呉爾羅ですが、なにか?   作:VSシリーズ

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今回は短め。
漫画版アラクネが想像以上にカワイイ。


転落

最近は、かなり調子がいいと自分でも思う。

 

呉爾羅のスキルを持っていることに気づいてから、狩りが断然に楽になり、強敵にも勝てるようになり、進化して体も成長し、高い身体能力と多くのスキルを手に入れた。

今は迷宮内の探索に戻っているけど、特訓の続きで更に新しいスキルを得ていた。

 

あの蛇との戦闘などでスキルのレベルが上がったことで、より強力な熱線が使えるようになったんだけど、その熱線を使っているうちに覚えたスキルが三つある。

二つは、呉爾羅のスキルがLV3になったことで使えるようになった、物理的破壊力を持った熱線を練習しているうちに覚えたスキルで、その名称は破壊強化と衝撃強化。

もう一つは、進化して呉爾羅LV5になってから使えることに気づいた、その名もスパイラル熱線!の練習で獲得した貫通強化。

火強化と同じような感じだけど、たぶん、言葉の通り、それぞれ破壊力・衝撃・貫通力を強化してくれるスキルなんじゃないかな。

他にも、爪や尻尾を使った攻撃を練習しているうちに、斬撃強化や打撃強化といった、同系統だと思われるスキルを獲得してる。

 

その他にも、進化したことで獲得したのか、甲殻というスキルも何時の間にかあった。

数えてみたら、全部で50個以上ものスキルを持っていることに気づいた。

本当に、たくさんのスキルを手に入れたものだと思う。

今はまだレベルが低いものも多いけど、レベルを上げていけば凄いことになるんじゃないかな。

こんなに多くなると、鍛錬するのも大変になってるだろうけど。

 

それと、レベルが上がったことで呉爾羅のスキルにも新しい技が加わっていた。

そのおかげで、熱線とは異なる、新しい必殺技を使えるようになった。

消費が激しいみたいだけど、ここぞという時に使用したいと思う。

 

しかし、本当に私は強くなったと思う。

トカゲとして生まれた時からは信じられないぐらいの成長ぶりだと自画自賛してしまう。

ほとんど呉爾羅のスキルのおかげのようなものとはいえ、この辺りでは敵なしといえるぐらいにまでなったんじゃないかな。

強くなるという目標を予想以上に速いペースで達成してきているので、呉爾羅のスキルがLV10になったら、本格的に迷宮から出るルートを探すのもいいかもしれない。

 

 

そんなふうに調子にのってたのが悪かったのか、気づけば危険感知が今までにないほど大きな警鐘を鳴らしていた。

 

 

……隠密と無音、迷彩などのスキルを全開で働かせるイメージを持ちながら、特大の危険を感知した方向を確認する。

遠くの方に、巨大な蜘蛛がいた。

白くて、私が狩っている人サイズの蜘蛛の何倍も大きいと分かる、みるからに強固な外骨格を持った、紛れもない食物連鎖ピラミッドにおける上位存在。

 

勝てない。

そう直感してしまった。

それほどまでに、危険感知で感じた脅威は尋常なものではなかった。

さっきまで満ちていた自分の強さに対する自信が、一気に失われていくのを感じた。

 

幸いにも、あの蜘蛛に私の存在はまだ気づかれていなかった。

静かにこの場を離れて距離をとれば、大丈夫なは――

 

 

此方を向いた蜘蛛の八つの目が、私を確実に捉えた。

 

 

すぐさま反対方向に駆け出す。

もしあれに捕まったら、ほぼ間違いなく死ぬ。

危険感知と気配感知で、恐ろしいほどの速度で大蜘蛛は私との距離を縮めてくるのが分かってしまう。

あの大きさで、ここまで速く動けるなんて反則でしょうが。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル「動体感知LV1」を獲得しました》

 

新しいスキルが手に入ったみたいだけど、逃げること以外を気にする余裕なんてない。

こちらを追いかけてくる蜘蛛の魔物が、恐ろしくてたまらない。

速く、もっと速く。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル「恐怖耐性LV1」を獲得しました》

《熟練度が一定に達しました。スキル「疾走LV2」が「疾走LV3」になりました》

《熟練度が一定に達しました。スキル「危険感知LV5」が「危険感知LV6」になりました》

 

危険感知で真後ろから急速に迫ってくるものを察知し、左に避けた瞬間、太い蜘蛛の糸が私のいた場所を通り過ぎていた。

蜘蛛の糸は、強い粘着性を持っていることを私は知っている。

あの糸に捕まっていたら、あの大蜘蛛から逃げられなくなることは、ほぼ間違いなかった。

 

ちょうど分かれ道に差し掛かったので、左の道へと向かう。

そこから分岐点が幾度となく存在していたことは、私にとって非常に幸運だった。

私が逃げられるルートが多ければ多いほど、あの魔物が見失う可能性が高くなるはずだから。

 

私の思惑通り、大蜘蛛は分かれ道があるたびに移動を一度止めるようになってきた。

そのうち完全に動きは止まり、やがてもと来た道を引き換えしていった。

やった!

 

ひとまずは自分の命が助かったことに安堵するけど、気は抜けない。

感知系のスキルで、あの恐ろしい大蜘蛛の位置を確認しながら、少しでも遠ざかるために走り続けた。

 

甘かった。

完全に油断していた。

自分の本質は、まだトカゲだった時から変わっていなかった。

少し連勝が続いたからって、この広い迷宮のなかで自分は無敵だと信じていた。

この迷宮での、強さの上限も知らないくせに。

 

弱い生き物は、強い生き物に食われる。

この場所の厳しさを知っていたくせに、中途半端な強さで満足しかけていた。

強い怪獣の力にあやかっているだけの私が、そんなこと思う資格なんてないのに。

最悪で、最低だ。

 

そんなことを頭の片隅で考えていたからなのか。

それとも、自分よりも圧倒的な強さを持つ大蜘蛛から逃げるのに気を取られ過ぎていたのか。

 

私の足は、地面を踏むことなく、体が前方へと倒れていった。

地面と正面衝突すると思ったけど、その勢いのまま頭が下になり、下へと掛かる重力がどんどん強くなっていくのを感じる。

何が起きているのか気づいた時には、遅かった。

 

私の体は、底の見えない大穴に投げ出され、そして落ちていった。

 

 

 




以下、現時点の設定など

➀主人公のステータス

フェネグラン LV4

・ステータス

 HP:1394/1394(緑)
 MP:1267/1267(青)
 SP:541/1350(黄)
  :1362/1362(赤)
 平均攻撃能力:1288
 平均防御能力:1287
 平均魔法能力:1179
 平均抵抗能力:1182
 平均速度能力:1263

・スキル
 
 地竜LV4,龍鱗LV3,甲殻LV2,
 HP高速回復LV2,
 MP回復速度LV2,MP消費緩和LV2,
 SP回復速度LV3,SP消費緩和LV3,
 破壊強化LV2,打撃強化LV1,斬撃強化LV1,貫通強化LV1,衝撃強化LV2,火強化LV6,
 火攻撃LV3,土攻撃LV1,
 立体機動LV1,
 集中LV5,予測LV4,並列思考LV6,記憶LV4,演算処理LV1,
 命中LV3,回避LV3,隠密LV10,迷彩LV2,無音LV10,無臭LV1,
 危険感知LV6,気配感知LV6,動体感知LV1,
 影魔法LV1,
 過食LV5,
 暗視LV10,視覚領域拡張LV1,
 火耐性LV4,大地無効,毒耐性LV5,酸耐性LV3,腐蝕耐性LV2,恐怖耐性LV1,
 視覚強化LV2,聴覚強化LV2,嗅覚強化LV2,味覚強化LV1,触覚強化LV1,
 生命LV2,魔量LV2,瞬発LV3,持久LV3,強力LV4,堅固LV4,術師LV2,護法LV2,疾走LV3,
 呉爾羅LV6,
 禁忌LV6,n%I=W

・スキルポイント:95110

・称号

 呉爾羅、悪食、魔物殺し、暗殺者

➁今回登場した大蜘蛛について
自分より遅く生まれた反逆者ならぬ反逆蜘蛛の捜索のために大迷宮上層をうろついていたところ、そこそこ大きい地竜に遭遇。ちょうど小腹がすいてきたので捕まえて食べようとしたが、思った以上に素早くて、捕まえるのを断念。のちにその反逆蜘蛛に返り討ちにされてしまうため、これ以上の出番はなし
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