弦巻こころの兄が秀知院学園に通って過ごす話(完結)   作:春はる

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第2話の早坂視点です。1話の優心の電話の所からの話です。


※一回削除して少し話を書き直した三話です



第3話

 

 

~早坂視点~

 

 

~放課後・四宮別邸~

 

 

かぐや「そういえば早坂、前から休暇が欲しいと言ってましたよね」

 

かぐや様の部屋で、明日の会長と映画を出掛ける事について、かぐや様と話をしていた時に私の休暇について話をしてきた。

 

早坂「え、はい。そうですけど、それが何か?」

 

かぐや「明後日の日曜日は休暇、1日だけですけど休みでいいですよ」

 

話をしていると、いきなり明後日は休暇ということを言われた。

 

確かに前から休暇がほしいと言ってはいたが、いきなりだったので理由をかぐや様に聞いてみた。

 

早坂「かぐや様、休暇を貰えるのは嬉しいですが、理由を聞いてもいいですか?」

 

かぐや「理由は、前から早坂が言っていた事と、弦巻くんの護衛の人に言われたからよ」

 

理由を聞いてみると、理由の1つに何故か庶務くんの護衛の人の事が出てきた。

 

早坂「かぐや様、私が言ったからは分かりますけど、なぜ庶務くんの護衛の事も出てくるんですか?」

 

かぐや「えっと、それは……」

 

かぐや様から聞いた話を要約するとこうだ。

 

前に書記ちゃんから弦巻家には執事やメイド、黒服の人達がすごい人数がいる事や家の凄さなどを聞かされていたらしい。

 

しかし庶務くんの護衛をしてる人は何度見かけても同じ人なので、それを疑問に思ったので質問をしたらしい。その時に私の話になったと教えてくれた。

 

かぐや「早坂の話はいきなりだったけれど、主人に仕えてる人間に言われると説得力があるし、なにより弦巻家の人間に言われると何も言い返せないわ。そういう訳だから休暇という事です」

 

話を聞いた私は、黒服の人が私の仕事に関して言ってきた理由を考えた。

 

考えてみるとすぐに思いあたる事があった。かぐや様に言ってはないが、去年から別邸を出てから学校内の範囲で視線を感じる事があり、調査しても分からなかった。

 

早坂(…視線の正体は多分黒服の人で庶務くんの調査をした事で私を監視していた為、仕事の事を知られた感じかな)

 

かぐや様の話を聞いた私は自分の中で納得がいく結論を出してから、かぐや様に声をかけた。

 

早坂「確かに弦巻家に仕える人に言われると説得力がありますからね。とりあえず明日はありがたく休ませて貰いますね」

 

かぐや様との会話を終わらせて部屋を出てから、明後日の休暇の予定を少し考えた。考えてからすぐに庶務くんに電話をした。

 

優心『もしもし、どうしたの?早坂』

 

早坂「庶務くん、いきなりで悪いですけど明後日は空いてますか?」

 

優心『明後日?えっと明後日は…、午前中だったら予定がないから空いてるけど?』

 

早坂「でしたら、その日遊びに行きませんか?」

 

優心『構わないよ。じゃあどこで遊ぶとかある?』

 

早坂「まだ何も決まってないので、私が決めとくので集合場所と時間が決まったらあとでメールしますね」

 

庶務くんと約束をしてから電話を切った。

 

早坂(あれ?何で私…庶務くんを誘ったんだろ?……多分、かぐや様との話で名前が出たから誘ってしまっただけだと思う)

 

すぐに庶務くんに電話をした事に疑問を抱いた。そして、すぐに断ろうかと考えが出てきた。

 

早坂(断るのは……やめとこう。誘ってすぐにさっきのは無しと連絡したら、黒服により一層目をつけられて仕事に支障が出そうだ。取り敢えず明後日の事を考えよう)

 

断るという考えが出たが、彼の黒服から監視されて仕事に支障が出るかもしれないという考えに至った為、そのまま明後日の場所などを決める為に考えた。

 

 

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~日曜日~

 

 

朝、待ち合わせに選んだ場所の映画館近くに着くと庶務くんが先に来ていた。

 

ただ、庶務くんは時間を守る人なのは接していて分かってるので、先に来ている事にはあまり驚かなかった。

 

早坂「おはようございます」

 

優心「ん。早坂、おはよう」

 

早坂「じゃあ行きますか。場所はバッティングセンターです」

 

優心「バッティングセンターね。了解」

 

庶務くんに目的地を伝えて行く事にした。

 

向かってる最中に庶務くんから話しかけられたが、昨晩の電話を受けた時に"遊びを口実に調査をする"と思ったらしい。

 

去年の事に私は"こっちが驚いてしかも大変だった"などと少し言い返しながら話をしていた。そこで公園の事で思い出した事を聞いてみた。

 

早坂「そういえば、去年公園で子供と遊んでたけど今も遊んでるんですか?」

 

優心「休日はいつも遊んでる事は多いかな」

 

早坂「じゃあ今日の午前中が空いてると言ったのは?」

 

優心「うん。今日の午後は遊ぶ約束してるから」

 

私が庶務くんと接点を持ったのは、庶務くんの身辺調査をしていた時に私が黒服の人に見つかってしまった時だった。

 

そうこうしている内にバッティングセンターに着いて、庶務くんの質問に答えると、飲み物を奢る罰ゲームありの勝負をする事になった。

 

 

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結果は、1本差だったが私の勝ちだった。

 

庶務くんに、前もやったことがあるのかと聞いてみると、中学の時に友達と行ってたらしい。

 

この時に、書記ちゃんが言ってたことが本当だったと理解した。

 

私は書記ちゃんの言ってた事を聞いてみると、"自分のやりたい事とかは、応援や協力をしてくれるから禁止された事はない"と答えられた。

 

早坂(禁止された事ないって好きな事とか興味持った事を出来るって羨ましいな……。でも、弦巻家って四宮家より大きいはずなのに家によって全然違うんだ…)

 

羨ましいなと思っていると、お昼と午後の事の話になり話した結果、庶務くんと昼を食べて午後公園で遊ぶ話になった。

 

その為、昼食を食べる為に商店街まで車に乗せて貰う事になったが、車の中を見ると驚いてしまった。

 

早坂「…え……何で車の中に洗面台や大型テレビとかがあるの⁉」

 

優心「そりゃビックリするよね」

 

早坂「初めて見たら驚きますよ。どんな家の自家用車に、少なくとも洗面台は絶対にないよ」

 

車の中を見てビックリしている私を見て、庶務くんは苦笑いしていた。

 

 

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商店街に着き珈琲店に入った時に、芸能人の若宮イヴがいる事に驚いたので、席に案内され注文をしてから質問をしてみた。

 

優心「イヴちゃんはここでバイトをしてるんだよ。それよりやっぱり知ってるんだ、イヴちゃんの事」

 

質問をして答えてもらった際に、彼女の事で質問されたので知ってる理由を話したりした。

 

それと庶務くんはここの常連という話も聞いていると、注文したメニューが来たので受け取った。

 

一口珈琲を飲むと意外と美味しかった。

 

商店街の珈琲店で食事をするのは無いのであまり期待して無かったが、ここは美味しい。あと注文したサンドイッチも美味しかった。

 

早坂「ん、珈琲美味しい。……あと料理も」

 

優心「お、本当?良かった、早坂の口に合って」

 

早坂「特に珈琲が結構美味しいよ。庶務くんが通うのも分かるかも知れない」

 

優心「でしょ。良かった、共感してくれる人が増えて」

 

庶務くんに美味しい事を教えると、庶務くんはここを気に入ってくれる人が増えるのが嬉しいみたいで喜んでいた。

 

ふと、庶務くんと若宮イヴとの会話で出てきたつぐみという名前が気になっていたので、庶務くんに聞いてみる事にした。

 

早坂「そういえば、会話に出てたつぐみっていう子と知り合いなんですか?」

 

優心「つぐみちゃんは、ここの一人娘で、歳は俺と早坂とは1つ下だから今は高1だね。それで中学の時からここ通ってるから仲いいよ」

 

早坂「……なんか庶務くんって学校外の友達って女子が多いように感じるけど?」

 

優心「多分女子の方が多いね。イヴちゃん経由でパスパレのメンバー全員と、つぐみちゃんの幼馴染みやその幼馴染み経由で知り合った子や、妹のバンドメンバーとか友達だけど全員女子だから」

 

早坂「その皆って、バンドをやってるんですか?」

 

優心「うん、全員バンドをやってるね。それにガールズバンドが流行ってるから、この辺りはバンドや楽器をやってる人が多く居ると思うよ」

 

私は"へー"と思いながら聞いていた。

 

スマホで少し調べてみると、確かにバンドや楽器をやってる人が多くて特にこの辺ではガールズバンドが流行ってるらしい。

 

調べていたら庶務くんから、"今度早坂に休暇あってライブの日が合えば見に行く?"と言われたので、"まぁもし予定が合えばですけど"と返した。

 

 

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~公園~

 

 

お昼を食べてから公園に向かい、着いた時に庶務くんが声を掛けると何人かの子供は突進をしていた。

 

庶務くんは突進を受け止めつつ、皆の質問に答えながら私の事を説明をしていた。

 

私が遊んでくれると分かると、女の子にいきなり手を引かれて着いた場所は砂場で、そこには他にも何人か女の子がいた。

 

早坂「砂場で何作ってるの?」

 

女の子B「お城を作ってるの!前に作ったときにうまく出来なくて、そしたら優心くんに水を付けて砂を固めたらうまく作れるかもって教えてもらったから、それでやってるの」

 

早坂「へー、そっか。じゃあ私も手伝うよ」

 

一緒に砂場でお城を作っていると、私の手を掴んで引っ張ってきた女の子から話しかけられた。

 

女の子A「ね、おねーちゃん。なまえはなんて言うの?」

 

早坂「名前は、愛。早坂愛だよ」

 

女の子A「じゃあ、あいちゃんって呼んでもいい?」

 

早坂「え、あ、愛ちゃん?」

 

女の子A「うん。……もしかしてだめだった?」

 

早坂「だ、駄目じゃないよ。ただ、呼ばれたことがなかったからびっくりしただけだから、呼んで大丈夫だよ」

 

女の子A「ほんと?よかった」

 

話をしていると名前を聞かれたので教えると、いきなり下の名前で呼ばれたのでびっくりしてしまった。

 

びっくりした所を見た子がシュンとした感じで、"駄目?"と聞いてきたので慌てて大丈夫な事を伝えた。伝えると喜んでくれたので良かった。

 

女の子B「ねー、お姉ちゃん。手が止まってるよー」

 

違う子から、手が止まってる事を言われたので手を動かし始めると、他の子から好きな物などの質問をされてタジタジになってしまった。

 

けど、皆との遊びに純粋に楽しんでいた。

 

砂場で遊んでると、お城が出来た。すると女の子が庶務くんに出来た事を伝えに行って、連れてきて伝えていた。

 

それを見た庶務くんは、話ながら褒めていた。褒められた女の子は喜んで他の物を作り始めた。

 

庶務くんの方を見てみると、鬼ごっこをやり始めていた。

 

女の子A「あ、おにごっこやってる。ゆーしんくーん❗わたしもおにごっこやるー」

 

一人の子が鬼ごっこに参加し始め、私は他の子に手を引っ張られて参加することになった。

 

周りの皆が全力でやってたから、私も自然と全力で走り回ってしまい、かぐや様の近衛としての仕事と同等に疲れてしまった。

 

庶務くんは慣れてるのか疲れてなさそうだった。

 

 

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夕方になり、皆は家に帰り私は貰ったお茶を飲みながら、庶務くんと遊んだ子達はいい子で素直だったという話になった。

 

この中で、かぐや様達も素直になればいいのにという話をしていた。

 

早坂(……皆帰る時に庶務くんに色々話しかけてたし、その親の人達もお礼を言ってたりしてた。学校内でもそうだけど、庶務くんって外でも色んな人に慕われてるんだ。子供達からは優しいお兄さんって思われてる感じかな…)

 

子供が帰る時の風景を思い出してると、帰りの話になり家にタクシーで帰ると伝えようとしたら、車で送ると言われた。

 

私は断ろうとしたが、断りきれずに送ってもらう事になったので、別邸まで送ってもらった。

 





続きの話はまだ完成してなく書けてないので、これからは不定期更新になります。

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