神戸スプロールは覚醒以前から行われていた政府主導の企業誘致によって、近年においても特定企業の企業城下町とならずにすんだ数少ないスプロールです。
更に霊峰六甲を北面に持ち魔法産業も活発で、神戸市主導の企業誘致が今でも行われております。口が悪い者は神戸コーポレーションと呼んでいますが、神戸市はそれを誇りとして、神戸市のコウムインは自らを冗談交じりにシティーオフィサーではなくコーポレートオフィサーと呼んでくれと口にします。
しかし、その繁栄も2061年の震災によって陰りが現れます。この震災によって神戸の貴重な財源であったポートアイランド研究要塞都市及び西神工業地帯に壊滅的な打撃が発生したのです。この状況から復興するために多くの企業が影響力を増していき、かつての経済都市神戸コーポレーションは姿を消しつつあります。
神戸スプロールは主に以下の8つのエリアに分かれています。
・三宮エリア
・元町(南京町)エリア
・ポートアイランドエリア
・西神エリア
・六甲アイランドエリア
・新開地エリア
・岡本エリア
・灘エリア
・三宮エリア
三宮エリアは官庁街と社会適応者向けの安全な歓楽街で構成されています。ここはJRとシアワセ電鉄(旧阪神・阪急電鉄=SR)の駅が集まっており、神戸スプロールの玄関口となっています。
このエリアでは、酔いつぶれて路上で寝込んでも朝日を拝めると評判で、20世紀後半の治安を維持しています。ここの治安は神戸市警とヤクザによって維持されています。
神戸市警は自らの企業権益に対して便宜を狙っている企業が提供している警備スタッフです。企業同士の確執はあるものの概ねうまく運用されています。
また、ヤクザは隣接する元町エリアの三合会からの影響を抑えるための絶え間ない努力により、ヤクザの影響力が強くいわゆる半端者の事件が少なくなっています。
また、三宮エリア北部にはかつてからの観光地である異人館が残っており、海外や国内の余所の土地からの観光客も足繁く通っています。
・元町(南京町)エリア
中華街と呼ばれ、華僑が多く住むエリアです。
三宮エリアとは違い三合会が影響力を持っています。しかし、元町エリアは観光地としての側面も持つため治安はよく保たれています。
比較的日本人が多いこのスプロールにおいて外国人が多いエリアでもあります。
また、五行公使の支社もこのエリアにあります。
このエリアでは怪しい様々な素材がひっそりと売られている店が数多く存在します。食材として呪文素材が売られていることも決して珍しくありません。
・ポートアイランドエリア
1900年代末期より、北部は住宅地、南部は研究都市として開発がされてきた人造島です。
しかし、VITASによって人口が減ったため、住宅地部分がゴーストタウンとかしました。そこで、神戸市は巨額の資金を投資しこの島を研究要用塞都市として作り替えました。幸いには、この島の南には国際便の発着が可能な神戸国際空港があり、当時すでに世界的に名前を馳せていた理化学研究所があったため、誘致は容易でした。2050年頃までバイオ技術系企業がこの人造島に研究所を置き中立的に基礎技術を開発する(ということになっている)理化学研究所との共同研究を行っていました。
この島内はポートアイランド運営局が維持管理を行っており、彼らには企業自治権と同様の権限と武力が与えられています。これによって画期的な技術シーズを持つベンチャー企業がセキュリティーに資金を費やすことなく研究を行っています。
しかし、このエリアは61年の震災で完全な更地となりました。その上、多くの研究者が命を失ったことによるドメインの偏重及び本来無いはずであったバイオ生物及ぶ細菌類が海に流出し深刻なバイオハザードが発生しました。即座にシアワセ・エンバイロメントが神戸市に打診を行った結果、バイオハザードが拡大することは食い止められました。しかし、現代でもこの近隣海域では生物学的にも魔法的に異常な生物が現れることで知られています。
現在このエリアは、シアワセ主導の学園都市として整備し直されています。震災で壊滅した関西圏の学園を誘致統合し、神戸国際総合学院が設立されています。この学院に対してシアワセを筆頭に不思議なほど企業からの横やりが無く開放的な方針の総合学院が運営されています。
・西神エリア
かつては工場地帯であった六甲山脈中腹の工業地帯です。覚醒に伴って六甲山が密林化した際、神戸市が複数の魔術師を雇い環境共生都市へと作り替えました。その後、このエリアが龍脈上にあることが判明し、多くの魔法系企業が研究所を配置しました。
現在では、神戸市が龍脈を維持管理するために複数の様式の地霊魔術師を雇っており必要に応じてドメインを変異させるサービスも行っています。
また、このエリアへのルートは三宮エリアから出ている地下鉄のみです。この地下鉄を維持するために複数の魔術師が日々儀式を行っています。また、ここは魔法的な結界も張られており、常時精霊が巡回警備を行っています。この結界を維持するために各企業の研究所が一定の配置をされているとも言われています。
空か物理的に侵入することは簡単そうに見えます。ですが六甲山の上空では多くの計器類が乱れ、目視とマニュアル操作による操縦を要求されます。この為、無事に目的地に到着することができません。
・六甲アイランドエリア
かつてはポートアイランドと繁栄を競っていた人造島です。
ところが、2061年の震災により構造材に致命的な液状化が発見され、現在は閉鎖されゴーストタウンと化しています。
再三取り壊しのプロジェクトが立ち上がりましたが、予算を理由に現在まで一度も実現していません。
ここには、かつてのメタヒューマン隔離政策から逃れるために、隠れ住んだメタヒューマンの末裔が現在でも多く生活しています。彼らの多くは正職に就けないため、神戸市沿岸での海賊行為やハッカーなどで生活の糧を得ています。また、多くの中国からの密輸品がここで水揚げされ、様々なルートから国内へと流入していきます。そのためスマグラーも多くいます。
しかし、彼らにとって見知らぬ“よそ者”は常に危険と同意で扱われるため、多くの犯罪組織が六甲アイランドへの影響力を増大させようとしているにも関わらずいまだに成功していません。
・新開地エリア
東部は下層階級の住居と安酒場、風俗街が建ち並ぶ猥雑な活気ある街。一品物を作る職人やメガコープが作っていては割に合わない小物を作らされている下請け業者の街でもあります。総じて治安は悪くケンカも絶えません。繁華街には地元商店会が組織している自警団はいます。
自警団は殺人事件や店に被害を与えるのでなければ特に干渉はしません。
西部はすでに見捨てられたゴーストタウンとなっています。かつてはメガコーポの大型工場が建ち並んでいましたが、それらも度重なる海外移転で廃墟と化しており、ストリートキッズが雨露を防ぐために利用しています。当然ながらストリートキッズなどのギャング団以外の治安組織はありません。
・岡本エリア
かつてからの高級住宅街。朝などは企業のエグゼグの乗ったコミューターへりが大阪スプロールや神戸スプロールへと数多く飛び立っていく。閑静な住宅街で、エリア近くの道路では常時ローンスターが検問を行っており、入るためにはSINの提示が必要となる。当然ながらJRやSRの駅でもSINの確認を求められる。
・灘エリア
中流階級の住宅街。多くのウエッジスレイブがこのエリアに住み、ラッシュにもまれながら出勤していく。
主要犯罪組織
山口組
神戸の岡本地区に本拠地をおくヤクザ。
渡田連合の傘下にあり古き任侠として神戸地区の治安に貢献している。
しかし、その治安活動はあくまでも自分たちの利益を護る為の行動であることを忘れてはならない。
元々のヒューマン至上主義思想は根強く、今生帝のメタヒューマンへの扱いの変化に対して対応ができないものが古参メンバーに多く組織内部での断絶が広がっている。
万獅子会
香港で壊滅した三合会組織黄蓮会の残党により作り上げた犯罪組織。
日本での影響力が弱いことから暴力的になる傾向がある。
また、地脈操作などのノウハウを十全に保持していることから、神戸市の実施するポートアイランドや西神地区の平定に貢献し五行公司の構成員として神戸市に影響力を行使することができるようになってきている。
主要企業
シアワセ電鉄
関西スプロールの電車、バス、土地開発に圧倒的な影響力を持ち社会インフラを支える企業の1社です。
前身である阪神電鉄の保持していた球団阪神タイガースを保持しており熱狂的なファンは健在。
五行公司
元町地区の華僑を中心に影響力を持つビッグ10の1社。
特に風水の知識を生かした神戸市へのコンサル業務により外資系企業としては破格の影響力を手に入れている。
ヤマト運輸
日本のAクラスメガコーポ。
日本を中心にアジア圏でシェアを伸ばしており、近年AAクラスになるのではないかと噂されている。
単純な市場シェアで言えば飛び抜けているわけではないが、その売上と収益率は郡を抜いている。
この理由としてヤマト運輸が万全のセキュリティーによる確実な輸送を謳い文句に金額によらない商売を展開し成功してきたことが上げられる。
ヤマト運輸は都市間の治安悪化に対して民間保障警備会社の資格を取得し自らの防衛力を底上げしたことが現在の礎を築いたと考えられている。
当初は他企業の退役軍人などを中心に整備されたセキュリティーチームも現在は質量共に充実し、実際の都市間輸送トラックを警備するリガーとハッカーを中心とした警備チームは実戦
経験も豊富で防御車両を駆使した簡易防衛陣地を展開すれば、レンラクのレッドサムライやシアワセの神の武士とも対等に渡り合えると言われています。
また、営業エリアを緊急ジェットで10分以内にSWAT部隊を投入できるかを基準に分割しており、輸送トラックが襲撃を受けた場合、直ちに投入できる体制が整えられている。
また、以前AAメガコーポヤカシマとの抗争により関西支社が甚大な損害を受けたことを教訓として黒猫忍軍と呼ばれる諜報部隊を要している。
彼らは信頼できるランナーチームの名簿を独自に整えており明確に襲撃が予想されたり緊急対策などでランナーを雇うことがあります。
ランナーの仕事としては珍しく合法的な仕事が多く、多くの場合は任務中に使用するための限定企業SINが発行されます。
組織構成
ヤマト運輸は三部門から構成されており、それは配達、長距離輸送、後方支援です。
配達部門
配達部門は都市部まで輸送された荷物を配達先に届ける部門です。
基本的にツーマンセルを基本として市民レベルで合法的な武装を身につけています。
通常は一方はボディガードの訓練を受けており最悪の場合でも1人で荷物を届けるように徹底されています。
もう一方も一般的な軍隊訓練を受けています。
※特殊輸送部隊としてデルタグレードのサイバーウェアに身を包み車両が入れないような場所に背負子を背負い荷物を届ける背負子部隊も居る。
長距離輸送部門
治安の悪い非都市部を輸送する精鋭部門です。
通常はリガーとハッカーの指揮官2人と複数のサムライや魔法使いで構成されたチームで輸送を担います。
特筆すべきは荷物の保全を最優先しており、襲撃を受けた場合は防御車両を駆使した簡易防衛陣地を構築しスワットの到着を待ちます。
しかしながら、輸送トラックと最低2機の防衛車両搭載の最低3門のオートキヤノンと射撃の腕前、アルファグレードのインプラントは並みの強盗団で打ち破れるものではなく、最近は襲撃を受けることも減っています。
後方支援部門
緊急配備されるスワット部隊と事務スタッフ、諜報部隊で構成される部門です。
事務部門の部署長は必ずハッカーが配置され、通常はバックアップに複数のハッカーが配置されます。
必要であれば電子戦を仕掛けることも想定されています。
スワット部隊は重火器による仮借無き火力による攻撃を前提とした部隊です。輸送機の操縦は電子戦に長けたリガーが行い現地到着後は長距離輸送部門の指揮下に組み込まれます。
諜報部隊である通称黒猫忍軍は様々な場所で受付業務を行う担当者や物資や資金の動きを追うコンサルタント、主婦の傍ら情報提供する草などで構成されており、的確な防衛計画の立案の中心存在です。
藤原清美
「ヤマト運輸の藤原清美でございます。皆様に依頼がありお電話差し上げました」
ヤマト運輸関西支社長。
元クレーム対応オペレーターながら、過去の関西支社襲撃事件の際に一般社員を叱咤激励し、見事に支社のホストコンピューターとお客様の荷物を守り抜いたことで大抜擢された人物。
関西のブラックオプ全てを統括しており、関西スプロールでは彼女からの直通連絡を貰えるようになれば一流の証とも言われている。
関西支社襲撃事件(通称:黒猫抗争)
ヤマト運輸とヤカシマの抗争事件。
ことの発端はヤカシマがヤマト運輸の輸送能力に目をつけ意図的に囮や他メガコーポに狙われそうな荷物を依頼した上で敵対企業にその情報を流したことです。
これによりヤマト運輸の防衛部隊に甚大な被害が出るとともに何度か荷物を失う事態に至り、ヤマトはヤカシマの行為を悪質な営業妨害として企業法廷に対して提訴を行った。
喚問前に、最重要の資料があると思われた関西支社にヤカシマが襲撃部隊を送り込みヤマト運輸は多大な損害を出した。
しかし、結果的にデータは死守され企業法廷ではヤマト運輸の要求がほぼ認められる形を取った。
この事件による他メガコーポとの実戦経験と多額の賠償金によりヤマト運輸は更なる躍進を遂げたと考えられている。
参考文献
Shadow of Asia:2064年のアジア地区を紹介したサプリ。日本帝国全体と新東京、関西スプロール、長崎、伊勢について解説している。
Corporate Enclaves :2071年の新東京を開設したサプリ。
ロール&ロール40、104-110:Corporate Enclavesの新東京に関する解説の要約(日本語)
帝都の天使たち:新東京を舞台とした日本語のリプレイ。天使シリーズの4巻。