白石競走記   作:華燈始

21 / 53



21.避暑

さんさんと輝く太陽がアスファルトを照りつけ、頭上だけではなく足からも体を焦がす。

今年の7月は例年にも増してひどい暑さだ。

私は寒さには強いのだが、そのせいか暑さには滅法弱い。

幸い、来月の札幌記念は北海道で走るため、快適に走れるだろう。 小倉記念のようなレースには絶対に出られない自信がある。

 

うざったい暑さを耐え抜けば、トレーニングタイムに突入だ。

はやく汗で濡れた制服を着替えたいと思っていたからか、部室にはまだ誰も来ておらず、私は一人でジャージへと着替えた。

 

「おーす、お! はえーな 」

 

と二番目に部室に来たのはゴールドシップ。

彼女は、良くも悪くもマイペースな性格なため、暑さとかを気にしてないように思うが、どうなのだろうか。

「なーんか、最近暑くねぇーか? 太陽の奴…その程度でこのゴルシ様に勝ったと思うなよ 」

 

彼女が太陽に対して(?)恨み節をはくということは、それなりに暑さにうんざりしているようだ。

まあ、先週まで雨続きだと思ったら、急に30℃越えの猛暑日がきたのだ。誰でも恨み辛みを感じることだろう。

 

「そうだ! 今度、マックイーンも誘って海行かね? 太陽なんかに負けないために! 母なる海のエネルギーを吸収しようぜ! 」

「海? 海かぁ 」

 

確かに、真夏日の避暑としては常套手段の一つのだろうが、私はもうすぐ札幌記念が控えてるんだよなぁ……。

それに、あのストイックなマックイーンが海に行くとは限らない。 彼女のことだから、ホープフルに向けてトレーニングしなければ、と言って断るのではないか。

このような旨をゴールドシップに伝えたが

 

「マックイーンはアタシが説得すれば来てくれるぜ。 それに、アタシとマックイーンが夏合宿に参加できるのは来年から、そうすっとオメーとは一回しか夏を楽しめないんだぜ? 瞬間、瞬間を大事に生きなきゃ、学生生活なんてあっという間だぜ? 」

 

やや壮大過ぎるように聞こえるが、確かにゴールドシップの言うとおりだ。

私は中学2年の時にデビューしてしまったため、トレセン学園に来る前の約3年間で14戦の公式レースに出走している。

そのため、私は二人と学年も階級も違うのだ。 だから《シリウス》で二人と活動できるのは、今年と来年だけだ。

 

「…そうだね。 行こうか、海 」

「よっしゃあ! 海だ! 海! 焼きそば作りまくるぜ! 」

 

さっき言っていた海のエネルギーを云々かんぬんはどこにやったのだろう。 まあ、ゴールドシップが喜んでいるからあまりつっこまないでおこう。

 

……それにしても、後二年か。 二人といられるのも。

卒業後のことなんて、考えてないなぁ。

 




トレセン学園のウマ娘の卒業後って、公式が言及してたりすんですかね?
調べた限り、そういった話しは見つからなかったのため、本作では妄想全開で書きたいと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。