3人はゲートを通って、自宅に戻り休息を取った。
「面倒なだけあって、まともな報酬は用意していたらしいな」
「四四八もか。お互い手の内を見せて、今後の動きを決めよう」
「俺が新たに取得したのは<不屈・急段『
「私は2つ増えたぞ。<メメントモリ・急段『カルペ・ディエム』>と<天性の武勇・急段『最適化』>だ。前者は迷宮内で自宅の機能が使用できる。成長も可能だ。後者はステータスの一時的な振り直しができる。甘粕はどうなんだ、あの迷宮でも使えそうか?」
「勿論だ!<権能召喚・急段『斯く在れかし』>は俺自身をより高みに押し上げる!」
四四八があきれ顔で訊く。
「お前の<切磋琢磨・急段『限界突破』>とは違うんだ」
「相乗効果があるぞ!『限界突破』をステータス倍化だとすれば、まあ10倍ほどか?」
「余計な物を壊す予感しかしないんだが」
「何、ステータスと言っても数字のみには収まらん。術技の対象を選べる上に、威力増減も出来るぞ!」
「なら最初から対象選択を持って、今の段階で威力を上乗せすれば良かっただろうに......。黄錦龍は、何だ?」
「もう棺桶ではないなあ!」
「いや、最初から棺桶か怪しかっただろ」
黄錦龍は、模型サイズの中華風の宮殿と化して甘粕の頭上に浮遊していた。
「いくら柊聖十郎の作ったアンフェアなゲームとは言え、お前は好きにしすぎだろう。どうなっているんだ」
「全くだ」
お互いの術技を確認し、装備を整えた盧生たちは再び
入口で甘粕が敵のみに対象を絞り、『神の杖』を迷路を埋め尽くす程に連射して一掃する。
「一気に行くぞ!」
地形の変形などは起きなかったため、迷いなく盧生たちは進み、前回の撤退原因となった虎と鉢合わせる。
「まあ、装備も整えて、能力のネタも割れているからなあ」
そういって四四八は虎を空中に打ち上げた。
そのまま空中で畳みかけ、虎は大地に帰る事なく、水しぶきのように弾けて消えていった。
その後も迷路を進んで行き、ついに十字架の前に辿り着いた。
すると上から声が響く。
「ふん、生意気にもここまでは辿りつけたようだな。だが、ここで終わりだ」
蝕楔十字『逆磔病崇』
「まずは不遜にも俺の領域を侵すウイルスに退場してもらおう。仕様外の動きをしたのだ、報いを受けるがいい」
その言葉と共に、甘粕の頭上の城が初めから無かったかのように消えてしまった。
:あれ、割と正論だぞ?
:バグ利用はBAN。当然だよなあ
「お前たちにこの身の病苦を教えてやろう。水晶のように脆く爛れて死ぬがいい」
そういうと画面が揺らめき、迷宮が変形する。
「<英雄の御旗・破段之壱『
盧生の居る場所だけを残し、迷路は熱波に中てられた飴細工のように崩れ、水晶から不吉な色の煙が彼らの方へまっすぐ流れてくる。
迷宮を支えるのは水晶の十字架だけだ。
「四四八、あとどれぐらい持つ!」
「倒すまで持たせる!甘粕っ、クリームヒルトっ、俺をあの十字架に送ってくれ!!」
「応っ!」
「任せろ!」
『逆磔病崇』に直接的な攻撃は無いらしく、ひたすら悪循環を断ちながら、十字架に向かう。
「いつまで無駄あがきをするつもりだ。その不相応な椅子から降りろ。この忌々しい病魔と共に電子の藻屑と消えるが良い」
十字架に3人の姿が映り込み、ギシギシと十字架が軋む音を出した。
「甘粕、クリームヒルトっ!力を借りるぞ!<不屈・破段『
「在るべき姿と還れ!<英雄の御旗・破段之弐『
その一撃で水晶の十字架と不吉な煙は清浄な光に溶けて消え、その場に柊聖十郎が現れる。
彼を中心に迷宮と煙が再生成されていく。
「その程度で俺の死病に
「そろそろ帰せ。俺に嫁と正月を迎えさせろ」
「お前たちが
「まだ何かしらあるのか?」
「俺より劣るお前たちはここで病魔と共に果てよ。干キ萎ミ病ミ枯セ。盈チ乾ルガ如、沈ミ臥セ。生死之縛・玻璃爛宮逆サ磔!」
悪循環を断った盧生たちの身体が、先端から水晶に変異していく。
「ひとまず仕切り直させて貰おう。<メメントモリ・急段『カルペ・ディエム』>!」
クリームヒルトが術技を発動すると盧生たちは自宅の中に転移した。
「外はあの病魔の水晶と柊聖十郎がいる。術技が破られる可能性もあるから直ぐに成長させるぞ」
「ああ」
3人はそれぞれ寝室のベッドに触れ、成長を行う。
:寝なくても出来たのか
「『逆磔病崇』は倒してたんじゃねえか。乱入すんなよ」
やっぱセージにはよっしーよな(゚∀。)y─┛~~