これもいいけど、こっちじゃない!私は聖剣が欲しかった!あの光がドバァーって出るやつ!あの闇を切り裂いたり、騎士王が持ってたりするやつが欲しかったんだァァァ!!!(IFルート・ランスロット)   作:排他的

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同郷の転移者

エヒトが死に、所有権が神刃聖我に移った状態でもなお活動を続ける神域にて、アレーティアと1人の神の使徒が言い争いをしていた。

 

「アレーティア、いつまで貴女はそこでボリボリお菓子を食べて寝そべっているつもりですか!仮にも300年前は吸血鬼の王であり、世界最強クラスの魔法使いでしょう!?」

 

「……ツェーンうるさい、私はお菓子を食べながら神代の魔法を解析するのに忙しい、だから黙って」

 

アレーティアと言い争っているのはノイントの妹であるツェーン。ドイツ語で10の名を冠する神の使徒の中でもノイントに次ぐ実力を誇る神の使徒である。

 

何故言い争っているのか、それは数日前に遡ることになる。

 

 

 

 

数日前、聖我とアレーティアの会話……

 

「アレーティア、頼みがあるんだが……」

 

「ん、聖我の頼みならなんでも聞く、何?」

 

「神代魔法の解析と複合、そして概念魔法の開発をして貰いたい。概念魔法の開発というか作り方の研究かな」

 

聖我が頼んだ依頼、神代魔法の解析・複合、そして神の御業とも言うべき魔法であり理の根幹に作用する強大な力、生成魔法、重力魔法、魂魄魔法、変成魔法、空間魔法、再生魔法が一段進化し、更に組み合わさることで至る、神代魔法を超える魔法、概念魔法の作り方の研究だ。

 

魔法に精通しているのはアレーティアだけなためにアレーティアに任せることにした聖我はアレーティアの頭の中に神代魔法の知識を流し込んで、アレーティアはその依頼を快諾したのだった。

 

 

 

 

 

それがアレーティアがだらけながら魔法の研究をしている理由だ。それに関して一々怒るのかとアレーティアはツェーンに文句を垂れるとツェーンはこう言った。

 

「別にそれはいいんです!聖我様の依頼ですからどう研究しようと勝手ですけど、だらけすぎなんですよ!掃除もしないし、部屋を綺麗にしないし!まだそんな経ってないのにゴミ屋敷状態じゃないですか!」

 

何故ツェーンが怒るのか、それはユエが魔法の研究とお菓子を食べて寝そべっているせいで部屋が汚いためである。それはもう、うら若き乙女が暮らすような部屋ではなく、何処ぞの葛飾区の警官のような部屋になっていた。

 

「掃除……黒天窮!」

 

「あ、掃除を魔法でって!ズルいですよ!」

 

ダイ〇ンの掃除機のようにアレーティアの指から現れた黒い球はお菓子の包装やお菓子の食べかす、魔法研究でいらなくなった紙などを吸い込んでしまった。これでは叱るに叱れないと嘆くツェーンにアレーティアは勝ち誇る。

 

そんな様子をノイントと聖我はアレーティアの部屋のドアの隙間から見ていてこう話していた。

 

「楽しそうだな」

 

「いやそうじゃないでしょう!?」

 

ちょっと新しい主の頭の中を見てみたいと思ったノイントだった。

 

 

 

 

 

 

※ここから本編です。

 

「私以外に転移者って居るの?」

 

「居ますよ、あのクソ上司1号が調子乗って呼び出したのがたくさんいます。……聖我様みたく強くありませんけど」

 

「私の場合は特別だよ」

 

聖我は転生したことを隠しながらノイントにその自分以外の転移者の詳細を尋ねる。

 

「勇者パーティーとして活躍が王国に見込まれているのは勇者としてクソ上司1号に召喚された天ノ河光輝、剣士の八重樫雫、治癒術師の白崎香織、拳士の坂上龍太郎ですね、そしてその他はそこまで戦力になるとは思えません。……唯一例外があるとすれば生産職でしょうか」

 

「?」

 

「錬成師の南雲ハジメ、錬成師はあのクソ上司1号を追い詰めた7人のうちの1人の職業でした、それにもう1人引率の畑山愛子の職業も有用なものです」

 

「なるほど、まぁこちらから攻撃するつもりは一切ないし、あちらが攻撃を仕掛けてきたとしても概念魔法が少し待てば量産出来るようになるから別に気にしなくていいかな」

 

聖我は残りの転移者の情報は聞かずにまた違う問題に取り掛かろうとするとノイントが聖我に気になったことを問いかける。

 

「聖我様は帰りたくないのですか?」

 

「……親いないし、ここ楽しいから別に帰るつもりは一切ないな……まぁそうなると残りの転移者も帰れないんだけど」

 

「そうですか、…………何故残りの転移者も帰れないんですか?」

 

「今のところ帰すことが可能なのは私だけ、それに私は帰るつもりがないから残りの転移者も帰れない。帰ったらなんで1人置いてきたのか言われるからね」

 

「成程、めんどくさい世界ですね」

 

ノイントは納得したようで、これ以上聖我に質問するのはやめた。そして聖我は次の質問を行う。

 

「魔人族は?」

 

「魔人族はクソ上司2号がほとんどの情報を持っていたのでフリード・バグアーのことしか分かりませんね」

 

「……そう」

 

「大変です!」

 

聖我が魔人族の情報を得れずに残念がっているところに情報を総合してノイントに渡す役目をしているドイツ語で1の名を冠するアインスがやってきた。

 

「どうしたのですアインス姉様」

 

「転移者が1人、真のオルクス大迷宮に落ちました!」

 

「え?……え?本当に?」

 

「はい」

 

「…………嘘だろ」

 

なんの思い入れもないが同郷の人間が真のオルクス大迷宮という名の魔境に落ちたことを知って少し驚く聖我。

 

「どうなされますか?」

 

「……答えは決まっている。助けに行くさ」

 

真のオルクス大迷宮に落ちた同郷の転移者を助けるために偽神の力を奪った剣士が真のオルクス大迷宮へと向かうのだった。




ツェーンは普通にノイントのように書けばツェーントなんでしょうけど今作ではツェーンで通します。

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