呉爾羅ですが、なにか?   作:VSシリーズ

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17話から行なっていたアンケートを締め切りました。ご回答ありがとうございました。
アンケート結果は、以下の通りになります。

○後書きの「主人公のステータス」にて、追加してほしい要素はありますか?(参考までに)
(5) ①前回からのステータスの上昇値
(2) ➁前回からのスキルのレベルの上昇値
(18) ➂呉爾羅などのスキルによる補正値
(7) ①と➁
(2) ①と➂
(1) ➁と➂
(18) ①と➁と➂
(32) 特になし

回答人数32名の「特になし」が一番多かったため、次回からは1話~17話の後書きでのステータスと同じ形式の表示に戻したいと思います。
ただ、このアンケートは、手本として上昇値や補正値をステータスに載せる前に実施し始めたため、手本を確認できる状態で読者の皆様のご意見を伺うために、もう一度実施させていただきたいと思います。
ステータスの上昇値やスキルの補正値がどのように表示されているかは、18話・19話の後書きをご参照ください。
アンケートに再度ご回答いただければと思います。

また、今回の後書きのステータスでは、補正値の有り無しを見比べることを目的として、補正値はドラッグすることで表示できるようにしています。
ご参考になればと思いますので、よろしければご覧ください。

今回もレベリング回ですが、次回はボス戦になる予定です。
原作でも有名な、あの魔物がパワーアップして出てきますよ……。
どうぞお楽しみに。



「この世界で生きること=レベリング」でいいと思う

エルローバラギッシュを少しずつ食べながら、探知を使いこなすために耐性の熟練度をためていく日々。

そんな日々も、あの巨大だった大蛇も残らず私のお腹の中に納まることで、終わりを迎えた。

 

結論から言うと、私の目標に届くくらいまで、外道大耐性に進化したスキルをパワーアップさせることができた。

全く痛みがないってわけじゃないけど、探知を続けて使用することができるくらいにはなった。

たまに休憩を挟む必要はあるだろうけど、これで索敵は十分に行うことができるようになったと思う。

 

索敵に使うことができるようになった探知だけど、頭痛が減ってきたことで、あらゆる情報を取り込む感覚、というものを実感できるようにもなっていた。

この感覚を一言で表すなら……壮観。

私の周りに存在する様々な情報を感知していると、高い山の上から全てを見下ろすのと同じように、世界の広大さを感じたような気持ちになる。

いくつかの感知系スキルを同時に使ったことはあるけど、こんな気持ちになったのは初めてだった。

もし過剰な情報量に伴う痛みが完全に無くなったら、ずっと探知を発動していたいと思うほどかもしれない。

そんな感覚を味わううちに、神性領域拡張という新しいスキルを手に入れていた。

 

『神性領域拡張:神性領域を拡張する』

『神性領域:生命が持つ魂の深層領域。全ての生命の根源であり、自己の最終依存領域でもある』

 

鑑定で調べてみたけど、ここにきて哲学的な説明文が出てきて、なんだか置いてけぼりを喰らったような気持ちになった。

禁忌からの情報で、魂という概念がシステムに関わっていることは理解できているんだけど、それだけじゃ具体的な意味が分からない。

精神統一の修行とかに関係ありそうなスキルだな、とは思うけど……。

このスキルに関しては上げるメリットとか様々なことが不明だから、不干渉かな。

 

そんなこともあったけど、以前と比べて探知を索敵に使えるようになったので、ここからの出口を見つけるための移動を再開した。

ちなみにここは、どうやらエルロー大迷宮の下層という名前らしい。

鑑定して出てくる魔物の種族名をさらに鑑定したら、その魔物が生息している場所として説明文の中に載っていた。

魔物の名前から推定していたけど、やっぱりここはエルローと名の付く地名だったみたい。

ここが下層なら、私がもともといた階層は上層にあたるのかな。

中層や最下層があることは、鑑定で分かっているけど。

下層はともかく上層は入り組んだ構造だったから、大迷宮の名にふさわしい場所だとは思う。

 

魔物といえば、LV7になった鑑定のスキルで、他の魔物のステータスを一部見ることができるようになったんだった。

今はHPにMP、それにSPの数値だけしか確認できないけど、鑑定のレベルが上がったら他のステータスも見れるようになるんじゃないかと思う。

で、そんなふうに比較対象となる他のステータスによって分かったことがある。

私の現在のステータスって、かなり高い。

 

私の元いた所にも生息している魔物と、今のところ下層でしか見かけていない魔物のステータスの差は、大体の場合において大きく開いている。

上の方で戦ったことがある魔物のステータスは、せいぜい100を超えるものが何個かあればいい方で、確認できる限りでは全てが2桁という種族もいる。

一方、下層で初めて遭遇した種族については、どのステータスも100を超えているものが多く、なかには1000に届きそうな能力もある個体もいるほどだった。

つまり、私が元いた所と現在いる場所との魔物の平均ステータスの差は、何倍もあると言っていいと考えられる。

ちなみに、上で遭遇して、ここに来る原因となった大蜘蛛については、例外だとする。

あれはどう考えてもレベルが違い過ぎる。

 

危険感知で測った脅威度や実際に戦ってみた感触としても、ステータスの高さと戦闘での強さは比例しているとみて問題ない感じだった。

そして、ステータスの差が大きければ大きいほど、戦闘能力の差も大きかった。

場合にもよるけど、少なくとも、ステータスが十倍近くもある相手に対して勝利することは非常に難しいと思う。

スキルをうまく使えば、どうにかなるかもしれないけど。

 

……で、探索を再開した際の私のステータスといえば、低いものでも5000は超えていて、防御能力に至っては6000に達しているという感じ。

他の魔物の攻撃能力や防御能力は確認できないけど、HPやSPだけでいっても大きな差をつけていることは分かる。

この下層の平均値をはるかに上回るステータス――強さを持っていると言っても、全然過言じゃないと私は思った。

呉爾羅のスキルによる成長補正がいかにすごいかが、よく分かりました。

このスキルがあって、本当に良かった……。

 

しかも、他の魔物を狩るようになったから、経験値がたまって、レベルが上がることでステータスはさらに成長していってる。

呉爾羅と他のステータス増強系スキルのおかげで、1回分のレベルアップで全てのステータスが最低でも200は増加していくから、凄い勢いで強くなっているのが分かる。

スキルの成長補正を除いたステータスの成長値も計算してみたけど、一番増えている防御能力でも、補正なしの成長値は成長補正の10分の1ぐらいしかなかったよ……。

このことを知ったら、やっぱり成長補正を重要視したのは間違いじゃなかった気がしてくるんだよね……。

 

レベルアップによる能力の上昇率が大幅に増加したわけだけど、そのLVが上がるスピードも以前より早くなった気がする。

フェネグラッドに進化してから大蛇と戦うまでと比較して、ステータスが高めな魔物に遭遇するようになったことが原因だと思う。

私のLVも上がったけど、倒す魔物の平均ステータスが大きく引き上げられたことで経験地が多く入るようになり、次のLVに上がるまでの時間が短くなっていると考えられる。

なかには、私が今まで戦ってきた魔物の進化形と思われる種族もそれなりにいた。

例を挙げると、こんな感じ。

 

『エルロービッグフロッグ』

『アイアンタートル』

『サンダーライトエルローペカトット』

 

単純に能力が上昇しているタイプが多いけど、なかには進化前にはなかった属性で攻撃してくる魔物もいた。

私も、いまとは違う進化先を選んでいたら、炎と土以外の属性攻撃を使っていたのかな。

相手にとっては残念なことに、ステータスの差がありすぎて私には通用しなかったけど。

 

属性攻撃と言えば、新しい属性攻撃系のスキルを私は獲得した。

そのきっかけは、私が倒した大蛇からだった。

 

肉を食べきって骨だけになった大蛇を見ていたら、ふと魔法で有名な某小説の一場面を思い出した。

主人公が蛇の怪物の牙を使って、その牙から染み出す猛毒で敵を倒す場面だ。

あれと同じように上手くいくとは限らないけど、自身の体とスキル以外にも攻撃手段が得られるかもしれないという期待から、エルローバラギッシュの牙を武器として使ってみたくなってしまった。

 

この体の手で物を持つことができるかどうかは半々だと思っていたけど、予想に反して大蛇の牙を手に持つことはできた。

腕が短めだから相当近寄らないと牙を魔物に刺すことはできないけど、相手を圧倒する速度能力と思考加速とかのスキルでカバーしてエルローバラギッシュの牙で攻撃していた。

結果、この牙で攻撃すると、相手には追加で毒属性と麻痺属性のダメージが入っているらしいことが分かった。

あの大蛇は猛毒と麻痺を使って攻撃してきたから、それが反映されているのかな。

 

牙を使えば毒と麻痺を加えた攻撃もできると分かった訳だけど、正直なところ、この牙を活かした戦いは無理そうかな。

理由はいろいろあるけど、いちおう手に持つことはできるとはいえ、牙が手に対して大きめだから、手の中に保持していようと意識しちゃうことが一番の理由。

かなり気を遣うから、戦闘に集中したいときとかは邪魔になる可能性が高い。

メリットよりもデメリットの方が大きいように感じたから、エルローバラギッシュの牙を武器として使うことはやめることにした。

 

でも、牙を戦闘に使ってみたことは無駄じゃなかった。

大蛇の牙で攻撃して、相手の魔物に毒属性と麻痺属性のダメージを与えてきたことが熟練度の蓄積になったのか、毒攻撃と麻痺攻撃のスキルを新しく手に入れていた。

今はレベルが低いけど、エルローバラギッシュのように自分の攻撃に毒と麻痺を上乗せさせることができたらとは思うので、他のスキルと合わせてレベル上げをしてる。

 

スキルのレベル上げについては、それぞれの並列意思が担当するべきスキルを定めていることもあって順調だと思う。

特に、攻撃において重要な役割を果たしてくれる属性強化系や属性攻撃系のスキルに関しては、新しい並列意思のアサルトが専念してくれているおかげで、レベルアップが早くなってきた。

このあいだの戦いでも、土攻撃と火攻撃のコンボで強力な接近攻撃ができたと思うので、熱線のような遠距離攻撃だけでなく近距離攻撃も強めていくためにも、彼女には頑張ってほしい。

 

最近は、熱線よりもスキルで火属性などを付与した接近戦や地竜のスキルを使った攻撃を主体に戦うようになってる。

レベルが最大になった呉爾羅のスキルに頼った攻撃よりも、まだレベルが上がると分かっているスキルを用いた攻撃の方が、いま持っているスキルを鍛えるという点では合理的だと判断できるから。

油断はしているつもりはないけど、戦い方を大幅に変えたことで思わぬ事態に陥ることになるかもしれないから、そこだけは気を付けてる。

地竜ブレスなら、熱線と同じような感じで攻撃することができるから、大丈夫だとは思う。

まあ、私としては熱線の方が愛着があるわけだけど。

 

そんな感じで、スキルの力で属性を付与した攻撃をするようになってる。

今だと、属性攻撃系のスキルの熟練度をいっぺんにためるために、火攻撃・土攻撃・毒攻撃・麻痺攻撃の四つのスキルを同時に発動して攻撃していることが多い。

加えて、魔闘法と気闘法も使用して、ステータスをさらに上昇させて戦っている。

この二つのスキルも、強敵を相手にしたときに重宝するスキルになるはずだから、できるだけLVを上げておきたい。

 

でも、こんなふうにスキルを使っていくうえで、とある問題があることに気が付いた。

それは、特殊能力により消費されるというMPについて。

どうやら属性攻撃系のスキルは、呉爾羅の熱線とかと同様にMPを消費するタイプのスキルだったみたい。

一つだけならMPの消費量はそこまでではないけど、四つ同時に発動ともなると、それなりに消費が激しくなる。

さらに魔闘法もMPを使うスキルだから、これらすべてをまとめて使用していると、MPがどんどんなくなっていく。

贅沢な悩みだと思うけど、自分がレベルを上げたいスキルを全部鍛えるには、MPの量が足りないのが現状だった。

 

地竜のスキルの特殊効果の一つである地恵がMPの回復を手助けしてくれているみたいだけど、それでもMPが不足しているように感じてしまう。

MPの回復を促してくれるMP回復速度や、スキルによるMPの消費を抑えてくれるMP消費緩和のスキルのレベルがもっと上がれば問題は解決するんだろうけど、MPが常に回復する必要があるような状態になったりMPを消費するスキルを使用したりするぐらいしか熟練度をためる方法が思いつかない。

つまり、現状他にできそうなことはないってことになる。

 

――だけど、私はある仮説を立てたうえで、この二つのスキルをどうにか鍛えられないか試行錯誤していたりする。

自分のスキルを鑑定したときのことだけど、一部のスキルとかの説明文の中に「魔力」という単語が出てきたことがある。

そして私は、()闘法というスキルがMPを消費することなどから「MP=魔力」という方程式を組み立ててみて、MP回復速度やMP消費緩和といったスキルの熟練度をためるには、魔力という存在から切り込んでいった方がいいと仮定した。

探知に複合されているスキルのなかに「魔力感知」というものがあるおかげで、魔力と思われるものは既に感知できていて、感知することに神経を研ぎ澄ませれば、この魔力の流れも認識することができる。

MPを消費するスキルを発動する際、MPが回復していく際に、この流れがどんなふうになるのかも私は理解している。

あとは、その魔力の流れを、どうにか自分の意思でコントロールできるように感覚をつかむ――もしくは、そのためのスキルを取得して、MPの消費の減少・回復の増大を促せるようにすればいいと考えているというわけ。

 

実は、新しく生まれた並列意思に、その大仕事を任せているところだったりする。

名前は、「魔力を操れるようになりますように」という願いを込めて、マジシャン。

並列意思のレベルが上がったのがほんの少し前で、魔力のコントロール方法の発現を任せてから時間は殆んど経過してないから結果が出るわけないんだけど、並列意思一人分に集中してもらっているわけだから、近いうちに成果が出てくることを期待してもいいと思う。

 

SP関連のスキルについては、SP消費緩和のスキルが進化して、より消費量を抑えてくれるSP消費大緩和というスキルになってくれたりと、順調に成長している感じだ。

あと他には、鉱体のレベルが上がったりしたし、地竜のスキルも使用する頻度が多くなってきたから、そろそろレベルが上がるかもしれない。

 

鑑定のスキルで基礎能力値を数値として確認できるようになって、自分が強くなっていくのがハッキリと分かるようになった。

スキルについても、数と質の両方が充実していって、どんどん力をつけていっていることが実感できる。

トレーニングとかでもスキルとステータスを成長させることができるけど、やっぱり現時点だとレベルアップによる恩恵が大きい。

他の魔物を倒して、経験値を得て、レベルアップをして、ステータスやスキルが強化する。

システムという魔術によって成立している、そんな流れで更なる力を手に入れて強くなることができる仕組みは、まさにテレビゲームのようだった。

 

 

 

……本当に、この世界はゲームのようだとしか言いようがない。

 

 

 

禁忌のスキルの効果で、私は「この世界の真実」としてシステム等に関する知識を頭に叩き込まれた。

その知識によると、人類の存続と星の再生という女神の願いと、その女神の延命という目的を両立させるために、ギュリエディストディエスという神が稼働させたのがシステム。

このシステムの管理下で、スキルや基礎能力値、経験値といった形で魂のエネルギーが戦いによって高められ、増幅されたエネルギーは死後に回収されて星を再生させるための糧となる。

システムは、星を滅ぼしかけた罪を人間たちに償わせるため、この星に魂を縛り付けて何度も転生させ、星が再生し女神が救われるまで、エネルギーを供給させ続けている、らしい……。

 

まあ確かに、ステータスやスキルといった不思議な力が使えている訳は、この知識で納得できる。

魂のエネルギーとか、地球で科学文明に囲まれた生活をしてきた私からしてみれば眉唾物だけど、「超常的な力が使えるのは超常的な理由があるから」と言われちゃうと反論しにくい。

実際、地球では起こり得なかった力をおおいに使いながら生きているわけですから。

そこに関しては、特に言うことはない。

 

――問題は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことにある。

 

他の生き物の命を奪った際に得る経験値というのは、それまで相手が蓄積してきたスキルやステータスといった魂のエネルギーの一部で、星の再生のために回収される分を差し引いた余りらしい。

この経験値が一定に達するとレベルアップという形で能力が上がるわけだけど、私は、なんでこんな仕組みになっているのか、疑問を覚えている。

本来は星の再生という目的のために蓄積されてきたエネルギーが、一部とはいえ別の用途のために割かれているのは、システムの存在意義を考えると変だと思う。

経験値になる分のエネルギーに何か問題があって、本来の目的に使うことができないから別の使い方をしている、といった理由があるのかもしれないけど、それが倒した方の能力強化のためのリソースになっている、という現状には納得しにくいものがある。

これだと、より力を得るために、経験値を目的として人間同士の争いが助長されることになる。

「魂のエネルギーは戦うことによって高められる」と禁忌の情報にあったけど、あくまで人類の償いのためにシステムが構築されたのに、戦いの機会を増やすためとはいえ勝者にこんなメリットを与える仕組みになっていることに違和感がぬぐえないでいる。

 

そもそも、蓄積した魂のエネルギーをステータスやスキルとして戦闘に使用できることも、星を再生させるためのエネルギーとして高めさせるうえでは不要なことのはず。

ただ増幅させるだけなら、わざわざ戦闘に用いるためのものとして加工する必要はないと思う。

こういう形にすることで、よりエネルギーを増やしやすくなるとか、そういう理由を考えることはできるよ?

でもさ、ズラッと並んだ多種多様なスキルを見るとさ、ここまで数多くの種類のスキルを作った理由がそれだけだとは思えなくなってくるんだよね。

 

それにさ、戦うことで魂のエネルギーを増幅させることができると禁忌の情報の中にはあったけど、トレーニングとか戦う以外の方法でも、スキルのレベル上げやステータスの増加ができることを私は知ってる。

別に争いをしなくてもエネルギーを増やせるのなら、そういう方法でスキルやステータスを上げていけばいいんじゃないかと考えるわけ。

戦いをした方がエネルギーを高めやすいのは知っているけど、それでもエネルギーを増やすための人員が必然的に減ることになる殺し合いをするよりかは、人数を自分たちの方から減らすことなく、それぞれが寿命を迎えるまでエネルギーを蓄積させていく方法のほうが、結果的に多くのエネルギーを生み出すことになるんじゃないかと思う。

 

こう考えると、システムの稼働目的という点から考えても、現状が矛盾しているように思えてくる。

このシステムを稼働させ、システムの管理者となったギュリエディストディエスは、女神を延命させながら彼女の願いをかなえることが目的だったはず。

その女神の願いは、恩を忘れて自分を世界再生のための生贄にしてきた人類を、それでも守りたいというもの。

なのに、その女神の願いのためにあるはずのシステムは、もう一つの目的を達成するためとはいえ、人類に殺し合いをさせることを前提にしている。

そうやって戦わせることしか魂のエネルギーを高めることができないのなら理解できなくはないけど、それ以外の方法でスキルやステータスを鍛えることができることを実体験として知っている以上、これは無視できないほど不自然なことだと考えられる。

 

そんな感じで、システムが稼働された理由を前提に考えると、禁忌によって与えられた情報と現状におかしいことがあると私は結論付けた。

まあ、禁忌のスキルで情報を与えられたわけだけど、その情報が真実で全てだと保証されているわけじゃないしね。

このスキルを作った奴は、そうとう性格が悪いんじゃないかと思う。

実際、この禁忌のスキルがLV10になってから、不愉快な思いをしまくっているし。

だけど、女神の延命と願いとは別の目的があると仮定すると、ステータスやスキル、それに経験地といった存在があることに説明がつくことに気が付いてしまった。

そんなはずはない――と否定しようとしたけども、反論を思いつけずに、そんな目的があったことを逆に信憑づけてしまうことになってしまう。

 

それは――()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ステータスやスキル、経験値というのは、地球ではゲームの中で使用されている単語だというのは、私も知っている。

この世界は、そんなゲームの中でしか在り得ないはずの仕組みを、システムという超常的な力によって現実のものとして成立させている。

魂のエネルギーが、スキル・ステータス・経験値などといった形で自身の力として使えるようになっているのも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という目的があると仮定したなら、おかしいと思っていたことが解決してしまう。

つまり、システムとは、まさにゲームと同じように力を手に入れ、強くなることを現実のものにするための装置でもあると考えられることになる……。

 

……正直、そういう考えに至っても、疑問は尽きない。

じゃあ、なんで強くなることができる仕組みにしたのか?

それがなんで、私も知っているゲームに基づく形になっているのか?

分からないし、確かめようがないことが次々と浮かんでくる。

だけど、この世界がゲームを模したものにされているというのは、今この世界に生きている私にとって、いい気持ちになるようなものじゃなかった。

 

私がこの世界で、魔物に転生しているのだって、本来なら在り得ないはずのことだ。

この世界の魂の流れはシステムによって管理されていて、他の世界――それこそ、私がいた地球とかから別の魂が紛れ込んできて、あまつさえ記憶を持ったまま生まれ変わる、なんてことは起こらないだろうと禁忌の情報を読み解いた限り認識している。

それなのに、この星の人類が過去に犯した大罪と全く関係ないはずの私が、この世界で地竜という魔物になって、スキルやステータスといった力を使いながら生きている。

 

スキルやステータスといったシステムの恩恵が受けられる理由なら、禁忌のスキルで得た情報から分かっている。

私の持っている、読み方不明な「n%I=W」のスキルこそ、本来ならシステムの適用対象ではない私が、この世界で生きていくための力を身に着けていくことができる要因だ。

このスキルが、この世界のシステムに私の魂を紐づけており、そのおかげでスキルやステータスといった魂の力、魔物の私の場合だと進化も含めて、システムの管理下にある「強さ」を得ることができているのだという。

あと、本来は違う言語で表示されたり聞こえたりする鑑定などでの説明文やアナウンスを、日本語に変換する役割もあるらしい。

まあ、世界が違うなら言語も全く違うはずだから、日本語じゃないのが当然だったね。

 

それと、「n%I=W」のスキルは、私の魂がシステムに馴染み過ぎないようにもしているらしい。

本来、この世界で星の再生のために償っている人間たちは、システムが役目を終えるまで魂を縛り付けられ、この星で転生を繰り返す。

だけど私の場合は、この世界の人間たちの大罪とは関係ない、他の世界からやってきた魂なので、システムに馴染み切って縛られることのないように調整されているらしい。

正直、次は記憶を持ちこせないとはいえ、こんな世界にずっと縛られたままっていうのは嫌だと思っていたから、このことを知ってホッとした。

 

だけど、このことを知って、私のなかの疑問はさらに増えた。

全く別の世界に生きていた私が、この世界に生まれ変わった理由。

加えて、この世界の人間たちに罪を償わせるためのシステムにおいて、本来なら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という大きな疑問が、新たに生まれた。

 

なぜ、システムに管理されているこの世界に、地球から私の魂が紛れ込んでしまったのか。

どうして、ありえない存在である私のために作られたようなスキルがあるのか。

こんなスキルを作ったのは、システムの管理者だというギュリエディストディエスなのか。

なんで「n%I=W」のスキルまで作っておきながら、私への説明はないのか。

批判的な思いすらも含んだ疑問が、私の中にどんどんあふれてくる。

 

胸の内深くに存在している疑問の答えを、私が生きているあいだに知ることができるかどうかは分からない。

だけど私は、この数々の疑問の答えを得るためにも、今を懸命に生きていこうと思う。

 

 




以下、現時点の設定など

➀主人公のステータス

フェネグラッド LV16 名前 大原 雅美

・ステータス

 HP:7142/7142(1322up)(緑)( 1080 / 1000 / 1000 / 3320 / 614 / 128 )
 MP:6621/6621(1284up)(青)( 555 / 1000 / 1000 / 3320 / 604 / 142 )
 SP:7303/7303(1350up)(黄)( 1255 / 1000 / 1000 / 3320 / 614 / 114 )
  :7253/7253(1339up)(赤)( 1210 / 1000 / 1000 / 3320 / 614 / 109 )
 平均攻撃能力:7048(1326up)( 980 / 1000 / 1000 / 3320 / 622 / 126 )
 平均防御能力:7381(1351up)( 1330 / 1000 / 1000 / 3320 / 620 / 111
 平均魔法能力:6431(1266up)( 390 / 1000 / 1000 / 3320 / 604 / 117 )
 平均抵抗能力:6521(1267up)( 460 / 1000 / 1000 / 3320 / 604 / 137 )
 平均速度能力:7335(1350up)( 1265 / 1000 / 1000 / 3320 / 622 / 128 )

※()内の数値は内訳で、左から種族値、呉爾羅のプラス補正、その他のプラス補正、
 呉爾羅の成長補正、その他の成長補正、他の要因

・スキル
 
 地竜LV8,龍鱗LV7(1up),甲殻LV7(1up),鉱体LV4(2up),
 HP高速回復LV8,
 MP回復速度LV8,MP消費緩和LV7(1up),魔闘法LV4(1up),
 SP回復速度LV9(1up),SP消費大緩和LV1(new),気闘法LV3(2up),
 破壊強化LV6,打撃強化LV5(2up),斬撃強化LV5(1up),貫通強化LV4,衝撃強化LV6(1up),火炎強化LV2(1up),土強化LV7(1up),
 火攻撃LV9(1up),土攻撃LV8(1up),毒攻撃LV2(new),麻痺攻撃LV1(new)
 立体機動LV6(1up),
 集中LV10,思考加速LV4,予見LV4,並列意思LV4(1up),記録LV2(1up),高速演算LV6(1up),
 命中LV10,回避LV10,確率補正LV4(1up),隠密LV10,迷彩LV7(1up),無音LV10,無臭LV6(1up),
 鑑定LV7,探知LV10,
 影魔法LV3,
 過食LV9(1up),
 暗視LV10,視覚領域拡張LV4,
 破壊耐性LV3,打撃耐性LV3,斬撃耐性LV2,貫通耐性LV2,衝撃耐性LV3,
 火耐性LV9(1up),大地無効,重耐性LV2(1up),
 猛毒耐性LV8(1up),強麻痺耐性LV5,睡眠耐性LV6(1up),強酸耐性LV5(3up),腐蝕大耐性LV1,
 恐怖耐性LV4,外道大耐性LV5(3up),苦痛無効,痛覚軽減LV4(1up),
 視覚強化LV9(1up),聴覚強化LV9(1up),嗅覚強化LV7,味覚強化LV2,触覚強化LV6(1up),
 神性領域拡張LV1(new),
 天命LV10,天魔LV10,天動LV10,富天LV10,
 剛毅LV10,城塞LV10,天道LV10,天守LV10,韋駄天LV10,
 呉爾羅LV10,
 禁忌LV10,命名LV3(1up),
 n%I=W

・スキルポイント:22300(600up)

・称号

 呉爾羅、悪食、魔物殺し、暗殺者

➁今作オリジナルの種族の説明

○種族「エルロービッグフロッグ」
概要:エルローフロッグの進化形で、ステータスの平均値は500ぐらい
   エルローフロッグが2回進化した姿という設定
   主にステータスが成長しているが、特殊なスキルは持っていない

○種族「アイアンタートル」
概要:スモールロックタートルの進化形。ロックタートルから「鋼体」のスキルを
   持っていることで進化することができる設定
   防御能力は非常に高いが、特殊な攻撃スキルを持っているというわけではなく、
   純粋にステータスやスキルが成長したような感じのイメージ

○種族「サンダーライトエルローペカトット」
概要:エルローペカトットの亜種?から進化したという設定。雷属性の攻撃をしてくる
   ペカトットの亜種?の存在については、スピンオフ漫画を参照
   進化前の種族名は「サンダーエルローペカトット」

➂毒攻撃と麻痺攻撃のスキルについて
スキルポイントを消費しない場合は、毒属性や麻痺属性を持つ武器を使って攻撃することで
熟練度をためて取得できるという、この小説での独自設定
エルローバラギッシュほどの魔物の牙なら、素で毒属性と麻痺属性のダメージを
与えることができそうだと思い、とりあえず使わせてみてスキルを取得させてみた
なお、元ネタの蛇のモンスターの牙は、魂も破壊できるほどの凶悪な代物の模様

➃魔力の操作を応用してMP系のスキルのレベル上げ
少なくとも「システムにおける魔力=MP」という等式が成り立つならば、魔力の回復の流れを
促すように操作したりすれば、MP回復速度やMP消費緩和のスキルのレベル上げをすることが
できるんじゃないかと考えたため。この小説の独自設定

後書きの「主人公のステータス」にて、追加してほしい要素はありますか?⑵

  • ①前回からのステータスの上昇値
  • ②前回からのスキルのレベルの上昇値
  • ③呉爾羅などのスキルによる補正値
  • ①と②
  • ①と③
  • ②と③
  • ①と②と③
  • 特になし
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