弦巻こころの兄が秀知院学園に通って過ごす話(完結) 作:春はる
『』で話してる時は、フランス語で話してる時です。
~優心~
月曜日、交流会の日になった。が、結局の所予想以上に準備に手間取ってしまったが、何とか準備を終わらせた。
校長が労いの言葉を掛けてきたが、会長がそれに対して"今度は直前に言わないでください"と言い返していた。
それを受け流した校長は、"楽しんできなさい"と言ってきたので会場に入った。
会長とかぐやさんは二人で話を始めたので、俺は二人とは少し離れた所に向かった。向かうとフランス校の生徒に話しかけられた。
生徒A『あの今回、お招き頂きありがとうございます』
優心『こちらこそ、わざわざ来ていただきありがとうございます。私は生徒会庶務をしています、弦巻優心です。よろしくお願いします』
生徒A『弦巻…、という事は、弦巻グループのご子息ですか?』
優心『え、はい。そうですけど』
生徒A『わぁ!お会いできて光栄です。私、弦巻グループ関連企業が出している雑貨商品のファンなんです』
優心『そうなんですか。わざわざ買ってくれてるのはありがたいです。お父様に伝えておきますよ』
生徒A『はい!よろしくお願いします。でもまさか日本の姉妹校に弦巻グループのご子息が通ってるとは思いもしませんでした。秀知院には幼稚園から通っていたのですか?』
優心『いえ、高等部から通っています。中学まで公立の学校に通っていました』
生徒A『高等部からという事は元々興味があったんですか?』
優心『そうですね。確かに元々興味があって、それに加え中学の担任の先生にも進められたので編入学しました』
生徒A『なるほど。自分の意思で入学したということですね』
"はい"と話してると、会長が声を掛けてきた。
会長「弦巻、ちょっといいか」
優心「?ちょっと待って『すみません、少し離れます。交流会楽しんでください』」
生徒A『はい。ありがとうございます』
フランス校の生徒に一言言ってから会長に振り返った。
優心「どうしたの?」
会長「いや、四宮と藤原がフランス語が喋れてるから居づらくなったんだ。それで弦巻の所に来たんだが、まさか弦巻も喋れてたんだな」
優心「昨日勉強しただけだよ」
会長「……昨日、勉強しただけであんなに話せたのか」
優心「うん。フランス語に詳しい黒服さんに教えて貰ったんだ」
会長「……そういえば、弦巻も天才だったな。しかも見よう見まねですぐ出来る天才でもあるんだったな。…フランス語は勉強をしたと言ってたが、普通に話せる外国語があるのか?」
優心「まともに話せる外国語は英語だけだよ。お母様から世界共通言語が英語だから覚えておきなさいって言われてたからね」
会長「なるほど。確かに英語は共通言語だから覚えといて損はないしな。だとすると弦巻の妹も英語とかの外国語は喋れるのか?」
優心「こころはあまり喋れないよ。授業で習うぐらいの英単語とかそういった感じだったと思う」
会長「じゃあ、海外行ったりした時はどうしてるんだ?」
優心「基本俺と一緒にいたりしてるから、こころが話したい時は俺が通訳する感じだよ。でもこころは言葉が分からなくても笑顔で仲良くなっちゃうから通訳はそこまでしたことはないけど。でもこころもちゃんと勉強すればすぐ話せると思うよ。こころも俺と同じ天才だからさ」
会長「ふーん。その事は弦巻のお母様とかは何も言ってないのか?」
優心「お母様達は何も言ってないよ。こころは人の笑顔を見るのが好きで世界を笑顔にしたいって思ってるんだ。それで"笑顔があれば言葉が分からなくても仲良くできる"って事も思ってて、お母様達はその考えを尊重してるよ。しかもその通りに仲良くなってるからそこがすごい所なんだけどね。屈託のない笑顔だから、裏表が多い所で過ごす事がある世界の要人達もこころとは自然体で過ごせてるし仲が良いよ」
会長「それは本当にすごいな」
会長と話してると、フランス校の女子生徒が会長に声をかけてきた。俺と話してた生徒とは別の女子生徒だった。
するといきなり罵倒し始めた。
会長はフランス語が分からないから、何言っているか分かってない顔をしてるけど、言葉が分かる俺は聞きたくない内容だった。てか、罵倒し始めたと思ったら人格否定し始めたし、友達にこんな風に言われてるのを見過ごせるほど心は広くない。
その為、俺は会長とフランス校の生徒の間に立った。
優心『初めまして、庶務をしている弦巻優心です。先程から日本校の生徒会長に色々と言ってますけど、まず貴方のお名前を聞いても良いですか?』
ベツィー『…フランス校生徒会副会長をしているベルトワーズ・ベツィーです』
優心『ベツィーさんですね。さてと先程から白銀会長に色々と言ってましたけど、あれって喧嘩を売ってます?』
ベツィー『それは……』
優心『会長に言ったことは、貴方の意思…本心で言ったんですか?それとも誰かにお願いされて言ったんですか?……もし自分の意思で言ったのであれば貴方をフランス校に通えないようにします。何なら……家族全員どこかに飛ばしますよ』
と、俺が笑顔でこう言うとすぐに走り出して校長の方に走り出して校長と何か話していた。
優心(なるほど、校長が絡んでるのか。だったら校長と少し話さないと。さっきのベツィーさんには悪いことしたかな。校長から何か指示受けたから言ってた事になるのか?まぁ、会長に言ったあれが本心かどうかは置いといて言い過ぎたから謝っておかないといけないな)
そんな事を考えてると校長と目があったので、俺は"ニコッ"とした。それを見た校長は何か怖がってた。
すると会長が話しかけてきた。
会長「弦巻。さっきの人となに喋ってたんだ?」
優心「んー、別に世間話だよ」
会長「でもさっき怖がってる顔で物凄い勢いで走って行ったけど」
優心「何か日本の怖い話、幽霊とかの話をしたら走り出しちゃった。多分怖い話は苦手だから逃げ出しちゃったんじゃない」
会長「……そうなのか?そんな感じじゃない気がしたが…」
俺は会長の言葉に"そうだよ"と返事をして、残りの時間は交流会を楽しんだ。
その間にベツィーさんに謝っといたが、会話をしている間、ビクビクしていたのでやり過ぎたなと思ってしまった。
ベツィーさんと話をした後に、三年の朝日先輩に話し掛けられた。
朝日「弦巻くん少しいいかしら?」
優心「朝日先輩どうしたんですか?先輩が会場にいるの珍しいですね」
朝日「マスメディア部の部員が交流会の取材に来ているんだけどね、頼んでない二人がいるの」
優心「あ、かれんとエリカですね。多分かぐやさんと会長がいるから取材したくて来たってやつですね」
朝日「そうなのよね。弦巻くんに声を掛ける前に少しチラッて見たら四宮さん達の事で盛り上がってたのよ。私が声をかけると"取材をしたい"って押しきられると思うのよ。だけど頼んでない事を任せるわけにはいかないでしょう。どうしようか悩んでるんだけど、もし弦巻くんが私の立場だったらどうする?」
優心「そうですね。……先輩、あの二人ってフランス語話せるんでしたっけ?」
朝日「いや、話せないわ。だから話せる部員にお願いしてたのよ」
優心「じゃあ、フランス校の生徒の取材をお願いすればいいんですよ。そうすれば取材したいっていう二人の要望に答えられますよ。取材対象は違いますけど」
朝日「なるほどね。その案使わせて貰うわ。ありがとう」
優心「どういたしまして」
朝日先輩からかれん達の事で相談されたので、それに答えた。
先輩は俺が言った案を使うと言って、会場の扉の所に向かっていった。
見てみると先輩が二人と話してて、二人は一瞬嬉しそうな顔をしたあとに残念そうな顔になったので俺の案を二人に言ったんだなって分かった。
少し見てから参加してる生徒の人達と話を始めた。
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そして交流会が終わったので、俺はまず校長の所に向かった。
優心「校長、少し話しても良いですか?……逃げないでくださいよ。生徒が話があると言ってるんですから」
校長に声をかけると逃げようとしたので腕を掴んで逃げないようにすると、校長が口を開いた。
校長「弦巻くん…何の用ですカ?」
優心「そんなにビクビクしないでください。聞きたいことがあるんですよ。言わなくても分かってると思いますが、交流会中のベツィーさんの事です。会長に色々と言ってましたが、あれは校長がお願いしたんですか?」
校長「…えぇ、そうでス。私がお願いしましタ」
俺が、ベツィーさんの事で聞くと校長がお願いしたらしい。そのお願いした理由を聞くと、白銀に"学校を任せられるか"などの素質があるか試したとの事。
優心「でしたら、俺に何かしら教えてくださいよ。説明がないと、無関係の人間を飛ばす可能性があったんですからね。いくら友人を侮辱されたとしても、本人の意思でしたのではない以上は、俺はそんな事はしないようにしてるんですよ」
校長「それはすまなかったネ。もしまた試すような事があったら弦巻くンには説明をすることにしますヨ」
優心「頼みますよ。俺も間違い起こしたくないですから」
校長を話をして、会場に戻るとかぐやさんから話しかけられた。
話を聞くと、会長とベツィーの話してた内容の事を聞いてきたので隠すよりは話してた方が良いかなと思い、あの時の内容と俺がその生徒と話した内容とかを話した。
すると、かぐやさんの顔が怒った顔になったが、俺が対処してくれたことにお礼を言ってきた。
かぐや「弦巻くんありがとうございます。……でも流石に、家族全員を飛ばすという言葉はどんな人でも怖いですよ」
優心「ずっと怖がってたから申し訳ないなと思ったよ」
かぐや「でも、容赦なく言うからVIP枠の生徒の皆さんが弦巻くんを怒らせるなと言われてるんですよ」
優心「あの時はあいつの意思で俺の妹の事を言ってきたのが悪いから今回とは違うから」
かぐやさんが言った言葉に言い返して片付けに戻った。
その後、家に帰った後に愛と電話で交流会の出来事を話をしていた。
その他の話もしながら過ごしてから電話を切りベットに入った。
こころの外国語については、ガルパのストーリーで南の島の別荘の話(その花音のカードエピソード)で、こころが島の子供と仲が良い時に花音に言葉は分からないと言ってたシーンがあったので、ここでは喋れないという事にしています。