棺の織手と不死者の王   作:ペペック

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御大将大活躍。
だけど正直アルラウネさんが一番重労働だと思うなこれ……


起死回生の一手

ウルリクムミ指揮のもと、着実に墓地の奥地へと進む冒険者連合。とはいえ一体一体が弱小のアンデッドでも、大量の数が攻めてくれば一気に難敵となる。

現に端のほうではスケルトンに片足を食いちぎられた冒険者が倒れ、追撃を加えようとするスケルトンを近くの仲間が守るように阻んだりしている。

 

「魔力が切れた者おおお、重症を負った者はあああ、迷わず後方に下がりいいい、控えの者と交代せよおおお!!」

 

それを見たウルリクムミがゾンビを両断しながら上空の魔法詠唱者達に指示する。魔力が切れた魔法詠唱者の一人が乗る花びらが地上に降り、彼が怪我をした戦士に肩を貸して花びらに乗せると花びらが後方に運ばれていく。

 

到着と同時に控えの戦士と魔法詠唱者が入れ替わるように花びらに乗り、前線に運ばれていくのを、回復担当の魔法詠唱者達が見送る。

 

「回復を頼む!」

 

「まかせるである!」

 

ダインをはじめとする信仰系魔法詠唱者達が戦士の傷を癒せば、あとは交代になるまでこの場で彼らを休息させる。とはいえ魔力が自然に回復するのは時間がかかるので、回復した者もある程度休む必要がある。

 

全てはウルリクムミが立てた戦略だ。彼の進言がなければ、冒険者達は大量のアンデッドを前に無駄に体力を消耗して全滅していたことだろう。アルラウネの魔法による補助も非常に心強かった。

だがウルリクムミが味方を鼓舞してくれているとはいえ、やはりアンデッドとの戦いは体力の消耗が一番厄介だ。おそらく回復担当だけではいずれ限界になるかもしれない。

 

「クソッ、『物資』はまだなのか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

偵察から戻った弟子が、カジットに戦況を告げる。

 

「カジット様、連中もだいぶ疲弊しているようです」

 

「ククク、そうか……さすがに一体一体が弱いとはいえ、アンデッドの大群を相手にするのは堪えるようじゃな」

 

いまだ墓地を覆う負のオーラは強い。このまま儀式を続ければいずれさらに強大なアンデッドが生まれる確率は高くなるだろう。

 

「あともうしばらくの辛抱だ………その時こそが儂の……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

交代する頻度が目に見えて増えるのを見るたびに、控えの戦士達に焦りが見え始める。自分達でさえこれだけ疲弊しているのに、いまだ前線で指揮をとるウルリクムミが戻ってくる様子は見られない。今やこの冒険者連合の心の支えともなっている彼が死ぬことにでもなれば、冒険者達の結束は瓦解し討伐どころではない。

 

「クッ………僕もそろそろ行かないと!」

 

銀級とはいえ少しでも人手が必要なはず。逸るニニャの肩をダインが引き留めるように力強く掴んだ。

 

「いかんであるぞニニャ! 今行ってもかえって彼らの足を引っ張ってしまうだけである!!」

 

「っ………!」

 

もっともな意見にぐうの音も出ない。奥歯を噛み締めて門の向こうを睨むしかできないニニャであったが、

 

 

 

 

 

「おーい! 皆ー!!」

 

後方から聞こえた、聞き慣れた仲間の声にバッと振り返った。

 

「ポーションを届けに来たぞー!!」

 

夜の帳に包まれた、街に続く道の向こうからは鉄・銅の冒険者達を率いてルクルットが馬を走らせてきていた。

 

「完成したか!」

 

その姿を見た一同の顔に希望と安堵が浮かぶ。およそ十台ほどの馬車が横に並んで走ってくる姿は壮観で、物資の量にも期待が持てた。馬の手綱を引き馬車を門の前に止め、ルクルット達が積まれていたものを次々と下ろしていく。

馬車に大量に積まれていたのは、緑色のポーションが入った大量の瓶と、大きな酒樽が六つと大量のコップ、それから追加の矢と矢じりに塗る油と火種だ。ポーションの大量生産には成功したものの、入れ物が足りず街の至るところから入れ物になりそうなものを探してきたらしい。見れば瓶もポーション用のみならず、酒瓶が混じっていた。

 

「………酒樽にポーションなんて、前代未聞ですよ?」

 

「贅沢言うなよ。空になった瓶はまた使うから、捨てずにこっちに寄越せ!」

 

苦笑するニニャだが、これだけの量があれば回復担当の負担を大幅に削減できる。ルクルットが重症者への配給を優先するよう指示し、まず酒樽に入ったポーションをコップで掬い手渡していく。

仲間に支えられながらポーションを口にした重症者の傷が、瞬く間に癒えていくのを確認してから、今度はニニャをはじめとする一番疲労の激しい者達がポーションを呷る。するとコップを空にしてから、冒険者達は自身の身体の変化に気づいた。

 

「な、なんだこのポーション……傷が治っただけじゃなく、力が漲ってくるぞ!?」

 

「心なしか、魔力も上がった気がします!」

 

先ほどまで感じていた疲労感、魔力の喪失感が綺麗さっぱり無くなり、かわりに内側からさらなる力が溢れる感覚がする。

 

「今なら何が来ようと、負ける気がしないぜ!!」

 

これならば、ウルリクムミの援護に向かえる。活気づいた冒険者達は前線で戦う仲間達の分のポーションを抱え花びらに乗る。

 

「姐さん! 俺らを大将のところまで運んでくれ!!」

 

コクリとうなずく彼女が花びらに乗せる際に、ニニャが彼女にもポーションを手渡す。

 

「どうか御武運を?」

 

「はい!」

 

力強く答えるニニャの後ろ姿を眺めながら、アルラウネもポーションを口にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前線は激しさを増していた。

 

「邪魔だああああああ!!」

 

ウルリクムミが敵の注意を引き付け、群がるアンデッドを一閃のみで十体も切り伏せ、残りは仲間達が引き受けている。この繰り返しのおかげか、今のところ冒険者達の中では怪我人自体は数えるくらいしか出ていない。

 

(とはいええええ、やはり体力の消耗は激しいかあああ)

 

人間ではない自身はまだまだ余裕があるものの、ほかの冒険者達は先ほどから交代の頻度が多くなっている。オリハルコンやミスリルといえど、生身の人間である以上は連戦の疲労は避けられない。このままでは回復担当のほうも遅かれ早かれ力尽きるてしまうかもしれない。

自身が『本気』を出せば、本陣までの道を切り拓けるかもしれないが……

 

(敵の奥の手がわからぬ今あああ、まだ『切り札』を出すには早いいいい)

 

『死の螺旋』、強大なアンデッドが生まれる可能性が高くなる恐ろしい儀式。最悪の場合は『これ』を使わざるをえない状況になることを覚悟し、バトルアックスを強く握りしめる。

 

 

 

「ウルリクムミさん!」

 

「!?」

 

そんなウルリクムミにかけられた声があった。反射的に見上げればそこには、後方に戻ったはずのニニャがいた。ニニャだけではない、先ほど後方に戻ったばかりに魔法詠唱者達や、彼らに同乗していた戦士達の姿がある。その姿にウルリクムミは馬鹿な、と信じられないものを見るように驚愕する。

 

「ニニャあああ、まだ交代する時間ではないはずだぞおおお!?」

 

二度ほど交代した魔法詠唱者達の疲労具合から見て、まだ前線に立っていいほどの時間を休んでいないはず。なのにどうして彼らがここにと、答えるようにニニャがウルリクムミに向かって何かを投げる。

 

「いいから、これを飲んでください!」

 

彼女が投げて寄越してきたのは、酒瓶に入った緑色のポーションだ。戸惑いながらも瓶の蓋を開けて中身を一口飲むと、ウルリクムミの身体に変化が生じる。

 

「ぬうううう、これはあああ!?」

 

それまでの疲労感が無くなると同時に、強化魔法を受けたかのような活力が溢れてきた。

 

「ンフィーレアさんのポーションが届いたんです! これで体力も魔力も十分に回復できるはずです!」

 

その報せに、ウルリクムミは思わずおおおっと喜びの声をあげる。どうやらンフィーレアがポーション作成に成功したようだ。

花びらから降りてきた戦士達が、先ほどよりも素早い動きと高い攻撃力で攻めいる。

 

「うおおおおおおお!! どけどけ骸骨どもおおおおおお!!」

 

「大人しく墓の下に帰りやがれええええええ!!」

 

自身を鼓舞するように高らかに吠える冒険者達の姿は間違いなく強化されている。これがあの薬草の効力だとすると、予想以上の効果だ。

 

(ソカルめえええ、雑草を押し付けられたと思ったがあああ、なかなか良い物を寄越したではないかあああ)

 

ヘルムの下でニヤリと笑い、内心で今も森の奥に潜んでいるであろう戦友に僅かながら感謝する。

 

「アルラウネえええ、届いたポーションはどのくらいだあああ!?」

 

『十分すぎるほどかと?』

 

念話の自在法で後方にいるアルラウネに話しかければ、笑みを溢すような声色で彼女が答える。

 

「ならばお前はあああ、冒険者達の運搬とおおお、俺への自在法の維持に専念せよおおお!」

 

『御意に?』

 

渡された酒瓶をさらに呷れば、よりいっそうの活力が漲ってくるのを感じて仲間達に叫びかける。

 

「この勢いに乗りいいい、敵の本陣へと攻め込むぞおおお!」

 

『うおおおおおおお!!』

 

再び士気をあげた冒険者達の進軍は続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バカな! 先ほどよりもやつらの進軍が勢いづいているではないか!」

 

そろそろ疲弊しきるだろうと思われた冒険者達の進軍は、とどまるところを知らない。敵はもはやカジット達の場所からでも見えるほどに迫ってきており、互いを鼓舞する叫びはこちらにまで響いてくるようだった。

 

(あと少し………あと少しで負のエネルギーが溜まるというのに!)

 

左手に握る死の宝珠を見れば、もうかなりの量の負のエネルギーがその内に蓄えられているのがわかる。儀式が完遂すれば十分だが、その前に連中に追い付かれれば全てが水の泡だ。カジットは焦る気持ちを静めるように杖を握る。ここはなりふり構ってはいられなかった。

 

「クレマンティーヌ、やつらを足止めしてこい!」

 

もはや彼女に一抹の望みを託すほかない。その辺りの墓石に腰かけていた彼女に命じれば、待っていたとばかりに彼女は立ち上がる。

 

「了解~」

 

いつも通りの間延びした口調で答えるクレマンティーヌだったが、その表情はいつも以上の嗜虐的な笑みを浮かべている。彼女が見据える先にあるのはただ一点。冒険者達を導くように彼らの先頭を走り、群がるスケルトンやゾンビを切り伏せる濃紺の鎧の戦士だけ。

 

「今度こそ、グッチャグチャになるまで遊んでやるよ………!」

 

夜明けはまだ、見えない。




その頃のアシズ様

アシズ「ではこの世界の一部の人間は、『魔法』と呼ばれる力を使えるのか」人化して馬車を引く

村人A「そうです………」

アシズ「その『モンスター』なる野生動物の皮や牙を売って、生計を立てる者もいるのか……」


『キシャアアアアア!!』



アシズ「む、あの悪魔の追っ手か!?」

村人B「うわあああああああ!! ギガントバジリスクだあ!!;」

アシズ「ギガントバジリスク?」

村人C「石化の魔眼を持つモンスターですよお!!」(´;д;`)

アシズ「なんだ、ただの野生動物か。せっかくだから路銀の足しにするか」(・ω・)つ(聖なる棺)

バジ『』首チョンパ


村人達「」(゜ロ゜)(゜ロ゜)(゜ロ゜)
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