押忍!クソ女飯   作:ヤマグティ

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マキマさんが太って「あーあ…」って言ってるコラを見てずっと笑ってる永久機関になってたので続かないです。

そういえばナユタちゃんは食パンを好んで食べてるようだけど、マキマさんもそうなんですかね?本編でもトーストを食べてたような気はする。

はたして転生した悪魔の趣味嗜好は共通するのか、しないのか。

二部でナユタちゃんを介してマキマさんについて色々と分かるといいよね。いいよね?いいと言いなさい。



予想内の予想外

 

 

 

日曜日の昼。

 

今日が休日である事を証明する人通りが街中に溢れている。

 

陽気な日差しに照らされた、そんな地元の街道を一人手ぶらで散歩をする。

 

週末はこうやって運動を兼ねて街に出歩いている。基本人よりは食べる方なので、健康維持には力を入れているのだ。

 

今の私は結構余裕で太る。体型なんて微塵も気にした事の無かったあの頃に戻りたい。

 

ちなみに普段は所謂食べ歩きなのだが、生憎今週はお財布が瀕死な為ただ歩くだけとなっている。

 

結局、パンを食べ尽くしてしまったあの後は仕方ないのでお米だけの生活に甘んじる事にした。

 

佃煮を使い尽くしたのは本当に悪手だった。帰りに何か安価で買えそうなご飯のお供を買おう。

 

どうでもいいけど私はどちらかというとパン派だよ。食パンが好き。安上がりでいいよね。

 

 

「……ん。あれは。」

 

 

散歩ルートの公園に入ると、ふと遠方に、幼い子供達に囲まれながら木をひたすらに蹴っている、私の知っている姿が見えた。

 

 

「……ふんっ……!!」ゲシッゲシッ…

 

「……あ~…ダメだなこりゃ。枝にしっかり引っ掛かっちまってるぞ…。」

 

 

 

「何をしているのかな。伝次君。」

 

 

 

「おわっ!?間木さん!?」

 

 

声をかけると、突然ヌッと現れた私の存在に伝次君は驚愕した様を見せる。

 

 

「…あ~~。いやちょっとカフェに向かおうと公園を通ったら、このガキんちょ達に呼び止められて。」

 

 

伝次君は視線を下に向けて、周囲のわんぱくそうな男の子達を見回す。

 

 

「成る程、あのボールを取って欲しいって言われたんだね。」

 

 

私が状況を察すると、そうそう。と、伝次君は首を縦に振ると、今度は視線を上に向ける。

 

視線の先には、高くそびえる大木の枝の間にジャストフィットしたサッカーボールがギチギチと挟まっていた。相当力を入れて蹴ったのだろうか。

 

うーん……。よし。

 

 

 

「さっきからず~っと揺らして見てるんすけど……中々取れなくて……。」

 

「ってアレ!?間木さん!?」

 

 

 

視線を戻すと、先程まで居た筈の存在の消失に伝次はキョロキョロと辺りを見渡す。

 

が、何処にも彼女の存在はない。

 

非常に妙だ。突然去っていったとしても、見失ってしまう位に距離を取られるほど真上のボールに視線を向けていた訳では無い。

 

「…あっれぇ…?」

 

「……もしかしてさっきの幻覚ぅ…?」

 

 

 

「危ないよ、避けて。」

 

 

 

「…へ?おぉっ!?」

 

 

突然真上から聞こえてきた声に再び視線を上に向けると、その瞳にサッカーボールと、先程見失った姿形が豪速球で此方に向かって落ちてくるのが見えた。

 

「おわっと…!」

 

咄嗟に後ろに下がると、先程まで自分の居た位置にポスンっとサッカーボールが跳ね、そしてついさっきまで探していた存在、間木が砂埃を立てて華麗に着地してきた。

 

あと少し避けるのが遅かったなら、硬いボールの一撃か、彼女の豊満な体から織り成されるヒップアタックを顔面に食らう事になっていただろう。

 

だが、そんな危機感よりも。

 

 

「すっげぇ…。」

 

 

先に出てきたのは感嘆の言葉だった。

 

 

 

 

「ハイ。ボールだよ。」

 

「うん!ありがとうおねーちゃん!」

 

ボールを手渡すと、子供たちはペコリと律儀に頭を下げて去っていった。

 

そうして一仕事を終えると、両足を見る。

 

これぐらいの高さなら平気でしょ。なんて思って落ちてきたが、かなり足がビシビシと痛んでいる。すごく痛い。

 

いや、痛いのは馴れてるから平気だけど、もし骨にヒビが入っていたら大変だ。

 

今の私はダメージを肩代わりさせる事が出来ない。

 

運動神経は良い方だと自負しているけど、それでも無茶するのは良くないな。反省だね。

 

 

「あ、ありがとうございます間木さん。スゲぇスゴいっすね!」

 

 

「うん。じゃあ私はこれで行くね。」

 

 

「え。あんの…えっと、間木さんっ。」

 

 

そのまま帰ろうとすると、伝次君に呼び止められた。

 

伝次君は何かタジタジとしながら、少し顔を赤らめて何かを言おうとしてるが、何を言うべきか思い浮かばないようなので、ずっと呼び止められたままになってしまう。

 

私はこういう状況を映画で度々見るのでよく知っている。

 

これは意中の女性をどうにかデートに誘いたい初な男の子の挙動だ。

 

伝次君が私に好意的なのはもう前世の頃から知っている。特に驚くような事じゃ無い。

 

だが、しかし。困ったな。

 

私は正直に言って伝次君が苦手だ。

 

いや、正確にはデンジ君。

 

だってデンジ君のせいで私は「彼」に選んでもらえなかったし、その為に回りくどい事をしなくちゃいけなくなったし、最終的にはかなり酷い方法で殺されるハメになった。

 

想像してみて欲しい。体が上手く再生できず、その生きたままに解体されていく様を。

 

何よりに、微妙に霞みながらも解体され終わるまで機能し続けた聴覚が最期にデンジ君から聞いた言葉なんだと思う?

 

「そういやマキマさんってどんな味するのかな…。」

 

だよ?

 

今でこそ「確かに初めて食べる珍味だからそこ気になるよね。」ってなるけど当時は訳が解らなかったし相当怖かった。

 

いや、もう本当に怖かったんだ。

 

え?食べるの?私を?このまま無力化し続けるとかじゃなくて?

 

って、そんなめちゃくちゃな発想が今でも理解できないし、なんでそれで死んだのかも分からない。

 

いくらバラバラにされて、その上食べられたりしたとしても、ダメージを肩代わりさせる契約が無くなってた訳じゃない。

 

…まぁ絵面が最悪だけど、理論上はトイレとかから復活できた筈なんだ。

 

もしかしたら攻撃意思が無かったから攻撃と判断されなかった。なんて可能性も考えてみたけど…だとしても一体どんな認識の問題をつけたらそうなるんだろう?

 

というか、デンジ君には結構散々な目を合わせたと思うんだけどそれでも攻撃意思を持たない理由って一体何なのか。

 

…。

 

 

はぁ…。

 

勿論この伝次君がデンジ君とは別人だって言うのは分かってる。

 

この苦手意識も、少なくとも伝次君にとってみれば身勝手で一方的なものだ。

 

全くもって社会人としての礼節を欠いているだろう。

 

うん、分かってる。分かってるんだけど。

 

それでもやっぱり苦手って感覚は消えてくれ無いし、何よりにだ。

 

いくら伝次君が私を好意的に見てくれてるとしても、私には意中の人(?)が既にいるんだ。

 

どのみち、伝次君の想いには答えてあげられないし、そんな気も毛頭ない。

 

「…特に何も無いなら、急いでるから私は行くね。」

 

 

「あっ!いやっ、間木さんっ…!」

 

 

伝次君に一際声大きく呼び止められるが、私は歩き続ける。

 

私は伝次君が苦手。これはもう絶対に変わらないことだ。

 

それに……。

 

 

 

追い続けてた人に微塵の好意も抱いて貰えないのが一体どれだけ虚しい事なのか。

 

私はそれをよく知っているのだから。

 

 

 

「あっ……間木さんっ……えっとぉ……。」

 

 

 

「あっそうだっ!!」

 

 

 

「あのっ、間木さんっ!!もし昼メシまだなら、オレこれからカフェ行くんすけど一緒にどうですかっ!?」

 

 

 

 

「オレ奢りますy」

「うん。行こうか。」ヌッ

 

 

 

「ウオ近っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あそこっす。最近オープンしたんですよ。」

 

「へぇ…。この辺りは滅多に通らないから知らなかったな。」

 

伝次君に案内されるがまま付いていくと、如何にもカフェと自称してやまない洋風でオシャレな、[二道]と描かれた自己紹介の旗を付近に立てたお店が見えてきた。

 

こんな所にいつの間にカフェが出来ていたとは、全然知らなかったな。

 

 

「そういやさっき間木さん急いでるって言ってませんでした?いや、誘っておいてあれなんですけど…。」

 

 

「そんな事私は言ってないよ。」

 

 

「え、いやでも間木さん確かにさっき」

 

 

「私は急いでいるとは言わなかった。いいですね?」

 

 

「あっハイ。」

 

 

オープンの文字が掛けられた扉を開けると、カランカラン…と扉に付けられた鈴が雰囲気ある音を立てる。

 

新装店らしい外観の通り店内は綺麗で、洋風な雰囲気をより一層魅力的にしている。

 

なんだかテンション上がってきたね。

 

 

「いらっしゃいませー!おっ、今週も来るねぇ伝次くーん。」

 

「ここそんなにおいしい店じゃないでしょー……ってあれ…、その女の人は…?」

 

 

鈴の音に呼ばれて、店の奥から紫がかった黒髪が特徴的な女の店員さんが出てく…

 

ん、この店員さん……知ってるニオイがするね…。

 

これは……。

 

 

 

 

……もしや、ボムちゃん?

 

 

 

 

そういえばボムちゃんって確かあっちではカフェに居たような気がするな。

 

となると、彼女も例の如くって感じか。

 

一応彼女ともその内出会うのかなぁ…なんて事は考えてたけど、まさかこんな所で出会うとは。

 

ええと、ボムちゃんの人としての名前ってなんだったかな……。

 

 

 

 

「あ~、この人は間木さん。前言ってたオレの上司。」

 

 

「間木……。あーこの人が!」

 

 

「ん、私の事知ってるのかな?」

 

 

「ええ、たまに伝次君とお仕事についての話をするので。」

 

 

「へぇ。彼女とは仲が良いんだね伝次君。」

 

 

「あ~、まぁそうっすね。」

 

 

伝次君はこっちでもボムちゃんと接点ができたようだ。運命って奇妙だね。

 

 

「あ、自己紹介が遅れましたね。私は 零瀬 って言います!」

 

 

そう言うと、ボムちゃんはエプロンの胸元に付いたプラカードを見せる。

 

謀務 零瀬 (ぼうむ れぜ)

 

れぜ、レゼ。

 

そうだレゼちゃんって名前だったっけ。

 

 

「私はマキ…、麻。皆からは間木さんって呼ばれてるよ。」

 

 

「皆から慕われてるですね。じゃあ私も間木さんって呼ばせて貰いますっ!」

 

 

零瀬ちゃんはニッコリと可愛らしく微笑んでそう言う。支配かけてた時も思ったけど、彼女愛想の良い子だよね。

 

 

「おっと、お客様二名入りまーす!」

 

「お席にご案内……いや、他のお客なんていないからご自由な席でどうぞー!」

 

 

レゼちゃ…零瀬ちゃん。イントネーションが馴れないな。

 

零瀬ちゃんは奥に入る店長らしき人物と目を合わせて、煽るような冗談混じりの事を言うと、店奥に引っ込んで行く。

 

確かに他にお客さんがいないね。新装店って事もあるだろうけど、こういうお店が、失礼だけどモーニング位にしか需用が無いというのもあるかもしれない。

 

まぁ、そんな事はどうでもいいか。問題は味。

 

さっきレゼちゃんが店の味に対して自虐的な事を言っていたのを私は聞き逃さなかった。只の冗談ならいいんだけどな。

 

少し不安を抱えながら、伝次君の提案で陽当りの良い窓際の席に座る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふぅん…。あれが間木さんかぁ…。」

 

「……伝次君はいつもあんな美人と一緒の職場で…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何か零瀬ちゃんが奥からこっちを見てるような気がしたが、メニューを見てる方が大事なので特に気にしない事にした。

 

 





謀務 零瀬 (ぼうむ れぜ)


レゼとの違いは首のピンの有無。チョーカーは付けてる。

あと呼び方のイントネーションが違う。

謀無にするべきかと悩んだけど結局謀務にした。

レゼが二部で出てほしいと思う反面、レゼ編の完成されたあのままに終わって欲しいとも思う。

レゼ編は映画化しろ。

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