弦巻こころの兄が秀知院学園に通って過ごす話(完結)   作:春はる

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第2話です

原作のかぐやと会長の映画の件は土曜日に行ったという事にしてます。今回の話はその次の日の話です。



第2話

 

 

~優心視点~

 

 

~日曜日~

 

 

会長とかぐやさんの二人が、映画を見た日の翌日。

 

朝10時半に待ち合わせをした俺は、早坂と目的地に向かって歩いていた。

 

千花が家に来た金曜日の放課後に、早坂から遊びの誘いがあり午前中は予定が無かった為、行くことにした。

 

目的地は、バッティングセンターと教えてくれた。

 

優心「早坂が遊びに誘ってくるのは初めてだよね」

 

早坂「前からかぐや様に休暇をお願いしてて、それが今日1日は休暇という事で許可を貰ったんです。ただ、一人で過ごすのは、味気ないから庶務くんを誘ったんですよ」

 

優心「今日、早坂は純粋に休暇らしいけど、去年みたいに俺や弦巻家の調査の為とかじゃなくて良かったよ。あの時、早坂が黒服さんと話してるのを見てびっくりしたよ」

 

早坂「去年の九月に、かぐや様と庶務くんの二人が生徒会で関わる事になったので、調査したのが理由です。でも、調査をしてすぐに黒服に見つかって、素性がバレた時は大変だったよ」

 

優心「でもその時は早坂のフォローしたし、最終的にかぐやさんが信用できる人間だって認めてくれて、それで仲良く出来てるから良かったよ」

 

早坂「まぁフォローしてくれて助かったし、私は調査の件から庶務くんと話す機会などが多かったので、信用出来る人なのが分かってたので、かぐや様もって思ってました」

 

早坂の言葉に俺は"そっか"と呟いくと、早坂は"あっ"と声をあげた。

 

早坂「そういえば、あの時の庶務くんって公園で子供と遊んでいたけど、今でも子供と遊んでるの?」

 

優心「まぁ、いつもじゃないけど、今も休日は遊んでる事が多いかな」

 

早坂「へぇ~、じゃあ今日は午前中だけ遊べるって言ったのは?」

 

優心「うん。今日は、午後公園で遊ぶ約束してるから」

 

話をしていると、バッティングセンターに着いたので中に入った。早坂にここにした理由を聞いてみた。

 

優心「で?今日は何でここにしたの?」

 

早坂「えっと、最近というか、かぐや様って会長の事で色々頼んできたり、無理難題の事を言ってきたりするのでストレスや不満が溜まってるから発散しようと思って」

 

優心「なるほどね。今日はどうする?バッティングセンターだし、二人いるのに普通にやるだけだとつまんないと思うから、打った本数で負けた方に罰ゲームありとかにする?」

 

早坂「そうだね。せっかくだしそうするとして、罰は何か奢るとかにします?」

 

バッティングセンターで二人でやることになったが、普通にやるだけでは味気ないので罰ゲームありの勝負をする事にした。罰は何しようか考えた。

 

優心「(どうしようかな?鋼と樹とした時はファーストフードで奢る事になったけど、ここは飲み物でいいか)じゃあ、そこの自販機で飲み物を奢るでいい?」

 

早坂「それでいいよ。それじゃ始めますか」

 

飲み物を奢る事に決めてから、順番に打ち始めた。

 

 

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優心「はい」

 

早坂「ん、ありがとう」

 

勝負した結果は、俺の方が一本少なかったので負けてしまったので、欲しい飲み物を選んでもらって早坂に渡して建物の中にあるベンチに座って話を始めた。

 

優心「いや~、まさかあんなに打つとは思わなかったけど」

 

早坂「それはこっちの台詞ですよ。庶務くんがあんなに打つとは思ってないし、しかも打った本数の内の三本はホームランだったし、前にやってたりしてたんですか?」

 

優心「中学の時、男友達と行ったり一人で行ったりしてたからね。最近もたまに行ってやったりしてるからさ。(最近は家にソフトボール専用バッティングセンターが出来て、一つのレーンを野球用にしてもらってそこでやってるけど…)」

 

早坂「なるほど、書記ちゃんから漫画やゲーム、ここや映画とかの娯楽系は禁止されてないから羨ましいと言ってたのを聞いてて、本当なのかって疑ってましたけど本当ですね」

 

優心「お父様もお母様も、俺と妹がやりたい事とかは協力というか応援をしてくれるから、禁止された事とかはないな。それで、早坂はこのあとどうする?今の時間はお昼近くだし、どこかでご飯食べに行く?」

 

早坂「そ、そうなんだ…。えっとお昼は外で食べるつもりだけど、庶務くんは午後は公園で遊ぶんですよね?」

 

優心「うん。だから家近くの商店街の珈琲店で軽めにして公園に行こうと思ってるけど、折角だし早坂も一緒に公園に行って子供と遊ぶ?」

 

早坂「……まぁせっかくの休みだし庶務くんがこっちの予定に付き合ってくれたから行こうかな」

 

黒服(華)「優心様、お車の準備が出来てます。早坂様もどうぞ」

 

優心「ありがとう、黒服さん」

 

ベンチで勝負の結果の話をしてから、お昼や午後の事に関して早坂に質問をした。

 

午後は俺の予定に付き合ってくれるみたいなので、話してる間に車を用意してくれた黒服さんにお礼を言って車に乗った。

 

早坂は車の中を見てびっくりしていた。車で商店街近くまで向かってもらった。

 

 

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~商店街~

 

 

商店街に着いた俺達は、羽沢珈琲店の店内に入った。

 

イヴ「あっ、ユウシンさん。いらっしゃいませ!」

 

優心「あれ?今日、イヴちゃんバイトの日なんだ」

 

イヴ「そうなんです。ユウシンさんがいつも座ってる席がちょうど空いているのでそちらにどうぞ」

 

中に入ると、少し前に話題になって最近再スタートをしたパスパレの若宮イヴちゃんが対応してくれた。

 

珈琲店に寄るといつも使ってる窓際の二人席に座り、俺はすぐ注文をして、早坂も一考してから注文をした。

 

その後に早坂が声を掛けてきた。

 

早坂「ちょっと、あの人若宮イヴだよね?元モデルで今はパスパレのキーボードをやってる人が何でここにいるんですか?というか知り合いなんですか?」

 

優心「あー、イヴちゃんはここでバイトしてるんだよ。で、俺は中学の時からここに通ってて常連みたいな感じだからイヴちゃんがバイトを始めた時も俺居たし。でも早坂もやっぱり知ってるんだ」

 

早坂「常連さんだったから親しくなったって感じですか。知ってる理由はファッション誌で良く見てたし、少し前の事をニュースで見たのが知ってる理由の一つですよ」

 

優心「バンドのメンバーになった今でも、たまにモデルの仕事も多少あるみたいらしいけどね」

と話してると注文したメニューをイヴちゃんが持ってきてくれた。

 

優心「ありがとう。そういえばつぐみちゃんは見てないけど、今日は練習とかでいない感じ?」

 

イヴ「はい、そうなんです。今日はツグミさんはバンド練習でいないので、私が頑張ってやってますよ」

 

優心「そっか、無理しないでね」

と言うと"分かってます"と返事を貰ってから、早坂と話ながら食べ始めた。

 

 

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~公園~

 

商店街の羽沢珈琲店で軽食を食べた俺達は、今は公園に着いたので俺が公園にいる子に声を掛けた。

 

優心「皆ー、来たよー」

 

女の子B「あっ、お兄ちゃんやっと来たー」

 

声を掛けると子供達が一斉に駆け寄って、男の子達の何人かは突進してきた。

 

優心「おっと」

 

女の子A「ねぇゆーしんくん、こころちゃんはー?今日はいないの?」

 

純「なー、兄ちゃん、この姉ちゃんは誰?」

 

優心「今日、こころは用事で来れなくなったんだ。で、午前中、俺とこのお姉ちゃんと遊んでたから、来てもらおうと思って一緒に来たんだ。だからこのお姉ちゃんも遊んでくれるよ」

 

皆に早坂の事を説明した。説明すると子供達は遊んでくれると知って嬉しそうにしていた。と考えていると早坂の方から声が聞こえた。

 

女の子A「おねーちゃん、こっちであそぼー‼」

 

早坂「ちょっ、引っ張んなくても行くから。待って」

 

隣を見ると、一人の女の子が手を引っ張って連れて行く所だった。

 

早坂は苦笑いしながら付いていって、遊び始めていた。そういう俺も男の子達から手を引っ張られて、何で遊ぶかという話をした。

 

優心「今日は何して遊ぶ?先週遊んだときは鬼ごっこだっけ?」

 

純「そうだよ」

 

男の子A「今日はサッカーしよー」

 

優心「俺はいいけど、皆もサッカーでもいい?」

 

男の子B「いいよー」

 

優心「じゃあ、喧嘩しないように皆でじゃんけんして最初に蹴る人決めて」

 

男の子達「「はーい」」

 

サッカーをする事になり、皆にボールを蹴る人を決めてもらってから遊び始めた。

 

途中、砂場で遊んでた子にお城が出来た事を聞いて、砂場に行くと立派に出来ていたのでビックリした。

 

その子に素直に褒めてあげてからサッカーの方に戻った。

 

 

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サッカーをしてから、俺はベンチに座って休んでいた。しばらくサッカーをしていたが、疲れてきたので皆に休憩を提案をして休んでいた。

 

すると山吹ベーカリーの息子の純が話しかけてきた。

 

純「なー、兄ちゃん。あの姉ちゃんと恋人なの?」

 

優心「違う」

 

早坂を彼女なのかと言ってきた純の頭に"ペシッ"と弱めのチョップをした。

 

純「イタ。…でもだってさ、兄ちゃんがこころちゃん以外の女を連れてくるなんて無かったじゃん」

 

優心「今日は午前中遊んでたから一緒に来たんだよ。てか、女とか言い方どこで覚えた~?」

 

純「ほっへ、ひっはんないでー」

 

質問してきた子に答えた後に、"女"と言った純の頬っぺたを引っ張った。

 

手を離すと、文句を言って逃げ始めた。

 

純「ほっぺを引っ張る兄ちゃんに教えるもんか。聞いてみたかったら捕まえてみろー」

 

優心「お~、兄ちゃんに挑戦するか。すぐ捕まえるからな」

 

純を捕まえようと走り始める。

 

女の子A「ゆーしんくーん❗わたしもおにごっこやるー」

 

途中から鬼ごっこと思った子達が集まり自然と遊びに変わっていった。

 

ちなみに親が見てたドラマで覚えたと言っていた。

 

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ーー

 

 

男の子A「お兄ちゃんバイバイ。お姉ちゃんもー」

 

優心「またね」

 

俺は一声を掛けて、早坂は無言だったけど手を振っていた。

 

俺は自販機で買ってたペットボトルの飲み物を、早坂に渡して近くのベンチに座った。

 

優心「早坂、午後は俺の用事に付き合ってもらってありがとう」

 

早坂「午前中はこっちに付き合ってくれたからだよ。砂場で遊んだ時は皆から質問攻めされたから大変だったけど楽しかったですよ。ただ、鬼ごっこの時は疲れたよ」

 

優心「そうだったんだ。でも皆いい子で素直だったしょ?」

 

早坂「確かにいい子だったね。かぐや様とは大違いだよ。会長とかぐや様も、あんな感じに素直になればいいんですけど」

 

優心「確かにね。でもいきなり素直になったらビックリすると思うけど」

 

早坂「確かにそうですね」

 

優心「…まぁ、取り敢えず帰ることにしようか。早坂は車で送ってもらう事にするから」

 

早坂「いや、車は大丈夫ですよ。タクシーとかで……」

 

黒服(華)「お車の準備は出来てますので、早坂様も遠慮はしなくてもよろしいですよ」

 

優心「黒服さん、俺は徒歩で帰るから」

 

黒服(華)「分かっておりますよ、優心様」

 

俺は、徒歩で帰ることを伝え、早坂は車に乗るのを断ろうとしていたがしぶしぶといった感じで納得して帰ることになった。

 


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