弦巻こころの兄が秀知院学園に通って過ごす話(完結) 作:春はる
交流会が終わり少したった日。
制服が夏服になって、やっと冬服から解放されたと思いながら、俺は教室で昼休みを過ごしていた。
すると、かれんがいきなり教室に来て腕を引っ張られた。その状態で歩いていると、マスメディア部の部室に着いた。
部室に入るとエリカはいなかったが、取り敢えず椅子に座るとかれんが口を開いた。
かれん「優心さん、何で私が部室に連れてきたか分かりますか?」
優心「……交流会の取材の事?」
かれんが俺を呼んだ理由を聞いてきたので答えると、バンッ!!と、机を叩いて大声で話し始めた。
かれん「その通りです!部長から取材の許可を貰えたと思ったらフランス校の生徒の取材だったんですよ!それで理由を聞いたら優心さんに相談して、その通りにしたって部長が言ったんです!」
優心「うん」
かれん「"うん"……じゃないですよ!何で部長に、そんな事を言ったんですか!?」
優心「朝日先輩に、"弦巻くんだったらどうする"って質問してきたし、それに部長はかれん達に頼んでないのに、会場にいたからどうしようか悩んでたんだよ。俺はそれに答えただけだよ」
かれん「だったら、私とエリカにかぐや様と会長の取材出来るように、進言してくださいよ。何でフランス校の生徒の取材に向かわせる事を言ったんですか?」
優心「だって二人、かぐやさん達の前じゃ喋るの無理じゃない?それに普通に話せても色々と妄想すると思うから、フランス校の生徒のいる場所ではかぐやさん達の取材はやめといた方がいいかなって思ったんだ。だったらフランス校の取材させれば良いんじゃないかなって思ったのが理由だよ」
かれん「……反論できないです。確かにかぐや様や会長と話すのは難しいです。でも、それでもやりたかったんですよ!」
また大声を出して話をしてきたので落ち着かせた。
かれんが落ち着いてから違うことを聞いた。
優心「そういえば、前に俺に相談したいってメッセージがきてたって言ってたけど、あれってどんなの?」
かれん「えっ、あぁえっとですね、恋愛相談みたいですよ。藤原さんに告白したいけど、どう告白したらいいかを藤原さんと仲がいい優心さんに聞きたいみたいですよ」
優心「それ、送ってきた人は誰?」
かれん「それが匿名希望でして、しかもこのまま返信で返してほしいと書いてますけど」
優心「…じゃあ、パソコン貸して。返事するから」
前にかれんが言っていた相談の事を聞くと、千花に告白したいという相談らしい。そのメッセージを送ってきた人は匿名みたいなのでメッセージで返事を送った。
かれん「何て送ったんですか?」
優心「ストレートに告白をする。ただそれだけ送った」
かれん「それだけですか?」
優心「そうだよ。その方がいいかなと思ったんだ。でも振られるのは目に見えてるけどね」
かれん「何で止めないんですか?」
優心「止めないよ。振られるにしても好意の気持ちは伝えたほうがいいから。まぁあと匿名で相談してきてる人が、付き合えるとは思ってないのもあるけど」
かれん「なるほど。後半の方の、ここに匿名で相談してる人が付き合えるとは私も思ってませんけどね」
相談の件も話をしてると、予鈴がなったので教室に戻った。
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放課後になり、生徒会室で会長達と話していた。
会長「まず、先の交流会はお疲れ様」
会長が"お疲れ"と言ってきたのでこっちも"お疲れ"と返した。
会長「で、今日は事後処理をしようと思ったが、石上がしてくれた。その為、やることが無くなったから解散にしようと思う」
優心「石上って、事務処理とかのデータ処理系が優秀だからね」
会長「確かに優秀だよ。いなくなったら生徒会が困るからな。まぁ、とりあえず今日は終わりということで」
会長がそう言うと、千花がかぐやさんに声をかけていた。
千花「じゃあ、かぐやさんはお迎えの車を呼ばないとですね」
かぐや「それが送迎の車のタイヤがパンクしたみたいで、歩きで帰らなくちゃいけないんです」
優心(パンク?何で送迎の車が?……教室に愛がいれば聞いてみようかな)
かぐやさんの車の話を聞いて不思議に思い、愛に会ったら聞こうと思った。
優心「じゃあ、俺は帰るんでまた明日」
俺は帰ることを伝えて、先に生徒会室から出て教室に向かった。A組に入ると愛が帰る準備をしていた。
時間が時間なので、教室には他生徒は誰もいないので下の名前を呼び、この時間に帰る準備をしてるのか聞いてみた。
優心「愛がこの時間で帰る準備してるの珍しいね。いつもだったらかぐやさんが帰る時には準備が終わってて、すぐ帰れるように待機してるのに」
愛「今日、かぐや様は会長と相合傘で帰るつもりみたいだから、放課後は自由にしていいって言われたんだ。…逆さてるてる坊主は、相合傘のために私に作らせてたみたいだよ。前に、優心くんにも手伝って貰ったやつ」
優心「あれって今日のためだったんだ……。ここまで準備に掛けるんだったら、告白した方が早いような気がするけど。…送迎の車のタイヤがパンクしたって言ってたけど、あれも相合傘の為?」
愛「告白は本人に言っても意味ないよ。送迎の車もかぐや様がやってたよ」
優心「パンクさせるって凄いな…。……愛、この後時間があるんだったら、寄り道というか何処か行かない?愛の行きたい場所で」
愛「行きたい場所か……。だったら、優心くんと初めて遊んだ時に寄った羽沢珈琲店に行きたい。あそこの珈琲気に入ったからまた飲みたい」
帰る準備をしていた愛は、かぐやさんが今日の放課後は自由にしていいと言われたらしい。それを聞いた俺は寄り道を提案をした。すると羽沢珈琲店に行きたいと言ってきた。
優心「分かった。でも雨すごいから車で行くことになるけど良い?」
愛「いいけど、優心くんいつもは電車通学だよね?車の準備とか、待機とかもしてないんじゃないの?」
黒服(華)「優心様、お車の準備出来てます。愛様もどうぞ」
優心「ほら、大丈夫だよ。黒服さんが準備してくれてるから」
愛「う、うん。そ、そうなんだね(弦巻家の使用人は凄すぎる…。車は何処かで待機してたって事…だよね)」
優心「愛、どうしたの?……行かないの?」
愛「あ、うん。行くよ」
愛に声をかけて車の所に向かった。校門の近くだと帰宅中の生徒が何人かいるので、車に乗るときだけ別々の場所で乗り、商店街に向かってもらった。
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~車の中~
愛「優心くん。昼休みに紀さんに手を引かれて何処かに連れて行かれてたけど、どこ行ってたの?」
車の中で、愛に話しかけられたと思ったら昼休みの事を聞かれた。かれんに連れていかれたのを見られてたみたいだ。まぁ同じクラスだから当たり前だけど。
優心「マスメディア部の部室だよ。この前の交流会の事で聞きたいことがあったみたいで、それに答えただけだよ」
愛「何を聞かれたの?」
部室に行ったというと、話の内容の事も聞かれた。隠すような事は無いので、かれんと話した内容(かぐやさん達の取材の事など)を伝えた。
愛「そっか、良かった」
優心「…もしかして嫉妬してたの?」
愛「…恋人同士を隠してるから仕方ないけど、やっぱり彼氏が手を引かれて何処かに行くと嫉妬するよ……」
優心「それはごめん」
頭を撫でて嫉妬させた事を謝った。
愛「ん…。謝るんだったら、また今度頭撫でて。他の女子と話すの良いけどやっぱり嫉妬しちゃうと思うから、二人で一緒にいる時とかに撫でて」
優心「え、それで良いの?てか撫でて大丈夫だった?」
愛「うん、それでいい。それと何か優心くんの撫で方が気持ちいいし落ち着くから大丈夫だよ」
優心「分かったよ」
そう返事をした。
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~商店街・羽沢珈琲店~
商店街に着いたので、珈琲店に入った。
つぐみ「いらっしゃいませー。あっ!優心さんこんにちわ。それと愛先輩もいらっしゃいませ」
優心「こんにちわ、つぐみちゃん。今日二人だよ」
愛「どうも。つぐみ」
つぐみ「はい!じゃあお席に案内しますね❗」
お店に入ると、つぐみちゃんが応対してくれたので挨拶して席を案内してもらった。
席に案内してもらい注文をして、しばらくして注文したのがきた。
愛「……やっぱりここの珈琲美味しい」
つぐみ「本当ですか!ありがとうございます。そう言ってくれると嬉しいです」
優心「つぐみちゃん、前に愛と二人でここの近くの公園に遊びに行った時に来たんだけど、その時に気に入ったんだよ。それでまた飲みたいって思ってたから連れてきた感じだよ」
つぐみ「そうなんですね。また飲みたいって言ってくれると本当に嬉しいですよ。コーヒーを淹れてるお父さんも喜びます」
優心「マスターにも伝えといて」
俺がそう言うと"はい❗"と、いい笑顔で返事してくれた。
客「すみませーん」
つぐみ「はーい、今伺いまーす。じゃあ失礼します」
愛「つぐみ、元気いっぱいだよね」
優心「それにがんばり屋さんだよ。…しばらくここで過ごす?」
愛「そうする。かぐや様の事で、別邸や学校じゃゆっくりする事が中々ないし、のんびりしたいからもう少し過ごすよ」
"分かった"と答え、珈琲店でのんびりと過ごした。
当然だがお店で過ごしてると、バンドの子達が来たりするので来た子達と愛と一緒に話したりしていた。
しばらく過ごしてから帰ることになったが、帰る前に向かいのやまぶきベーカリーに寄って、おすすめのパンとかを教えた。その後黒服さんに車で愛を別邸まで送るようにお願いして俺は家に帰った。
次回の話は、今回書いた放課後の早坂視点の話を一話書いて投稿するつもりです。