呉爾羅ですが、なにか? 作:VSシリーズ
その結果、最新話のステータスが更に上昇しました。これがゴジラの力か……。
進化して、この世界で生きていく決意を改めて固めてから数日、上に戻る道の探索は変わらず続けている。
この世界の真実を知っても、結局この場所から外に出てみたいという気持ちは変わらない。
世界の現状を、いちど自分の目で見ておきたいという気持ちが新たに加わったけど。
より強さを求めながら、上へと続く道がないかどうか、探しながら移動を続けている。
進化が終わった直後は禁忌のことで気にするどころじゃなかったけど、二度目の進化も上々の結果だった。
体はさらに大きくなって、ずいぶんと目線も高くなったのを感じるほどになった。
尻尾や後ろ足がかなり太く、そして長くなって、二本足で移動することができるようになってる。
鏡とかがないから予想になるけど、見た目はティラノサウルスのようになっていると思う。
恐竜の中でも代表的な捕食者のような存在になった自分を想像したら、だいぶ強くなったんじゃないかと思う。
もちろん、まだまだ強くなるつもりだけど。
次の進化がいつになるかは分からないけど、少しずつでも日々強くなっていきたい。
自分の持っているスキルを改めて思い返したうえで、トレーニングの幅を広げたりもしてる。
身体能力だけじゃなく、スキルを鍛えることも重要だと改めて思ったからだ。
まあ、トレーニングはいつも一人でしているわけだから、そこまでメニューは多くないけど。
もう当たり前のことになっちゃったけど、私は生まれて少し経ってから、ずっと一人で行動している。
だから、こうして移動していると、話し相手がいないからか寂しさを覚えることも少なくなかった。
だけど最近は、少し賑やかになった。
[ブレイン、そろそろ休憩取っていい?]
分かった。
ついでに、小腹がすいてきたから、狩りもお願いしていい?
[了解、その時はこっちもよろしく]
こちらこそ、マテリア。
いやー、マテリアがいてくれるおかげで、話し相手ができて寂しさを覚えなくなった気がする。
向こうも多分、同じ気持ちだと思う。
結局、私一人なのは変わらないんだけどね。
最初の時は、すごく驚いた。
自分一人しかいないはずなのに、もう一人の声がなぜか聞こえてくるんだもん。
そのうえ、私も相手も、自分が「大原 雅美」だっていうんだから、それはそれは混乱した。
一度冷静になって、記憶を振り返ってみたら、その原因と思われるものが分かった。
LV10になった並列思考のスキルが進化した、並列意思というスキルだ。
並列思考は、使っていた感じだと、複数のことを考えるのを補助してくれるスキルだと思う。
そのスキルが進化した並列意思は、どうやら私の意思を二つに分けるスキルのようだ。
確認してみた感じ、このスキルを得るまでの記憶は一致していたし、多分ね。
しかも、それまでの並列思考の能力もそのままみたいだから、私の意思が増えたことで思考能力が二倍ぐらいになったんじゃないかな。
そのおかげで、手に入れた情報を整理する担当と、体を動かすことに専念する担当に一つずつ意思を割り振って、それぞれの作業に集中したうえで取り組むことができるようになった。
つまり、ブレインは、主に情報整理を担当する意思。
マテリアは、体での作業を基本的に担当する意思。
役割は違うけど、どちらも並列意思のスキルで増えた「大原 雅美」の意思というわけ。
意思は違うわけだから、脳内での会話はできるけどね。
意思、という言い方をしたけど、全く同じ人格を増やした、という言い方の方が合っているかな。
この状況、もしかしたら一歩間違えれば、自分が何者なのか疑問視し始めて大変な事態になるかもしれないとも思うけど、私の場合は今のところ問題はない。
ずっと一人で行動していたから、こうやって会話することができる存在を求めていたからかもしれない。
相手も自分自身だという認識はあるけど。
あるいは、別の体に転生しても、ちゃんと記憶を持っているから自分は「大原 雅美」だとしっかり認めることができるようになったから、意思が分かれても両方とも「大原 雅美」なんだと受け入れることができているのかも。
まあ、ここでの生存競争が辛くて、自然と同じような状態になっていたかもしれないほど精神を追い詰められた経験によるものとも考えられるけども……。
[ブレインー、魔物見つけたよー]
ああ、考え事していたから気づくのが遅れちゃった。
ありがとう、マテリア。
[どういたしまして。
それじゃあ、
分かった。
じゃあさっそく……鑑定!
『エルローランダネル』
『エルローランダネル』
『エルローランダネル』
マテリアが見つけたのは、いつも3体でかたまって行動している、小型の恐竜のような魔物。
上にいた時にも何度も戦ったことがある種族で、危険感知での反応が小さいことからもわかるように、今の私だとまず苦戦することはない。
そんな魔物たちに向かって、新しく手に入れたスキル「鑑定」を使用する。
すると、頭の中に情報がスッと入ってくる感覚がして、種族名と思われる固有名詞がイメージされた。
つまり、あの魔物の名前は、エルローランダネル……と。
なんだかエルローという単語が名前の頭につく魔物が多いな。
もしかしたら、この場所の名前がエルローだからなんだろうか。
鑑定を使用された魔物――エルローランダネルたちは、隠密と迷彩のスキルを使用しているはずだった私の存在に気づき、こちらに向かってきた。
……やっぱりこれは、そういうことかな。
[おそらく、そうだろうね。
今までは気づかれることは少ない方だったのに、ここまで気づかれるようになったのはおかしい。
やっぱり、鑑定したことが原因だと思う]
だろうね……。
しょうがない、それについてはこれから考えておこうか。
じゃあ――マテリア、戦闘はお願いできる?
[OK。いちおう油断はしないから、周囲の警戒はよろしく]
エルローランダネルたちを問題なく倒した私は、彼らの命を頂いて、少し休憩をとっている。
鑑定は、スキルポイントを消費することで新しく手に入れたスキルだ。
スキルポイントは、既に持っているスキルのレベルを上げるだけじゃなく、こうやって持っていないスキルを獲得するうえでも使用できるようだ。
ダメもとで試してみたけど、情報の獲得に活躍しそうなスキルを入手できたのは、大きいと思う。
さっきは魔物相手に使用したけど、壁や石といった無機物にも鑑定は使用できる。
まあ、それで手に入る情報はたいしたものじゃないけど。
今の鑑定のレベルは2で、魔物だと種族名と思われる情報が手に入るぐらいの性能だ。
レベル1のときは、「蛙」や「蟷螂」といったふうに、私が見たままの情報しか入ってこなかったことを考えると、かなり進歩してくれたと思う。
ちなみに、自分を鑑定した結果、いつものアナウンスで聞いていた「フェネグラッド」という種族が出てきたので、これが今の自分の種族名で間違いないと思っている。
でも、そんな鑑定にはデメリットがある。
最初に気づいたのは、鑑定し過ぎると気分が悪くなるという点。
頭の中に情報が入ってくるわけだから、いっぺんに多くの物を鑑定を使用して情報を取り込みすぎると、情報過多に車酔いのように調子を崩してしまうのかもしれない。
対策としては、むやみやたらと使わないようにすることかな。
で、さっき分かったデメリットなんだけど、どうやら魔物に鑑定を使うと、こっちの存在に気づかれるみたい。
鑑定のスキルを手に入れて、出会った魔物に鑑定をするようになったんだけど、隠密と迷彩のスキルで気づかれにくくなっているはずの私の存在を、鑑定を使用した途端に察知できるようになってる。
もしかしたら、鑑定を使用したことが、鑑定された側にも分かる仕組みなのかもしれない。
今までは問題なく倒せる魔物相手だから問題なかったけど、これからは鑑定を使用する相手は考えた方がいいみたいだ。
でも、そういうデメリットがあることを考慮しても、鑑定というスキルは使い勝手がいい。
ただ使用しようと思うだけで、一瞬で、量は少なくても情報がしっかり手に入るんだから。
鑑定、という言葉の響きから、もっとじっくり時間をかけないと情報が手に入らなかったり、手に入っても理解が難しかったり……という可能性も考慮していたけど、これは嬉しい誤算だね。
鑑定という文字を見て、もしかしたらと思って取得してよかったと本当に思う。
で、どうやって鑑定というスキルの存在を知ったかというと――
うっ、これ以上はもう無理そう。
[……替わろうか?]
いや、私が情報整理の担当だって決めたから、これは私がやるよ。
[でも、やっぱりそれを一人で読み進めていくのは無理があるよ。
それに、それを読んでいたせいで調子を崩して、もしもの時に問題が起きたら困るわけだし]
……分かった、じゃあ少しお願い。
読み過ぎると精神が参るだろうから、気を付けて。
[それを一人でやろうとした人に言われたくはないかなー]
そう言われると痛いですねアハハ。
……ありがとう。
[どういたしまして]
……やっぱりマテリアがいてくれて良かったよ。
元は同じ自分自身だけど。
きつい作業だと分かっているだろうに、私と作業を交替してくれたマテリアは、
そう、私が鑑定をスキルを知ったきっかけは、禁忌のスキルでインストールされた情報からだ。
インストールされた情報には、この世界でシステムが稼働するようになった経緯のほかに、システムに関する説明も含まれていた。
そのなかには、システム内のスキルの名前も一通り記載されているようで、鑑定の名前もそこで知ったものだ。
鑑定を手に入れた後は、なにか有用そうなスキルはないか、こうやって禁忌の情報を調べるようにしている。
といっても、禁忌がもたらした情報を閲覧すると尋常ではないほど気分が悪くなるから、精神的に余裕がある時のみ調べてる。
本当はもっと情報を手に入れておきたいところだけど、本当にきついから、ゆっくりでも時間をかけてやっていくしかない。
でも、システムのなかに存在しているスキルの種類の数は、本当に膨大だと思う。
私の地竜のように特定の種族専用と思われるスキルや、空を飛ぶ魔物しか覚えない飛翔といったスキルのような取得できなさそうなスキルも多く含まれているけど、それを除いても数えきれない。
このなかから使えそうなスキルを見つけて選ぶのは大変だけど、スキルは生存していくうえで重要な戦力だから、頑張るしかない。
インストールされた情報は他にもあるけど、それは後回しにしておきたい。
システム内のスキルを一通り見終わってから、少しずつ手を付けていきたいと思う。
禁忌がLV10になって知ったことは負の印象が強いけど、こういうふうに、生きるための術を得るうえで大切な情報源にもなっている。
多分だけど、システムがこの星を再生させるためのものなら、この情報源から世界の危機をどうにか乗り越えるためのヒントを見つけることができる可能性もあると思う。
今は強くなることが一番の目標だけど、後々のことも考えて、そっちも考慮しておく。
現状では差し迫った危険を感じていないとはいえ、状況は想像以上にひっ迫しているのかもしれない。
だけど、生きていくことを諦めずに、少しずつでも自分のできることをしていこうと思う。
それが、今の私だから。
以下、現時点の設定など
➀主人公のステータス
フェネグラッド LV3 名前 大原 雅美
・ステータス
HP:3947/3947(緑)
MP:3522/3522(青)
SP:4083/4083(黄)
:4051/4051(赤)
平均攻撃能力:3861
平均防御能力:4146
平均魔法能力:3396
平均抵抗能力:3453
平均速度能力:4094
・スキル
地竜LV7,龍鱗LV5,甲殻LV5,
HP高速回復LV6,
MP回復速度LV6,MP消費緩和LV5,
SP回復速度LV7,SP消費緩和LV7,
破壊強化LV5,打撃強化LV3,斬撃強化LV3,貫通強化LV3,衝撃強化LV5,火強化LV8,土強化LV5,
火攻撃LV7,土攻撃LV6,
立体機動LV4,
集中LV9,予見LV1,並列意思LV1,記憶LV8,演算処理LV6,
命中LV6,回避LV7,隠密LV10,迷彩LV5,無音LV10,無臭LV5,
鑑定LV2,危険感知LV9,気配感知LV9,熱感知LV4,動体感知LV6,
影魔法LV3,
過食LV8,
暗視LV10,視覚領域拡張LV2,
破壊耐性LV3,打撃耐性LV2,斬撃耐性LV2,貫通耐性LV2,衝撃耐性LV3,火耐性LV7,大地無効,
猛毒耐性LV3,強麻痺耐性LV2,睡眠耐性LV4,酸耐性LV4,腐蝕耐性LV4,恐怖耐性LV4,苦痛耐性LV9,
視覚強化LV5,聴覚強化LV4,嗅覚強化LV4,味覚強化LV2,触覚強化LV3,
身命LV1,魔量LV9,瞬身LV1,耐久LV1,剛力LV1,堅牢LV1,術師LV9,護法LV9,縮地LV1,
呉爾羅LV10,
禁忌LV10,命名LV2,
n%I=W
・スキルポイント:95400
・称号
呉爾羅、悪食、魔物殺し、暗殺者
➁並列意思のネーミング
ブレインは、文字通り情報を扱う→頭脳の担当ということで、この命名に。
その考えでいくと、蜘蛛子で言うところの体担当の並列意思の名前は「ボディ」に
なるところだが、さすがにこの名前はないだろうということで、物質を表す「マテリアル」から
とって、体を動かす方の担当はマテリアという名前になった
➂禁忌の情報に含まれているスキル一覧
禁忌の内容としては、「システム概要」「システム各項目詳細説明」「アップデート履歴」が
ある。このうち、各項目の詳細説明のなかでシステム内のスキルをすべてまとめたものが
あったり、アップデート履歴からどんなスキルが追加された等を調べることができるのでは?と
考え、今回のような展開に。正直、主人公が鑑定を手に入れる道筋がこれぐらいしかなかった。
今回はプラスになったが、逆に存在を知らない方が良かったかもしれないスキルもあるため……