インベントリの無い甘粕は、抱えるほどの大きさの真珠によく似た宝玉をしまった。
再登山の手間と死亡リスクを天秤にかけ、月の火山の煙が流れる先にある惑星へ飛び交う流星を足場にして進む。
途中、火星の横に差し掛かると小惑星帯が出現しており、木星に続いていた。
木星は流体のクリーチャーが足場のないガスの中を流れていたが、術技を解禁された甘粕に残らずガラスのような固体に変えられ、諸共粉々に砕け散った。
:原子力って本当にこんな風になるの?こわっ
:勘違いしそうだけど、こんな体感型ゲームクリアできねえよ
:惑星間の距離が縮小されてるのが親切にみえてきた
第四層は三百度を超す高温の水星だったが、盧生を阻むことなく攻略され、盧生たちは、シューティングゲームの自機のような宇宙船の操舵室に乗り込んだ。
運転がクリームヒルト、砲手が甘粕だ。
:かっけー
:いいなー(なお安全性)
そして、船が向かった先には蒼い地球があった。
オートに切り替え、四四八たちが窓から窺っていると、突然地球が真っ二つにずれて、南半球の断面から現れた切り絵のような真っ黒な手が船を鷲掴み、内部でアラートが響く。
爆発音と共に激しく揺れ、欠けた装甲をまき散らしながら波に揉まれるように船が放り出された。
操縦席に座っていたクリームヒルトが船を安定させる。
「乗ったまま戦えと?まさかアクションシューティングか」
「甘粕に術技でも撃たせておけ」
「<権能召喚・詠段『
しかし、南半球の断面の暗黒は、それをそのまま飲み込んでしまった。
「術技は撃てるようだな」
「何故こうも非生物が多いのだ。私にできるのは操縦といざという時の<天性の武勇・詠段『屍山血河』>ぐらいか?」
躱しながら搭載されていた武装で一方的に攻撃していると、切り離されて漂っていた北半球がぶくぶくと膨張し、歪なUFOが出来上がった。
UFOは高速で南半球の周囲を廻り始め、船の攻撃を迎撃する。
「甘粕!船は動かせるな?俺とクリームヒルトであれは直接叩く」
UFOに2人が乗り込むとすぐに糸が切れたように止まった。
「甘粕!UFOに搭載されていた反重力砲を撃つから、後退しろっ」
「そちらも楽しそうで良いな」
:ジャンル忘れそう
放たれた砲弾が暗黒に吸い込まれると、闇が収縮して消滅した。
あとに残ったインベントリの無い甘粕のドロップ品は宙に放り出されて消えていく。
「酷い迷宮だった」
:ひとまず、乙ー
:甘粕ドロップで詰まない?
:※甘粕のドロップはスタッフが回収しました
【白金鉱山が通行可能になりました】
十四才神スケールなら地球サイズは小さい方(゚∀。)y─┛~~