家の中に数日止めてもらったが、そろそろお暇しようかなと思う。
トリエルさんにここを出ていく旨を伝えようとしたが、トリエルさんは微妙に話すを逸らす。
そんなことが続き、ちょっと強めに伝えてみた。
「…」
トリエルは無言で立ち上がると、地下の通路へと降りていった。
ついてこいってことか?
通路を進むと、トリエルは大きな紫色の扉の前で立ちすくんでいた。
こちらを振り返り、
「おうちにかえるほうほうをしりたいのね。このさきにいせきのでぐちがあります。そのむこうはちていのせかい。いちどでたら、もうなかにはもどれません。これからわたしは、そのでぐちをこわします。もうにどと、ここからだれもいなくならないように。」
「……」
「ここにおちたニンゲンは、みなおなじうんめいをたどる…。わたしはこのめで、なんどもみてきました。
ここへきて…
そしてしんでしまって……」
「…」
「あなたはなにもしらないの…、このいせきをでれば、あなたはかれらに……アズゴアにころされてしまうわ。これはあなたをまもるため。どうか、へやにもどって」
…それでも俺は、あいつらの元に帰りたい。
それを邪魔する奴は、力尽くでわからせるだけだ。
ただ、トリエルは俺を守りたくてこうしてるわけで…。
「とめてもむだよ。これがさいごのけいこくです。」
「…」
「…そう、あなたもほかのニンゲンたちとおなじなのね。ならのこるしゅだんはひとつしかない…。わたしをなっとくさせてごらんなさい。あなたのつよさをしょうめいするのよ!」
『範囲結界に囚われました。このバトルがおわるまで、解除不能です。』
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バトルの開始と同時に浮かび上がったウィンドウ。
リムルは迷わず【ACT】をえらぶ。
シエルによる解析鑑定を行い、トリエルの能力の詳細を調べる。
『存在値はおよそ375000ほどと推測されます。なんらかの能力をもっており、元の世界のユニークレベルと思われます。攻撃手段は主に炎系魔法、体力は不明です。』
トリエルが、手のひらから拳大の炎を無数に作り出し、天井へと放る。
不規則な動きをしながら火の玉が落ちてゆく。
まるで、泣いているかのように。
リムルは回避するが、一撃肩に着弾する。
その熱量にリムルは顔をしかめ、懐から中位回復薬を取り出し、肩に振りかける。
トリエルは追撃を加えようと手を前にかざす。
火の玉が連続的に発射されリムルを襲う。
今度は全弾回避に成功する。
回避のついでに、「
『解析結果が出ました。どうやら元の世界のユニークスキル「
リムルは必死で訴える。
戦いたくないと。
トリエルの顔が歪むが、攻撃は止まない。
しかしその攻撃の精度は最初の攻撃よりも落ち、もはやリムルには当たらない。
リムルは静かにトリエルを見つめる。
その視線に耐えきれなくなったトリエルは大技を放つ覚悟を決めた。
ユニークスキル「
「おねがい…。へやにもどって…。」
「…」
「あなたをきずつけたくないの…」
「…トリエル」
「もうだれもしなせたくないの!」
高ぶる感情のまま、炎の雨を解き放つ。
リムルは避けなかった。
その身が焦げるのを気にせず、ただひたすらにトリエルを見つめる。
「……あぁ。ごめんなさい… いたかったわね…ごめんなさい……」
泣きながらトリエルが抱きついてくる。
心の痛み。
トリエルには、
「…トリエル。俺いくよ」
「…そうね。もうとめられないわ。どうしてもいくというのなら…」
「大丈夫だよ。俺って結構強いし、なんなら、この世界のモンスターをみんな解放していっちゃおうかな、なんて…」
「…ふふっ、ふしぎなこね。こんなこはじめて。もしかしたらあなたなら、いきてこのせかいから、かえられるかもね。いいこと?ここをでたら、もうここにはもどってこないでね。どうかわかってちょうだい。」
リムルに抱きついたトリエルの全身から、柔らかく光る炎が噴き出す。
ユニークスキル「
リムルの体にあった火傷が徐々に消えていく。
戦う前となんら変わらない姿に戻り、トリエルはリムルから離れる。
「やくそくよ。どうかげんきで。さようなら、わたしのだいじなこ……」
大きな扉から、振り返ることなくリムルは出ていく。
残されたのはすすり泣く声と、1人には広すぎる家だけだ。
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トリエルと別れ、大きな紫の扉をくぐる。
トリエルはもう帰ってきてはいけないと約束してしまった。
このままこの世界から脱出してしまうと、もう二度と彼女に会えないかもしれない。
この世界のモンスターを全部解放する。
トリエルは笑ったが、俺にならなし得る。
この世界を解放した後なら、トリエルはまた会ってくれるかもしれない。
帰ってはいけないなら、こちらにきて貰えばいいだけなのだ。
俺はこの世界のバリアを壊す。
この世界のモンスターは救うし、俺は大好きな配下たちの元にも帰るし、トリエルとも再会する。
ちょっと欲張りかな。
トリエルは俺の心に火を付け、決意を抱いかせた。
受験やばいんで、しばらく休止です
悪しからず