ウマ娘とウマしい関係になりたいトレーナーSS   作:ジュー

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しっとりテイオーが苦手な方はブラウザバック推奨です~(オセェヨ)


マヤノ✕トレーナーを目撃するテイオー

「あ、トレーナーだ!」

 

 たまの休養日。

 街に出て羽を伸ばしていたテイオーは、偶然見慣れた背中を認めて顔をほころばせた。

 

 度重なるケガ、それによる周囲の落胆と、それでも褪せない天才への期待。そのふたつに板挟みにされて、潰れそうになったテイオーに、トレーナーは何も言わず寄り添ってくれた。

 その時からだろう。テイオーの中に信頼以上の何かが、トレーナーに対して芽生えたのは。

 

 もちろん、トレーナーとウマ娘という関係上、テイオーはトレーナーに指導者以上のものは求めないようにしている。

 それがトレーナーへの誠意であり、ファンに対する責任であるから。だから、テイオーはその線引きを忘れることは無い。

 

 ──とはいえ、テイオーも女の子のひとり。

 

 トレーナーとの関係を利用して、少しでも──今日のようなオフの日でも、そばにいたいと思うのは仕方の無いことだろう。

 テイオーは突発的なデートの予感に胸を躍らせながら、トレーナーのほうへと駆け始めた……その時だった。

 

「ん、遅かったな。マヤノ」

 

 テイオーの足取りは、トレーナーのその言葉によりピタリと止まった。

 ──え、どうして?

 ──いやいや、そんなわけ……。

 ウマ娘の聴力は、人間のそれよりはるかに優れている。意識さえすれば、雑踏の中で多少離れていようと、特定の人間の声くらい拾える。

 そのうえ、テイオーが大好きなその人物の声を聞き間違えるわけが無い。絶対に。

 だがそれでも、テイオーは自分の耳を疑わずにいられなかった。

 

「もー! そこは「荷物持つよ」くらい言わないとだよっ、トレーナーちゃん!」

 

 しかし、ついにニンジン色の髪を持つ少女が──マヤノが現れたことにより、テイオーの疑問は確信へと変わった。

 店から出てきたのを見るに、トレーナーと買い物をしているようだ。

 テイオーは信じ難い光景にしばしフリーズしていたが、頭をぶんぶんと横に振って、脳裏を過ったイヤなもやもやを払う。

 

「は、はは……いやいや、買い物行くくらいはふつーだよ! ふつーふつー! あー、何してんだろボク。そんなわけないのにさ!

あはは!」

 

 テイオーは自分に言い聞かせるようにそう言った。

 ……が、その直後──マヤノはあろう事か、荷物を持ってないほうの腕を、トレーナーの腕に搦めた。背丈がずいぶんと違うので不格好であったが、それは間違いなく恋人同士がやるものだった。

 トレーナーは顔こそ嫌そうにしていたが、マヤノの腕を振り払う様子はない。

 

「あは、ははは……ぇ?」

 

 テイオーは胸の底に、なにか冷たいものを感じた。

 それは、復帰が絶望的と医者に言われたときに感じたものよりも、鋭い冷たさをもってテイオーを苛む。

 

 テイオーの知らない、トレーナーの優しくほころんだ顔。

 それが、テイオーにはとても恐ろしく思え、遠くに感じれた。

 その時、テイオーの中にあったトレーナーとウマ娘の線引きが、崩れる音がした。

 

 ──マヤノがいいなら、ボクもいいよね……?

 

「アハハ、カンタンじゃん……。ボクが一番になればいいんだ……!」

 

 テイオーはすぐに笑顔になって、そのまま帰路に着いた。

 その足取りは軽く、楽しげなものだった。

 

 

***

 

 

「ん、どしたのトレーナーちゃん?」

「いや、なにか恐ろしい気配を感じた気が……。まあいいや、今日はありがとなマヤノ。テイオーへのプレゼントに何がいいか、全く思いつかなくってさ」

 

 来週に控えたテイオーの誕生日。今日はそのためのプレゼントを、マヤノと選びに来ていたのだ。

 毎度、トレーニング用品をプレゼントしていては芸がない。そう思って、同室でテイオーと仲のいいマヤノをアドバイザーに選んだのだった。

 

「……にしても、恋人繋ぎはさすがに恥ずかしいんだが?」

 

 その上、マヤノの子供っぽさも相まって犯罪臭も凄まじい。

 恋人繋ぎがアドバイザーの報酬だからあまり文句は言えないが、通報されないかだとか、知り合いに見つからないかだとかでトレーナーの胃はキリキリとしていた。

 

「帰るまではこのまま! 今日はオトナのデートを満喫するんだもん。ユーコピー?」

「はいはい、アイコピアイコピアイポピ-」

 

 

 

 その夜、ウマ娘の膂力の強さを“分からせ”られることになることは、トレーナーが知る由もないことであった。

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