どうも俺は死んだらしい
「ようこそ死後の世界へ。私は、あなたに新たな道を案内する女神。佐藤和真、あなたは本日午後14時21分に亡くなりました。辛いでしょうが、あなたの人生は終わったのです」
目が覚めるとそこは事務室みたいな部屋だった。壁紙があたり一面真っ白、シミひとつない。
俺はそんな部屋に居た。それも唐突にだ。
そして目の前には事務椅子に座っている女神が一人いた。
別に目の前の女が自己紹介したわけではない。わかった…いや、理解させられたのだ。
無駄にキラキラと後光の様なものが射していたのと、現実にはありえない位の美女だったから、ああ、本物の女神様なんだなと思ってしまったのだ。
死んだと言われて落ち着いているのは、死ぬ直前の記憶があるからだ。
俺はついさっきまでの記憶。
俺は日々の人生を訓練、そして護衛を受け持っている。毎日毎日を昼夜問わずスキルの向上の為に時間をさき、いつ来るかわからない脅威に備え同年代の奴らが無為に過ごす時間を頑張っている…まあただの自宅警備です。
そんな俺が珍しく外出していた。
理由は街に待ち侘びたCA○COMの最新作のゲームが出るからだ。
普段運動どころか外出しかしないため開店3時間前からの出待ちは少々答えた。それに加えて俺は普段昼夜逆転、朝10時半開店なんて体に毒すぎる。
しかしその甲斐あってか望みのゲームは手に入れられた。
「しかし暑いな、俺の美肌には天敵だな…」
猛暑と寝不足、運動不足による身体の不調とは対比して俺のテンションは高かった。何せ散策発表から半年も待たされたゲームなのだ。このゲームをどれほど待ったことか。
そんな事を考えていた中唐突に事件は起こった。
女子高生がスマホを弄りながら歩いている。いわゆる歩きスマホだ。そんな事はよくある事なので問題はないが歩きスマホが良くないとされる理由、つまり周りを見ていなくて起こる事故。それが目の前で起こりかけているのだ。
横断歩道が赤だと言うのに、車は既にかなりの速度で発進し出していると言うのに。
「危ない!!」
俺は咄嗟だった。
俺は女子高生をいき良いよく女子高生を此方に引き戻しその反動により俺が先ほどまで女子高生がいた位置にチェンジした。
「ドン!?」
そこからの記憶はない。
「そうですか、僕が助けた女子高生は無事でしたか?」
俺は自分が死んだ事を受け入れ責めて自分が命をかけて行った行動の結果を聞いた。
「ええ、無事でしたよ。少し手を擦りむいた程度ですみました。」
「本当ですか!?よかった、なら俺が死んだのは無駄では無かったんですね。」
「まあその後彼女はその7年後にまたながらスマホをして死んでしまいましたがね。」
「……は?」
この女今なんで言った?死んだ?7年後?
「ええ、彼女は貴方に助けてもらったことなど忘れて学習などせず半年後には普通に同じ事を繰り返してましたよ。まあ貴方のおかげで寿命が7年伸びたに等しいので貴方と行動はまあ無駄ではなかったんじゃないですかね?」
うん。それ無駄じゃね?
俺の寿命。不健康な生活をしていたとはいえ低く見積もっても人生60年。60−17で43年の俺の人生を返して欲しい。
まあ死んでしまったのはしょうがない。
「まあ、言いたい事が無いわけじゃありませんが死んでしまったのでしょうがないです。俺はこれからどうなるんでしょうか?」
「はい、その事についてですが死んだ人間には本来選択肢が3つあります。一つは天国行き、もう一つ地獄行き、最後の三つ目は輪廻転生の話に組み込まれる事です。」
「天国!?俺は天国に行けるんですか!?」
これは嬉しい。17年間の人生で俺は特にこれといった善行を積んだ覚えなどない。せいぜい目の前のお年寄りに電車で席を譲ったり邪魔な小銭を募金した程度だ。
「はい、和馬さんは比較的尊い魂を持っていると判断されたため天国行きを許されています。しかし、天国は貴方達が思っているような楽園では有りません。」
「はい、天国とは良い魂と判断され天国への居住を希望した者のみがいける場所です。しかし天国には何もありません。ただひたすらにだだっぴろく、何も無い空間でおしゃべりする事しかできないところです。何も無いので娯楽は勿論ありませんし魂なので何かに触れることもできません。」
なんだそれは。それではただの地獄ではないか。
「ちなみに輪廻転生ってのはなんなんですか?」
「輪廻転生は文字通り転生の輪に入る、つまりまた現世で何かに生まれ変わるのです。」
「何かって、人間にはなれないかもしれないって事ですか?」
「はい、人間に慣れるとは限りません。ハエやノミの様な極上の生物、もしくはクジラのような大きな生物になるかもしれません。」
なんてこった、地獄など聞くまでも無い。命をかけて女子高生を救ったというのにこれでは死に損ではないか。
俺が悲しみに暮れているのを見て女神がその美貌をあり得ないほどの母性、慈愛に満ちた笑顔で俺をみて問いかけてきた。
「しかし貴方には特別に第4の選択肢が与えられました。異世界転生です。」
「異世界転生!?」
「はい。」
なんてこった、異世界転生だって!?ありがとうございます!!俺たち自宅警備員界では有名なあの異世界転生なんて… これは宝くじで10億当たる並の月が回ってきたのか?
俺が興奮している間にも女神様は異世界転生とはなんぞやの説明をして下さっていた。
異世界転生とはつまり地球では無い世界、宇宙の中の地球などでは無く別の惑星、距離の問題ではなく別の空間に存在する世界に転生させてくれるらしい。俺は説明を細かく聞くことなどなく興奮冷めぬまま了承した。
「はい、分かりました。では佐藤和馬さん。異世界転生で間違いないのですね?」
「はい、よろしくお願いします!」
「先ほども説明致しましたが記憶はそのままなのは勿論、体も現地で適応できるだけの体を用意いたします。」
「適応?」
「はい、その世界は地球とは違い魔物や魔法が存在する世界です。とてもじゃないですが地球の現代人が生きていける環境ではありません。ですので和馬さんがいつまですぐ死なないようにそれなりの体はご用意させていただきます。そして言語能力です。これも勿論コミュニケーションがとれないとどうしようもありませんからね。」
なんと!?俺は興奮して聞きそびれていたが魔法まであるのか!!
それに現地に適応できる体なんて、俺tueeeって奴ができるのか!?
ぐへへへ、そしたらすぐ寄ってくるであろうメインヒロイン達にあんな事やこんな事をし放題だな。
そんな汚い妄想を膨らましていた事を知ってか知らずか女神様が汚物を見る目で見ていた。
おっと、顔に出ていたか。気おつけないと。
「わ、分かりましたではお願いします。
「はい、分かりました。では佐藤和馬さん。貴方の第二の人生、良い旅を。」
女神様がいうと同時に突然俺の足元に青白く光る魔法陣が現れた。
それと同時に俺の意識は一瞬で光に包まれ突如電源が切れたかのように切れた。
夜中テンションで描いた処女作です。誤字脱字はご容赦ください。