雨の日の堤防。
仕事から車で帰宅していた時、俺は血塗れ(?)の少女を見つけた。
車を路肩に止め、急いで駆け寄る。
「おい!あんた大丈夫か!?」
外傷は思ったよりも少なかったが、梅雨の時期のこの大雨の中では凍えてしまう。
凍死する可能性も考慮して、彼女を抱き上げ車の後部座席に寝かせた。
彼女は意識が無いだけでまだ息はしている。
しかし外傷と低体温症のせいでだいぶ衰弱しているようだ。
病院は遠いのでここはまず、一番近い自分の家に連れて行くことにした。
「まさか…本当にアイツなのか……?」
時折「ギィ……」と聞き覚えのある呻き声を上げる少女を横目に車を走らせる。
我が家であるボロアパートに着くなり自分の部屋に少女を抱えたまま駆け込みソファに寝かせると押し入れからヒーターを引っ張り出し、ヒーターで体を直接温めながらエアコンも暖房に切り替えた。
少女の命がかかってるんだ。
多少の暑さぐらい我慢するしかない。
そう思いながらふと少女の服を見る。
20年前とまるで変わらない、真っ黒なパーカー。
濡れたままの服を着せるのは不味いかと、服を脱がせる事にした。
頼むから今目を覚まさないでくれよ。
無茶な願い事をしながら少女のパーカーに手をかける。
とは言っても彼女の服装はパーカー一枚にその下は下着しか無かったのでパーカーを脱がすだけで済んだ。(こんな服装の時点で色々と問題ありな気がするが)
「ふぅ……」
パーカーを洗濯機に投げ込み、少女の様子をもう一度確かめる。
部屋が灼熱の如き暑さになったので流石にヒーターはしまったが、それでも夏の始まりの時期に暖房をつけるのは辛いものがあった。
それと服を脱がした後に体に付着した血(?)を拭き取った際に気付いた事があった。
「傷が全部治って……いや、消えたのかこれは? あんなズタボロだったのに……」
連れてく時は傷だらけだったので病院に連れて行こうと思っていたが、それは杞憂だったようだ。
「これは……なんかの金属片か?」
それだけではなく、知らぬ間に彼女の眠るソファに何かの金属片が幾つも転がっていた。
恐らく、傷口に食い込んでいた物が自然治癒の際に出てきたのではないかと推測する。
やはり彼女は俺の知る人間では無かった。
いや、そもそも人間ではないのかもしれない。
得体の知れない少女だが、俺からしてみれば20年振りに再開した親友でもあるというのが奇妙に感じた。
こんな禍々しい尻尾生やした奴が人間って訳も無いか。
自己完結した俺はそのまま彼女が目を覚ますまで待つ事にした。
◇◆◇◆◇◆◇◆
イタイ……イタイ……ミンナ、ドコ。
ミンナ、死ンダ。
ミンナ、殺サレタ。
『逃ゲナサイ!! 主力ノアナタヲココデ死ナセル訳ニハイカナイノヨッ!!』
『ヲッ!!!』
逃ゲナキャ。
ドコカ、遠クニ。
イタイ、死ニタクナイ。
助ケテ……
私は異形っ子が性癖なので基本深海棲艦しか書かないと思います。
艦娘は……多分出て来ても敵です。