呉爾羅ですが、なにか? 作:VSシリーズ
私はゴジラが好きだ。
今は華の女子高生である私だけど、昔からゴジラの映画を好んで視聴している。
ゴジラについての知識を網羅しているわけではないし、ゴジラに関連するグッズをともかく買い漁ったりするようなこともしていない。
だけど、ゴジラという圧倒的な存在が出てくる映画が好きで、暇さえあれば観ている。
ストレスがたまっている時は、ゴジラを見て発散させてきた。
勉強にやる気を出せない時も、ゴジラ映画を横目で視聴しながらだと進んだ。
冗談でもなんでもなく、ゴジラは私のエネルギー源だと思う。
今こうして古文の授業を受けている時も、思考の一つでゴジラの戦闘シーンを脳内再生させている。
ゴジラの映画を視聴しながら作業することが多かったためか、一度に複数のことを考えながら行動することは割と得意だと思う。
だから、別のことを考えながらも、授業の内容がちゃんと頭に入ってくる。
ふと、視界の端に、教室に巣を張っている蜘蛛の姿が映った。
そういえば、クモンガという蜘蛛型の怪獣もいたことを思い出し、そこから思考が広がっていく。
人間から見たら巨大なゴジラはまさしく「怪獣」と呼ぶにふさわしいけど、あの蜘蛛から見た私たちも怪獣のような存在に見えるのかな。
蜘蛛といえば、遺伝子操作された蜘蛛にかまれて超人になったヒーローもいたな。
あの蜘蛛も遺伝子操作とかしたら、怪獣みたいな大きさになるかもしれないな。
そんなどうでもいいことを考えていたら、ふと空気が変わったような感じがした。
とんでもなく嫌な予感がするけど、もう避けることができなくなった――そんなふうに感じた。
気づいたら、全身をすさまじい激痛が襲っていた。
これはもう助からないな、という、状況の割には冷静な思考を最後に、私は意識を失った。
生まれ変わりというのは、本当にあるということを、私は身をもって知っていた。
教室で謎の激痛を味わい意識を失った私は、なぜかトカゲになっていた。
おそらく私は一度死んで、人間だったころの記憶を持ったまま生まれ変わったんだと思う。
気がついたら卵の中で、真っ暗な場所に閉じ込められていると思って混乱したし、卵から出てきたら出てきたで、周りや自分の状況が何もかも変わっていて錯乱しそうになった。
一度死んでしまった、ということを受け入れるのにも時間がかなりかかったけど、慣れざるを得ない環境であったこともあって、気持ちの整理は一応ついている。
とりあえず今は、一生懸命生きています。
トカゲとして生まれた場所は、暗い洞窟の中。
しかも、かなり広くて入り組んでいて、まるで自然の大迷宮のようだと思っている。
そんな迷宮の中には、今まで見たことがない、ファンタジーのなかでしか出てこないような生き物がわんさかいた。
かく言う私自身も、体の大きさが並のトカゲではありえないほどなので、そういう生物の一種なのだと思う。
今世の親は、いることにはいたのだけど、私がある程度育ったら姿を消していた。
多分、「あとは一人で生きていけ」ということだったのだろう。
狩りをしたことなんて前世ではなかったため、最初の方はかなり苦労したけど、トカゲとしての本能か、今は普通にできるようになった。
正直言って、この場所にいる生き物の中で、私は弱い部類に入ると思う。
だから、獲物にする対象も自然と限られてくるんだけど、カエルやら鼠やら、挙句の果てには大きな蜘蛛などといった、前世では食べる対象にまず入らなかった生き物ばかりで……まあ、そこらへんは覚悟を決めて食べている。
ともかく苦いものがほとんどで、最初のころは日本のおいしい食事が食べたい気持ちでいっぱいになって辛い想いをしてきたけど、今はそこまで気にしないようにしている。
最近食べたなかで一番まともだと言えるようなものは、小型の肉食恐竜のような生き物ぐらい。
そうやって日々を生きているうちに、この場所……というか、この世界?には、前世ではありえなかった不思議な仕組みがあることを知った。
《経験値が一定に達しました。個体、フェネグルがLV1からLV2になりました》
狩りをしている最中、獲物の息の根を止めた瞬間に、その機械的な声が頭の中に響いてきた。
それが、この世界で初めて私が聞いた日本語であり、一方的だけど様々なものを教えてくれた誰かの声だった。
この声は、私の行動によって特定の条件が満たされると聴こえてくるようで、経験値、基礎能力値、スキル、熟練度、レベルアップなど、文章に組み込まれた単語から、それらが存在しているということに気づけた。
それらの、テレビゲームぐらいでしか聞かないような言葉がどのような意味を持つのかも、ある程度は分かってきた。
経験値は、生きものを仕留めることで得られるもののようで、これが一定に達するとレベルアップという現象が起き、私のLVが一つずつ上がっていく。
レベルアップすると、基礎能力値というものが上昇するようで、スキル熟練度のボーナスやスキルポイントというものが手に入るらしい。
あと、体が傷ついていたり疲れているようなときにレベルアップすると、全快しているような気がする。
基礎能力値というのは、どう確認すればいいのか分からないから、単純に「上昇すれば強くなるかも」ぐらいにしか思っていない。
けど、スキルというものの存在はしっかりと感じていて、実際に使うことができていると思う。
該当する行動を取ったりする等でスキルの熟練度は溜まり、この熟練度が一定の基準に達することで、スキルを獲得したりレベルを上げたりすることができるようだ。
例えば、他の動物に気づかれないように行動しているうちに「隠密」というスキルを覚え、音をたてないように動いているうちに「無音」というスキルの熟練度をためていた。
それらのスキルは、念じることで発動することができるようで、使ってみると効果があるように感じた。
この効果は、スキルのレベルが上がるほど強くなるようなので、レベルを早く上げたいスキルに関しては、熟練度がたまるように行動することを心掛けている。
これらのスキルは、私が生きているなかで大きな助けになってくれていると思う。
そのなかでも、持っているということを最近知ったけど、今の段階でも大きな戦力になってくれると実感できるスキルがある。
なにより、そのスキルの名称が、ここにいる生物の中では弱い私にも確かな安心感を与えてくれるのを感じている。
考え事をしているうちに、気配感知に反応があった。
気配がした方に息をひそめながら向かうと、そこにはいつも食べているカエルの姿が。
そろそろおなかもすいてきたし、狩ろうか。
カエルが背を向けた瞬間、無音と隠密を使いながら走りだす。
ある程度カエルとの距離が縮まり、私の射程範囲に入る。
カエルはようやく後ろから迫る私の存在に気がつくけれど、既に私は
私の白い熱線を浴びたカエルは瞬く間に焼けていき、動かなくなった。
熱線を止め、動きが完全になくなったことを確認してから、私はカエルに付いた火を消し、亡骸にかぶりついた。
私がこのスキルの存在に気が付いたのは、熟練度がたまってスキルのレベルが上がった時だった。
このスキルの獲得が教えられたら真っ先に気づくはずなので、生まれつき持っているスキルだったんじゃないかと思う。
このスキルのレベルアップと同時に、「禁忌」というスキルの熟練度も一定に達してレベルが上がっていた。
禁忌がどのような効果を持つスキルかは知らないけど、このスキルは確かに、禁じられた力だと言ってもおかしくない名称だとは思っている。
そのスキルの名前は、「
私が好きだった怪獣の力を、どういうわけか私は持っているようだった。
以下、現時点の設定など
➀主人公のステータス
フェネグル LV5 名前
・ステータス
HP:418/418(緑)
MP:370/370(青)
SP:404/404(黄)
:404/404(赤)
平均攻撃能力:346
平均防御能力:336
平均魔法能力:322
平均抵抗能力:322
平均速度能力:346
・スキル
地竜LV2,龍鱗LV2,
HP高速回復LV1,
火強化LV2,
集中LV3,予測LV2,並列思考LV4,記憶LV1,
命中LV1,回避LV2,隠密LV4,無音LV3,危険感知LV3,気配感知LV3,
過食LV2,
暗視LV7,
火耐性LV1,大地無効,毒耐性LV4,酸耐性LV2,腐蝕耐性LV1,
呉爾羅LV2
禁忌LV2,n%I=W
・スキルポイント:100120
・称号
呉爾羅、悪食
➁今作オリジナルのスキル・称号・種族の説明
○スキル「呉爾羅」
概要:主人公の、転生者としての固有スキル。魂の総量が多かったから、耐えられた
効果:ステータス全種にスキルレベル×100分プラス補正が掛かり、レベルアップ時にスキルレベル×10分の成長補正が掛かる。また、レベルにより特殊な効果を発揮する(LV1:白熱光、LV2:自己再生)
・白熱光:MPを消費して、火属性のダメージを与える熱線を吐き出す
・自己再生:「呉爾羅」のスキルと同レベルの「HP高速回復」と同等の効果
※隠し効果として、このスキルの獲得・使用は「禁忌」の熟練度をためる
○称号「呉爾羅」
取得スキル:「HP高速回復LV1」「火強化LV1」
取得条件:スキル「呉爾羅」の獲得
効果:取得する経験値と熟練度の上昇
説明:恐るべき怪獣の力を持つものに贈られる称号
○種族「フェネグル」
概要:下位の地竜の一種。トカゲのような姿をしている
設定への指摘などに関しては、オブラートに包んだ状態をお願いしたいです。