弦巻こころの兄が秀知院学園に通って過ごす話(完結)   作:春はる

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遅くなりましたが第26話です。

今回から作中の時系列は夏休みに入りました。この26話は夏休み初日の話です。

では、本編をどうぞ。



第26話

 

~優心視点~

 

 

夏休み初日の朝。

 

 

俺は、今日の午後に子供と遊ぶ約束してるので、公園で遊ぶ道具を入れた荷物を片手に持ちながら、開店前のやまぶきベーカリーにモカとりみの二人と並んでた。

 

そんな中で、りみが初耳の事を言ってきた。

 

りみ「あの、優心先輩。イチゴチョコバージョンのチョココロネが出たの知ってますか?」

 

優心「え?知らないけど……。イチゴ味のチョココロネって聞くだけで、凄く美味しそうなんだけど……!っていつ出てたの!?」

 

モカ「昨日ですよ~。あたしは放課後に買いに行ったらあったので~、その時に買いました~。すご~く美味しかったですよ~」

 

りみ「私は昨日、学校で沙綾ちゃんから教えてもらいました。それで蔵練の時に、沙綾ちゃんが持ってきてくれたので食べました。モカちゃんの言う通り、め~っちゃ美味しかった!」

 

優心「…二人ともいいな~。聞いたら早く食べたくなってきた……」

 

モカはドヤ顔で、りみは目を輝かせながら"凄く美味しい"と言ってくるので、凄く食べたくて仕方なくなってしまった。"早く食べたい"と思いながら開店するのを待っていた。

 

 

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そして開店したのでお店に入った。

 

沙綾「いらっしゃいませ~。……お、チョココロネ三兄妹だ」

 

沙綾の挨拶を聞いた後に、イチゴチョコのチョココロネの事を聞いた。

 

優心「沙綾、イチゴチョコのチョココロネってどこにある……!?」

 

沙綾「え、えっとですね……、いつものチョココロネの隣にありますよ」

 

沙綾から場所を聞いてから、トングとトレイを取っていつものとイチゴ味のをチョココロネを、りみとモカで平等にトレイにのせていった。

 

沙綾「……やっぱり、三人が揃うと凄いな……」

と、沙綾の苦笑いしながらの言葉が聞こえたが、気にしなかった。

 

モカとりみ、そして俺はチョココロネだけをトレイにのせてレジで会計を済まして、お店を出た。

 

 

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お店を出た俺はベーカリーの前で二人と別れた。

 

俺は2種類のチョココロネが買えて満足しながら、この後どうするか考えていた。

 

優心(どこかで、のんびりチョココロネを食べてもいいし……。愛もチョココロネを食べたがってたから連絡して会って、チョココロネをあげるのもいいけどどうしよう……)

 

午後まで"どうしよう…"と悩んでいると、スマホが震えた。画面を見てみると、かぐやさんからの電話だったので出てみた。

 

優心「(かぐやさんから……?)もしもし、かぐやさんどうしたの?」

 

かぐや『弦巻くんにお願いしたいことがあるのよ』

 

優心「お願い?」

 

かぐや『えぇ。前に愛さんから羽沢珈琲店のコーヒーが美味しいって聞いたの。それで、私もそのお店に今日にでも行ってみたいのだけどいいかしら?』

 

優心「……今日だったら、午後は用事があるから今からでもいい?」

 

かぐや『それでも構わないですよ』

 

優心「じゃあ、黒服さんにお願いして車を別邸に向かわせるから、その車に乗って来てよ。あと、愛も来て欲しいから一緒に連れてきて」

 

かぐや『分かったわ』

 

かぐやさんと話を終えて、電話を切った。

 

優心「黒服さん。とりあえず、俺はお店の中で席取っとくから、二人が来たら案内してあげて。……まぁ、愛がいるから大丈夫と思うけど」

 

黒服(華)「分かりました」

 

華さんにお願いしてから、羽沢珈琲店の店内に入った。

 

つぐみ「いらっしゃいませー。あ、優心さん。いつもの二人席でいいですか?」

 

優心「今日はあと二人来るから、四人で座れるテーブル席でお願いしていい?」

 

つぐみ「あ、分かりました」

 

お店に入ると、つぐみちゃんにいつもの席に案内の確認をされたが、四人席の案内をお願いした。

 

席に案内されたあとにつぐみちゃんに店内でチョココロネを食べても大丈夫か聞いてみた。

 

つぐみ「もしかして愛先輩の分もあって、食べて貰いたい感じですか?」

 

優心「うん。ここのコーヒー飲みながら食べて欲しいな~って思って。俺も食べたいし」

 

つぐみ「今、お客さんは少ないし大丈夫だと思いますけど、お父さんに聞いてみますね」

 

優心「よろしく」

 

つぐみちゃんに確認をお願いして、しばらく待つとつぐみちゃんが戻ってきた。

 

つぐみ「優心さん、オッケーだそうです」

 

優心「ありがとう、つぐみちゃん。……マスターもありがとー」

 

つぐみちゃんとマスターにお礼を言ってコーヒーを注文をして愛とかぐやさんの二人を待った。

 

 

 

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~早坂視点~

 

 

~かぐやが優心に電話をかける少し前~

 

 

かぐや「前に愛さんが言ってた羽沢珈琲店に行きたいの。だから弦巻くんに連絡して欲しいのだけれど」

 

朝、いつも通りに使用人としての仕事をしていると、かぐやから"話がある"と言われ部屋に呼ばれた。部屋に入り話を聞くと、"優心くんに連絡して欲しい"と言われた。

 

愛「それぐらい、自分で連絡したらどうです?」

 

かぐや「私がいきなり羽沢珈琲店の事を言うと、私が知ってる事に驚かれるかもしれないじゃない」

 

愛「はぁ……。別に私から聞いたと言えばいいだけでしょ。それに前に言ったと思うけど、優心くんだったら喜んで案内をしてくれると思うし」

 

かぐや「……そう」

と、かぐやが呟いてから携帯を出して電話をかけはじめたから、電話が終わるまで待っていた。

 

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しばらくして電話を終えたかぐやは、私にも来るようにと言ってきた。

 

かぐや「弦巻くんから、午後は用事があるから今からだったら来てもいいと言われたわ。車を別邸までまわしてくれるそうよ。あと愛さんにも来て欲しいと言っていたから、迎えの車が来た時に一緒に行きましょう」

 

愛「分かった。(優心くん、午後は子供と遊ぶんだろうな……。私も遊びたいから後で聞いてみよう……)」

 

かぐやから言われた事に返事をして、他の使用人に弦巻家の迎えの車が来る事を伝え、来たら報告するようにお願いして残りの仕事を始めた。

 

 

 

しばらくして車が来た事を教えて貰ったので、かぐやと一緒に車に乗り商店街に向かってもらった。

 

 

 

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~優心視点~

 

 

 

二人が来るまで、とりあえずコーヒーを飲みチョココロネを食べながら待っていた。

 

待ってると、お店の扉が開いた音がしたので見てみると、愛とかぐやさんだった。

 

つぐみ「あ、愛先輩。いらっしゃいませ」

 

愛「優心くんと待ち合わせしてるんだけど、どの席にいる?」

 

つぐみ「えっとですね……。あの窓際の四人席にですよ」

 

愛「ありがとう、つぐみ」

 

 

二人は、つぐみちゃんに俺がいる席を教えてもらってから席に来た。

 

愛「優心くん、おまたせ」

 

優心「そんなに待ってないから大丈夫だよ」

 

愛の言葉に返事をした後に二人は席に着いた。そのすぐにつぐみちゃんが注文を取りにきて、二人はすぐに注文を済ませた。

 

二人の注文したのが来るまで、俺は愛に声をかけた。

 

優心「そうだ。愛に渡したいのがあるんだ」

 

愛「渡したいもの?」

 

優心「チョココロネだよ」

と、言ってやまぶきベーカリーの紙袋からチョココロネを渡した。勿論イチゴチョコバージョンのチョココロネも渡した。

 

愛「前に行った時に売り切れてたやつだ。でも何でチョコの色が違うの?」

 

優心「片方は普通のチョコなんだけど、色が違うチョコはイチゴなんだ。俺は二人が来るまでの間に食べたんだけど、イチゴ味のも凄く美味しかったよ」

 

愛「そうなんだ。じゃあ私もコーヒー飲みながら食べる。……って、ここで食べても大丈夫なの?」

 

優心「うん。マスターに許可もらってるから、大丈夫だよ。……あと、かぐやさんにもあげる。美味しいから絶対食べてよ……!」

 

かぐや「え、えぇ……分かったわ……」

 

俺が強くそう言ったからか、少し引きぎみで返事をされた。

 

その後に、かぐやさん達二人分のコーヒーが来たので、二人は、チョココロネを食べながらコーヒーを飲み始めた。

 

愛「確かに、チョココロネ凄く美味しいね。優心くんとりみとモカの三人が大量に買うの分かるよ。前食べたメロンパンも美味しかったけど、チョココロネはそれ以上に美味しい……!」

 

かぐや「……確かにここのコーヒー美味しいですね。それにこのパンも美味しいです」

 

二人が、"パンとコーヒーを美味しい"と言って来たので嬉しく思った。

 

かぐや「……そういえば、午後は用事があると言ってましたけど、大事な用事なんですか?」

 

嬉しく思ってると、かぐやさんが午後の用事の事を聞いてきた。

 

優心「公園で子供と遊ぶ約束してるんだ」

 

かぐや「子供と……ですか?」

 

優心「うん。いつも休日に遊んでるんだ。それで夏休みになったし、俺が海外に行ったり会長達やバンドの皆との約束が無い時は遊ぶことにしたんだ」

 

愛「ねぇ私もまた皆と遊びたいから、行ってもいい?」

 

優心「勿論。かぐやさん、愛も連れて行ってもいい?」

 

かぐや「それは問題はないけど……、私も付いていってもいいかしら?」

 

子供と遊ぶ事を伝えると、愛も行きたいと言って来たので大丈夫な事を伝えかぐやさんに連れていいか聞くと、かぐやさんも付いてきていいか聞いてきた。

 

優心「いいけど、どうして?」

 

かぐや「ここのコーヒーや料理だけを食べに来ただけだと勿体ないので、一緒に行こうかと思っただけですよ」

 

かぐやさんに理由を聞くとそう言ってきた。特に断る理由がないので、俺は承諾して公園に向かうことになった。

 

 

 

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羽沢珈琲店から出た俺は、一旦やまぶきベーカリーに顔を出して純と沙南がいるか千紘さんに声をかけた。

 

声をかけると、二人は"もう向かった"と言われたので、愛達三人で公園に向かった。

 

向かってる最中に、愛から純と沙南の事を聞かれた。聞かれた俺は、"二人は沙綾の妹と弟という事"と、"こころが通ってる花女の体育祭で遊ぶ約束した事"と、"二人が家に居れば一緒に行こうと思った事"を教えた。

 

愛に説明し終わると、かぐやさんから声をかけられた。

 

かぐや「あの、弦巻くん」

 

優心「ん、何?」

 

かぐや「公園に着いた後の事ですけど、私は弦巻くんと愛さんが子供と遊んでいる所を見るだけで十分なので、公園のベンチで眺めときます」

 

かぐやさんからそう言われた俺と隣で聞いていた愛は不思議に思ったが、本人がそう言ったので特に理由を聞かずに頷いた。

 

 

向かってる最中、商店街の人達……お店の人や常連客から声をかけられ話したりしながら公園に向かった。

 

 

 

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~公園~

 

 

 

公園に着いたので、皆が集まってる所に向かった。純と沙南もちゃんといたので安心した。

 

女の子A「あ!あいちゃんだ!ひさしぶりー」

 

愛「うん。久しぶり」

 

女の子B「あ、本当だ。お姉ちゃんだ」

 

沙南「お姉ちゃんと遊んだことあるの?」

 

女の子B「うん。前に一回だけお兄ちゃんと一緒に来たことがあったんだ。でも隣にいるお姉ちゃんは初めて会った」

 

沙南「そうなんだ~」

 

女の子達は愛とかぐやさんの事を話していた。

 

純「なぁ、兄ちゃん。今日は何する?」

 

男の子A「前は鬼ごっこだったけど」

 

男の子B「ねぇ、お兄ちゃんが持ってる鞄の中は何入ってるの?」

 

優心「鞄の中?えっとね「ゆーしんくん!」……?」

 

女の子A「ゆーしんくん❗あたし、やりたいことがあります!」

 

俺は、男の子から鞄の中の事を聞いてきたので教えようとしたら、女の子が遊びたい事を提案してきたので聞いてみた。

 

優心「お、何をやりたいの?」

 

女の子A「みずふうせんであそびたいです!なげたりしてあそびたい!」

 

沙南「あ、それ楽しそう。お兄ちゃん、それやりたい」

 

純「兄ちゃん、水風船で遊びたい!」

 

女の子が水風船の提案してきた。女の子が提案すると他の皆もやりたいと言ってきた。

 

優心「……そう言うかもって思って一応水風船を持ってきたよ!あとはこの風船に水をいれたりして準備が出来たらすぐ遊べるよ。あと濡れてもすぐ拭けるようにタオルを持ってきたからね」

 

俺はそう言って、持ってた鞄から皆のお目当ての物を出した。

 

女の子A「やったー!ありがと、ゆーしんくん❗」

 

優心「じゃあルール言っとこうか。投げる時は顔に当てない事。顔に当たると危ないからこれだけは絶対約束してよ」

と、提案した女の子の喜ぶ姿を見ながら、約束を一つを言った。それを聞いた皆は、頷きながら"分かったー"と返事をしてくれた。

 

 

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返事を聞いてから、皆で風船に水を入れていく準備を始めた。そして、水をいれた風船を近くに置いていった。

 

バシャッ‼️

 

優心「冷たっ⁉️」

 

しばらく準備をしていたら、いきなり背中に何かを投げられて冷たかった。後ろを見てみると、男の子の一人から水風船を投げたのが分かった。

 

優心「まさか準備してる時にやってくるとは思わなかったけど、やったからには俺も返さないとね」

 

最後の水風船の準備が終わり、俺はそう言いながら水風船を片手に持ちながら皆の方を向いた。

 

男の子A「わー、皆逃げるぞー」

 

男の子B「逃げながらお兄ちゃんに投げるぞー!」

 

純「おぉー!」

 

そこから水風船で遊び始めた。子供達から集中砲火されはじめた。しかも愛も俺に投げる方に加勢したので、公園の中を走り回りながら俺も応戦した。

 

 

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優心「わっ!?危なかった~……わぷっ!?」

 

しばらく遊んでいて水風船を投げられたので避けたが、顔に当たってしまった。

 

優心「顔に当てるのはダメって言ったでしょー!」

 

純「当たっちゃっただけだよー❗」

 

俺は、そんなことを言いながら遊びを続けた。

 

 

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~かぐや視点~

 

 

 

公園では、子供達と愛さんそして弦巻くんが水風船で遊びはじめた。

 

黒服(華)「かぐや様は、遊びに参加しないのですか?」

 

公園まで一緒に来た私は遊びに参加せずに公園のベンチに座りながら弦巻くん達を眺めていた。眺めていると、弦巻くんの護衛をしている女性に話しかけられた。

 

かぐや「えぇ、遊びたくてここまで来た訳じゃありません。ただ、愛さんが行きたいと即答していたので、子供達と遊んでいる様子はどんな感じなのか気になっただけですから」

 

黒服(華)「そうですか……」

 

黒服の問いに答えながら私はふと弦巻くんの方を見た。

 

優心「わっ!?危なかった~……わぷっ!?」

 

見ていると弦巻くんは自分に投げられた水風船を避けた後に顔に当てられていた。その様子を黒服の人は、微笑んで見つめていた。

 

かぐや「あの……えっと」

 

話を聞こうと声をかけたが、名前を聞いてなくてどう呼ぶか悩んでしまった。

 

黒服(華)「まだ名乗ってなかったですね。私は華と申します」

 

かぐや「わざわざありがとうございます。……それで華さんに聞きたいのですが、弦巻くんはいつからここで子供達と遊ぶ様になったんですが?」

 

黒服(華)「中学に入学して少ししてからですね。最初はこころ様が遊んでましたが、こころ様と公園に一緒に向かった際に優心様も遊ぶようになりました」

 

かぐや「妹さんがきっかけなんですね」

 

黒服(華)「えぇ、こころ様がきっかけで子供達と仲良くなり、お親御さんから商店街の事を聞いて羽沢珈琲店に通いはじめるなどして、商店街の皆様とも仲良くなっていきました」

 

かぐや「確かに公園に着くまでの間、話しかけられたりと慕われてましたね。……まぁ、弦巻くんの性格だと当たり前と思いますけど」

 

黒服(華)「えぇ。……優心様の性格や笑顔のお陰で私は何度助けられたか……

 

かぐや「それはどういう……」

 

黒服(華)「いえ、こちらの話ですのでお気になさらず」

 

華さんの言葉に不思議に思ったが、深くは聞かない方がいいと思った私は深くは聞かなかった。

 

かぐや「あの、前に愛さんから聞いたんですが、弦巻家に洗面台や大型テレビなどがついている車があると聞きましたけど、本当なんですか?今日はその車ではなく名家富豪や、私が送迎に使用してる運転手含め四人で乗れる車でしたけど」

 

黒服(華)「はい、本当ですよ。自家用車のためにお客様用では無いんですが、今日使用した車が足りなくなった場合に使う事がありますよ」

 

かぐや「なるほど……」

と、私は呟いたあとは、しばらく世間話をしていた。

 

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しばらく話をしていると弦巻くんの声が響いた。

 

 

優心「じゃあ、そろそろ帰る時間だから、割れた水風船のゴミを集めてー!それで集めたら俺に持ってきてー」

 

 

 

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~優心視点~

 

 

夕方になり皆が帰る時間に近づいた時に、俺は皆に声をかけた。

 

優心「じゃあ、そろそろ帰る時間だから、割れた水風船のゴミを集めてー!それで集めたら俺に持ってきてー」

と、俺が皆に伝えると、"はーい"と返事が返ってきて、風船の割れたのを集めはじめたので俺も集めた。

 

しばらくすると集め終わったみたいで、皆が俺の所まで来た。

 

皆から割れた風船のゴミを貰った。そして水風船で頭や体が濡れてるので、愛に手伝ってもらいながら皆の髪などをタオルで拭いてあげた。

 

その後に、今日は夏で暑いのと動き回ったから、自販機で欲しい飲み物を買ってあげた。

 

優心「家に帰ったら必ずお風呂に入ってね。シャワーだけだと、夏でも風邪を引いちゃうかも知れないから、必ずお風呂にはいること。約束できる?」

 

男の子A「分かった!」

 

女の子A「あたしもわかった!」

 

男の子B「じゃあお兄ちゃん!僕帰るよ、またね!」

 

皆にそう伝えてると、一人の男の子が帰ることを伝えてきた。

 

優心「分かった。じゃあ気を付けて帰ってね」

 

"うん!"と元気に返事をしながら、家に帰っていった。その後から皆が帰りはじめたのでしばらく見送ってると、女の子に話かれられた。

 

女の子A「ねぇねぇ!ゆーしんくん」

 

優心「ん?」

 

後ろから女の子に話しかけられたので、後ろを見てみるとその子の母親が荷物を持ちながら立っていた。

 

母親A「あの、いつもうちの子と遊んでくださるお礼です」

と、言いながら紙袋を渡されそうになった。

 

優心「え、いやいや俺も皆と遊ぶのが好きなので、そんなお礼をされるほどじゃないですよ」

 

母親A「優心くん、それとこころちゃんに対してのお礼なんで、受け取って欲しいです。それと娘と一緒に作ったお菓子なんです」

 

一回断ったが、わざわざ親子でお菓子を作ってくれたので、俺は言葉に甘える事にしてお菓子を貰うことにした。

 

優心「……じゃあ言葉に甘えます。ありがとうございます。……ありがとう、お菓子は何作ったの?」

 

母親にお礼を言って、しゃがんで女の子にもお礼を言った。その後に何のお菓子か聞いた。

 

女の子A「えっとね、ママとクッキーつくったの!」

 

母親A「この子がクッキーの型抜きをしてくれたんです。凄く悩んでましたよ。"ゆーしんくんはどれがいいかな?"とか、"こころちゃんはこれがいい"とか悩んで選んでました」

 

優心「そっかそっか、ありがとう。家に帰ったら食べるね。また遊ぶ時に感想言うよ」

 

そう言われた俺は嬉しくて、女の子にお礼をもう一回言いながら頭を撫でてあげた。

 

女の子A「えへへ♪……またね、ゆーしんくん!あいちゃんもー!」

 

優心「バイバイ」

 

愛「またね」

 

母親は軽く会釈してから、女の子と手つなぎながら帰っていった。

 

かぐや「商店街の人達だけじゃなくて、子供達やその親からも慕われているのね」

 

優心「公園で遊んでたり、家まで送ってあげたりしてたら自然とね……。商店街の人達とは話してたりしてたからだと思うけど。……まぁ皆が笑顔になってくれて笑顔で過ごせれば、俺は充分なんだ」

 

かぐや「それだと"世界を笑顔に"が出来ないのでは?」

 

優心「俺の家族や黒服さん達や、知り合いや友達……、まぁ子供達などの身近の人達が笑顔になれば、そこから笑顔が広がって世界が笑顔になるって俺は思ってるんだ」

 

愛「笑顔の連鎖って事?」

 

優心「うん。笑顔が連鎖していって、世界が笑顔になるって俺は信じてるよ」

 

かぐや「そうなんですね……」

と、かぐやさんのと愛からの質問に答えてかぐやさんの返事を聞いた後に、愛の方を向いた。

 

優心「愛、昨日の夜に送ったメッセージ……、来週にハピネール王国に行くって事なんだけど大丈夫そう?」

 

愛「うん、大丈夫だよ。かぐやもオッケーしてくれたし、親も二つ返事でオッケーしてくれたから」

 

優心「そっか。かぐやさん、ありがとう」

 

かぐや「せっかくの恋人同士の旅行だから、楽しんできてほしかったからよ」

 

愛「そっか」

 

愛にハピネールに行く事の確認をして、許可をくれたかぐやさんにお礼を言った。

 

愛「あと日本に帰ってきた後に、弦巻家に泊まるって話も大丈夫だから」

 

優心「分かった」

 

愛とハピネール王国に行く話と、家で泊まる日の約束をしてから、今日は解散という事になったので二人を別邸に車で送ってもらい、俺は家に帰った。

 





次回は、優心と早坂の二人でハピネール王国に行く話を書きます。



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