闘救盤は中央に穴の空いた正方形のフィールドである。
四隅がそれぞれ別の組になり、天門・風門・鬼門・裏鬼門と呼ぶ。
天門・風門・鬼門・裏鬼門はそれぞれ代表となる方位神を定める。
中央の穴が目指すべき太極であり、ここに辿り着くことがプレイヤーたちの目的である。
方位神は自陣が半数以上太極から脱出するか、他の方位神を太極に落とせば勝利。
他のプレイヤーは太極に入ることが目的である。
各プレイヤーは行動権である『赤紙』を2枚と自身の分身となる2寸程の硬球を2つ所持している。
天門・風門・鬼門・裏鬼門の順で手番が回る。
手番の来た陣営の方位神はプレイヤーを1名指名する。
指名されたプレイヤーは赤紙を引き換えに2寸程の球を投擲もしくは蹴ることができる。
方法は自由だが、干渉できるのは一度のみで、他の球にぶつかった場合、球に弾かれて移動する。
赤紙を全て失った状態で陣営の手番が終了すると行動不可になる。
中心にある太極に入れるもしくは自身が入ると、このアプリケーションがアンインストールされる。
『カッスー、こっちはプレイスキルピンキリなのに、そっちは凄腕2人でズルくない?』
『カッスたちが半数脱出狙ったら勝負にならないって』
「なんだ、弱腰ではないか。だが、俺。我々、鬼門と裏鬼門は太極に
「同じでいいじゃないですか、しゃちょー」
『神野は黙れ』
:1チーム抜けたら他はどうなるの
「勝者は1組のみよ!」
『えー』
「問題ない。勝者が敗者に沙汰を下せる以上、俺かクリームヒルトが勝てば全員帰すことができる。そうだろう?」
「その通りだ!ああ、俺や神野が勝ったとしても、脱出を取り消すことは無いぞ」
:ほんとぉ?
:デスゲームの割に当事者たち結構冷静だな
:まあ、交流イベント参加する中でもカッスのイベントにエントリーする変態たちだからな
「なあ、そろそろ良いだろう?始めようじゃないか!天門からプレイヤーを決めて行動させろ。制限時間を付ける気はないが、あまり待たせるなよ」
「そうだな、ここに居る皆のスポーツゲームの熟練度を知りたい。まず、全く触ったことのないリスナーはどれぐらい居る?」
:人生かかってるから正直に言えよー
プレイ済みゲームタイトルとクリア難易度などから判断し、リスナーたちの実力を区分した。
【天門】達人5人 上級者76人 中級者512人 未経験103人
【風門】達人2人 上級者48人 中級者646人 未経験121人
「甘粕たちがどう動くかわからんからが、盤上がきれいなうちは1手で太極に入って貰いたい。中級者で挙げた中から志願者は......3人か。なら、お前から頼めるか。太極に向かって進めてくれ」
『はいっ!』
「太極に入ったら、入った後の報告をして欲しい。無ければログアウト成功したと考えよう」
赤紙を使用した1人は、球を地面に置いて中心に向かって蹴とばした。
障害も妨害も一切受けることの無かった球は太極の中に消えて行った。
:ほんとに操作の難度自体は一般向けっぽいな
:デスゲームだったり、相手がカッスだったりしなければ正月に家族でやってそう
:待ってこれ、一陣営千人でしょ?1人1分かかったら一巡でも66時間では?
:アマカス時間では「そこそこ」だから・・・
『待って、これどうしたってめっちゃ時間かかる奴じゃん』
『パーティーゲームのプレイ想定時間はRTAみたいなもんだからな。参加人数で倍率がかかる』
:カッスは細かいこと出来る癖に大雑把すぎるんよ
「次は風門だぞ!」
「私達の手番は、だ。お前にしよう。何、気楽に行ってこい」
『おおう。まあ、今やる方が気が楽か』
難なく2人目が太極に消えた。
「鬼門だがまあ、こうするよなあ!」
甘粕が投擲した球は、太極と天門の間に着地して止まった。
『はい』
『カッス!』
:へえ、魔王じゃん
「はい、蹴りましたよっト」
:天門のトップバッターです!ログアウトというか強制的に退出させられました
:良かった!
:おかえり!
:そんな目に遭って配信に帰ってくるとか強い
続く裏鬼門の神野は太極と風門の間に球を残した。
鬼門と裏鬼門の球が止まった場にはそれぞれのシルエットが残された。
『これ、太極に入れすぎると抜けれなくなる?』
『むしろ方位神弾き出されて、負けかねんぞ』
『防御にもプレイヤー振らないと。俺志願しますよ!』
「そうだな、防衛に協力できる者はどのぐらい居る?」
『はいっ』
『救出チームを信じてるんで!』
「合わせて、317人だな」
:数えるの早っ
「防衛志願者に限らず全員に言っておく。俺達の協力者も現実側から攻略している、気負うなといっても難しいだろうが、自分を追い詰めすぎることのないように。俺達は必ずお前たちを無事に帰す」
次回で決着。
3月に小説自体が完結予定
次回投稿は2/14です