ピンチベック   作:あほずらもぐら

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どうもこんにちは。投稿者のあほずらもぐらです。アニメ版ポ○モンにマ○ィが出ないのは何故なんですかね?結構人気あるキャラだと思うんですが。後、正直言って全く新しいタイプの主人公を見てみたい。サ○シは準レギュラーとか特番でのゲスト出演でもよくないですか?一応彼の冒険は一区切りついた訳で。マ○ル、ホ○プ、マ○ィの三人旅でもお兄さん悪くないと思うんだよね。ユ○リだけでも出して欲しい…欲しくない?関係ないけど、ポ○モンのギャルゲーが出たら売れると思う。それでは、本編、ご覧下さい…


第九幕: 奇妙な入院生活

『だ!か!ら!』

 

 

『何度言えば気が済むんですか!私を救出する所までは分かります!ですがその後も戦闘を続行した上で、増援と交戦するなんて!しかも家は粉塵爆発で跡形も無いし!貴方だって居場所によっては塵も残らなかったかも知れないんですよ!』

 

「しかし、市街地に彼らが侵入した場合の被害を考慮して…」

 

『護民官は貴方一人じゃないんです!一度撤退して増援を待てば、こんな傷を負わずに済んだのに!』

 

「しかしながら、情報によれば、あの白装束の集団、他の場所にも撹乱目的で入り込んでいたそうですが…」

 

『他は冒険者と一対ニでやり合うような状況にはなっていません!一人二人向かわせる事もできました!』

 

「左様ですか…」

 

『あの時他の冒険者が来なければ、貴方は敵の前で死んでいたかも知れないんです!』

 

「…すいません…」

 

 

病院のベッドの上で、カラドリウス議長からのお説教を受ける。やはりこうなるのか…

 

 

『貴方を喪うのは、自治領にとって大きな損失です!無理は禁物、肝に銘じてください!』

 

「…はい…」

 

『…しかも、私のせいで死ぬなんて…許しませんよ…』

 

「何か言いましたか?」

 

『何も言っていません!貴方は疲れているんですから、変に気を遣わずに休んでください!』

 

そう言って彼女は出て行ってしまった。また心象を悪くしてしまったか…だが、彼女を守れて良かった…火傷で全身が痛いし、骨が折れているせいで歩く事すら出来ない。それでも一生後悔するよりはマシだった。

 

『入るぞー』

 

今度はストゥーピストが病室に入ってくる。飲食物持ち込み禁止の筈だが、何故かフィッシュ&チップスを持っていた。

 

『お前の分も買ってきたんだけど、食える?』

 

「あぁ、助かるよ。病院食は味が薄くて困る。」

 

『次は何がいい?ドーナツとか甘いものにするか?』

 

「私が買う訳では無い。決める資格も無いだろう。」

 

彼には表向きは一般市民への強盗を未然に防いだ、として謝礼が支払われている。羽振りが良いのもその為だろう。

 

『あ、そうだ。俺の贔屓にしてる店が出張サービス始めたからさ、今からでも呼ぶか?勿論俺の奢りで』

 

「人の病室を何だと思ってる」

 

『でもさ、もうお前の事店の娘に話しちゃったんだよね。会ってみたいって言ってる娘、結構いるぜ?』

 

 

 

『先生!患者様が意識を失いました!早く来てください!』

 

 

『おいおい…大丈夫かよ?』

 

「うーん…」

 

 

『……知らねぇぞ!』

 

 

 

暫くして、主治医が到着し、それと同時にストゥーピストも帰る事にした。渡す物は渡したのだ、長く居座っても迷惑だろう。暇なので、手頃なクエストを受けて、金貨を稼ぐ事にする。

 

 

 

『うーん?ショック症状による気絶か?精神疾患を抱えているようだし、充分あり得る話だが…』

 

 

 

次に主治医は不敵な笑みを浮かべる。

 

 

『死因は心臓発作にしようか。若いのに可哀想な話よ!』

 

 

白衣の裾から、毒の入った注射器を取り出す!何という不幸か!彼はなんらかの勢力に雇用された暗殺者である!哀れな患者は、このまま一生を終えてしまうのか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

否!

 

 

 

 

 

 

 

 

そこに待ったをかける人物が現れたのである!

 

 

『お邪魔しまーす!』

 

 

『だ、誰だ!まさか私の存在に気づいていたとでも言うのか!』

 

 

『僕はペラドンナです!えっと…何をしてるのかな?』

 

『クソッ!やはりバレていたか!仕方ない、見られたからには死んで貰う!』

 

言うが早いか、主治医は白衣を脱ぎ捨て、その正体を明かす!旧時代の機械化兵装、マシンアームを装着した冒険者、クロームフィストである!四本のマシンアームが唸りを上げ、ペラドンナに襲いかかる!常人ならば容易く引き裂き、無慈悲に解体されてしまうだろう!

 

『…なるほど、少なくともお友達じゃなさそうだね…』

 

曲芸めいた、しなやかな動きで華麗に回避!不意打ちを食らったとはいえ、ペラドンナもまた冒険者であり、常人ではなく一騎当千の戦士である!

 

『悪いけど、先約があるんだよね!』

 

ペラドンナの背中から、コウモリめいた禍々しい翼と、悍しく捻れた角が生じる!何と!人前には殆ど姿を見せないとされる魔族である!魔族は魔物と人間の特徴を併せ持つ、稀有な存在である!魔族の冒険者ともなれば、研究者でもあるクロームフィストにはまたとないチャンスだ!

 

『解剖したい!今すぐに!だから死ねーッ!』

 

今度は解剖用丸鋸を連続で射出!鉄骨すら切り裂く威力の、文字通りの必殺である!ブーメランめいた挙動で、風を切り音の速度でペラドンナに迫る!

 

『刃物はダメだって!』

 

何と!これをシールドスペルで完全に防いだ!一体どんなカラクリか!?

 

『馬鹿な!タワーシールドでもなければ防げないはずなのに!』

 

見よ!何処からか取り出した油が、シールドスペルを更に包んでいるではないか!いかに鋭い刃物であれ、油分を多く含んだものは実際斬りにくい!

 

『お返しだよっ!』

 

ペラドンナの反撃!紫色の雷を一本に束ね、ジャベリンの如し投げつける!これは魔族が得意とする、特に強力な闇魔法の一種である!

 

 

『やめろー!』

 

雷の大槍が心臓に命中!背部のジェネレータもろとも完全に破壊し、クロームフィストは糸の切れた人形のように倒れ込む!死因は紫の雷撃による心臓発作である!

 

 

「素晴らしい!」

 

いつの間にか蘇生していたピンチベックが、命の恩人に惜しみない拍手を送る!密室という不利な状況下でも勝機を見出し、激しい攻防で生じた僅かな隙を突いた、見事な闘いだった!

 

 

『ありがとう!でも失神した状態から自力で蘇生するなんて、やっぱり噂通りの生命力だね!』

 

 

「ストゥーピスト、彼にも感謝しなければ。こんなに優秀なボディーガードをよこしてくれるとは、全く、彼の人脈は恐ろしさすら覚える。」

 

 

 

『…………え?』

 

 

 

「…………ゑ?」

 

 

 

ジリリリン!ジリリリン!

 

ガチャ!

 

「はい、もしもし!」

 

『あ、ピンチベック?お前の所にさぁ、俺の知り合いのぉ、ペラドンナって奴来てる?』

 

「あぁ、来ているが。彼女は相当の凄腕だな。さっき気絶した時、暗殺者に狙われたんだが、彼女がすぐ倒してしまったよ。いや、何とお礼を言ったらいいのか。代わりといっては何だが、貴方が困った時は、私が喜んで力を貸そうじゃないか。」

 

『彼女?あいつまだあの格好してんのか。まぁ、お前もそっちの方が好都合か。あんな奴だが、決して悪い奴じゃない。精々仲良くしてやってくれよ。』

 

「おや、彼は男性だったのか。これは大変失礼な事を言ってしまった。後できちんと謝っておかねば。それと聞きたいのだが、彼の事は一体幾らで雇ったんだい?額によっては私が負担するが。」

 

『タダだけど?』

 

「情に厚い方なのだな。見ず知らずの私の為に来てくれたのだ。無論、手ぶらで帰すつもりはないさ。」

 

『あぁ、あいつもそのつもりだろうよ。』

 

「つまり?」

 

『魔族っても色々いるだろう?デーモンとかデビルとか夜鬼とか。で、あいつはインキュバスって言う種族で……つまりお前自身が報酬になることだ。』

 

「成程、覚えていろ。精々夜道に気を付ける事だ。」

 

『じゃあな!』

 

ガチャン!

 

『お話、終わった?』

 

「あぁ…終わった。」

 

まぁ、案外こんな日も悪くは無いのかも知れない。人の厚意は素直に受け取るものだな。しかし私は誠意を示し、彼の勇敢な行動に感謝する義務があるのだ。

 

 

『へぇ…僕は君の顔、悪くないと思うけどね。』

 

「そうか、ありがとう。」

 

『じゃあ…始めようか♡』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人は向き合い、チェスを始めた。

 

 

第九幕 完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




残念だったなぁ、健全さ。男の娘はアメリカの発明じゃありません。日本の発明です。暫し遅れをとりましたが、今や巻き返しの時です!



次回も楽しみにお待ちください。コメント、評価は大歓迎です。お気に召しましたら、お友達やご家族に布教して頂けるととても嬉しいです。

それではまた、次回お会いしましょう!

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