さんさんと輝く太陽がアスファルトを照りつけ、頭上だけではなく足からも体を焦がす。
今年の7月は例年にも増してひどい暑さだ。
私は寒さには強いのだが、そのせいか暑さには滅法弱い。
幸い、来月の札幌記念は北海道で走るため、快適に走れるだろう。 小倉記念のようなレースには絶対に出られない自信がある。
うざったい暑さを耐え抜けば、トレーニングタイムに突入だ。
はやく汗で濡れた制服を着替えたいと思っていたからか、部室にはまだ誰も来ておらず、私は一人でジャージへと着替えた。
「おーす、お! はえーな 」
と二番目に部室に来たのはゴールドシップ。
彼女は、良くも悪くもマイペースな性格なため、暑さとかを気にしてないように思うが、どうなのだろうか。
「なーんか、最近暑くねぇーか? 太陽の奴…その程度でこのゴルシ様に勝ったと思うなよ 」
彼女が太陽に対して(?)恨み節をはくということは、それなりに暑さにうんざりしているようだ。
まあ、先週まで雨続きだと思ったら、急に30℃越えの猛暑日がきたのだ。誰でも恨み辛みを感じることだろう。
「そうだ! 今度、マックイーンも誘って海行かね? 太陽なんかに負けないために! 母なる海のエネルギーを吸収しようぜ! 」
「海? 海かぁ 」
確かに、真夏日の避暑としては常套手段の一つのだろうが、私はもうすぐ札幌記念が控えてるんだよなぁ……。
それに、あのストイックなマックイーンが海に行くとは限らない。 彼女のことだから、ホープフルに向けてトレーニングしなければ、と言って断るのではないか。
このような旨をゴールドシップに伝えたが
「マックイーンはアタシが説得すれば来てくれるぜ。 それに、アタシとマックイーンが夏合宿に参加できるのは来年から、そうすっとオメーとは一回しか夏を楽しめないんだぜ? 瞬間、瞬間を大事に生きなきゃ、学生生活なんてあっという間だぜ? 」
やや壮大過ぎるように聞こえるが、確かにゴールドシップの言うとおりだ。
私は中学2年の時にデビューしてしまったため、トレセン学園に来る前の約3年間で14戦の公式レースに出走している。
そのため、私は二人と学年も階級も違うのだ。 だから《シリウス》で二人と活動できるのは、今年と来年だけだ。
「…そうだね。 行こうか、海 」
「よっしゃあ! 海だ! 海! 焼きそば作りまくるぜ! 」
さっき言っていた海のエネルギーを云々かんぬんはどこにやったのだろう。 まあ、ゴールドシップが喜んでいるからあまりつっこまないでおこう。
……それにしても、後二年か。 二人といられるのも。
卒業後のことなんて、考えてないなぁ。
トレセン学園のウマ娘の卒業後って、公式が言及してたりすんですかね?
調べた限り、そういった話しは見つからなかったのため、本作では妄想全開で書きたいと思います。