ハジメたちが異世界から帰還して数日たったある日、夜架は互いの話のために南雲家に向かっていた
ふむ、普通に入ってもつまらないわよね・・・せっかくだから直接乗り込みますか
夜架はこの一年の間で、異世界に行ってしまったクラスメイトの親を束ねるため、クラスメイトの家はすべて把握している、その中でも、親たちの中でも特に頑張っていた南雲家にはよくお邪魔しており、間取りは大体把握している
「空間掌握・・・成功 転移発動」
神様からもらった能力の一つ、空間掌握を発動し、南雲家に転移する
念のため言っておくと、空間掌握で転移するには座標をあらかじめ知っておく必要がある、その辺は空間魔法と同じである、
南雲家のソファーに音もなく転移し、座る
「ハジメ、今日は夜架ちゃんが来るのよね」
「ああ」
そのまま、ハジメたちが気づくまで、空間掌握内にストックしているティーソーサーを取り出し、紅茶を飲み始める
「・・・ハジメ」
「ん?どうした、そんな幽霊を見るような顔でソファーをみて・・・」
「お邪魔していますわ」
ユエの視線の先をたどったハジメは夜架とぱっちり目が合う
「羽々斬・・・お前いつの間に」
「ついさっきですわ」
「普通に入ってこいよ」
「前向きに考え善処しますわ」
「為政者かよ、まあいい、朝食を食べ終わるまでまて」
「ええ、私が早く着いただけですもの、待ちますわ」
ハジメたちは、腑に落ちないような顔をしながらも食事に戻る
「なあ、父さん羽々斬って、あんなだったか?」
「普通にいい子だったと思うけど、少なくとも急にソファーに座ってることはなかったかな」
「そうねぇ、ハジメがいなくなってからも、私たちよりは冷静に周りが見えているようだったし」
「変わっているのは否定しませんわ」
「夜架お姉ちゃん!」
早くも朝食を食べ終わったらしいミュウが話しかけてくる
「どうしました?」
「遊んで?」
「ええ、構いませんよ、そうですねぇ・・・では私の特技をお見せしましょう」
夜架がミュウに手のひらを差し出すとその掌の上にはうさ耳の人形が乗っている
「シアお姉ちゃんなの!」
「ええ、そうです」
ミュウが声を上げると、急に名前を呼ばれたシアが「ひょ?」っと反応するが構わず続ける
「見ててください」
そのまま、シア人形をローテーブルに乗せ、手をかざす
「みゅ!?」
手をかざした瞬間、ぐたっと座り込んでたシア人形が動き出し立ち上がる。それに終わらずミュウのほうを見ると挨拶をするようにペコリと頭を下げる
「たった!シアお姉ちゃんが立ったの!」
先ほどまで朝食を食べていたハジメたちもシア人形に注目している
「おいおい、どうなってんだ」
「魔法じゃない・・・?じゃあどうやって」
魔力の流れが見える二人は本当に種も仕掛けもない人形が動くのに驚愕している
「ええ、魔法ではありませんよ、私は魔力をもっていませんからね」
そんな話をしている間にも、シア人形は動き飛んだり跳ねたりしている
「すごいの!夜架お姉ちゃんこれどうなってるの?」
「ちょっとした私の特技ですよ」
「特技のレベル超えてると思うがの・・・」
やがて全員朝食を食べ終えたらしくソファーに集まってくる
「この子は、ミュウちゃんに差し上げますね」
「ありがとうなの!夜架お姉ちゃん!」
ミュウはシア人形を抱き上げ嬉しそうにはしゃいでいる、腕の中に捕まえられたシア人形はじたばたしていたがあきらめたようだ
「ありがとうございます、ミュウの相手をしていただいただけでなく、こんな可愛いお人形まで」
「構いませんよ、趣味で作ったものなので」
実は裁縫が趣味の夜架である
「さて、待たせたな」
「ええ、問題ありませんわ、最初に一つ提案があるのですがよろしいですか」
「なんだ?」
「話を、始める前に、手合わせをお願いできませんか」
周りに集まっていた嫁~ずがぎょっとした表情を向ける”正気か?”
「なぜ、俺が羽々斬の相手をしなければいけないんだ?」
「雫から、一番強いのは南雲君だと教えてもらたのでどれほどなのかと」
「怪我じゃ済まないかもしれないぞ?」
「ええ、構いませんわ、できたらですけど」
「そこまで言われたら相手しないわけにはいかねえな、ちょうどその身のこなしが気になってたところだしな」
「では、場所は私が用意しますわ」
夜架が指を弾くと空間掌握が発動しだだっ広い草原に転移する
「これも、羽々斬の特技か?」
「ええ」
「お前たちはさがっててくれ」
ハジメの言葉に嫁~ずは距離をとる
「では、ユエさん開始の合図を」
「ん、わかった・・・・はじめ!」
ユエの開始の合図と同時にハジメがドンナー・シュラークを抜き早打ちする
対する夜架は空間掌握から直接抜き放った刀で弾丸を切り伏せる
「さすがに、雫より歴が長いだけはあるこれくらいはやって見せるか」
「このくらい、誰でもできるでしょう?」
「・・・・」
それには返さず再び弾丸を放つ
もちろん、それもすべて叩き切る
「次は、こちらから、いきますよ・・・覚悟!」
刀を中段に構え突貫する
一応ドンナーシュラークを数発撃ってかすりもしないのを確認し迫ってきた夜架を構えたドンナーシュラークではじく
そーれ まず一つ
夜架が心の中で一つ数えると、ハジメが持っていたドンナーシュラークが暴発し使い物にならなくなる
「なに!?」
「まだ終わりでは、ありませんよ?」
とっさにクロスビットを取り出しガードする
ぎっん!っと鈍い音と主に火花が散る
「羽々斬、いったい何をした」
「わざわざ、死合中に教えるとでも?」
「まあ、当然っちゃ当然だな、そろそろ俺も本気を出そう」
言葉とともに宝物庫からグリムリーパーとクロス・ヴェルトを10体づつ呼び出す
「最高ですわ!では私も奥の手をお見せしますわ、蜘蛛の糸、および〈禁呪符号〉起動ですわ」
突然今まで何もなかった草原に蜘蛛の巣が出現する、さらにそれに絡め捕られたグリムリーパーが突然動かなくなる
「故障?そんなはずは・・・っ!!」
さらにハジメの周囲を回っていたクロスビットがハジメに向かって飛んでくる
「やはり、強気者との戦いは心が躍りますわ!」
同時に夜架も突撃してくる
ひとまず、暴走したクロスビットと停止したグリムリーパーは回収し夜架の攻撃は回避することにする、回避しつつも再び取り出した予備のドンナーシュラークを打ち込んでいく
「あまり、長引かせてもあれですし、次の一撃で最後としましょう、せいぜい耐えて見せなさい魔王!」
「ちっ。一体どうなってやがる」
魔王は、最大の利点 数の暴力が謎の方法で妨害されイラっとしていた。だからついバルス・ヒュベリオンで天からちゅどんしてしまったのも、悪くないのだ
「げっ・・・」
空から降ってくる熱光線にさすがの夜架も焦りを見せたが
「裏八重樫流 光裂!!」
なぜが逆に光のほうに向かっていき刀で光を切り裂く
これにはさすがのいろいろとバグってる嫁~ずの皆さんもドン引きである
すべての、熱光線を散らし切った夜架はさすがに、ところどころ焦げていたがそれだけだった
「まじかよ、異世界より、よっぽどファンタジーしてるじゃねえか」
「おほめに、預かり恐悦至極にございますわ、魔王陛下も伊達ではないこともこの目で確かめましたし、これで雫も安泰ですわね」
「まさか、見極めるために俺に勝負を仕掛けたのか?」
「まあ、それもありますけど、単純に闘争に飢えていただけですわ」
「さいですか・・・」
なお、後日話を聞いた雫が八重樫流はいったいどこへ向かっているんだと膝をついたのは言うまでもない
勝負の決着方法にめちゃくちゃ迷いましたが結局こうなりました
戦闘シーンはやはり難しいですねぇ
ほんとは、互いの経緯の説明まで終わらせるつもりでしたけどまあ、それはおいおい書くことにします、次回は、いよいよ深淵卿に行くと思います
ではまた次回