弦巻こころの兄が秀知院学園に通って過ごす話(完結)   作:春はる

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修学旅行二日目の話です。

今回は、優心と雲鷹が会って話をしているのがメインですので、修学旅行の描写はほとんどありません。

では、本編をどうぞ。



第58話

 

 

~修学旅行・二日目~

 

 

~優心視点~

 

 

今日は修学旅行二日目だ。

 

二日目は自由行動なので、皆は各々別の班や別クラスの人達と行動をしていた。

 

そういう俺は、一人で行動をして今はバスに乗っている。

 

なぜ一人で行動しているかというと、クリスマスの時にお父様からの電話で、今日はかぐやさんの兄である四宮雲鷹と会う様に言われたのが理由だ。

 

それに、かぐやさんや愛、会長などの生徒会メンバー達などには、聞かれちゃダメなのも一人で行く理由の一つだ。

 

その為、ホテルで朝食を食べている時に愛から今日も一緒に回ろうと誘われた際に、愛にお父様のお願いがあるから、お昼まではどうしても一人で行動しなくちゃいけない事を伝えている。

 

その時に落ち込んだ顔をしちゃったけど、午後は一緒に回れるから回ろうと約束しといた。

 

 

そんな事がありつつも、皆と別れた後に四宮雲鷹と話をする場所へと向かおうとした。……が、その時に、華さんから念のためとインカムを渡された。

 

インカムを渡された俺は耳に付けてから、目的地に行くのにまず使うバス停まで向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

バスに乗り目的地の最寄りのバス停に着き、バスから降りてしばらく歩いている時だった。

 

後ろから誰かにつけられているのに気が付いた。

 

優心(ホテルから出てバスに乗るまでの間は、つけられていると感じなかった。……つまり、バスを降りてからって事か……)

 

いつからつけられているのかを考えていると、耳に付けていたインカムから、華さんの声が聞こえた。

 

黒服(華)『優心様。数人が後を付けてきてますが、どういたしますか?』

 

俺は歩くスピードを少しあげながら、ついてきている人達がどういった人間か、どう対処するかを考えてから、華さんの言葉に答えた。

 

優心『……多分、四宮雲鷹が仕向けた人達だと思う。……俺を試すつもりなんじゃないかな。こんな所でやられる奴かやられない奴かって』

 

俺がそう言うと華さんは静かになった。少ししてから華さんが口を開いた。

 

黒服(華)『……今、確認しましたら、他の四宮の人間が仕向けた人達ではないようです。雲鷹様の関係者で間違いないようですので、その試しにのりますか?』

 

優心『そうだね。こんな街中で対処するのはマズイから、そこの路地裏に入って対処する。黒服さん達は俺の所にいない人達を、各々取り押さえてて』

 

黒服(華)『了解』

 

黒服(男)二人『『了解』』

 

俺の言った言葉に華さんと、あと二人の男性黒服さんが返事をしてくれた。

 

黒服さん達の返事を聞いた後に、すぐにお店近くの路地裏へと移動して後ろを確認した。

 

後ろを確認すると、俺の後を追って路地裏に入ってきたのを確認できた。

 

優心(……この辺でいいかな。他の人達に気づかれにくい場所だし)

と、他の人達……通行人が気が付かない場所に着いた瞬間に、俺はすぐに後ろを向いて立ち止まった。

 

俺の行動を見た相手は、押さえつけようと腕を伸ばしてきたので、俺はその腕を躱しつつ掴んで相手の体を地面に押さえつけた。

 

優心「……四宮雲鷹様の関係者・近衛・側近といった方ですよね?」

 

天野「……えぇ、その通りですよ」

 

俺の問いかけに女性が答えた瞬間に後ろから気配を感じた。俺は即座に女性から手を放して少し距離をとった。

 

そこには、別の人が立っており今度は二人がかりで俺を押さえつけようとやってきたので、二人から避けながら動いた。

 

動いていると、二人が俺の前後に移動してきた。俺は前にいて腕を伸ばしていた女性から避けてからその女性の腕を掴んだ。

 

その瞬間に俺はもう一人の位置を確認し腕を掴んだ女性を思いっきり引っ張り、俺の後ろから走ってきていたもう一人と正面衝突をさせた。

 

思いっきり勢いをつけてぶつけてやったので、二人は結構な衝撃を受けた筈だ。

 

優心(……例え、試す行為だった場合でも、こういう時は慈悲はいらない)

と俺は思いつつも、二人がまだ立ち上がろうとしたので二人と向き合った。

 

雲鷹「そこまでだ」

と、俺が二人に向き合った時に、そういう男性の声が聞こえた。

 

その男性の声が聞こえた瞬間に、俺が戦っていた二人は即座に男性の側に移動した。そして華さん達も俺の側にやってきた。

 

俺はその光景を見て、男性が四宮雲鷹だと理解したが、一応確認をすることにした。

 

優心「……四宮雲鷹様で……よろしいですか?」

 

雲鷹「あぁ、その通りだ。俺が雲鷹、四宮雲鷹だ。そっちも弦巻優心で間違いないな?」

 

優心「はい、弦巻優心です。よろしくお願いします」

と、少し警戒しつつ名前を告げた。

 

雲鷹「そう警戒すんな。もうやんねーよ。お前の強さは分かったしな。さっさと店の中に入って話をするぞ」

 

優心「了解です」

と、雲鷹様の言葉に俺は返事をして、先に歩き出した雲鷹様のあとをインカムを外し鞄に入れながら追いかけ、隣を歩き始めた。

 

少しして俺は隣にいる雲鷹に声をかけた。

 

優心「先程のは、やはり私を試すために仕掛けていたんですね」

 

雲鷹「……気付いていたのか」

 

優心「まぁ、四宮の人間が人を簡単に信じるとは思っていなかったので……。何より、いくらお父様や雁庵様から話を聞いていても、会った事もない人を信用しないだろうとも思ってましたよ」

 

雲鷹「……流石は弦巻家の息子だな」

 

そういった事を話ながら歩いていると、話をするお店に着いた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~料理屋~

 

 

雲鷹「……ここは弦巻グループ傘下の料理屋か」

 

優心「そうですけど、それがどうかしたんですか?」

 

雲鷹「……ここなら話は漏れないな……と、思っただけだ」

 

優心「まぁ、特にここは話が漏れない事で有名ですから。防音仕様の個室もありますし、実際に会合とかで使われたりしてますしね」

 

雲鷹「……確か、弦巻家・グループの関係者しか入れないんだったよな。このお店は」

 

優心「ええ。入店する場合は身分証から所属している会社や、家に関する事まで確認されます。それにより弦巻関係以外の人の場合は、どの様な事をしても入れません」

 

雲鷹「俺の場合は、お前の許可ということで入れたという事か」

 

優心「そうです」

といった事を、話していると個室に案内された。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~店内・個室(防音仕様)~

 

席に着いた後に、注文をして品が届いてから話を始めた。

 

優心「今日はお父様と雁庵様が進めていた話が完全に纏まった事に対しての確認ですよね?私も完全に纏まった話では無いですが、基本的な部分は全て把握してます」

 

雲鷹「……なら、今回の最終目的はかぐやを四宮家・四宮グループのトップにして、四宮家・四宮グループの体制を変える目的なのは頭に入ってるな?」

 

優心「当然です。その為に四条家が四宮家を潰す動きに関しても止めないということも」

 

雲鷹「親父が倒れて動けなくなった場合の動きも、頭に入ってるな」

 

優心「勿論。……そうなった場合、四条家がそこを突く様に四宮の悪行をマスコミなどに流して四宮を潰す動きを十中八九取る」

 

雲鷹「あぁ。そして四宮の株価は下がり四条グループがTOBをするはずだ」

 

優心「株価に関しては必要経費だとして、TOBに関してはお父様が対処するための計画を実行中などなど、全て頭に入ってますよ」

 

俺がそう言うと雲鷹が"よし"と呟いていた。

 

雲鷹「まぁ基本的には、俺らが動いてどうこうするのは全てその計画が始まってからだ。それまで普通に生活をしとくだけでいい」

 

優心「そうですね。問題が発生して表面化、かぐや様に何かあるまでは、やることはないですし」

 

俺の言葉に雲鷹は頷き料理を一口食べていた。俺も一口飲み物を飲んでいると、雲鷹はまた口を開いた。

 

雲鷹「……確かクリスマス辺りに電話で内容を聞いたんだよな?今回の事を」

 

優心「はい。完全に纏まるまでの内容ですけど」

 

雲鷹「その纏まってなかった内容っていうのがかぐやの事だ。特に大学や彼氏とかの事だな」

 

優心「どういった内容なんですか?」

 

雲鷹「……まず大兄貴の事だ。四条との騒動や親父の件についてが大きくなれば、かぐやを手元に置いて自分の都合のいい相手と結婚させて落ち着かせようとする」

 

優心「つまりそれをどうするかという事ですね?」

 

雲鷹「その通りだ。……じゃあ纏まった事を話すぞ」

 

俺は雲鷹の言葉に"はい"と返事をしてから、雲鷹の言葉を聞いた。

 

 

雲鷹から聞いた内容はこうだ。

 

雁庵さんが倒れる倒れない以前に、黄光が動くとしたら、かぐやさんの大学の件だ。

 

黄光がかぐやさんを呼び出し遠回しに、出願を取り下げるよう脅しをかけるのが、目に見えて予想が出来る。

 

その為、正月に雁庵さんがかぐやさんに黄光からそう脅された場合は、黄光の言いなりになって出願を取り下げた振りをするという形で、話が纏まったとのこと。

  

優心「なるほど。言いなりになる演技をかぐやさんがする訳ですね。けど実際は、出願は取り下げてない」

 

雲鷹「あぁ。……念のために大学側にお前の父親が口裏合わせをお願いをしたそうだ。その為に大学側に確認や脅しなどされても問題ない」

 

優心「それなら安心ですね」

 

雲鷹「……あとこれも伝えとくぞ。かぐやと親父が大学の件以外の話もしていたが、他言無用の様で内容は分からないし、それが吉と出るか凶と出るかも不明だ。それだけは覚えとけ」

 

雲鷹がそう言ってきたので頷いてから、俺も口を開いた。

 

優心「……あとは彼氏などの身の回りについてですけど」

 

大学の事について聞いた後は、かぐやさんの身の回りの事を聞いた。

 

雲鷹「その件は、こちらからは何もしないという事になったそうだ」

 

優心「……それは、どういう事ですか?」

 

雲鷹「親父曰く、今回の騒動の件が発生した場合に、うまく立ち回れるか試すらしい。立ち回れなければかぐやの彼氏に相応しくないだそうだ」

 

優心「……まぁ、そこは大丈夫だと思いますけどね。会長は頭のキレがいいですし」

 

雲鷹「そいつに加え、他の人間も友人を助けられないようじゃ、友人を名乗る資格ないそうだ。親父は全員試すつもりらしいぜ」

 

優心「……雁庵様自身が試すと決めたと思うので、私は特に言いませんよ」

 

俺ここで一旦区切って一口飲み物を飲んでから続きを伝えた。

 

優心「けど、生徒会メンバーや友人達は、四宮家が思っているほど腐ってませんし、かぐやさんを見捨てる様な人間ではないの確かですよ。……これだけは言い切れますので」

 

俺がそう言い放つと、雲鷹は鼻で笑って飲み物を口に運んだ。

 

そこからは無言になり、お互いに運ばれてきた料理を食べ進めた。

 

大体食べ終わる頃に雲鷹が喋り始めた。

 

雲鷹「長々話したが、最終目標はかぐやを四宮家・四宮グループのトップにして、四宮の体制を変える目的なのは忘れるなよ」

 

優心「忘れませんよ。流石に今の四宮家体制はもう続かないのは素人目で見ても分かるので、変わらなくちゃいけないですし」

 

雲鷹「あぁ、今の時代に合ってないのは確実だ。今のままの四宮で跡継ぎが継いだとしても、結局の所は自滅だからな」

 

優心「その為に一回ここで旧体制を潰して、雲鷹様が代理でトップになり、かぐや様が継げる時期になった際にかぐや様がトップになり、新生四宮家・四宮グループとして生まれ変わらせる」

 

俺がそう言うと、雲鷹は"それさえ分かってればいい"と言ってきた。

 

お互いに確認し終わった後に、席を立ってレジの方へ向かった。

 

雲鷹「……あぁ、それともう一つ伝えとく」

と、レジ近くに来た時に雲鷹がそう言ってきたから、"なんですか?"と聞いた。

 

雲鷹「親父の事だ。生徒会の連中だけじゃなくお前の事も試している人間の一人の筈だ。かぐやを助け出す際には、お前もやりたいようにやれ。俺も好きなようにやる」

 

優心「……分かりました。かぐや様救出の際は私の判断で好きなように作戦を立ててやりますよ」

 

雲鷹の言葉に、俺がそう言うと、雲鷹は"うまい具合にフォローしてやる"と呟いて、今日のお昼を全て奢ってくれた。

 

奢ってくれた事にお礼を言ってお店を出た。

 

 

お店から出た後は、一緒にいる所を見られないようにする為にすぐに別れた。

 

雲鷹と別れた後の俺は愛に"どこにいる?"とメッセージを送って、返事が来るのを待った。少ししてから返事が来て、そこに書かれていた場所に向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

愛がいる場所に着くと、そこには愛とすばると三鈴の三人と鋼達の班がいた。

 

皆の所に近づいて声をかけると、三鈴が声をかけてきた。

 

三鈴「やっと来たよ」

 

そんな事を三鈴が言ってきたから"ん?"となってしまった。すると、すばるが教えてくれた。

 

すばる「弦巻くんがいなかったから、愛がずっとつまんなそうにしてたんだよ。私達が側にいるのに、私達と回るのは楽しくないみたいだったから」

 

愛「そんなことないよ!」

 

すばるが言った事に愛が否定をして、皆はその否定を聞き流しながら弄り始めた。

 

俺はその光景を見て苦笑いしながら、愛に声をかけた。

 

優心「愛。午後は俺も回るから皆と楽しみながら観光しよ」

と、俺が愛に伝えると、"うん……"と返事をしてくれた。

 

鋼「じゃあ早く行こうぜ。早めに行かないといけない場所もあるんだからな」

 

三鈴「よし、レッツゴー!」

 

鋼と三鈴の二人の掛け声と共に観光を始めた。

 

 

こうして皆と観光し楽しんでホテルに戻り、修学旅行二日目が終わった。

 

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