モルモットとふしぎな目覚まし時計 作:✿▽✿
「わざわざ悪いね」
「いえ……あんまりコーヒー好きな子がいないので……」
俺は食堂の一角にて、とあるウマ娘からコーヒーを貰っていた。しかも豆を挽いて淹れたものだ。香りも好く、味も良い。うーむこれは良い豆だ……
「意外でした……タキオンさんのことだから食事制限でも付けてるのかと……」
「いや食事制限って……確かにやりそうな雰囲気ではあるけどもタキオンはそんなことしないよ。精々10キロほど走らされるくらいだしね。」
自分の───もしくは他のウマ娘の速さの限界を見たがるタキオンだが、流石にそういった道徳心は持ち合わせている。あとダイワスカーレットには滅茶苦茶優しい。
(彼女も度々実験に付き合わされていたし、恐らく四六時中実験のことを考えているマッドな奴とでも思っているのだろう。)
無駄だとか合理的じゃないなんて省いているけど普通においしいものが好きだしオシャレも嗜むし、本当に実験さえなければ普通の女の子だ。……いやまあ、実験のせいで9割くらい台無しになっているが……それでも一般的な感性を持ち合わせていると思う。
コーヒーを貰ったウマ娘はマンハッタンカフェである。ライバルとして様々なレースを共に走り勝敗を争った相手だ。彼女は生粋のステイヤーで菊花賞ではタキオンに勝利した他、春の天皇賞などで一着を取っている。タキオンの最後のレースとなった有馬記念でも3位に食い込んでおり長距離を走り切るスタミナが取り柄のウマ娘と言えよう。
何故コーヒーを貰ったのかは分からない。缶コーヒーならいざ知らずわざわざ手挽きのものを振る舞われるという経験なんてあった試しがない。しかも中々上等なものだと思うのでますます何故俺なんかにと疑問が生まれてくる。そんな疑問を他所にマンハッタンカフェは耳をピンと立ててコーヒーをチビチビと飲んでいる。それにしてもこのコーヒーは美味い……これほどならば彼女のように買っても良いかもしれない。───いや、買っても手軽さを求めてインスタントばかり飲んで結局トレーナー室の置物にでもなりそうだ。
それぞれ苦味と酸味と良い香りを味わい、心の内では思い思いのことを考えているのだろう。マンハッタンカフェは少しずつ飲まないとお腹を痛める為必然的にトレーナーが先にコーヒーを飲み干すこととなった。
「良いコーヒーだった。インスタントや缶コーヒーばかり飲むけど、そうやって君みたいに豆から挽いて飲みたいと思ったよ。」
「……ありがとうございます。」
彼女は少しうれしそうに答えた。
「このカップは返却口にでも持っていけばいいのかな?」
「いえ、私が返しておきます。」
「そう?───……いや、やっぱりご馳走になった身だし返しておくよ。」
「気にしなくても……それに、それは……私のですから、持っていかなくても。」
「……そうだったのか。ごめんね、気を使わせて。またいつかコーヒーの礼をするよ。」
「いえ……大丈夫です。」
大丈夫───と言っているがこっちの気が収まらない。タキオンの実験は俺の目の届く範囲では止めるのであまり礼とは言えない。コーヒーの豆なんかは……マンハッタンカフェはそういうのは厳しそうだ。トレーニングに役立ちそうな何かを送ることに決めて、彼女と別れた。
「ゲ、こんな時間に……タキオン絶対怒るじゃん……」
時計の短い針はどちらかと言えば左の真横の方が近く、このままだと『遅いじゃないかトレーナーくぅン?お腹を空かせた大事な愛バを待たせるなんて酷いじゃないか。』とか言って実験されそうだ……何本飲めば許してもらえるかな……
あ~あとボヤキながら今頃恐らく俺に飲ませる薬を調合しているであろう担当バから投与される薬の量を減らすためにトレーナー室へ急ぐのだった。
トレーナーのあだ名
・発光人間
・モルモット
・見た目に反して中身がまともすぎて驚かれそう
・平然と薬を飲む変態
・人間サイリウム
・お化け屋敷出禁
・夜道を歩く時に最も連れていきたい人
・寝れなさそう
・薬を飲み過ぎた結果自身で光る強さをコントロールできる
・何も悪くないのに眩しいからという理由で女帝から説教を受けたトレーナー
・説教に偶然居合わせたニシノフラワーに「光っていたらお花が元気になりそうですね」と謎フォローされた
・理事長の開口一番が「燦爛ッ!」
というわけで日常回その2でした。サイゲさんカフェは抑えめにしなくてもよかったんやで?というか設定が変わっていなければ私はカフェ最推しになっていましたね。ええ
この物語を進めていく上でトレーナーの名前を出した方が自然なシーンが出来たのですが皆さん的にはどう思いますか?
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出してもいいよ
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出したらダメ
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自分で決めてくれ┐(´д`)┌ヤレヤレ