でもギャグキャラ動かすの面白いんですよね。
猫吊るし殿からの祝福を受けて、霞ママと共に北条様の部屋へと向かう。挨拶も済ませたのでもう心残りは無い。約束の地へと旅立とうぞ!!
「それにしてもあの妖精さん・・・いったいなんだったのかしら?最後の光りも気になるわね。」
「うーむ?霞殿に何か変化はあるだろうか?秘められた力が解放されたとか、改二への扉を開いたとか。」
「はぁ・・・そんな簡単に改二になれるわけないでしょこのクズ。改二なんて本当の激戦を潜り抜けた精鋭がなれるものよ。私は演習はかなりの回数やってるけど、実戦経験はほとんど無いんだから、練度が低すぎて話にならないわよ。」
「ふむ、となれば我の秘められた力が覚醒したと考えるべきであるな。」
「はいはい、そうだと良いわね。」
むぅ・・・全く相手にされぬか・・・だが妖精さんが光を放つなんて話は聞いた事がない。それに我は数いる提督の中でも選ばれし存在。つまりは主人公的な立ち位置のはず。ならばチート能力の一つや二つ貰って、最高の艦娘ハーレムを作るのが必然だと思うのだが・・・
「ぬぅん!!ぬぉぉおお!!ふん!!」
「い、いきなり変なポーズで何してんのよ?」
「いや、何か能力が開花していないか確かめてみたのだが・・・分からぬ・・・何か条件があるのだろうか?」
「は?なにバカな事してんのよこのクズ。」
おおぅ・・・霞殿に物凄く冷たい目で見られてしまった・・・ふっ、我でなければ心が折れておったかもしれぬが、我にはその蔑んだ瞳も心地好い。
「はぁ・・・さっさと行くわよ。」
「うむ、いざ約束の地へ!!」
――――――――――――――――――
北条様と合流し高級車に乗り込んで空港へと向かい、プライベートジェットに乗り込む。かなりの大きさに流石の我も驚きを隠せなかったが、深海棲艦の出現前に飛んでいた旅客機と比べるとかなり小さいらしい。それでも広々とした空間は心地好いのう。
「さあ、そろそろ出発しますわよ!!空を飛べる機会なんて滅多に無いのですから、しっかり堪能なさい!!おーほっほっほっ!!」
「うむ、楽しみであるな。なぁ霞殿?」
「そそ、そうね、凄く楽しみね。うん、ほ、本当に楽しみだわ。」
むむ?霞ママの様子が少しおかしいか?
「ん?霞殿?」
「な、なによ!?」
「もしかして怖がっておられるのか?」
「は、はぁ!?なななに言ってんのよ!!大丈夫に決まってるでしょ!!このクズ!!」
「そうであるか?」
「当たり前でしょ!!艦載機が飛ぶんだから空を飛ぶ事が出来るのは知ってるわよ!!だ、だから別に怖くなんかないわよ!!」
うーむ?我には怖がっておられるように見えるのだが・・・それを言ったところで絶対に認めないのであろうな。
「織田、霞さん、離陸しますからシートベルトを装着なさい。」
「う、うむ。霞殿、今ならまだ間に合う。陸路の方が良ければ我も共に行くぞ?」
「だ、だから大丈夫って言ってるでしょ!!」
霞ママはシートベルトを装着するが、ガチガチに緊張しておられる。気丈にも背筋をピンと伸ばして目線を真っ直ぐ前に向けておられるが、椅子の手すりをガッチリと握って震えておられる。
「あー、北条殿。北九州にはいつ頃到着する予定なのだ?」
「そうですわね?2時間はかからないと思いますわ。」
「なんと!?陸路だと最低でも半日はかかりますぞ!?」
「どうやらこのプライベートジェットの素晴らしさを理解したようですわね!!これこそ北条工業が誇る技術力の成せる技ですわ!!おーほっほっほっ!!」
「流石は北条工業!!見事なり!!」
「おーほっほっほっ!!本郷、出しなさい。」
「はい、お嬢様。」
執事の本郷殿が恭しく礼をしてから操縦席に指示を出すと、飛行機がゆっくりと動き始める。まだ空は飛んでおらぬようだが、窓から見える景色から判断するにだんだんと速度を上げてきておるようだ。
「ね、ねぇ?」
「ん?どうした霞殿?」
「こ、怖いなら手を握ってあげても良いわよ。」
そう言いながら震える手を差し出す霞ママ。そのあまりの可愛さに意識が飛びそうになるが、なんとか持ちこたえる。ここは頼れる男として手を握ってあげるべきであろう。
「う、うむ。では頼もうか。」
我が手を差し出すと霞ママはすぐにぎゅっと握りしめてくれる。ああ、お手てがちっちゃくて可愛いが過ぎるぞ!!少しの間可愛い霞ママを堪能しておると、不意にふわっとした浮遊感を感じて窓の外を見てみると、段々と地面から離れているのがよく分かる。
「おお!!本当に飛んでおるぞ!!」
「ひぃ!!」
その瞬間さらに霞ママの握る力が強く・・・ぬぉぉおお!?痛い痛い痛い!!折れる折れる折れてしまう!?
「か、霞殿!?」
慌てて霞ママに力を緩めて貰おうとしたが、隣ではぎゅっと目を瞑って霞ママが不安に耐えておるではないか!?我の指が痛いから力を緩めて貰おうだと?馬鹿を言うでないわ!!怖がっておる霞ママにそんな事を言う奴は漢ではない!!指が折れたとしてもそれがなんだと言うのだ!!我と霞ママは一蓮托生!!どんな困難も二人で乗り越えてみせる!!
――――――――――――――――――
その後高度が安定するまで痛みに耐え続け、霞ママの緊張と握る力は少し弱まったが、その後もずっと手を握り続けた。そして着陸の時にさらなる痛みに襲われたが我は耐えた!!我は最後まで耐えたのだ!!我はやれば出来る漢だと言う事を証明したのだ!!
「さあ、着きましたわよ!!」
「う、うむ。良き旅であったな。忘れられない経験となるであろう。」
「おーほっほっほっ!!それは本当に良かったですわ!!」
うーむ、我は是非ともまた乗ってみたいが、霞ママにはキツイようなので、もう二度と乗らぬかもしれんなぁ・・・
「お嬢様、長旅お疲れ様でした。お疲れのところ申し訳ございませんが、空港を管理している者が是非ご挨拶をと。」
「あら?ついこの前にも来たばかりですのに?まあ、良いですわ。織田、悪いですが少し待っていて貰えるかしら?」
「うむ、承知した。」
「ここで休んでいても構いませんし、空港の方にも休憩出来る場所はありますから、どちらで休んでも構いませんわ。ではまた後で。」
そう言って北条様は軽やかな歩みで飛行機から降りてゆく。北条様は飛行機に慣れるくらいに乗っておられるのだろうな。
「あー、霞殿?大丈夫であるか?」
「う・・・はぁはぁ・・・だ、大丈夫・・・大丈夫よ・・・」
うーむ、あまり大丈夫なようには見えぬな。
「ここで少し休んでも良いし、降りて休んでも良いと言われたが、霞殿はどうしたい?」
「で、出来れば・・・早く降りたいわ・・・」
「うむ、承知した。では参ろうか。」
「はぁはぁ・・・ごめん、手を貸して貰えるかしら・・・」
霞ママが素直に頼ってくれるだと!?かなり弱っておられるようだな。ここは我が紳士としてエスコートせねばならんようだな!!ああ、この可愛さに我の心臓がもってくれればよいが・・・
馬鹿な事するし厨二病だし変態だけど、今回はちょっとだけカッコいいところも書きました。こういうところがあるから、艦娘や妖精さん達にはわりと好かれているのかも?