神代類の実験台   作:ふぇり

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神代類 暴走する

 

「司くん、いい演出を思いついたよ、少し聞いてくれるかい?」

 

「おお早速か!どんなアイディアだ?」

 

僕達はいま、天馬くんが書いてくれた台本を読みどんなお話か確認をしていた。

 

内容としてはオーソドックスな英雄譚で主人公の王子ペガサスは人々を苦しめる魔王を倒すべく旅に出て、道中仲間を見つけ、まずは村を苦しめるドラゴンを退治、そして最後は魔王を倒したペガサスは英雄として町に戻っていくというお話だ。

 

話の内容を理解した、神代君が早速演出を思いついたらしい。....余計なことを言わなければいいのだが。

 

「観客が王子ペガサスに深く感情移入できるように、過酷な旅の始まりへの強い決意を表現したい」

 

「ふんふん」

 

「そこで、雷を落とそうと思う」

 

「なるほどなるほど....雷をねぇ....」

 

え?

 

僕の頭にも雷が直撃したような気がする。

 

「ふんふ... うん?」

 

.......もう一度確認したい。なんて言った?この神代さん。雷を落とそうって言ったのか?...え?死ぬよ?

 

「雷!?カッコイイ!!」

 

「鳳さん!?カッコイイの問題じゃないから!?最悪死に至るから!?」

 

「だろう?そして丁度ここに、プラズマを発生させる装置がーー」

「いやいやいや!なぜそんな物がある!?」

 

これには深く天馬くんに同意だ。

 

「こんなこともあろうかと思って用意しておいたんだよ、司くん」

 

「いい顔をするな!だいたい、そんなものどう考えても危険だろ」

 

「装置を舞台上に固定しておけば、お客さんは安全だよ。触ったら死ぬけどね」

 

.....なんて軽々しく"死ぬ"と言う言葉が出てくるんだろうか恐ろしすぎる。

 

「オレのリスクが高い!」

 

多分...天馬くんのリスクを減らすために僕が実験台になって調整する型になるんだろうな....命が幾つ会っても足りない気がする。

 

「あーあ。また始まった...」

 

「また?」

 

「....類はショーでやったら面白そうなことを思いついたら、かたっぱしから試しちゃうのそれでよく、クラスメイトを体育館で宙吊りにしたり、プールで水責めにしたりして....」

 

あぁ...そんなこともありましたね...まぁ、僕が結果的に全て受けているんですけど...。

 

「そんなんだから、最初はショーをやろうと言ってくれた人も離れていっちゃうんだよね。...でも博(実験台)がいるからその役目は博になってるんだけど」

 

「ええ〜!博くんだけズルい!!」

 

「いや...ズルいって言われてましても...本当に命に関わることだからまぁやるとしたらそれなりの覚悟は必要かもね」

 

そんなことを話していると話を聞いた天馬くんが僕の肩をポンと優しく触ってきた。

 

「博...オレはお前のことが心配になってきたぞ...」

 

え!?いま凄い可哀想な目で見られてなかった!?

 

「とにかく!そんな危険な演出は絶対にダメだ!」

 

「そんな...どんな演出にも12000%の結果で答えてみせると言ってくれたのに.....!そういうことなら、残念だけど僕は演出家を辞退しよう。水上くん、寧々、後は頑張ってーー。」

 

「えー!やらないの?ステージで雷がピカーってしたらとっても目立つのに!」

 

まぁ...目立つは目立つけど...逆にお客さんに心配されそうで怖い。

 

「!?目立つ......!!」

 

おい。今、目立つで反応しなかったか?この自称スターさん。

 

「た....確かに、目立つな。雷が落ちるなど前代未聞....かなり話題性がある」

 

「お客さん、いーっぱい集まっちゃうかもしれないよ!」

 

もし、失敗したら逆の意味でお客さん集まっちゃうよ...?

 

「うっ...類。....ちょっとくらいならやってもいいぞ」

 

「え?」

 

「べ、別に目立つという理由じゃないぞ。『嘘つけ!!!』斬新さはスターのショーに必要不可欠だからな!」

 

この人、嘘ついてます!!!ただ単純に目立つからやりたいだけの人です!!!

 

「......へえ。....それじゃあ...ドラゴンと戦うシーンで火炎放射器を改造した装置を使ってみてもいいかな?」

 

「な、なに!?」

 

「あとは、魔王と戦うラストシーンで、10メートルほど飛んでみるのはどうだい?以前、足立から強風をあてて浮かせる装置を作って見たんだ、あのシーンで使ったらきっと面白いんだろうあ」

 

ヤバい...完全にスイッチ入ってるわ...。

 

「ど、どっちもメチャクチャ危険では...」

 

はい。何を今更、メチャクチャ危険ですよ。

 

「だ、だが、どちらも目立つ...!!ならばスターとしてはやるしかない....!!」

 

もうダメだぁ...!!天馬くん...もう君は目立つ為なら何でもやってしまう男なんだね.....。

 

「わーい!とっても楽しそう!他には他には?」

 

「じゃあせっかくの屋外ステージだし、滝をつくって...」

 

いや...まって、ちょっと待ってよ!?とてつもなく嫌な予感がするんだが....。

 

「おいっ!?ちょっとまって!?色々な案を出して行動に移すのはいいと思うんですが...それぞれの機械の実験誰がするのか分かって言ってます!?」

 

「水上「博だろ?」くんでしょ!頑張ってね!!私もやりたかったなー!」くんに決まってるじゃないか何を今更言っているんだい?ハッハ☆」

 

「.....あ...はい。頑張らせて...頂きます」

 

僕...生きて帰れるのだろうか...?

 

「....これ、どう収拾つければいいわけ?」

 

1人悩む寧々さんであった。

 

 

 

そして、あれこれ色々、案が出ていき、みんな夢中になって話をしていたらいつの間にか日が暮れていた。

 

「ふう....気づけば演出の話だけで日が暮れてしまったな...。明日は朝7時に集合!入園用のスタッフカードは各自持って帰るように!」

 

「「「「はーい」」」」

 

という感じでそれぞれ別れ、僕は久しぶりに2人の幼なじみと帰っていた。

 

「....珍しく機嫌いいじゃん」

 

ふと、寧々さんが神代君にそう呟いた。

 

「ん?僕はいつでも上機嫌だよ?それじゃあ、水上くん、寧々。僕はここで」

 

「え?どこかに寄るの?」

 

「ああ。舞台装置を改良するのに、足りないパーツがあるんだ、さて、どこから手をつけようかな...?」

 

「あんまり無理をしないでね神代君」

 

「それ、博も言えた事じゃないから」

 

「...あはは...気をつけます」

 

ほんとに仰る通りです。

 

「それじゃあ水上くん、寧々を頼んだよ?」

 

「うん。」

 

そう返事をすると神代くんは違う方向へと歩き去っていく。

 

隣にいる寧々さんを見ると微笑みながら神代君の後ろ姿を見ていた。

 

 

時刻は夜を超えて、朝の7時になる。今日もワンダーステージでみんなと集まっていた。

 

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ.....」

 

「へー。口先だけかと思ったらわりと演技もダンスもできるじゃん」

 

「うーん、とはいえ、それはペガサス王子の戦い方として適切かな?もっと体の使い方を考えて欲しいな」

 

「じゃあこれで...どうだっ!」

 

「動きは格段に良くなっているね。ただ...だからこそ、物足りなさを感じるよ」

 

「ハァ、ハァ、ハァ....。も、もう1歩も動けん...!!」

 

「おやおや、もう音を上げるのかい?」

 

「くっ....!!お前...想像以上にスパルタだな...」

 

まぁそれだけショーに力を入れているって事かな?

 

「自称スターもしかしてスランプ?」

 

寧々さん...相変わらず毒舌だなぁ。

 

「ええい、そんなわけあるか!...だがしかし、何かヒントが欲しいな...。」

 

「あっ☆それならあそこに行ってみようよっ!」

 

天馬くんが悩んでいると鳳さんが1つ提案を出した。

 

「あそこ?どこかいい場所があるのかい?」

 

神代君が聞くと自信満々に鳳さんが答える。なんて可愛いらしいんだろう。

 

「うん!私のスマホに『UntitIed』って曲があってミクちゃん達のいるセカイに行けちゃうんだよ!」

 

ん?ミクちゃん...??ミクちゃんって..あの?まさか...

 

「....お、鳳さんミクちゃんってもしかして初音ミクのこと言ってる?」

 

「うん!そうだよ!!」

 

いや...まって...理解できそうで理解できそうにもないんだが!?セカイ!?初音ミク!?え??

 

「UntitIedってお前のスマホにもあの曲が....!?えむ、お前まさか、またあの妙な場所へ行くつもりか!?」

 

「うん!いつの間にか入ってたんだー♪司くん!類くんと博くんとネネロボちゃんのことミクちゃん達に紹介しに行こー!」

 

「あ、おいやめろー!!!」

 

と天馬くんが鳳さんを止めようとするが間に合わず曲が再生された同時に僕の視界は真っ白になった。

 




最後まで見て下さりありがとうございます!
1発書きなんで、所々変な文章があると思います...。報告してくれたら嬉しいです.....。

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