィンガーの一撃は、連戦に疲弊したアブホースに不利を強いる!無理もない、誰しも手練れを相手に二連戦は堪えるものである。

 

「クソ!やはり奴の肉体と精神の限界が近いか!?」

 

『大人しく殺されるがよろし!抵抗すれば苦しい増えるだけね!』

 

 

『お前もサウナストーンになるんだよ!』

 

間一髪、アブホースの急所に拳が届く直前、ストゥーピストの援護射撃で僅かだが拳がぶれる!今度は無視されなかったようだ。僅かにずれた攻撃を何とか防ぐアブホース!執念の勝利だ!カウンターが見事に決まり、体勢を崩すファイブフィンガー!そこにストゥーピストが延髄にブランダーバスの銃身で渾身の殴打を見舞う!

 

『ぐはっ…』

 

間に合った。互いに息を切らしながらも、同じ勝利の感覚に酔いしれる。これからどうなるかは分からないが、今はこの平和を噛み締める。

 

『おっ、この武闘家、中々の上玉だな!』

 

『こいつの杖も高く売れるな!地位も高そうだし、身代金も期待出来そうだ!』

 

ストゥーピストは勝利より戦利品を堪能しているが…

 

 

ともかく、やる事は多いだろう。カラドリウス様は無事だろうか。

 

 

 

恩人を憂うピンチベックの心情を察したのか、太陽が心配そうに山影から見守る。日の出は近い。

 

 

 

 

 

 

 

第八幕 完

 

 

 

 

 

 




ごめんなさい。本当は18日中に投稿したかったのですが、無理でした。コメントがまだ一件もありません。すいません、許してください、何でもはしませんから!次回も楽しみにお待ち下さい!

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