その1
頭の中でけたたましい、警告音が鳴り響く聞きなれない人が聞けば、動揺は隠せないであろう
しかし、現在進行形で頭の中に音が鳴り響いている、羽々斬は・・・
「うるせえ!です、ふぁぁぁ」
全く動じていなかった
「いい加減、時間と場所を考えずに警告鳴らすのやめていただきたいですわ」
今現在もけたたましい警告音を鳴らしている能力〈観測者〉これは、世界に異常が発生すると警告をしてくれる便利な能力なのだが、ちょっと融通が聞かないのがたまに傷である(なお、観測者にはほかの能力もある)
「それで・・・ん??」
観測者の警告を止め表示される、座標を今度は千里眼で見る
そこには、人間とは思えないだがもとは人間であったと思われる怪物が暴れまわっていた
「これは・・・ベルセルク?」
見た目は小説と大体同じかしら・・・とつぶやきながら空間収納から服を出し着替える
「となると、深淵卿の話が近いわね、私の仕事的にもこの事件を放置するのはあり得ない・・・」
ちなみに、夜架の仕事とは神様に頼まれた、この世界を観測し書き記す。とともにこの物語(世界)を終わらせないことである
なので、世界中の人々がベルセルクになる可能性がある、この事件を見て見ぬふりすることはいろんな意味でできないのである、まあ夜架の性格と性質的に、参加しないというのはあり得ないが
「ふむ・・・そういえば先日魔王陛下が深淵卿に依頼を出したと聞いたわね、早めに出発した方がよさそう・・・ん?」
夜架の自室のドアがノックされる
「姉さま、起きてる?」
「真昼?こんな時間にどうしましたの?」
夜架の2つ年下の弟『羽々斬
「こんな時間にどこかへ行くの?」
どうやら、真夜中にも関わらず戦闘用の服(よく夜架が着ているあれ)を着ている夜架に驚いたようだ
「ええ、どうも
「またあ?ほんとに地球もたいがいファンタジーしてるね」
なんと、この弟も転生者である、ありふれもバハムートも知っていたようで狂気乱舞していた
「それで?真昼はどうしたの?」
「ああ、そうそう切姫夜架に依頼だよ、それも珍しく護衛」
「護衛ですか・・・依頼者は?」
夜架が数年前から始めた小遣い稼ぎこと裏のお仕事を管理している弟、最初は夜架が自分でやっていたが、あまりの管理の適当さにに見かねた真昼が引き受けたのである
「えっと・・・パラディさん?って書いてるね」
「・・・まさか本人?」
「ちょっと調べた感じ保安局捜査員、性別は女、上司の評価は結構いいみたい」
「たぶん、本人だと思うよ、ミスターKにも依頼を出してるみたいだし」
小脇に抱えていたノートPCをタイピングしながら、情報をくれる
「ふむ、どうやって接近しようかと思ってたけど、考える手間が省けましたね」
「じゃあ、受けるって返しといていいよね」
「ええ、お願い」
「うん、これから行くの?」
「そうだね」
「じゃあ、ちょっと遠いけどかなり早い時間からフライトがある航空機の予約もしておくね」
「助かるわ、ありがとう」
部屋からでるついでに真昼の頭をなでる
「ん、できた端末に送っとく」
「それじゃあ、行ってきます」
「いってらっしゃい」
夜架は向かう戦いの舞台へ
「さすがに、体が・・・んん!」
飛行機から降りた夜架体を伸ばしつつ、目的地への道筋を確認する
「パーシヴァル大学・・・意外と近いですねとにかく向かいますか」
タクシーを捕まえようとも考えたが意外と近く徒歩でもそれほどかからないので歩くことにした
「博士は・・・大学にいるようですね、保安官が大量にいますねまあ、当然ですか」
無事到着した夜架、魔王に複製してもらったコンパスで位置を確認し
普通に入ろうとしたが、むろん止められる
「まあ、入る手段はいくらでもありますが」
手を振り普通の人には見えないディスプレイを呼び出す、さらに迷彩能力をオンにする
すると、夜架の体が見えなくなり完全に背景に溶け込む
難なく正面から侵入し、研究棟を探そうと見回すと、けたたましい観測者の警告音とともに、銃声と雄たけびが聞こえてくる
「もう、始まってしまいましたか、急ぎましょう」
夜架研究棟にたどり着くころには、かなりの数の雄たけびが聞こえてきていた
「ひとまず、博士を探しましょう」
一人研究棟に入っていく
「ふむ、もうこんなに荒れているのですか、お第一ベルセルク発見」
呼び出した刀でひとまず右腕を
「斬!」
突進してきたベルセルクとすれ違いざまに一刀
綺麗な切口で右腕が落ちるが、ベルセルクは気にした様子もなく再度突撃してくる
「次は、心臓部・・・四閃!」
ベルセルクの胸あたりを四角に風穴を開ける
「やはり、心臓も関係ないと・・・やはり頭を落とさないとだめですか。次は『禁呪符号』起動」
今度は残った左腕を振り上げ殴ろうとしてる、ベルセルクにお得意に禁呪符号を起動する、発動した途端ぴたりと停止する
「禁呪符号も問題なし、ご苦労。死になさい」
ベルセルクは自ら頭を握りつぶし動かなくなる
「さて、実験も終わりましたし博士を探す続きを・・・ずいぶんと大量のベルセルクですね」
夜架の気配察知の範囲に、大量のベルセルクとそれから逃げる一人の人間、気配からして女性を確認する
「さすがに、生きている人を無視はできませんね・・・」
走る女性の、進行方向へ向かって走り出す
「はぁ はぁ こんなところで死ぬわけにはいかない・・・できるだけ、少しでもエミリーから離さないと」
愛しの妹分のため、リシー=アシュトンは走る、人類の希望の妹をこんなところで終わらせないために
「来ましたね」
先回りした夜架の視界に、リシーの姿が映る
「君!逃げて!」
「問題ありませんわ、よく頑張りましたね、もう安心ですわ」
「何をいって・・・」
リシーの後ろから追いかけてくる、ベルセルク達の額にクナイを投擲する
「起動」
クナイが刺さったベルセルクが突然近くにいたほかのベルセルクを殴る
「え!?」
半分近くのベルセルクが同士討ちを始め、終いには、自ら頭を握りつぶし自殺する
「一体、何が・・・」
全く事態についていけない、リシー
「これで、この辺りは片付きましたわ」
「え、ええそのようね今のはあなたが?」
「ええ、そうですよ、怪我は・・・これは酷い怪我」
「くっ」
ベルセルクに殴られたのかかなりの深手を負っている
「空間掌握」
空間掌握で昔手に入れた棺を呼び出す
「これは?」
「ちょっとした、タンカーですわ入ってくださいな」
「え?私死んでないですよ、それにこんな大きなものどこから」
「そんなの、わかっていますわ、私はこれから博士のところへ行かないといけませんの、でもあなたを連れて行くのは足手まとい、なのでこの箱の中でおとなしくしてください」
「博士ってエミリー!?」
「ええ、そうですとある人から護衛を頼まれましたので」
「そう、護衛の人だったのねわかったわ」
納得したのか、リシーは棺に入り横たわる
「居心地はどう?」
「悪くありません」
「そう、よかったわ少し寝ていなさい」
リシーの体にタオルケットをかける
「ありがとう、エミリーを妹をお願いします」
「ええ、安心しなさい必ず助け出してあなたと合わせてあげるわ」
「ありがとう・・・」
リシーが眠ったのを確認し蓋を閉めて空間掌握にしまう
「さて、今度こそ博士を・・・もう脱出したのですかでは、追いかけましょうか」
再度、迷彩を起動し、走り出す
常識からかなり外れた速度で走り目的の車の上に飛び乗る
「何とか、追いつけましたか・・・」
一息ついた途端
曲がり角をドリフトしながら曲がる
耳障りな音を出しながら曲がり駐車していた車と接触しさらに音が鳴る
その勢いを殺すことができず、カフェと思わしき場所のテラスへ突っ込んでいく
ギリギリのところで急ハンドルを切り車の後部がテラスをさらっていく
その場にいた少年が人外じみた動きで手を付けていなかったらしいサンドイッチを
持っていたお皿で確保し、ドリンクもコップにきちんと入っている
さらにシュタッと看板の上に着地している
実際に見るとすごい執着ですね・・・
思わず拍手してしまう
運転手も、そんな少年に驚いているのか車が停止している
「あ、あ~、ど、どうも? お怪我はありません、か?」
気まずそうな表情で、そう問いかける少年
「・・・ってあれ?なんか違和感が・・・え、ちょまたか!?」
少年が車の上に視線を向けるがすぐに、聞き覚えのある耳障りな音が再び聞こえる
運転手も、気を取り直したのか車が発進する
さすが、深淵卿。迷彩を使っている私に違和感程度とはいえ、気づくとは
後ろから、黒塗の車が3台追いかけてくる
「せっかく、なので邪魔をしましょうか」
取り出したるは、証拠隠滅が簡単な密室殺人のお供、細く尖らせた氷
「狙いを定めて・・・ゴールに・・・しゅぅぅぅぅ」
人には見えぬ速度で黒塗りの車の運転手の額に投擲する
夜架の手で射出された、氷は砕けることなく車のフロントガラスを貫通しそのまま運転手の額も貫通する
隣に、座っていた、男が運転手を車から放り出し、罅が入ったフロントガラスを素手でたたき割る
素手でガラス割るとかないわあ
どんどん増えていく、追っ手をしゅううううと、しながら減らしていく
「しかしながら、依頼主の運転技術すごいですね、こんだけうまければ日本のヨハネスブルグでもやって行けそうですね」
まれに飛んでくる銃弾を急ハンドルやドリフトで綺麗に避けていく
日も傾いて来たころ、ようやく追手を振り切ることに成功したようで、後ろにはもういないようだ
やがて、ホテルに到着する、今夜のお宿はここのようだ
夜架も迷彩を解かず車から降りた二人を追いかける
部屋を取った二人が部屋へ入りベットに倒れ込む もちろん夜架も部屋へ忍び込んでいる
さて、どうしましょうか、ここで姿を現してもいいのですが・・・うーむ
などと、考えていると依頼主ことヴァネッサ=パラディが飛び起きエミリーに窓際へ行くよう指示を出す
ほう・・・本当に優秀なようですね、この距離で追っ手に気づくとは
夜架の気配察知にも、数人の男たちがこの部屋へ向かってきているのがわかる
やがて、扉がけ破られ、男たちが突入してくる
入ってくるなり、男たちは二人の姿を確認し、降伏を進めるが、そんなのを受け入れるぐらいなら最初から逃げてはいないだろう、もちろん拒否する
途端に男は容赦なく、アサルトライフルを乱射する
男たちと二人の間に立っていた、夜架は姿を現しアサルトライフルの弾丸をすべて切ふせる
「貴様!?何者だ!!」
「あなたに 名のる名はありませんわ、お二人さっさと、お逃げなさい」
「っ恩に着ます」
フラッシュバンを投げた、ヴァネッサが博士を抱え、窓から飛び出す
「グラント博士っ、掴まって! 飛びます!」
「ほ、本当にやるの!? や、待って、待ってってばぁあああああ~~~」
「さぁて、少々私にお付き合いしていただきますわ」
「ちっ、今度は侍ガールか、お前ら任せる」
リーダーらしき男は部下に任せ下へ降りていく
あの男を今殺すと少々面倒なのでまあ、見逃がして差し上げましょう
「ですが、あなた達には死んでいただきます」
夜架は狂気的な笑みを浮かた!
部下たちは、気味の悪さに一歩下がった!
「斬!」
一歩で刀の間合いに入り込みその間に発射された弾丸ごと切り伏せる
「な、ななな、うわああああああ」
仲間の死に焦った男がアサルトライフルを乱射するがその程度で止まる夜架ではない
再びすべてを切り伏せ、首を落とす
「ふむ、この程度でしたか」
刀についた血を振り払い、納刀する
そのまま、部屋を出て下の階へ向かう途中で、声が聞こえてくる
「むっ、やっぱりいたか。くらえっ、必殺、火曜日の突発的一撃ぃ!」
おお!かの有名な灰皿アタックが見れるとは! って興奮している場合じゃないわね
逃走している三人にこっそり、合流する
逃げながらも、白衣を着た博士エミリー=グラントが必死に尿意を抑え込んでいるが、限界も近いようだ
「グラント博士、少し声量を落としてください。まだ敵がいるかもしれません」
「こ、こにょ状況で、言うことがそれぇ!?」
「大丈夫です。状況が状況ですから……恥ずかしくなんてありませんよ」
「いま、分かった! わたしにぃ、味方はいないのよぉ~~~」
「博士、尿瓶ならありますけど・・・」
「おお、それならってこんな状況で使えるかっ!」
「そうですか・・・」
「って、あれ!?羽々斬!?」
「どうも、深淵卿今宵もよい月が出ていますね、あと今は切姫とお呼びくださいな」
「だから、そう呼ぶなって!」
「もう・・・むりぃぃ」
「が、がんばれ白衣っ娘! 諦めるなっ、諦めたら、そこで尊厳終了だぞ!」
「・・・(ぷるぷる)」
「もうしゃべるのも無理か!? ちょっとスーツの人! この子、マジ限界だから! ちょっと止まって! その辺の隅っこで――」
「そんな暇はありません。ミスターK。あなたも男なら、黙って受け止めてあげてください」
「あんた、なに言ってんの!? ええい、白衣っ娘! いま、降ろしてやるから――」
「――ぁ」
「ちょっ――」
ボロいホテルで起きた深夜の逃走劇。
見事に逃げ切った夜架達を、意識を取り戻したキンバリー達が追う。
・・・ツンとする水気の跡を辿りながら。
うーんこの、圧縮具合
まあいっか、文をそのまま載せるわけにはいきませんしね