押忍!クソ女飯   作:ヤマグティ

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チェンソーマン二部にて明らかにこのssと矛盾する設定·描写が出次第、早急にチェンソーマンが呼ばれこのssの存在はこの世から抹消される予定なので続かないです。


ってなーに?

 

 

アクアパッツァってなんだ。

 

 

 

 

カレーやチャーハンなど、基本ジャンルを問わないメニュー。だが、パスタやリゾット、ミネストローネなどイタリア料理の名が気持ち多く、成程。ここの店長さんはイタリア料理が好きなのかな?

 

なんて思っていた矢先、知らない名前が目に止まった。

 

 

アクアパッツァ。

 

 

……。

 

 

アクアパッツァってなんだろう。

 

 

このメニューは文字だけのタイプなので写真がない。

 

何か何処かで聞いた事だけはある気がするけど、分からないな。人生ってどうにも名前しか覚えてないという異常にエンカウント率の低い料理が結構ある気がする。

 

多分イタリア料理なんだろうという事は分かるけど、逆に言えばそれしか分からない。

 

アクア。水。

 

って事は海鮮料理なのだろうか。

 

 

だとしたら海鮮のどういう系統だろう。

 

 

カルパッチョみたいな生食系?

 

 

それともパエリアみたいのとか?

 

 

後ろのパッツァはどういう意味だろう。

 

 

さも知ってて当然のようにメニューに居座る正体不明の文字列に、数秒思考錯誤するが知りもしない答えが分かるわけないので止める。

 

困ったな。アクアパッツァ。すごく気になる。

 

 

でも自分の知らない料理を食べてみたいと思う好奇心は常にリスクと裏合わせだ。

 

未知へのチャレンジとオーソドックスを選択する事、どちらが賢明かと聞かれればそれは間違いなく後者だ。

 

オーソドックスな選択とは予め安定性が追求されたベストの選択肢だ。

 

だからこそオーソドックス。すなわち「一般的」という孤高の座を得ている。普通というのは正義なのだ。

 

けど、好奇心の前に正義とは大した魅力にも抑止力にもならないのも事実。

 

アクアパッツァ。

 

多分パエリアやピザと同じようなイタリア料理の一種で、なんか名前の響きがカッコいい。

 

チャレンジ精神なんてそんな崇高な物ではなく、ただただ単純にそれが気になる。

 

じゃあスマホと言う文明の利器に頼れば良いのに。

 

なんて一瞬迷いもする。が、未知の料理とは敢えて未知のままにし、自分の口で試してみる事に価値があると私は思う。

 

よし決めた。アクアパッツァとやらを試してみよう。

 

 

「伝次君は何にするか決まった?」

 

 

「俺ぁここ来たら基本カレーっす。ここのカレー美味いんすよ。間木さんは?」

 

 

「アクアパッツァ。」

 

 

「あ~メニューに乗ってるヤツすね。それどんな料理なんすか?俺詳しく無くて…。」

 

 

「さあ?何だろうね。」

 

 

「え、知らないのに頼むんすか…?」

 

 

「知らないからこそだよ。知らない事を知ろうとする事は仕事においても、人生においても大切な事だよ。」

 

 

「おぉ……なんか深い……。」

 

 

「でも私の口に合わなかった時は伝次君が食べてね。」

 

「えぇ……。」

 

 

「返事はハイかワン。」

 

 

「……ワン?」

 

 

 

 

 

___

 

 

 

 

「魚っすね。」

 

「お魚だね。」

 

 

アクアパッツァ。何となく海鮮料理だとは断定していたが、魚が切り身だとかじゃなくて The·魚 といった形で出てきたので、自分の知っているイタリア料理とのイメージに何となく合わず意表を突かれた。

 

けど、それも一瞬の事で、オリーブオイルが使われたであろう魚の焼き方や周囲に盛り付けられたムール貝やトマト等をじっくりと見るとこれも立派なイタリア料理だなと思い直した。

 

魚は形的に鯛だろう。確かにこういう料理には白身魚が適正ある。

 

匂いからして、酸味の強い料理だ。多分白ワインが使われている。

 

レモンが置いてあるのを見るに人によっては酸味を強く感じるのかも知れない。

 

まぁ、何がどうであれ食べてみない事には何も始まらないね。映えある見た目に食欲を煽られすぎた。早く食べよう。

 

 

パリッ。と、ナイフを入れると程よい焼き色を付けた皮がいい音を立てる。

 

フワッとした白身を切り分けるナイフの切っ先にゴッとした感触を感じたので、まぁ見た目的に当然ではあるが骨は取り除かれていない事が間接的に分かる。

 

もしかしたら、骨から出汁を取っているのかも知れない。まるまる一匹の形である理由はそこかも。

 

上手いこと一欠片切り取って、早速口にする。

 

「ハムッ…。」

 

「……。」

 

「…少し酸っぱいけど、おいしいね。」

 

 

予想通り酸味が強めだったが、まぁクセが強すぎると言うほどでもない。

 

人によってはこれ位が丁度良いというラインだ。

 

ただその他については、うーん…あまり言うことが無いかな。

 

身にもう少し貝ダシがついてればもうちょっと美味しかったかも。

 

そう言う意味ではボムちゃ、零瀬ちゃんのさっきの店の味への自虐的評価は多少的確なのかも知れない。

 

まぁ店長さんお店始めたてみたいだし、成長性があるから今後に期待。

 

ヒョイヒョイと食べて、少し口内が酸っぱくなりすぎたので水で打ち消す。

 

コーヒーは料理に合わなかったらと思って不安だったので頼まなかった。

 

そういえば伝次君が頼んでたっけ。

 

そう思ったので、ふと前方を見やる。

 

伝次君は少し飲んでは舌を出して「うぇっ」な顔を繰り返している。

 

特段苦いのかな。なんて一瞬思ったけど、伝次君ならどのコーヒーを飲んでもこんな顔をしそうだ。参考にならないな。

 

まぁいっか。ここは立地が良いのか日当たりが特段よく、店内の雰囲気が良い。次も来てみる理由ができた。

 

 

 

___

 

 

 

 

「あっ、そうだ間木さん。」

 

少し世間話をしていると、ふと伝次君は何かを思い出したような声を上げる。

 

「ん、何かな。」

 

「あーいや、別に大した事じゃないんすけど、聞きたい事があって。その、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チェーンソーマン…?…って何すか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カタンッ

 

「………」

 

 

「…?急に固まってどうしたんすか間木さん?フォーク落としましたよ。」

 

 

「…。」

 

「…どうしてその名前を知っているのかな…。」

 

そう聞く私の顔を見ると、一瞬ビクッとした挙動を取る。多分無意識の内に睨んでいるんだろう。

 

けどそうせずにはいられなかった、今一瞬の内に私の警戒心は張り詰めてしまった。

 

「その名前」はこの世界には存在し得ない筈の物。

 

少なくとも、私の記憶の中以外では。

 

何より、よりによってその口からその言葉が出たのが良くなかった。他の人ならまだ偶然で片付けられたかも知れない。

 

 

まさか、ハッタリをかけられている?

 

私の死因は一言で表せば「出し抜かれた。」これに尽きる。

 

君は本当に伝次くんなの?それとも、まさかデンジ君……?

 

……どう動くか、慎重にならざるおえない。

 

 

「えっ、あの。つい一昨日酔った間木さんを駅まで送った時に……」

 

ピロリリリリリ!!

 

伝次君が話し始めようとした丁度そのタイミングで、邪魔するかのように彼の携帯が鳴る。

 

「あっすいません、ちょっと待って下さい……。」

 

「…?おーどうした那由多?…ハァ!?ポチ太の散歩してたら迷子になっちゃったぁ!?」

 

「オイオイマジかよ…近くに何がある?……juコーポレーションって看板が付いたビル……?それ隣町じゃねぇか!!何でそんな所いるんだオメェ!?」

 

「何……トラックの荷台が日当たり良いからそこで昼寝しちゃった……?運転手が来たら気づいて起こしてもらえると思ったけどそんな事無かったって……?」

 

「ちゃんとポチ太はいるか? 『ワンッ!』 いるな。」

 

「すぐ迎え行くから待ってろ、変に動くなよ!?」

 

「すんません間木さん俺ちょっと急用ができちゃったんでっ!!」

 

伝次君はそう言って慌ただしくカレーを食べきると、早急に荷物を纏めて走り出す。

 

 

「零瀬!!俺と間木さんの分ツケといて!!」

 

「ちょっとここは居酒屋じゃありませんよーー!!…って行っちゃった。んもう、店長にどやされるの私なのに。」

 

「んー。じゃあツケときますので。お気になさらず。」

 

 

 

そうして伝次君は風の様に去っていき、私は一人謎と共にポツンと残されてしまった。

 





ナユタちゃんカワイイ大好き。
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