モルモットとふしぎな目覚まし時計 作:✿▽✿
聞いてないぞ!?
「『女帝』……エアグルーヴ───18歳、現在は専属契約。素行は真面目で生徒会業務などもそつなくこなすが自分にも他人にも厳しいウマ娘……その素行や高い実力、物怖じしない性格などから同じ生徒から
「一体何だい。」
「いや、敵を知り己を知れば百選危うからずって言葉があるだろ?ならば色々な情報をと思ってな。」
「……ふざけてないでレースについて教えてくれないかな?」
「わかった、悪かったよ……」
冗談もほどほどにエアグルーヴについての情報を軽く話していき、大阪杯のコースの特徴を説明する。
「注意すべきは序盤の上り坂だろう。僅か1ハロンから登り始める坂は初動の逃げを潰されやすい。かと言ってここにスタミナを割くのも2000m───ましてやあのエアグルーヴを相手取って逃げ切るのは難しい。」
相手はシニアでも指折りの実力を持つエアグルーヴだ。天皇賞秋を勝ったとはいえまだまだレース運びはシニアのウマ娘に劣っている。一度捉えられたら最後、バ群に埋められることになるだろう。
(……単純にあの末脚だけでも強敵なのに……)
サイレンススズカほどの逃げならばエアグルーヴから逃げ切れる。だがタキオンの逃げはあくまでも門外漢───や、門外女と言えばいいのか?まあいい。
問題は本来適正外である作戦を取らせていることにある。ただでさえ相手は最高クラスのウマ娘なのだ、本来の動きとして馴染んでいないのであれば狙われる。
「坂さえ乗り切れば安牌な逃げ……先行も出走メンバーを見る限りは問題がなさそうだが?」
「出走メンバーを見るに先行が3人で逃げは無し。……正直どちらが良いのか俺にはわからない。高度な柔軟性を持って───といえば聞こえはいいが……とにかく実践でしかわからない。」
エアグルーヴとは相対したことは無いので彼女がどれほどなのかというのは噂やレースの映像を見るしかない。元々肌で感じたものでないとしっくりこないタイプの俺は映像学習というのはあまり好みではないのだ。
ペーパーテストと実技で実技が得意という人がいるだろう。それと同じ。
「調整の為にレースは出るのかい?」
「いや、出ないことにしてる。」
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「……クソっ!」
つい先日のことを思い出した。あの時の俺は呑気なもので憶測だけで塗り固められた泥船に乗って勝つ気でいたのだ。
『───アグネスタキオンの先頭はここまで!』
エアグルーヴは強敵であった。いち早くタキオンのスタミナ温存に気付き、いち早く仕掛けてきたのだ。
このレースの面子でエアグルーヴの末脚を越えるウマ娘はいなかった。タキオンですら五分だったのだから。
差しを選んだエアグルーヴが前に上がったことで、女帝より前のウマ娘は差を縮めさせまいとペースを上げてしまう。よもやここで上がってくることを想定してなかったタキオンもリードを守るべくペースを上げてしまい、かなりのハイペースで中盤を走ってしまう。
(潰された……っ!全く動きがないタキオンだけが有利だったあの状況を……っ!)
後ろが見えていない者は前へ前へとどんどん走り、タキオンも押し出されるように前に行ってしまった。
エアグルーヴが前に出たのは勝負に出たのではない。そのことを今の位置が物語っている。バ群は縦長どころか前方が固まりキノコ状のようになってしまい、ペースを守る為に下がったタキオンは見事にバ群に埋もれてしまっている。エアグルーヴは……外から抜き去ろうとしているようだ。
(見てわかる……能力的にはタキオンが勝っている筈なのだ。だが技術が圧倒的に負けている……)
『先頭が最終コーナーへと差し掛かった!大混戦のこの状況、このコーナーで誰が前につけるか!?』
タキオンは行けない。前のウマ娘が壁となり、左右も満足に動けない。少なくともこのコーナーを抜けるまでは……
そして前のウマ娘……あの3人は体力が持たないだろう。ゆっくりとゆっくりとだが速度が落ちている。徐々に後ろに押し出されている。───そしてエアグルーヴと先頭集団のリードは無くなった。
「……これほどとは!」
思わず口から出た言葉は感嘆の一言
たった一手で潰される。そんな……そんなことって……
(足りなかった……対策が……)
一体俺は……どうすればタキオンを勝たせてやれるんだ……?
『エアグルーヴ!凄い末脚で集団を抜いて行った───!』
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「……」
「……」
「……とりあえず晩御飯だ。どこかで食べて帰るか?」
「うん……そうするよ。」
阪神競バ場から電車を乗り継いで川を超え、なんば駅から北へ行くと道頓堀川に辿り着く。
道行く人の喧噪が耳に入っては流れていく。勿論彼らの話題は大阪杯だ。エアグルーヴが強かっただとか、アグネスタキオンは勝てると思ったとか。
「…………」
しまった。この大通りを選ぶべきではなかった───タキオンの反応を見てそう思うのに1秒すらかからなかった。何故ならタキオンの顔がそう物語っていたからだ。
「
「……ああ。」
URAファイナルズに出る為にはもう少し戦績が必要だ。
タキオンの脚に負担が掛からない距離のレースは宝塚記念、秋の天皇賞の2つ。
必ず勝たせる。俺にはその知識がある。
(……一先ずは宝塚記念を目指そう。2ヶ月間のスケジュールは決まっているが……本当にそれで良かったのか考え直す所からだ。)
俺は決意を改め今後のことを思案するのだった。
正月オペの固有好きですね。意味不明過ぎて
忙しくてイベントも満足に周回できてないしヤバいよ……
この物語を進めていく上でトレーナーの名前を出した方が自然なシーンが出来たのですが皆さん的にはどう思いますか?
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出してもいいよ
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出したらダメ
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自分で決めてくれ┐(´д`)┌ヤレヤレ