押忍!クソ女飯   作:ヤマグティ

5 / 13

アニメチェンソーマンpv。アキくんと姫パイのベッドシーンに感動したので続かないです。

どうかあれが「マキマが干渉しなかった世界の話。」とか「只の姫パイの妄想です。」とかはやめてね❤

それからマキマさん。あのpvのお陰で長らく忘れていたあのミステリアスな魅力を思い出す事もできたのでホント満足。



…いや、ホントさ。あれが只の厄介オタクとか誰も思わねぇじゃん?




焼きたて・湧きたて

 

 

 

 

チチチチチチチチチ……

 

六畳半のアパートの一部屋に、小さく小鳥の囀りが響き渡

 

…ンヂュヂュヂュヂュッッヂュヂュン!!

 

……どうやら今日はタイマーを切るのが少し遅いようだ。いつもなら到達しない第三者にとっては未知の領域が部屋一杯に鳴り響く。

 

「…朝だね。」

 

布団もかけず、スーツ姿のままでうつ伏せにベッドで眠っていた女性は、その唸りを聞くと本当に眠っていたようで渋そうに目を開いて体を起こす。

 

そうして、カバンの中からスマートフォンを取りだして、画面をタップして小鳥の唸りを止める。

 

それから机の上にスマートフォンを置くと、ぎぎぎ…と汗ばんだ体を伸ばしてベッドから立つ。

 

「…まだ寝てようかなぁ……。」

 

女性は悩ましそうにそう言うが、もう起きてしまったので少量の日の光が差し込んでいたカーテンを開ける。

 

ブワッと一気に部屋が暖かな光で満ちる。今日も雲一つも無い良い天気のようだ。

 

「…眩しいね。」

 

女性は一斉に顔に降り注いできた光に目を冴えさせて貰うと、今日の支度は…始めない。

 

 

 

 

 

何故なら今日は、土曜日なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャワーを浴び、それから私服に着替えて、犬の足跡柄のクッションにポスンと座る。

 

「…」

 

頭痛が痛い。二日酔いだ。

 

昨日は一体どうやって帰ってきたんだろう。記憶が所々抜けている為に分からない。確か誰かに駅まで引率してもらったような気がする。

 

…まぁいいか。ちゃんとお家にいるんだし。そこさえ大丈夫なら無問題だ。

 

いつだったか自宅で色んな種類のお酒を試してみようと沢山取り寄せてワンマン飲み会をした日、次起きたのが先も後も見えない深夜何処かの道路上だった事がある。

 

あの時は闇の悪魔のテリトリーに入ってしまったのかと思った。

 

やはり、今の私には致命的なレベルにアルコールの耐性がないようだ。今回で確信に変わった。これからは過剰な飲酒には気を付けよう。

 

「……朝ご飯……どうしようかな…。」

 

キッチンに行きコップ一杯の水を飲み干すと、寝起きである事と二日酔いが合わさった事でさした食欲の起きないお腹と相談を始める。

 

何を食べるべきか…。二日酔いには炭水化物が良かったような気がする。

 

炭水化物…お米?

 

…いや、却下。炊くのがダルいね。

 

となると…そうだ食パン。小腹が空いた時の為にいつも食パンを用意してる。

 

でも食パンってだけなのもなんだかな……。

 

何か乗せれるものは無いだろうか。そう思い、冷蔵庫を開ける。

 

卵、チーズ、ハム、ジャム。パッと見るとパンに合いそうな物がいくつかあった。

 

どれにしようか。何でもいいけど…いや、何でもいいから逆に選択に困ってしまうな。

 

そんなこんなで悩んでいる内に冷蔵庫が開けっ放しの警告音を鳴らすので一旦閉じて、また開ける。

 

すると、先程気づかなかったアボカドの存在が目に止まった。

 

アボカド。そういえば一昨日だったか安かったから買ってきたんだ。

 

飲みにいった昨日、本来なら昨日の夜ご飯はコレで何か作ろうとか考えてたんだっけ。すっかり忘れてたね。

 

アボカド…。パン…。

 

うん。食パンにアボカドを乗せたトースト。いいね、コレを使おう。

 

アボカドのトースト。きっと悪く無いだろう。

 

そうだ、チーズも合うかもしれない___

 

 

一度方向性が決まるとどんどんと進んでいく物で、頭痛を忘れた頭の中に美味しそうなトーストのイメージ図が出来上がる。さして無かった筈の食欲も自然と湧いてきた。

 

 

その空腹感から早急にアボカド(あとチーズとかも)を手に取ると、上機嫌に皮を剥き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

チーン。

 

 

 

オーブントースターのム゛ーっとした温める音は突拍子もなく止まると、それと同時に軽快な完成の音を伝える。

 

それを聞くと、舞い戻ってきた頭痛に耐えかねてクッションに埋めていた顔を勢い良く起こし立ち上がってオーブントースターに向かう。

 

そしてその出来栄えを確認しようとトースターを覗き込むが、当然だがもう既に暗くなっていた。

 

なので早急にミトンをつけ、期待を胸にトースターを開ける。

 

 

「……。」

 

「…上出来だね。」

 

 

トースターの暗闇奥深くからスッと出てきたそれを見ると、自然と小さく笑みが溢れる。

 

 

こんがりと焼けて、耳に鮮やかな焦げ目を付けたパン。

 

その四角いフィールドにすっぽり収まるように綺麗な円の配置で乗せたスライスされたアボカド。

 

そして、綺麗な焼き色を付けてコポリ、コポリと沸騰しているトロリと溶けたチーズがそれらに包み被さっている。

 

 

その見栄えを見ると、ただそれだけで調理の成功を信じて疑わなかった。

 

が、やはり実際に食べて評価してみせるのが食の在り方だ。

 

見とれていて数秒動かなかった体はようやくトーストの収まったガラスのプレートを手に取り、テーブルへと向かう。

 

そうしてコトリとテーブルに置くと、やはりその見栄えに見とれてしまう。

 

このオシャレな物を自分が作った、その感覚が満腹とは別の満足感を生み出す。

 

少しミーハーな人間なら、こういうのはsnsとかに上げたりするのが常識なのだろうか。

 

まぁ、しかし、敢えてこの傑作は私だけで独占させてもらおう。

 

他人からの評価など必要ない。肝心なのは私にとっての特別さだ。

 

他の誰もこの魅力がこの世界に存在した事を知らない。知りえない。

 

私だけがこのトーストの存在を記憶に留めておける。

 

そう、あの数々の勇姿と同じように__…

 

…おっと、いけない。こんな事をしてたらトーストが冷めちゃう。

 

トーストは時間が命だ。パンの焼き立ての魅力は、冷めてしまえば再び暖め直しても完全に再現することはできない。

 

ようやくトーストを手に取り、その端を口に向け運ぶ。

 

サクッ、と。焼けたパン生地から心地よい音が響きわたる。

 

これだ。これこそトーストが朝ご飯の代表格に鎮座し続けれる理由だろう。

 

その軽快で心地よい音。口当たり。

 

トースターの発明・普及は人類にとって本当に偉大なモノだったろう。

 

トースト。

 

ただ食パンをほどよく焼くだけの、考えてみればみるほど何の捻りも無く感じる単純な発想。

 

けれども、それが生み出すこの単純な軽快さが幾万人もの人間を遥か昔から虜にしてきたのだ。

 

 

だが、そんな人類史の重みある軽快な食感から感じる味は、そこに反比例したチーズの濃厚なもの。そして、アボカドのクリーミーな脂質。

 

その食感は、味は、口当たりは。同じ脂質というカテゴリーなのに、昨晩食べてきた肉のものとはまるで違う。

 

アボカドというのは考えてみれば結構変わった果物で、脂質豊富で栄養価が高い割りに酸味や甘味が無い。果実というよりも野菜に近いのではないのだろうか。

 

けれどそんなあっさりとしたほとんど味のない果肉が、だからこそチーズの濃厚さに良く合っている。

 

「ふふ…おいしいね。」

 

既に分かりきっていた事だが、それでもこの満足感を言葉に出さずにはいられない。

 

即興で上出来な物を作れた。

 

規模的に見れば何か大層な事では無いが、何の変哲もない凡庸な日常を送っている者にとって、少しでも自分が誇らしいと思えるような喜びは存外生活を豊かにしてくれるのだ____

 

 

「…あ。」

 

「ワンちゃん飼いたいなぁ…。」

 

 

豊かな生活。食語りの最中にふと頭に浮かんできたそのワードから、自然とそれを連想してしまった。

 

昔みたいに犬を飼いたい。それも沢山。

 

犬は良い。意志疎通に難あるところがあるけど、だからある意味で疲れない。

 

犬は忖度をしないし、媚びへつらうような事も、思い上がったような事もしない。

 

ただ純粋に、風の向くまま、気の向くままに従順。

 

 

「…ここがペット禁制じゃなかったらな…。」

 

 

駅に近く、インフラが良くて、家賃も良い。だからここを選んだけど、残念なことにペットはNGというのが絶対のルールだった。

 

 

「……マイホーム建てようかな…。」

 

 

たかが犬を飼いたいがために。と思いもするが、やっぱり何としても犬を飼いたいという想いもある。

 

というか、ペットじゃなくたって一緒に暮らす誰かが欲しい。凄く寂しい。正直実家に帰りたい。

 

でも普通の社会人というのは独立して各々に家庭を持つものだ。それが普通の生活。

 

……そう、普通の生活。

 

結婚して、子供を作って、暖かい家庭を築いていく…。

 

 

…。

 

 

そこまで考えて、止める。

 

そんな普通の生活をするなんて、私には無理な話だからだ。

 

だって私と人間とじゃ種族が違う。

 

価値観も、力も。

 

そもそもとして体の作りが違うんだ。それこそ、あんな事やこんな事なんて…。

 

 

 

 

…、

 

 

あれ…。

 

 

…いや。

 

 

……まった。いつもすぐ忘れてるけど、今の私は人間だ。

 

だったら、体の構造は全く同じって事になる…?

 

…。

 

あれ…じゃあ、つまりは…。

 

 

…今までずっと頭で分かってても、悪魔の思考のせいで関係ない話とか、物理的に無理とか勝手に思ってただけで…。

 

とっくの昔に私には無理だなんて諦めてたけど…。

 

 

今の私なら…ちょっとした行動力さえあれば…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  “そういう事” って、できちゃうんじゃない…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっとまだ、酔いが覚めてなかったんだろう。

 

ふとこんな事を…口にしてしまった。

 

 

 

 

 

 

「…エッチな事…すごく……してみたい…。」

 

 

 

 




人型をした悪魔ってのがどこまで人間に近い構造なのか、コレガワカラナイ。

それと作中で言ってたあの「エッチな事はお互いを知れば知るほど気持ちよくなると思うんだ。」って感じの発言。

最初こそ経験豊富な大人の名言とか思ってたけど、悪魔・厄介ファンと判明した事で、もしかしてアレ実際はただの本人の憶測・憧れ、あるいは映画で見ただけの知識程度の話だったんじゃないか…?って…。

“思うんだ。”って断定した言い方じゃないのが凄く引っ掛かる…引っ掛からない…?


二部でマキマさんの事もっと掘り下げて欲しい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。