元世捨て人の気ままな旅路(艦隊これくしょん編) 作:神羅の霊廟
大本営から帰還して一夜明けた。三日間の日程で何やかやあって酷く疲れていた箒は今日に限って珍しく寝坊してしまい、日課の竹刀の素振りをサボる羽目に。急いで厨房に駆け込み皆の朝食の準備を始めたが、その表情は普段よりも暗い。その理由は
「んしょ、んしょ…」
今目の前で籠山盛りのカット野菜を運んでいる文月の事だ。
大本営で起きた文月の深海棲艦化問題。これを受けて定藤は箒や彼女に従う艦娘達を新しく造った鎮守府へ異動させる事に決まった。その事を今日、箒は朝食の後に他の艦娘達に伝えなければならない。箒としては自分について来る来ないは別にどうなろうと構わないのだが、問題は説明の際に見せる映像だ。これには本来なら艦娘達に見せるべきではない情報が入っている。これを見せた事で文月を悪く言う娘が出てこようものなら…そう考えると憂鬱だった。特に文月の姉妹である三日月や文月と一番仲の良い松風や雲龍あたりがどういった反応をするのかが気掛かりでもあった。
「しれーかん、次は何する〜?」
当事者の文月はあまりその辺を気にしてないのか、軍服の袖をクイクイ引きながら聞いてくる。
「ん、ありがとう。次は冷蔵庫から肉とお味噌を出してきてくれ」
「はぁい」
お手伝いする文月の頭を撫でながら次の指示を出す。小さな体で厨房をセカセカ動き回り食材を揃えている文月を見て多少ながら笑顔を取り戻す箒だったが、この後の事が頭に浮かぶとまた憂鬱な表情になる。
「ちょっと!貴女がそんなに気落ちしてたら美味しい朝食が作れないでしょ!」
その声と同時に尻を思い切り蹴られてしまった。痛みに悶絶しながら振り向くと、エプロン姿の五十鈴がお玉片手に立っている。
「気持ちは分かるけど、今は美味しい朝食作りが先決でしょ?今だけは考えないでいましょ、ね?」
「あぁ…お前のポジティブ思考は是非とも見習いたいな」
「何言ってるのよ、五十鈴だって今凄い憂鬱なのよ?それを必死になって我慢してるんだから…貴女がしっかりしてくれないと困るわよ、文月を見習って欲しいくらいだわ」
文月を指さしながら言う五十鈴。(文月は事の重要性を分かってないだけでは…)と思ったがそれは口には出さない事にする。
「それで、今日はこの後どうする予定?」
「朝食の後、会議室に皆を集めて例の映像を観てもらう。今回の会議で起こった事を先に皆に説明して理解してもらった上でな。今後の進退については三週間の猶予を頂いてるから、その間に決めてもらう」
「そう。ちなみに五十鈴はもう決めてるわよ。私は貴女について行くわ」
箒は驚いた表情で五十鈴を見る。
「…何よ、そんなにビックリする事?」
「いや…個人的にお前が一番私の元を離れそうだったからな、予想外でビックリしたんだ」
「あらそう?でも残念だったわね、もう決めたの。あいつーー亜道から助けてもらった恩があるし…それに貴女、五十鈴がしっかり見張ってないと何かやらかしそうでヒヤヒヤするのよ」
よく分かってるなぁ…なんて事を考えながら「そうか」とだけ返事し朝食作りを進める。厨房には山盛り野菜と山盛り肉がズラリ。グリル内からは魚の焼ける香ばしい匂いが漏れ鼻腔をくすぐる。
「今日は何を作るのよ」
「アジの干物を焼いたのとお浸し、それにサラダと豚汁だな。五十鈴、寸胴鍋に油を入れて火にかけてくれ」
コンロに寸胴鍋を置いて油を投入、火にかけて暫し待つ。そして一口大に切った豚肉を入れて炒め、そこへ大きめに切ったキャベツや大根、人参に白葱等の野菜を入れて更に炒める。火が通れば出汁と調味料をインして味噌を溶き入れる。味噌の香りが厨房を覆う。
「良い香りね。肉入りの味噌汁なんて豪勢じゃない」
「だろう?あ、文月。そこに置いてる調味料を小瓶に入れて蓋したら思い切り振ってくれ。分量はメモを一緒に置いてるからそれを見てな」
「はぁい。これで何作るのぉ?」
「サラダのドレッシングだ。振れば振る程美味しくなるからな、しっかり振ってくれよ。蓋はキチンと閉めて振るように、中身が飛び出て汚れるからな」
分量通りに調味料を小瓶に入れ、シャカシャカ振る。全身を使って小瓶を振る文月にほっこりする二人。
「くぁぁ…おはよーさん」
と、食堂へノソノソと入ってきたのは隼鷹だ。寝起きなのかボンヤリしており、目の焦点が合ってないらしく忙しなく動いていた。いつもの制服をキチンと着こなしていると思ったら、よく見ると寝惚けた状態で着替えたのかボタンを掛け違えて一段ズレている。
「おはよう隼鷹。ちょっとこっち来い」
「んー…何さぁ?」
箒に手招きされノコノコ近寄ってくる隼鷹を見て、五十鈴は何か察したのか文月を連れて距離を取っている。近づくや否や、箒が寝ぼけ眼の隼鷹の顔を鷲掴む。
「ほべっ!?」
「…五十鈴から聴いたぞ。貴様、酔っ払った状態で料理したそうだな…」
心臓を射抜かんばかりに鋭くドス黒い視線と絶対零度の如く冷え切った言。瞬時に隼鷹の表情は青褪め、眠気が一気に覚めていく。
「以前私はお前がいる場で言ったよな?食べ物を粗末に扱う者は大嫌いだと…その言をよもや忘れた訳ではないよな…?」
「ひ…!?ちょ、待って、言い訳をーー」
「いや、覚えていればあんなしょうもない事はしないか…そうだったな。さて隼鷹…お前には二つの選択肢がある。暫く私考案の地獄トレーニングを行うか…それとも今この場で私から制裁を受けるか…さぁ選べ」
隼鷹は顔を鷲掴みにされた状態でガクガク震えている。と、
「こーら、今はそれよりも朝食が優先的でしょ。隼鷹を張り倒すのは後でやりなさいな」
五十鈴が仲裁に入って二人を諌めると箒は隼鷹の顔を掴む手を離した。「張り倒すのは確定なのかよぉ!?」と何やら隼鷹が叫んているが無視して豚汁の味見。タイミングを同じくしてグリル用で使っていたタイマーの音が鳴る。
「よし、干物も焼けたな。五十鈴、グリル内の干物を全部取り出したら骨を外してほぐして小鉢に移してくれ。火傷に気を付けるようにな…文月、もうドレッシングは振らなくて良いぞ、もう出来上がってる。私がサラダを盛り付けるからその上にそのドレッシングを少しかけてほしい」
箒が手際よくサラダを盛り付けるところに文月がドレッシングをかけていく。単純な野菜サラダだが、これだけでも旨い。五十鈴は干物を手際よくほぐしていく。時折「あちち」なんて言ってるので熱さを我慢しながらの作業のようだ。無理に熱々の内にやらなくても良いのだが…
「おはよぉごじゃい、まぁ〜す…」
今度は隼鷹よりも更に寝惚けた声が。厨房から見てみると入ってきたのは瑞鳳だった。隼鷹と違い制服こそキチンと着れているが、朝の手入れを忘れたのかセミロングの茶髪は酷くボサボサ。寝相が悪かったせいか所々縮れている。
「おはよう瑞鳳…なんだ、折角の綺麗な髪が目茶苦茶ではないか。梳いてやるからちょっとこっち来い」
「ふぁ〜い…」
サラダの盛り付けを終えた箒がまだ寝惚けている瑞鳳を食堂の椅子に座らせ、ポケットから櫛を取り出して髪を梳く。だが髪がガチガチに固まっているようで上手く髪を梳かせない。
「これはまたガチガチな…無理に梳かせば髪を痛めてしまうなぁ。えーと、ヘアウォーターヘアウォーター…」
箒はクラックを漁ると、自分が愛用しているヘアウォーターを取り出す。そして「ちょっと冷たいぞ」と声を掛けながらヘアウォーターを吹き掛けた。そして吹き掛けた箇所をもう一度櫛で梳かす。今度はちゃんと髪が梳け、あっという間に元のサラサラヘアに。
「わぁ…提督、ありがとうございます!」
「あぁ、満足してくれたようで良かった。お礼は卵焼きでな」
「はぁい!瑞鳳の卵焼き、いっぱい食べて下さいね!」
言うが早いか瑞鳳は冷蔵庫から卵を出すと手際よく卵焼きを作り始めた。コンロに並べた二つの卵焼き専用フライパンを操り、二種類の卵焼きを焼いている。
「右が駆逐艦用の甘い卵焼き、左が紅生姜入りの大人用卵焼きです!提督、味見すりゅ?」
卵焼き作りを観察していると、瑞鳳がそう言って出来上がった卵焼きを丁度いいサイズに切り分け、小皿に乗せて差し出してきた。お言葉に甘えて味見。噛み締める程に溢れ出る甘みが心地よい卵焼きと、紅生姜の風味が卵を引き立てている卵焼き。どちらも美味しく焼き上がっている。
「うん、旨い。卵焼きだけなら一人前だな」
「ちょっとぉ、だけって何ですかだけってぇ!瑞鳳だってやれば他の料理だってーー」
「何言ってんのよ瑞鳳。貴女この三日間朝昼晩ずっと卵焼きしか作ってないじゃない、それで一人前は名乗れないわよ?」
「ちょ、言わないでよぉ!ていうか五十鈴ちゃんだって目玉焼きくらいしか作れないじゃない!」
「こら、それは言わない約束でしょ!?」
わちゃわちゃ言い合いを始める五十鈴と瑞鳳。どっちもどっちと箒達がワハハと笑っているその間に、料理のいい匂いにつられてか他の艦娘達もゾロゾロ集まってきた。
「集まってきたな。皆、ちょうど料理が出来た所だ。配膳を手伝ってくれ」
箒の指示に応じ艦娘達が料理を手際よく配膳していく。言い合いしていた二人もそれを見てか気まずそうに配膳を手伝う。その光景を観察しながら箒は一人ごちる。
(…一体何人が私に付いて来てくれるだろうか。あの映像を見て、皆文月を軽蔑したりしないだろうか…)
心配の種は多い。着任してまだ一ヶ月と経っていないにも拘らず異動辞令が出た事もそうだが、何より文月の事だ。箒としてはこれからも文月含め宿毛湾泊地の艦娘達とは良好な関係を続けていきたいと考えているが、それが叶うだろうか。ましてあの映像を見せて、他の艦娘達が一体どんな反応を見せるのか…
「司令官。何か考え事かい?」
響の声に思考の海から引き戻される。制服の袖を引っ張りながら心配そうに聞いてくる彼女に、まだここで話すべきではないと「まぁ少しな」と曖昧な返事を返し、箒は食卓に目を向ける。
「ん?文月と松風がいないが…」
「司令官が考え事してる間に雲龍さんを呼びに出ていったよ。多分もう少ししたら戻って来るんじゃないかな」
響が食堂の出入り口を指差して言う。よくよく見れば少し考え事してる間に配膳も終わってしまっていた。
「そうか…皆、文月達が雲龍を連れて来るまで座って待っていて欲しい。隼鷹、別で取り分けておくからお前は卓袱台で食え」
「なんで!?」
「酔っ払って料理して食材をダメにした罰だ。お前は今日から三日間三食全て卓袱台食い、お代わりもなし、酒も飲ませない」
「そ、そんな…!勘弁してよぉ!」
「一週間飯と酒抜き、それとどっちが良い?」
「…大人しく卓袱台で食べます」
箒の作る美味しい料理のお代わり禁止もそうだが何より大好きな酒を三日も禁止にされこの世の終わりのような表情で崩れ落ちた隼鷹をスルーし、箒は今日の朝食の説明を皆にする。
「メニューは豚汁、お浸し、アジの干物、サラダ、それと瑞鳳作の卵焼き。アジは骨を取ってほぐしておいたが小骨が残っているかもしれんから気を付けて食べるよう」
良い香りを漂わせる料理を前に説明する箒だが、艦娘達は早く食べたいのか話を聴いておらず目の前の料理に目が釘付け。これには箒も思わずため息が零れる。
「今文月と松風が雲龍を食堂へエスコートしているから、三人が来るまで大人しく待て。そこ、つまみ食いするなよ」
箒の忠告にこっそり料理に手を伸ばしていた阿武隈と朧がギクッ。慌てて手を引っ込めた。
「は〜い、雲龍お姉ちゃんが通りま〜す」
「雲龍さん、そこ段差あるから気を付けてね」
「えぇ…あら、良い香り…」
雲龍を迎えに行っていた文月と松風もちょうど彼女を連れて戻ってきた。二人の誘導で雲龍も椅子に座り、その両隣に二人が座る。それを確認し、箒が話し出す。
「皆おはよう。私達が留守にしている間に主に料理関連で色々あったようだが、まぁ深くは追求しない事にする。慣れない事だらけで失敗するのは誰もがそうだからな。そこで正座している奴は別だが」
卓袱台の前で正座する隼鷹を指差しながら言う。罰が悪そうに縮こまっている隼鷹は全員の視線を受けて針の筵。益々小さくなってしまった。続けて目をいつもより鋭くして言う。
「はっきり言うと、私はこいつのように料理や食材を粗末にする奴は大嫌いだ。それを知っていたにも拘らずこいつは私の留守中にやらかした。その結果がこれだ。皆もこうならんように気を付けるようこの場で言っておく」
『ハイ』
隼鷹以外の全員が無機質な返事をする。
「それで良い…では連絡事項が一つ。朝食を食べ終えて身支度が終わり次第、皆は会議室に集合してほしい。今が0730だから遅くとも0900。皿洗いは今日は私が済ませるから、朝食が終わり次第会議室に集合。分かったか?」
『ハイ』
「よし。では冷める前にさっさと食べてしまおうか…皆手を合わせて」
箒の真似して皆が手を合わせる。
「頂きます」
『頂きます!』
箒の食前挨拶に続けて皆も食前挨拶をし食べ始める。ただいつもと違い全員が喋りもせず静かに朝食を取っている。先程の箒のドスの効いた言が尾を引いているのだろうか。それはそれで寂しく感じる。
「…別に食事中に喋るなとは言ってないのだがなぁ」
豚汁を啜りながら小さくボヤく。ふと対面をチラッと見ると、文月と松風が交互に雲龍に『あーん』している。食べさせてもらう度に雲龍の表情は僅かながら笑顔が見える。
「旨いか、雲龍?」
「はい…こんな物を、私みたいな役立たずの為に…ありがとうございます」
そんな事を言う彼女に箒はため息一つ。
「…雲龍。私は役立たずだ何だとお前達を差別するつもりはない…私がいる限り、私に付いて来てくれる娘達は皆大事な仲間だ。戦えないからと言って自分を卑下するのは止めてほしい」
「ですが…」
「ですがも春日もない。戦えないのなら戦えないなりに出来る事は必ずある。たとえ非戦闘員とて、暇を持て余させるつもりはない。人も物も艦娘も使いようだ。下手に使えばすぐ駄目になるし上手に使えば頼もしい戦力となり得る。お前達を上手に使い熟す事こそが…私のこれからの仕事だ」
「提督…」
言葉は悪いが心強い箒の決意に雲龍も思わず笑顔に。
「雲龍。お前は私が来るまでの間に、どんな本を読んだ?聞けば戦線を退いた後、長きに渡り資料室にこもり資料を読み漁っていたという事らしいが」
「…主に戦術書でしょうか。あとは深海棲艦の生態に関する資料や日本近海の地理の本…他は様々です」
箒はそれを聞き少し考え事を始めたが、すぐにニヤリと笑った。
「ふむ、悪くない。戦術書ならば今後の戦いに間違いなく役立つし、地理が分かれば打つべき戦術が幅広くなる。雲龍、お前がこれまで得た知識、存分に私の下で発揮してもらうぞ」
「…はい」
頷く雲龍は無表情ながら少しニヤケが垣間見えた。
「雲龍以外の皆も同じだ。私はお前達全員をむざむざ飼い殺すつもりも無ければ、無駄死にさせるつもりも毛頭無い。全員で勝利し、そして全員が生きて帰る。それが私の…提督としての向かうべき道だ」
食堂全体を見回してそう高らかに宣言する箒。艦娘達は食事の手を止め箒の言に耳を傾けている。
「…まぁこの後見せる映像で、私について来るか否かは変わるだろうが」
最後にボソッと呟いたのを神通と五十鈴は聞き逃さなかった。
「さ、飯の続きだ。旨い飯は温かいうちに食べるのが一番という物だぞ」
そう言い食事の続きを促すと、艦娘達は食事を再開した。さっきとはうって変わって会話をしながらの食事。ワイワイ騒ぐ艦娘達の声が食堂を覆う。
(うむ。やはり食事というのはこうでなければな)
そんな光景に顔を綻ばせながら、箒もまた食事を再開した。ただ表面上笑顔の箒だが、この後見せる映像の事を考えると何とも憂鬱になる。最悪の結果にならなければ良いが…。
「…事実なのか?」
場所を変えて、ここは何処かの廃病院。長い年月で荒廃したエントランスのソファに座り会話する男が二人。一方は黒の上下スーツに白衣と丸眼鏡。もう一方はアロハシャツジーパンにサングラス。
「事実さ。確かな情報筋からのタレコミだからな。あれは間違いなく、艦娘が深海棲艦に変わる光景だったと」
「そうか。やはり艦娘は深海棲艦に変貌するのか…」
「以前からお前が懸念していた通りみたいだな。この様子だと逆も然りなのかもな」
「あぁ…是非とも見てみたいな、その艦娘を」
「あぁ、近々叶うかもな。どうやらその艦娘を連れた提督が、近い内に引っ越しするらしい」
「引っ越し?何処にだ。新しい鎮守府や泊地を置く場所はもう残ってない筈だが」
白衣の男が尋ねると、サングラスの男はアロハシャツの胸ポケットから小さく折り畳んだ紙を渡してきた。紙を広げて中を読むと、
「ほう。あそこへ飛ばすのか」
「近く斎藤の奴からお前に声が掛かるだろうよ。それまでに準備しとけ」
「あい分かった。だが良いのか?お前はともかく私は部外者だぞ」
「今更だろ。あぁそれと…できる限りお前の目的を向こうの提督に悟られないように動けってさ」
「それは分かっているが…そんなに気を付けるべきなのか、その新任の女提督とやらは」
「らしい。瀬尾曰く『無情報』だとよ」
その言葉に白衣の男の表情が変わる。
「あの瀬尾が情報収集失敗だと…?珍しい事もあるな」
「まぁこれから探れば良いさ。ちなみにこっちもあきつ丸を派遣する予定だ」
「そうか、あきつ丸なら大丈夫だろう。彼女は口が固い」
「あとまるゆも送る。人員は多い方が良い」
「まるゆかぁ…大丈夫なのか?」
「いざとなればあきつ丸がフォローに回るさ。ま、気長に待っててくれよ」
男二人の密談はその後も続いた。