呉爾羅ですが、なにか? 作:VSシリーズ
執筆が進まなかったあげく、探知の話だけで1話消費してしまうという体たらく……。
なので今回はつまらないかもしれませんが、よろしければどうぞ。
失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した……
[ブレイーーーーン!!
お願いだから正気に戻ってーーーーー!!]
だって!!
私はとんでもないことをしちゃったんだよ!!
あああああ……私はなんてことを……。
[あ、意外と話が通じる状態だった。
いや、確かにあまり良くない結果だけど、これはしょうがないって。
私だって、あのスキルの名前を見たら間違いなく同じ選択をしたと思うし……]
うう……まさか、こんなことになるなんて……。
「探知」が、こういうスキルだと知ってさえいれば……!
ことのはじまりは、禁忌からの情報を確認しているなかで、探知というスキル名を見つけたことだ。
これを発見した私は、すぐにスキルポイントを消費して手に入れようと思った。
その時は、このスキルが探索に役立つスキルだと思ったからだ。
現状、地図なんて持っているわけがない私は、自分の足で移動して、目で確認したうえで、上に戻る道や出口を探さないといけない。
だけど、この探知というスキルは、自分の探しているものが見つかりやすくなるスキルかもしれないと感じた。
これさえあれば、ここから出るために自分がどこに行けばいいのか分かるようになり、探索の効率が段違いに上がるかもしれないという少ないない期待があった。
そして私は、システムのアナウンスに探知の取得を要請し、スキルポイントを消費して、新たに探知のスキルを手に入れた。
その時、思いもよらないことが起こった。
危険感知、気配感知、熱感知に動体感知。
私が周囲の警戒のために重用していた感知系のスキルが、入手したばかりの探知にすべて統合され、探知のスキルレベルが一気に5にまで上がった。
え……なんで探知に統合されてるの?ってすごく驚いたね。
でも、違和感を覚えた時には、もう遅かった。
試しに探知を使ってみて、そのスキルの最大のデメリットをようやく知った。
周囲にある様々なものの情報が、一気に私の頭の中に流れ込んできた。
その尋常じゃない量の情報量が私の頭の中を満たしていき、やがてひどい痛みを覚えるようになった。
慌てて探知をオフにしたけど、あのときはほんと、何が起こったのか分からなかった。
結論から言うと、探知は私が期待していたような、探し物を見つけやすくするようなスキルじゃなかった。
危険感知や気配感知と同系統の、周囲にあるものの情報を取り込むタイプのスキルだった。
しかも、危険感知や気配感知とは違い、何種類もの情報を一気に取り込むほど高性能の。
私が今まで使用していた感知系スキルは、一つのスキルにつき一種類の情報しか感知できない。
例えば、熱感知なら熱を、危険感知なら私が危険だと判断するだろうものを感知する。
でも探知というスキルは、他のスキルでは一つずつ感知していた気配や熱、さらに今までスキルで感知したことのない対象まで、さまざまなものを感知し、情報として取り込んだ。
もしかしたら、これ一つで他の全ての感知系スキルと同等の役割を果たすのかもしれないと思うほどの性能だった。
持っていた感知系スキルがすべて探知に吸収されたのも、探知がありとあらゆる感知スキルの上位互換だと考えると、不自然じゃない。
だけど、このスキルはあまりにも性能が高すぎた。
探知が収集する情報の量は余りにも膨大で、私のキャパシティを超えて危険信号を発するほどだった。
おまけに、統合されてしまったスキルのように一種類の情報に絞って感知を行おうとしても、この探知のスキルでは不可能だった。
つまり、スキルの性能自体は高くなったけど、以前のように感知系スキルを負担なしで使うことができなくなってしまった。
危険感知や気配感知といった感知系スキルは、重要な索敵手段であり、敵の強さを知るための指標でもあった。
それらを恒常的に使用できなくなってしまったのは、重い。
使おうと思えば使えるけど、次々流れ込んでくる情報の制御に意識をとられてしまい、他の動作のパフォーマンスが落ちることは否めない。
探知というスキルを安易に手に入れちゃったせいで、危機回避に重要な役割を果たしてくれていたスキルを、使い物にならない状態にしてしまった……。
……はあ……。
同じ経緯で手に入れた鑑定が役立つスキルだったからって、警戒しなさすぎだったんだろうな……。
もっと用心深くなっていたら、こんなことには……。
[過ぎたことを引きづっても、しょうがないよ。
一応、どうにかする手段はないことにはないわけだし]
まあ、その通りではあるんだよね……。
どうにかもっと使い勝手のいいスキルにできないか、何度も探知を発動させて試行錯誤しているうちに、外道耐性なるスキルを手に入れていた。
名前からして耐性系スキルの一つなんだろうけど、このスキルを獲得したら、探知の情報量過多による痛みがかなり和らいだのを感じた。
おそらく、探知によって発生する苦痛はシステムで設定されているダメージの一種で、そのダメージを軽減してくれるのが、この外道耐性なんだと思う。
耐性系のスキルは、それぞれに対応するダメージを受けることで、熟練度をためることができるみたいだということが分かっている。
例えば毒耐性の場合は、毒でダメージを受けているとレベルが上がることがあった。
つまり、探知による痛みを何度も経験することで外道耐性の熟練度をためていき、このスキルのレベルを上げていって情報量過多に対するダメージを軽減していくことで、恒常的に探知を使えるようにすればいいってこと。
……外道耐性のレベルと同じくらい、探知のレベルが上がっていってるっていう問題があるんだけどね……。
余りにも多くの情報を感知しているからなのか、熟練度がたまるのがかなり速いみたい。
他の感知系が統合されてLV5になったのに、数回の発動でもうLV8にまでなってんだよ……。
レベルが上がった分、感知される情報も増える=痛みも激しくなるってことだから、外道耐性のレベルが上がっても、今のところ鼬ごっこなんだよ……。
あと、情報処理にかかわる問題だからか、外道耐性以外にも演算処理のレベルも上がってる。
外道耐性のように痛み自体への対抗策にはならないけど、このスキルのレベル向上に伴って処理できる情報量が増えるみたいで、外道耐性ほどじゃないけど痛みを少なくしてくれてる。
でも探知のレベルが上がるのが速いから、やっぱり鼬ごっこ……。
まあ、スキルのレベルはLV10よりも上になることはないみたいだから、探知がLV10になったら外道耐性のレベルだけ上がるようになると思うけどね。
どっちも速いペースでレベルが上がっていってるし、ここは問題ないかな。
……LV10になったら進化するスキルもあるけど、探知もLV10になったら進化するスキルじゃないよね?
じゅうぶん高性能なのに、これ以上情報を集めてくるようなスキルにはならないよね?
そうなったら困りますからホント。
[で、探知を使えるようにする方法はいいとして、外道耐性を上げていく間の索敵手段はどうする?]
ああ、そっちはちょうど代替案を思いついたところ。
[代替案?]
そう、五感を強化するスキルがあったでしょ。
あれのなかでも、視覚強化や聴覚強化、嗅覚強化のスキルが、周囲の状況を探るのに適していると思ったんだ。
使ってみた感じ、かなり広い範囲まで五感で捉えることができるようになったみたいだし、これを索敵の代わりにできるんじゃないかなーって。
もちろん、危険感知のように、それが危険かどうかという判断はできるわけじゃないんだけど。
[なるほど、五感か……。
分かった、いったんこっちの方で試してみる]
ありがとう!
自分自身に言うのもなんだけど、マテリアは頼りになるよホント!
[そうだね、うっかり探知を取っちゃって感知系スキルをダメにしちゃった人と違ってね]
……本当にすみませんでした!
詫び探知はいります!
[ちょっ!?
冗談だったのに!]
うっ!
うぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ……!
《熟練度が一定に達しました。スキル『外道耐性LV2』が『外道耐性LV3』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『演算処理LV8』が『演算処理LV9』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『並列意思LV1』が『並列意思LV2』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『探知LV8』が『探知LV9』になりました》
探知オフ!
……はぁっ!
ホント痛いわー……。
これをあと何度もやらないといけないと考えると、やっぱり憂鬱かも……。
[いや、勢いで探知をオンにするな!
私も悪かったけど、今の状態での探知はホント危険だから!
できるだけ万全の状態で、探知は使っていくべきでしょうが!]
いや、ごめん……思わず……。
[はあ……。
情緒不安定になると、こんなにも衝動的になる面が自分にあるなんて、知りたくなかった……]
{こんな自分を客観的に見るのは、辛いよねー}
[まったく、その通り]
返す言葉もございません……。
……ん?
ちょっと待って、声がなんか多くない?
[え?
あ……確かに]
{あ、どうも初めまして……になるかな?
どうやら私、新しく生まれた「大原 雅美」の意思みたいです}
ええ!?
[ええ!?
どうして新しい意思が……あ、そういえば並列意思のスキルのレベルが上がってたから、それか!
てっきり並列思考のように分かりやすい指標とかはないと思ってたけど、まさか並列意思のレベルが上がるたびに増やせる意思の数も増えるとか……?]
まあ、そこらへんはまだ確認ができないから、おいておこう。
それで、新しく生まれたあなたに確認したいことがあるんだけど、ちょっといい?
{いいけど、何を聞きたいの?}
ちょっと聞きづらいんだけど……あなたは、マテリアから分かれて増えた意思?
それとも、私――ブレインから分かれて増えた意思?
どっちから増えたことになるかで、任せる仕事は選ぼうかなーとか思ってるんだけど……。
{どっちでもあり、どっちでもない、かな?
私が「大原 雅美」の意思の一つであることは明らかだけど、いちおうブレインとマテリアの両方の経験を、自分の物として認識してる。
既に存在している一つの意思からコピーされて生じた、というよりかは、「大原 雅美」という全体から生じた全く新しい意思、てな感じかな。
まあ、ブレインとマテリアの二人より後から生まれてきた意思だということは自認してるけど}
そうか……じゃあ、五感を強化するスキルについてだけど、あなたに任せてもいい?
[え?
私が五感を担当することになったんじゃないの?]
いや、それは試してみるって段階での話だから。
新しく意思が生まれたなら、そっちに感覚による索敵を専念してもらった方が、より効果的かなって思って。
{りょーかい。
じゃあ私の並列意思としての名前だけど、五感ということで「センス」でよろしく}
え……その名前で良いの?
こう言っちゃなんだけど、もっといい名前があると思うけど……。
{いや、変に捻るよりかは、分かりやすい名前でいいかなって思って。
あくまで意思の一つに付ける名前だし、変えたくなったら変えればいいだけの話でしょ?}
それもそっか。
じゃあ、これからよろしく。
{こちらこそ、よろしくー}
しかし、並列意思の数が増えてくれるのは、嬉しい誤算だった。
これなら、並列意思のスキルレベルが上がるたびに、もっと作業を分担できるようになるかもしれない。
……まあ、禁忌と探知という二大精神ダメージは、情報担当の私が負担するんですけど……。
禁忌はともかく、探知は自分の責任だから、早く何とかしないとね……。
以下、現時点の設定など
➀主人公のステータス
フェネグラッド LV4 名前 大原 雅美
・ステータス
HP:4080/4080(緑)
MP:3646/3646(青)
SP:4219/4219(黄)
:4186/4186(赤)
平均攻撃能力:4005
平均防御能力:4295
平均魔法能力:3517
平均抵抗能力:3575
平均速度能力:4242
・スキル
地竜LV7,龍鱗LV6,甲殻LV5,
HP高速回復LV6,
MP回復速度LV6,MP消費緩和LV5,
SP回復速度LV8,SP消費緩和LV8,
破壊強化LV5,打撃強化LV3,斬撃強化LV3,貫通強化LV4,衝撃強化LV5,火強化LV9,土強化LV5,
火攻撃LV7,土攻撃LV6,
立体機動LV4,
集中LV9,予見LV1,並列意思LV2,記憶LV8,演算処理LV9,
命中LV7,回避LV8,隠密LV10,迷彩LV5,無音LV10,無臭LV5,
鑑定LV2,探知LV9,
影魔法LV3,
過食LV8,
暗視LV10,視覚領域拡張LV3,
破壊耐性LV3,打撃耐性LV2,斬撃耐性LV2,貫通耐性LV2,衝撃耐性LV3,火耐性LV8,大地無効,
猛毒耐性LV3,強麻痺耐性LV2,睡眠耐性LV4,酸耐性LV5,腐蝕耐性LV4,
恐怖耐性LV4,外道耐性LV3,苦痛耐性LV9,
視覚強化LV5,聴覚強化LV4,嗅覚強化LV4,味覚強化LV2,触覚強化LV3,
身命LV1,魔量LV9,瞬身LV1,耐久LV1,剛力LV2,堅牢LV2,術師LV9,護法LV9,縮地LV2,
呉爾羅LV10,
禁忌LV10,命名LV2,
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・スキルポイント:95400
・称号
呉爾羅、悪食、魔物殺し、暗殺者
➁探知の痛みについて
前回の後書きにて語った「存在を知らない方が良かったかもしれないスキル」の
代表的存在が探知であり、その理由がコレ。頭に情報を入れ過ぎて覚える痛み。
原作の蜘蛛子よりも余裕があるような感じなのは、抵抗のステータスの高さから。
(ステータスの抵抗能力は、外道属性のダメージも低減するものと思われるため)
※参照
・蜘蛛子(ゾア・エレLV1):抵抗300ぐらい、並列思考LV5、演算処理LV7、外道耐性LV3
・主人公 :抵抗3500ぐらい、並列意思LV1、演算処理LV6