弦巻こころの兄が秀知院学園に通って過ごす話(完結) 作:春はる
第28話です。
前半は、ハピネール王国に泊まり夜が明けた朝からの話です。
後半は弦巻家での話です
では本編をどうぞ。
~優心視点~
~朝~
翌日の朝、時間は7時すぎ。
目を覚めると愛と目があった。愛の顔を見て、昨日の夜にヤったのを思い出したが、とりあえず時間を見た後に愛に声をかけた。
優心「えっと、おはよう」
愛「うん。……おはよう」
優心「……えっと、いつ起きてたの?」
愛「……優心くんが起きるちょっと前だよ。」
優心「そっか……。そろそろご飯食べに行く?もうホテルの食事処は開いてると思うから」
愛「そうだね」
愛とそう話をして、ベットから出て服を着替えて、朝食を食べに向かった。
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食事を取って、ホテルの部屋で少しのんびりしてから帰る準備をした。
準備が終わった後に、チェックアウトしてお城に向かった。日本に帰る事をニッコリおじさんとニコリーナに挨拶をしとくためだ。
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~城・城内~
城内に来た俺と愛は、二人と話をした。
俺は、ニコリーナに会う度に話してる学校の出来事やこころのバンドの事とかを話した。いつも楽しそうに話を聞くニコリーナに、俺は嬉しく思いながら話をした。
その後に、ニッコリおじさんと話をしてから帰ることを伝えて、愛と一緒にお城を出た。
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二人と話をしてお城から空港に向かっていた。すると、愛が昨日寄ったアクセサリーショップに"また寄りたい"と言ってきたので寄ることにした。ただ、愛から"外で待ってて"と言われたので外で待っていた。
しばらく待ってると、愛が手にお店の紙袋を持ってお店から出てきた。
優心「何を買ったの?」
愛「秘密」
優心「え~、教えてよ」
愛「秘密だから教えられませーん」
空港に向かいながら、愛に何を買ったか聞いたけど、笑顔で"秘密"と言われてしまった。教えてくれない感じだったから仕方なく聞くのを諦めた。
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そして空港に着いた。
空港にいた黒服さんに声をかけて、プライベートジェット機に乗った。
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~早坂視点~
朝、目が覚めた。とりあえず時間を見ると朝7時だったが、優心くんを見るとまだ寝ていた。私が先に目が覚めたらしい……と、思っていると優心くんと目が合った。目が覚めたっぽい。
優心「えっと、おはよう」
愛「うん。……おはよう」
優心「……えっと、いつ起きてたの?」
愛「……優心くんが起きるちょっと前だよ」
お互いに"おはよう"と言った後に、"いつ起きてたのか"と聞かれたから、それに答えた。
優心「そっか……。そろそろご飯食べに行く?もうホテルの食事処は開いてると思うから」
愛「そうだね」
優心くんから聞かれた事を答えてから、朝食を食べに行くことになり、私服に着替えて食事処に向かった。
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二人で朝食を取った後は、ホテルの部屋で少しのんびりしてから帰る準備をした。
今日で日本に帰るので、その事を王様とニコリーナに伝えるのと挨拶するためにお城に行くと優心くんが教えてくれた。その為、自分の荷物を持ってお城に向かった。
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そしてお城に着いて王様とニコリーナの二人と話をした。
優心くんはニコリーナと最近の学校の出来事や妹のバンドの事とかを話していたので、私は王様と話をしていた。その後に私もニコリーナと会話して、最後に優心くんは帰ることを伝えて、一緒にお城を出た。
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お城を出てから空港に向かってた時に、昨日寄ったアクセサリーショップが見えてきた。
愛(あ、そういえば数日後が優心くんの誕生日だったから、プレゼントを買った方がいいかも。昨日、ヘアアクセを買ってくれたお礼も兼ねた誕生日プレゼント)
と、ふと優心くんの誕生日の事を思い出してそう思った私はお店に寄ろうと思い優心くんに声をかけた。
愛「ねぇ優心くん、今あのお店に寄ってもいい?」
優心「うん、寄っても大丈夫だよ」
優心くんに大丈夫と言われたのでお店に向かった。ただ、優心くんには秘密にしたいから、優心くんにはお店の外で待っててもらう事にした。
お店に入った私はアクセサリーを探していた。
愛(ん~……。折角だしペアで付けれるアクセサリーとかを買いたいな……。でも、ネックレス系みたいな自分に身に付けるやつだと、風紀委員がよりめんどくさくなるし……)
と思いながら店の中を回っていた。
愛(ハートはちょっと恥ずかしいし、服とかに合わせづらいし……。どうしよう。……あ、これいいかも……!)
色々と見ていると、星の形のペアストラップを見つけた。
愛「(これだったら鞄とかスマホケースとかに付けれるから良いかも)……うん、これにしよう」
ペアストラップを買った私はお店を出た。
優心「何を買ったの?」
お店から出た後に、優心くんと空港に向かってるとそう聞かれた。
愛「秘密」
優心「え~、教えてよ」
愛「秘密だから教えられませーん」
空港に向かいながら、何を買ったか聞かれたけど笑顔で"秘密"と言った。そう言うと、優心くんは諦めてくれた。
愛(折角の誕生日プレゼントだから、優心くんには楽しみにしてもらっとこう)
と、思いながら空港まで優心くんと向かった。
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~優心視点~
~弦巻家~
夕方に日本に着き、そのまま弦巻家に直行した。
優心「ただいまー」
愛「お邪魔します」
家に着いた時に、声をかけるとメイドさんが出迎えてくれた。
メイド「優心様、愛様、お帰りなさいませ。……愛様も優心様と同様"ただいま"と言って宜しいですよ」
と、出迎えてくれたメイドさんから、そう言われた愛は"え?"といった顔になって、どういう意味か聞いていた。
二人が話している間、こころを見かけなかった。二人が話を終えた後に、メイドさんにこころの事を聞いた。
優心「こころは見てないけど、今日はどこか出掛けてるの?」
メイド「こころ様は、ハローハッピーワールドの皆様とお出掛けになってます。……ですが、少し前に護衛の黒服から、"こころ様が家に帰っている"という連絡がありましたので、もうすぐ帰ってくると思います」
優心「そうなんだ。教えてくれてありがと」
俺がお礼を言った後に、愛に泊まる部屋に向かっていった。メイドさんは俺に一礼してから愛の後ろを追いかける形で行ってしまった。
それを見た俺は、荷物を自分の部屋に持って行き部屋に入った後に、荷物を整理した。
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しばらくしていると、こころも帰ってきた。その後すぐに晩御飯の準備が出来たみたいなので、晩御飯を皆で食べた。
ご飯を食べてる時は、三人で盛り上がりながら話をしていた。こころは、ハピネール王国での話を目をキラキラさせながら聞いていた。
ご飯を食べた後は、愛とこころがお風呂に先に入っていった。その後二人がお風呂から上がり、俺の部屋に来て上がったことを教えてくれたので、俺もお風呂に入った。
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お風呂からあがった俺は、部屋で過ごしていた。そうしてると夜遅い時間になったので寝ることにした。でも寝る前にトイレに行こうと思い、部屋を出ると廊下で愛と会った。
優心「こんな時間まで起きてたんだ」
愛「うん。皐と話をしてたんだ。中学の時の……不良だった頃の話を聞いてたんだ。前に時間がある時に話すって言ってくれてたから。」
優心「そうなんだ」
愛「じゃあ、そろそろ寝るね。おやすみ」
優心「うん。おやすみ」
起きてた理由を聞いて、愛から"おやすみ"と言われたので俺も"おやすみ"と言って、トイレに行き部屋に戻りベットに入った。
ちなみに、こころはお風呂に入ってより一層眠くなったみたいで、先に部屋に戻って寝たと教えてくれた。
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翌日になり朝食をこころと愛と三人で食べた後に、愛を家の門の所まで見送った。
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その数日後。
8月8日、俺とこころの誕生日の日になった。
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~早坂視点~
優心「ただいまー」
愛「お邪魔します」
家に着いた時に、声をかけるとメイドさんが出迎えてくれた。
メイド「優心様、愛様、お帰りなさいませ。……愛様も優心様と同様"ただいま"と言って宜しいですよ」
愛「え?それはどういう事ですか?」
メイド「愛様は優心様の彼女です。私も他の使用人も愛様の事を、弦巻家の一員……家族と思っております。なので愛様にもその一言を言って欲しいと思い、失礼ながらも申し上げました」
メイドのその言葉を聞いて、何も言えなかった。その状態でいると、メイドの人がまた口を開いた。
メイド「ですので、今後また家にいらっしゃる場合は、一回だけでも宜しいので言ってくださいね」
愛「……善処、します」
私はそう言って家に入り、前に泊まった部屋に荷物を置きに行った。部屋に着くと、部屋の内装に違和感を感じた。感じているとノックされたので返事をすると、さっき玄関で話をしたメイドさんが入ってきた。
メイド「愛様、部屋の事で説明をさせてもらっても宜しいでしょうか?」
愛「それは大丈夫です。……けど私、部屋に入った時に部屋の内装に少し違和感を感じたんです。その事と関係してますか?」
メイド「はい、仰る通りです。……元々、このお部屋はお客様用として使用しているのですが、それを愛様専用にしている最中なのです」
愛「私専用の部屋……ですか?」
メイド「はい。夏休み明けには、弦巻家の使用人という事ですので、自室を作る必要があるのです。その為、まずはお部屋に飾っていた絵画を、撤去させてもらいました。愛様が感じた違和感は、絵画が無くなったので感じたものだと思いますよ」
愛「なるほど」
私が感じた違和感についてメイドさんが教えてくれた。尚且つ、この部屋を私専用の部屋にしている事について、理由も含めしっかり説明してくれたので、私は"なるほど"と思いながら聞いていた。
メイド「もし、他にも不必要なものがあれば、私や他の使用人の方々にお申し付けください」
と、メイドさんが言った事に頷いた。頷いた後に付け足すようにメイドさんが一言だけ言ってきた。
メイド「自分の好きなものを持ってきて、自分好みの部屋になさってくださいね」
愛「好きなものを持ってきて、いいんですか?」
メイド「勿論です。私なんて動物のぬいぐるみを集めるのが好きなので、自室にはぬいぐるみが沢山ありますよ」
愛「そうなんだ……。取り敢えず分かりました」
メイドさんの部屋事情を聞いて反応に困ったが、"分かりました"と伝えた。伝えるとメイドさんは部屋から出ていき、荷物を置いてしばらく部屋で過ごした。
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部屋で過ごしていると、こころが帰ってきた。そのタイミングに晩御飯が出来たとの事をメイドさんから伝えられた。その為、晩御飯を三人で食べてから、こころと一緒にお風呂に入った。お風呂から上がり廊下に出ると、黒服の皐とばったり会った。
皐と会った時に、こころはお風呂に入ってより一層眠くなったみたいで、寝るために"おやすみ"と言って部屋に戻っていった。
廊下で残った私と黒服の皐は、皐の自室で前に教えると言ってくれたこころと出会った不良だった中学時代の話を聞いた。
愛「えっと、いつ家を出て不良になったの?」
黒服(皐)「中学に入学して二ヶ月経った6月終わりぐらいに家を出たんです。その時にはもう荒れちゃってましたけど」
愛「どうしてそうなっちゃったの?」
黒服(皐)「私に妹がいたんですけど、よくある話ですよ。下の子の方が可愛いってやつです。うちの場合は、私が中学生の時に起きたってことですね。妹とは5歳差で、妹が小学一・二年生の時ぐらいには、相手にされなかったですよ。それで荒れに荒れちゃって家出した感じです」
愛「そうなんだ……。家出した後に、こころに出会ったの?」
黒服(皐)「はい。家出して数日した頃に、こころ様に会いました。最初は変なやつとか思ってたんですけどね。ドスのきいた声とか聞いても、関係なしに話しかけてきたんです」
愛「こころらしいね」
黒服(皐)「そうですね。こころ様に接していたある日、こころ様に自分の事を聞かれたんです。最初は言うのを躊躇したんですけど、話をしたんです。話すと"うちに住めばいい"って言ってくれたのは嬉しかった……。中学入学してから、自分の事を見てくれる人はいなかったから」
愛「優心くんも?」
黒服(皐)「もちろん。特に優心様は、いきなり家に来た私の事は何も聞いてこなかったですよ。それで聞いてこない理由を聞くと、"こころが連れてきた人だから信用できるから"って言ってましたね」
その話を、私は黙って聞いていた。
黒服(皐)「私は優心様に"そんな簡単に信用してもいいのか"って聞いたんです。そうしたら、"根っから悪いやつだったら、こころに会った時に何かしらの悪さしているはず"という事と、"黒服さんが動いてないし、こころに何も起きてない時点で信用できる"って言って信じてくれましたよ」
皐からの話で、優心くんとこころは人のために躊躇い無く動けるのも信用できるのもすごいと思った。すごいと思ってると、皐が誠心さんから言われた条件を教えてくれた。
黒服(皐)「こころ様に言われた後に、旦那様達にお願いしたんです。そしたら使用人として雇うことにしてくれて家に住んでいいと言ってくれました。ただ中学の成績をトップクラスになり、それを維持してしっかり卒業しろという条件を言われました」
愛「結構厳しいよね?」
黒服(皐)「まぁ、厳しかったですね。でも優心様が勉強を教えてくれたんで大丈夫だったんです。それで、学校も卒業できて今に至るって事ですよ」
愛「そうなんだ……」
と、皐の過去を聞き終わった。
時間を見ると、もう夜遅かったので寝ることになった。皐の自室から出て廊下を歩いてると優心くんには会った。その時に少し話をしてから"おやすみ"と言って、泊まる部屋に行きベットにもぐった。
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翌日、朝食を頂いた後に別邸に戻った。
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優心くんとの旅行から、数日経ったある日。
今日は8月8日……、優心くんとこころの誕生日だ。ハピネール王国に行く前から招待状が届いており、私もかぐやも参加する事を返事をしていた。
そうこうしてる内に、弦巻家の車が来たのでかぐやと私が乗り込み、そして車は出発した。
所々雑なところがあったかもしれません。
今回の後半は優心と同い歳の黒服である皐の過去を少し書きました。
次回は、優心とこころの誕生日の話を書きます。