ある日。カービィ達はフラタ村で買い物に出掛けていた。
アズサ「よし。じゃあ帰ろっか。」
ライカ「はい!」
ファルファ「ママー!パパー!」
カービィ「ん?ファルファどうしたの?」
ファルファ「見て見て!吟遊詩人さんが来るんだって!」
カービィ「吟遊詩人?」
アズサ「へぇー。」
そのポスターは、かなりデスメタル的なポスターだった。
アズサ「高名な吟遊詩人、スキファノイア。フラタ村に初上陸?」
カービィ「思ってたのと違う・・・(かなりデスメタルっぽい。)」
アズサ「誰か知ってる?」
ライカ「全く聞いた事がありません・・・」
ロザリー「無名の人じゃないっすかね?」
カービィ「ありえるかも。」
ハルカラ「ちょっと胡散臭いですね。」
カービィ「君が言うか?」
フラットルテ「スキファノイアか。彼奴も息が長いのだな。」
カービィ「フラットルテ知ってるの?」
フラットルテ「私は吟遊詩人が好きなので。1000組以上は知ってるのだ。」
アズサ・カービィ「ガチ勢じゃん!!」
フラットルテ「スキファノイアはずっと王都の中で活動していた奴だが、遂に全国ツアーを始めたんだな・・・」
ファルファ「ファルファ!吟遊詩人さんの歌聴きたい!」
シャルシャ「試しに聴いてみるのも一興!」
アズサ「じゃあ折角だし・・・行ってみようか。」
カービィ「どんな詩人さんか見てみたいかも。」
吟遊詩人・スキファノイアが居る噴水広場に来た。
ライカ「結構集まってますねぇ。」
アズサ「あれがスキファノイア?」
フラットルテ「そのようです。」
カービィ「あの姿からすると、うさ耳族みたいだね。」
後ろ向きでリュートの調整をしている。そして・・・
”ドジャアアーーーーン!!!”
激しい音が周囲に衝撃波を走った。
ロザリー「わああーーーーーー!!!」
カービィ「ロザリーーーーー!!!」
その衝撃波でロザリーがぶっ飛ばされた。
スキファノイアはデス系のメイクをしており、激しくリュートを弾いている。
アズサ「何・・・あれ・・・」
カービィ「吟遊詩人とは・・・」
ファルファ「わーん!怖いよー!」
集まっていた村人達が次々と帰って行った。
シャルシャ「姉さん。あっちに行こう。」
ライカ「アズサ様・・・カービィ様・・・ハルカラさんがお腹痛いそうなので一緒に抜けますー。」
ハルカラ「持病の癪がー。」
アズサ「え!ちょ!?」
カービィ「皆逃げちゃった!!」
ここに残ってるのはアズサとカービィとフラットルテだけになった。
フラットルテ「如何にもスキファノイアらしい曲なのだ。」
アズサ「え!分かるの!?」
フラットルテ「これはエモーショナル系のクライム系の更にデス系。とは言えデス系の中でも孤独系の巻き込み系ですね。」
アズサ「ごめん。何一つ分からない。」
カービィ「耳に響くなぁ・・・マイク。」
マイクカービィに変身し、ヘッドフォンで音を塞ぐ。
アズサ「王都ってこう言うので盛り上がってるの?」
フラットルテ「スキファノイア位だと、30人程は動員してるんじゃないでしょうか。」
カービィ「微妙・・・そんな無名なのによく知ってたね。」
フラットルテ「まぁ有名だから聴くとか無名だから聴かないとかじゃないんです。吟遊詩人だったら取り敢えず全部聴くんです。」
アズサ「沼にハマってる人の発言!」
カービィ「完璧なガチ勢!」
フラットルテ「ほら。クライム系はリュートを・・・」
アズサ(2曲目始まっちゃったよ・・・)
カービィ(もしかしたら、本家のマイクカービィと同レベルかも・・・)
スキファノイアは演奏中に海老反りになって、そのまま動かなくなった。
アズサ「え?これも演出?」
カービィ「かなり海老反ってるね。」
フラットルテ「・・・大変なのだ!本当に気を失ってるのだ!」
アズサ「やっぱりそうだよねー!」
カービィ「吟遊死人になりそうな予感!!」
アズサ「上手い事言ってる場合かー!!」
気を失ったスキファノイアに駆け寄った。
アズサ「大丈夫!?今助けるから!!」
回復魔法・ヒールでスキファノイアを回復させた。
スキファノイア「う・・・ん・・・?」
カービィ「気が付いた?何処か悪い所があったら言って?」
”ぐ〜〜〜〜〜〜〜”
カービィ「空腹かい!!」
アズサ「成る程。」
カービィ「帰って何か食べさせよう。コック!!」
その夜。家でコックカービィがスキファノイアに料理を振る舞った。スキファノイアは料理をガツガツと食べる。
ロザリー「相当腹が減ってたんですね・・・」
カービィ「お風呂もあるから、食べ終わったら入っても良いよ。」
スキファノイア「はい!!助かります!!」
風呂から上がったスキファノイアの素顔は、可愛らしいうさ耳族の少女だった。
クク「改めまして、アルミラージのククと言います。」
アズサ「素顔・・・そんなんだったんだ。」
カービィ「スキファノイアとのギャップが凄い・・・」
クク「そうなんです・・・」
アズサ「あのさ。あなた前にもこんな風に倒れた事あったんじゃない?」
クク「何度かは・・・吟遊詩人だけじゃ全然食べていけないので・・・色んなアルバイトをやってて・・・」
フラットルテ「真面に稼げてる吟遊詩人なんて、ほんの一部しか居ないのだ。」
カービィ(下積みのアイドルみたいだ・・・)
クク「はい・・・私もそう言う人達に憧れて63年前故郷の村を出たんです。」
カービィ(63年前?彼女何歳なの?)
クク「ビッグになるぞ。弱い自分を捨てて偉大な吟遊詩人になるぞって。」
アズサ「地方から出て来たバンドマンじゃん。」
クク「でも・・・鳴かず飛ばずで・・・何度も辞めようと思ったんですけど・・・もう少しだけ・・・頑張ろうって・・・」
カービィ「頑張りたい気持ちがまだあるんだね。」
クク「はい・・・」
アズサ「クク。もし良かったら、しばらくここでゆっくりして行ったら?空気は美味しいし、静養するには良い所だよ。」
カービィ「美味しい料理も沢山振る舞ってあげるから。」
クク「ありがとうございます。ただ・・・その・・・そろそろ音楽活動を辞めて、第2の人生を歩もうかと考えていたんです。」
ロザリー「何か考えでもあるんですかい?」
クク「実は、こう言う所から何箇所かオファーを頂いていて。」
ギャバクラ的な求人募集のチラシを数枚見せてあげた。
カービィ「み、水商売・・・」
フラットルテ「獣人はこう言うの一定の需要があるのだ。特にアルミラージは人気なのだ。」
クク「こっちの業界だったら幾らでも稼げるって凄く言われてて・・・こうなったら、求められてる所で働くべきかなって・・・」
カービィ(絶対に精神崩壊しちゃいそう・・・)
アズサ「ククはさ・・・もう音楽が好きじゃないの?」
クク「っ!!そんなことありません!私は音楽を愛してます!」
アズサ「・・・なんだ。じゃあ音楽辞めるべきじゃないよ。続けなきゃ。」
クク「え!?」
アズサ「今は全然売れてないかも知れない。でも、長い事やって来たって事は余程好きじゃないと出来ないはず。それを辞めちゃうなんて勿体無いし、多分何時か後悔するよ。」
クク「・・・・」
アズサ「前向きに他の仕事をやるなら止めたりしない。でも今のあなたはそうじゃない。それなら今の活動を続けるべきだよ。まずは音楽に打ち込みながら将来の事をもう一度考えてみて。それまではここに居て良いから。」
クク「で・・・でも家賃払えませんし!」
カービィ「君の為なら、家賃は無料サービスだよ。」
アズサ「私も続けろって言っちゃった手前、やれる範囲で向き合うから。」
クク「・・・お世話になります!!ではお近付きの印に演奏を!」
リュートを激しく弾いた。
クク「ハハハハハ!吾輩の死と破滅の共演にようこそぉー!!」
アズサ「キャラ変わったー!」
カービィ「多重人格!?」
ファルファ「えーん!さっきの曲との違いが分からないよー!全部一緒に聴こえるよー!」
アズサ「それかなり本質的な批判だから!」
カービィ「ごめんクク!その辺で止めてくれる!?」
クク「だ、誰の事だー?わ・・・吾輩はスキファノイアである!お前等に死の絶望を届けに!」
カービィ「結構です。」
2階のアズサの部屋。
クク「2か所ほどミスもありましたし、良い演奏が出来なかったかもですね・・・」
カービィ「そう言う次元じゃないと思うんだよ僕達・・・」
フラットルテ「リスナー視点で言わせて貰うとだな。今の時代孤独系のデス系は売れないぞ。過剰系の花系寄りの音楽性に変えてみたらどうなのだ?」
クク「そうですけど・・・飽く迄私は技術で勝負出来るデス系が良いと言うか・・・」
フラットルテ「さてはお前、売れ線を作るのが怖いだけだろ。」
クク「ち・・・違います!」
フラットルテ「違わない。お前はファンが多い傾向の吟遊詩人をちょっとダサいと見下している部分があるのだ。」
アズサ(若手バンドマンの飲み会か。)
フラットルテ「大体、技術で勝負も何もお前は下手なのだ。」
クク「わ・・・私も頑張ってるんです!素人は黙ってて下さい!」
フラットルテ「ふーん。じゃあちょっとリュートを貸してみろ。」
アズサ(ギターじゃないのかあれ。)
リュートを借りて調律し、即興ソングを歌った。それも完璧に。
ククは唖然とし、アズサとカービィは絶賛した。
アズサ「凄いよフラットルテ!!」
カービィ「即興とは思えない歌!隠れた才能だね!」
フラットルテ「エヘヘ。どうだ!素人のフラットルテ様でもこれ位は演奏出来ちゃうのだ!」
カービィ「いや素人ってレベルじゃないけど!」
フラットルテ「分かったら言い訳ばかりするのは止めるのだ!」
クク「すみませんでした・・・」
カービィ(フラットルテ、もしかしたら歌手として人気出るんじゃない?)
アズサ「あ・・・あのさ。思ったんだけど、もう少し分かり易い歌詞を書いてみたら?」
クク「ですが・・・長らくこう言う芸風でやって来たので、急に分かり易い歌詞をと言われても・・・」
カービィ「だったらさ!家族皆で歌詞作りしたらどうかな?」
アズサ「それナイスアイディア!!」
翌日。皆で歌詞作り。
アズサ「それじゃあまずはライカから!」
曲名・嗚呼、精進。カブキカービィがライカの後ろでバックダンサーとして踊ってる。
ライカ「一歩一歩~精進していくことでしか~大成はない~。そして~・・・」
”キンコーン!”
ライカ「あっ!?」
カービィ「あ、鐘鳴った。」
アズサ「歌詞としてはメッセージが直接的過ぎるね・・・」
フラットルテ「論外だ。出直せ。」
ライカ「がーん!」
カービィ「おぉ、辛口評価。」
アズサ「じゃあ次はハルカラ!」
ハルカラ「ふっふっふー。私の歌詞は良いですよ!売れますよ!」
カービィ「コピー能力!リーフ!」
曲名・ハルカラ製薬の栄養酒。リーフカービィが木の葉を舞い上がらせながら踊ってる。
ハルカラ「今日のー仕事もうひと頑張り!」
〜演奏中止〜
ハルカラ「え!?」
カービィ(CMソングかな?)
アズサ「よし!次行ってみよー!」
ハルカラ「お師匠様~!せめてダメ出し位して下さい!」
カービィ「コピー能力!ビートル!」
曲名・のはら。ビートルカービィが飛びながら踊る。
シャルシャ「カマキリさん怖いよー。鎌を持ってるから怖いよー。」
ファルファ「バッタさん跳ぶよー。足を震わせて跳ぶよー。大自然ー広いよー。」
シャルシャ「私もまた大自然だよー。」
ファルファ「私とは何なーのー。」
シャルシャ「何者でもない存在がー。」
ファルファ・シャルシャ「つーまーりー私であることだと思うのー。」
アズサ「良いねー!可愛いねー!」
フラットルテ「うむ。神学的な要素もあって新境地かも・・・」
ファルファ「わーい!」
カービィ(教育番組かな?)
アズサ「最後はロザリー!」
ロザリー「合点です!」
曲名・虚無。ゴーストカービィがロザリーの隣を漂ってる。
ロザリー「長く一つの所に留まってると、昼間でも、真っ暗に、感じる。暗い暗い暗い。本当に何もない。笑い方、もうわからない。死にーたくても、死ねない。そんなー夜でしたー。」
皆がどよーんとなってる。
ロザリー「まぁ。今は楽しくやってますからね。」
カービィ「僕達からしたら虚しいけど・・・」
クク「私・・・破滅とか死とか歌って来ましたけど形だけで・・・本当に死んだ事なくて・・・」
アズサ・カービィ「そりゃそうだろ。」
クク「だから・・・本物の言葉の強さには勝てないなって・・・私・・・スキファノイアって名前を捨ててこれからは本名のククでやって行きます!そして、皆さんの歌詞を合わせた方向で新曲作りに励みたいと思います!」
カービィ「そうと決まれば、本当の歌詞作り開始!コピー能力!マイク!」
こうしてククはスキファノイアを封印して、皆と歌詞作りを開始した。
そして、遂に新曲が完成した。
クク「皆さん!お世話になりました!」
アズサ「またツアーでこの辺に来た時は、高原の家に寄ってね。って言うか、帰って来るつもりで良いから。」
クク「はい!絶対に!」
フラットルテ「良いライブをやるのだぞ。良いライブをやれば何とかなる。」
クク「はい!」
フラットルテ「お前ははっきり言って、音楽の才能はない!」
クク「え!」
カービィ「またダメ出し!?」
フラットルテ「しかし世の中は才能の順に成功するものではない。だからお前が成功する事だってあるかも知れないのだ。まずは戦うのだ!そしてこれからも戦い続けて行くのだ!」
クク「はい!!」
アズサ「すっかり師匠と弟子だなー。」
カービィ「僕達みたいだね。」
ベルゼブブ「良い酒が手に入ったので持って来てやったのじゃー!」
ワインを持ったベルゼブブがお邪魔した。
カービィ「ベルゼブブ!今日の仕事は終わったの?」
ベルゼブブ「今日は休みじゃー。ファルファとシャルシャと一緒に過ごすぞー。」
カービィ「孫に甘えるお婆ちゃんみたいなノリ。」
ベルゼブブ「ん?此奴は誰じゃ?」
クク「吟遊詩人のククと言います。」
アズサ「理由あって、ウチに居候してたの。」
ベルゼブブ「ほう。それじゃ酒の席で歌ってみよ。」
アズサ「ちょっとー。無茶振りは止めてくれる?」
クク「私・・・やります!寧ろやらせて下さい!新しく生まれ変わった自分がやって行けるのか・・・私の歌を知らない人に聴いて貰って、判断したいんです!」
新曲を披露した。
クク「ご清聴、ありがとうございました。」
カービィ達が拍手をし、ベルゼブブが静かに立ち上がり。
ベルゼブブ「素晴らしいのじゃ・・・これは良いのじゃ!」
クク「あ・・・ありがとうございます!」
ベルゼブブ「是非とも音楽例大祭に出演して欲しいのじゃ!」
アズサ「何それ?」
ベルゼブブ「ヴァンゼルド城下で行われる魔族の一大音楽イベントじゃ。」
カービィ「音楽フェスみたいだね。」
ベルゼブブ「お主等も今回は招待してやろう。」
全員「わーい!」
ベルゼブブ「ククとやら。参加してくれるか?」
クク「はい!私で良ければ。でもどれ位の規模のステージなんですか?」
ベルゼブブ「うむ。2万人程の観客の前でやって貰う事になるじゃろう。」
クク「2万人!?」
アズサ「ククー!」
カービィ「しっかりー!」
クク「猛烈に練習するので・・・もう少しこの家に置いていただけませんか・・・」
彼女との生活は、もうしばらく続きそうです。
音楽例大祭当日・ヴァンゼルド城。
ファートラ「では皆様。音楽例大祭をお楽しみ下さい。」
アズサ「ありがとう。ファートラ。」
ファートラ「夜の本番前に、会場の下見や音合わせが出来ますがどうされます?」
クク「勿論行きます!経験のない大きな会場ですし・・・」
カービィ「クク!しっかりね!」
クク「はい!」
ハルカラ「お師匠様。先生。私達はどうします?」
ロザリー「出店が沢山出てますよ!」
ファルファ「ファルファ行ってみたーい!」
シャルシャ「シャルシャも!」
カービィ「じゃあ行ってみよっか!」
多くの屋台やライブステージなどを満喫した。
あっと言う間に夕方になった。
アズサ「楽しかったねー。あ。」
城へ戻ると、ククが景色を眺めていた。
アズサ「クーク。どうしたの?」
カービィ「悩み事?」
クク「下見した会場が大き過ぎました・・・あのステージで演奏するのかと思うと・・・」
カービィ「不安が高まっちゃったんだね・・・」
アズサ「そうだよ。今のククならきっと上手く行くよ。」
ライカ「そうですよ。我は素人ですが、上達しているのは何となく分かります。」
クク「だと良いのですが・・・」
フラットルテ「大丈夫なのだ。元々お前は同じ事を続ける忍耐力はあった。ただ努力の仕方が悪かっただけなのだ。そこを修正した以上良い演奏が出来るに決まってるのだ!」
クク「はい・・・」
ライカ「そう言う割には、フラットルテは忍耐がなくて努力が長続きしないタイプですよね。」
フラットルテ「ぬ!ぬぬぬぬぬ・・・どう言う事だ!?」
ライカ「だってレイラ姉さんの結婚式だって思い付きで邪魔しに来たじゃないですか。我等レッドドラゴンに勝つ為にもっと前から努力すべきだったのでは?」
フラットルテ「あんなの思い付きで行く位が丁度良いのだ!」
カービィ「ライカ。煽ってるね。」
ライカ「まぁ努力した所で、我等に勝てるとは思えませんが。」
フラットルテ「ぐぬぬ・・・ならばここで決着をつけるのだ!」
カービィ「ちょっと!?」
アズサ「ちょっと2人共。いい加減に・・・」
フラットルテ「今日の星座占いでどっちが幸運か勝負なのだ!」
ライカ「受けて立ちます!」
アズサ・カービィ「いや平和的な解決過ぎる!」
クク「ぷっ・・・ふふふふ。」
フラットルテ「何を笑っているのだ?」
クク「すみません・・・そんなつもりじゃ・・・あはは・・・あははは!」
フラットルテ「クク。やれる事はやったのだ。後はお前の歌をオーディエンスに届けるだけなのだ!」
クク「はい!」
そして夜。大規模のステージに観客達が集まっている。
カービィ「これは凄い規模だね・・・」
ベルゼブブ「ククの様子はどうじゃ?」
アズサ「ちょっと緊張してたけど、もう大丈夫だと思う。」
カービィ「ベルゼブブ。ククにチャンスを与えてくれてありがとう。」
ベルゼブブ「フッ。そのチャンスを掴まえるかどうかは、彼奴次第じゃ。」
ステージ裏では、ククが深呼吸して緊張を解し、ステージに立った。観客達が拍手で迎えた。
クク『ククです。今から演奏するのは・・・』
カービィ達の姿が見え、ホッとしたククが微笑んだ。
クク『”ありがとう”と言う曲です。』
リュートを奏で、新曲・ありがとうを披露した。
観客の半数が泣き、カービィ達も泣いて聴いている。
ライブを無事に終え、皆で打ち上げパーティ。
全員「カンパーイ!!」
アズサ「クク!凄かったよ!」
カービィ「僕泣いちゃったよ!」
クク「私もこんなに上手く行くだなんて・・・何もかも皆さんのお陰です!どうお礼を言って良いか・・・」
アズサ「えー?そんな時に使う言葉は決まってるよ?ありがとう。でしょ?」
クク「あ・・・ありがとうございます!」
そこにベルゼブブが大量の書類を持ってやって来た。
ベルゼブブ「早速関係者達から出演依頼が殺到しておるぞー!」
それは、関係者達からの出演オファーだった。
クク「これ・・・この城下町でしばらく暮らして行ける仕事量じゃないですか!」
カービィ「ギャラが爆上がり!!」
アズサ「良かったねクク!一気に売れっ子じゃない!」
クク「ええ・・・」
フラットルテ「クク。リュートを借りて良いか?」
クク「は、はい!どうぞ。」
リュートを借りた。
フラットルテ「一曲送る。あまり良い曲じゃないけどな。」
突然フラットルテがリュートを激しく弾いた。
フラットルテ「ヴォォォォォ!」
カービィ「うわっ!!」
フラットルテ「スキファノイアー!お前はスキファノイアとして気が遠くなる位歌って来たのだ!そりゃこんなのじゃ売れないけど!それでも!お前が正しいと信じてやって来たのだから!戻りたくなったら戻れば良いのだ!絶対に永久封印なんて馬鹿げた事を考えるんじゃないぞ!お前は世の中の流行に合わせられる程賢くはないのだ!賢かったらもっと前から売れているのだ!このフラットルテだって!間違って間違って間違えまくって!今・・・ここで生きているのだ。正解なんてないけど立ち止まらない限り完全な失敗もないのだ。だから!好きなように歌えー!!それがお前の人生なのだ!」
彼女が突き出したリュートを、ククが受け取った。
クク「ありがとうございました・・・私ここで頑張ってみます!」
アズサ「やっぱり・・・師匠と弟子だ。」
カービィ「クク。これからも頑張れ!」
『END』
キャスト
カービィ:赤崎千夏
アズサ:悠木碧
ライカ:本渡楓
ファルファ:千本木彩花
シャルシャ:田中美海
ハルカラ:原田彩楓
ベルゼブブ:沼倉愛美
ロザリー:杉山里穂
フラットルテ:和氣あず未
ファートラ:伊藤美来
クク:小岩井ことり
次回予告
カービィ「やられちゃった!ハルカラ主催の「焼きキノコパーティ(通称:きのパ)」でうっかり出された、食べると小さくなる毒キノコを食べてしまったアズサ。お陰で皆から弄ばれ・・・もとい、可愛がられる事になっちゃった。何としても元の姿に戻りたい彼女は、ペコラから聞いた「世界樹の頂上にある、どんな薬でも取り扱う薬屋」を目指し、僕とファートラさんとヴァーニアさんと共に「全108階の大規模ダンジョン(世界樹)」を攻略を開始した。って、108階って高くない!?」
次回・キノコを食べて子供になった
カービィ「これ、ドラグーンでショートカット出来そう。」