「な、何故だ!?何故我が敗北したのだ!?」
「はぁ・・・少しは自分で考えろ。明日また話を聞く。」
そう言って盟友はさっさと指令室を去ってしまった!?ぬぅ・・・何故負けたかのぅ・・・今回の相手はモブ教官ではなく小森とかいう美少女であったな。美少女であるからには才能に恵まれておるのは当然とも言える。だが我はそんなヒロイン達に持て囃されるべき主人公的な存在のはずである。何故天才美少女に勝利して惚れられるイベントが発生しなかったのだ?ううむ・・・全く分からぬ・・・
「織田提督候補生!!朝潮型6名、演習より帰投しました!!」
我が悩んでおるうちにいつの間にか我の指揮で戦ってくれた朝潮型の娘達が指令室に帰投していたか。
「うむ、勝たせてやれずにすまぬな・・・」
「いえ、提督候補生の方の指揮で戦うのが私達の仕事ですからお気になさらず!!」
ふぅ、朝潮ちゃんはやはり真面目な娘で可愛いのぅ。こんな情けない姿を見せてしまった我にも礼儀正しく接してくれるのか。
「そ、そうであるか。」
「いや、酷い指揮をしたんだからちょっとは反省しなさいよね、このクズ!!」
ぐふ・・・和んでいた我に霞ちゃんの言葉が突き刺さる!!怒っている姿も可愛いがやはりキツイ言葉はくるものがあるのぅ・・・
「霞!?提督候補生の方に暴言を吐くとは何事ですか!!謝りなさい!!」
「嫌よ!!あんな酷い指揮をしてこいつが反省しなかったら、演習でボロ負けした私達がバカみたいじゃない!!」
「なんて事を言うのですか!!私達が任された大切な任務を遂行する事がバカみたいとは何事ですか!!」
「負ける事は別に良いのよ!!でもそれを糧に成長出来なきゃ意味ないっていってるのよ!!」
「だからと言って暴言を吐いて良い事にはならないといつも言っているでしょう!!」
あわわわわ!?朝潮ちゃんと霞ちゃんが喧嘩してしまった!?どどどどうすれば!?姉妹艦の娘達は!?苦笑いして誰も止めてくれぬぞ!?つまり我の出番なのか!?我の出番であるのか!?
「ご、ごほん!!け、喧嘩は良くないぞ。」
「はっ!!失礼しました!!」
「ふん!!」
「霞!!織田提督候補生、霞が失礼な態度をとってしまい申し訳ございません。後程必ず言って聞かせますので・・・」
「い、いや、それには及ばぬ。霞殿は我の為に忠言してくれておるのだ。忠言は耳に痛いものであるが、それを聞き入れる事が出来るのが良き王の器と言うものである。」
「寛大なお言葉痛み入ります!!」
うむうむ、我の言葉に朝潮ちゃんが感動して綺麗な瞳で見つめてくる。ああ、本当に朝潮ちゃんは素直で可愛いのぅ。
「う、うむ。してこの後少し時間を取れるだろうか?出来れば反省会をしたいのだが?」
「う・・・申し訳ございません。私達はこの後別の予定が入っていまして・・・急いで補給と入渠を済ませる必要がありまして・・・」
「むぅ・・・ならば仕方ないのぅ・・・」
出来れば何故負けたのかを考えろという盟友からの課題を手伝って欲しかったのだが・・・それにしても朝潮型の入渠・・・瑞々しい未発達の肢体が・・・いかんいかん!!煩悩退散!!煩悩退散!!
「ふん、私は別に構わないわよ。次の予定に私は呼ばれてないもの。」
「おお!?霞殿!!本当か!!」
「ええ本当よ。私だけは次の演習に呼ばれてないのよ。私はあの教官に嫌われてるから、私の代わりに別の娘を呼んでるのよ。」
な、なんと!?霞ちゃんを嫌っておるなどその教官は気が狂っておるのか!?霞ちゃんはこんなにも可愛いのだぞ!?
「うむ、ではお願いしよう。では他の皆は次の準備をするが良い。」
「はっ!!それでは失礼します!!」
朝潮ちゃん達は綺麗に敬礼をした後に、我を残して入渠をしに走ってゆく。・・・いかんな、まだ煩悩が残っておる。
「ごほんごほん!!ではさっそく反省会を始めたいと思うのだが・・・霞殿は今回の敗因はなんだと思う?」
「まず作戦で相手の動きを予測してるみたいな事言ってたけど、ぜんぜん違ったじゃない。なんであんな作戦にしたのかしら?」
「むぅ・・・あれは盟友が考えた作戦でな、先日盟友が教官に大勝利した時の作戦なのだ。だから我も同様にすれば盟友のように勝てると思ったのだが・・・盟友のようには上手くいかなかったのだ・・・」
「・・・・・・はぁ?」
おおぅ!?霞ちゃんが物凄く冷たい瞳で見つめてくる!!失望されて悲しい気持ちもあるが、これはこれでクセになりそうだ。
「いや、だから盟友の素晴らしい戦法を真似してみたのだ。我には使いこなせなかったが、本当に逆境をはね除けた凄い策なのだ。」
「はぁ・・・ちょっとそこに座りなさい。」
ッ!?あ・・・ありのまま今起こった事を説明しよう。霞ちゃんと向かい合って話を聞いていたと思ったら、気がついたらいつの間にか床に正座しておった。何を言っているのか分からぬと思うが、我もいつ体が反応したのか分からぬほど自然と正座しておった。これが霞ちゃんの力だというのか!?従う事に全く抵抗感がなかった。
「良いかしら?あんたが言ってる演習は私も見たし、出来る提督候補生がいるって話題になっていたわ。」
「ほほぅ、さすがは我が盟友だな。」
「だけどあれが上手くいったのは、戦う相手が猪突猛進のバカだったからよ!!どんな状況でも使える万能の策なんて無いんだから、状況に合わせて自分で考えなさい!!」
「す、すみません・・・」
「それからあんた作戦が失敗した後の指示で、わざわざT字不利になるような指示を出してたけれど、あれはどういうつもり?」
「えっと・・・T字不利とは?」
「はぁ!?座学で習ってるはずでしょう!?何を勉強したのよこのクズ!!」
「すみません・・・T字不利について教えて下さい。」
「よく聞きなさい!!T字不利ってのは『ガンガンガン!!』
――――――――――――――――――
「うぉ!?な、なんだ!?敵襲か!?」
大きな音で驚いて起きてしまい、慌てて周囲をキョロキョロ見渡す。
「そろそろ食事の時間だ。さっさと起きろ。」
「なんだ盟友か・・・あまり乱暴な起こし方はしないで欲しいのだが?」
「なら人が近づく気配で起きろ。」
「無茶を言うでないわ!!普通の人間はそんな能力を持っておらぬ!!」
相変わらず盟友は無茶を言う男であるな。
「そんな呑気な事を言っていたら暗殺者に殺されるぞ?」
「はっはっはっ!!盟友も面白い冗談を言うものだな!!国防の要である提督を暗殺するなど愚の骨頂!!そんな重罪を犯す者が居るわけがなかろう?」
「ん?お前知らないのか?私は3日前に殺されかけたぞ?」
「なんと!?それは本当か!?」
盟友は涼しい顔をしてさらっと言っておるのだが、これはかなり重大な事件であろう!?殺されかけたにも関わらず、なぜいつもと代わらぬ雰囲気なのだ!?
「ああ、前任者の大森提督と平川元市長の汚職の件も合わせて、それなりの騒ぎになったはずなのだが?」
「そ、そうか・・・着任から一週間も経たずに殺されかけるとは・・・いったい何をすればそんなに恨まれるのやら・・・」
「まあいい、そろそろ食事の時間だ。」
「ぬぅ?もうそんな時間であるか?今日は我の着任祝いを盛大にしてくれると言う話だったな。やはり主役が居らねば始まらんよな!!」
盟友が我の言葉を無視して営倉の鍵を開けてくるたのでゆっくりと外に出る。
「ぬぅ・・・やはり営倉で寝ると身体が痛くなってしまうな・・・いつも使っておる北条様から賜った柔らかいベッドが恋しいのぅ・・・」
「はぁ・・・とりあえず霞の所に行くぞ。」
ほほう、我が秘書艦である霞ママと合流するつもりか。やはり我の隣には霞ママがおらねば締まらぬか。
「む?そうであるな。食事の前に我が右腕である霞殿と合流するべきであるな。」
「お前の初期艦だろうが?少しは霞の体調を心配してやったらどうなんだ?」
「ふっ、舐めるなよ盟友?あれは我が選んだ初期艦である。我と霞殿との信頼関係があれば、心配など不要である!!」
カッコいいポーズで堂々と言いきったぞ!!我は霞ママの強さを知っておる。霞ママならばあの程度なんでもないわ!!でもちょっと心配だから早く様子を見に行きたいのぅ・・・
盟友は我のカッコいい言葉を無視してさっさと歩き始める。相変わらず盟友はノリというものを理解しておらぬな。今回に関してはいつもの『そうか。』すらなかったぞ・・・
それにしてもまさか霞ママに出会った当初の夢を見るとはな。これも何かの吉兆かも知れぬ。あの後霞ママから散々怒られながら指導を受け、その後盟友からも散々指摘された。
そして演習で幾度もの敗北を経験し、そのたびに二人から散々怒られたものだ。そうして少しずつ我は成長していって、ようやく初勝利を得られたのだ。あの日は初勝利に吼える我に霞ママが泣いて抱き付いて来てくれたのを覚えておる。
霞ママと盟友が不甲斐ない我を見捨てずに、ここまで強くしてくれたのだ。ならば我はその期待に応える為にも、一流の提督として盟友と並び立ち、共に世界に覇を唱えると誓ったのだ。そしてその時にこそ!!霞ママに指輪を渡そうと心に決めておる!!
ふふふ、我の野望は始まったばかりよ!!
霞ママの前で正座する織田。どうしてもこの姿が書きたかった。色々とネタを突っ込みましたが後悔はしてません。
補足ですが織田はロリコンのドMではなく、大人から子供まで守備範囲が広く、イチャイチャからツンツンまで全てカバー出来る逸材というだけです。
フォローにはなってないか?