弦巻こころの兄が秀知院学園に通って過ごす話(完結) 作:春はる
前半は、前回の修学旅行の続きを書いていますが、ほぼダイジェストです。ダイジェストと言えるかどうかも怪しいぐらいの短さです。
その後は、かぐやとつばめ先輩と大仏が石上関係の事を話しているシーン、その次はバレンタインの話です。
今回の話は、約9500文字という長い話になりましたが、そのほとんどはバレンタインの話です。
それだけお知らせしときます。
では、本編をどうぞ。
~優心視点~
二日目に雲鷹と会って話をした翌日の三日目。
今日は俺と愛、かぐやさんと会長の二人と観光する事になった。
因みに、同じ班のすばると三鈴は、樹と鋼の二人と行動すると言っていた。
そこからは、二日目みたいな雲鷹に会いに行った為に愛達と回らない時間があったなどはなく、純粋に修学旅行を楽しんだ。
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観光など色々して。三泊四日の修学旅行が終わる事になった。
皆それぞれ家へと帰り、俺と愛も家に帰った。
家に着いた後、衣類などの荷物は全部メイドさん達にお願いして、俺と愛は寝る準備をした。お風呂に入ってパジャマに着替えて就寝した。
こうして修学旅行が終わった。
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二年生が修学旅行から学校へ帰ってきて、かぐやや大仏達のカップル論争などの出来事が過ぎたある日。
~生徒会室~
~かぐや視点~
つばめ「今度、大友ちゃんと会う事にした。優くんに対する誤解を解きたいから」
石上くんの件でつばめ先輩に呼ばれた私と大仏さん。私達につばめ先輩が大友に会う事などを言ってきた。
かぐや「……ですが、それでは」
つばめ「分かってるよ。大友ちゃんに全て、ありのまま伝えたら優くんの努力が無駄になる。それは避けなきゃだよね」
かぐや「では、どうするつもりですか?」
私が言いたかった事を理解していたつばめ先輩に、私はそう聞いていた。
つばめ「ちゃんと作戦を考えてるよ」
と前置きをしてから、つばめ先輩自身が考えてきた作戦に耳を傾けた。
その作戦は私好みだったので、乗ることにした。
そんな作戦を思い付ついたつばめ先輩に、"意外"などと言ったりしながらしばらくして話をしていたが、私は一つだけ気になっていた事を質問した。
かぐや「……そういえば、その作戦は最終的にVIP枠の生徒などにも話を当然しますよね?」
つばめ「そうだよ。流石に三人だけじゃ無理があるし、手広くするにはいろんな人に協力してもらった方がいいし」
かぐや「では、弦巻くんにも伝えるんですか?」
つばめ「うん。VIP枠や他の人達と通話で話をする時に、弦巻くんに参加して貰って、その時に伝えるよ。弦巻くんには通話をする日の少し前に声をかけるけど」
つばめ先輩の言葉を聞いた私は、一つだけ確認をする形で質問した。
かぐや「……つまりそれは、暗黙の了解を破るということですよね?」
私がそう聞くと、つばめ先輩は一瞬だけ黙ったが、すぐに答えてきた。
つばめ「……そうだね。……けど、今回の話題に触れても弦巻くんは怒らないよ。ハッキリとそう言えるからこそ、暗黙の了解を破る事にしたんだ」
かぐや「……私も、彼が怒らないという事に関しては否定はしませんよ。一年以上、同じ生徒会として活動して彼の人となりは知ってますから」
私は一旦、ここで一息着いてから、つばめ先輩に伝えておきたい事を伝えた。
かぐや「ただ、他の皆さんには、彼が参加するという事を伝えてた方がいいと思いますよ。あの件から今日まで、"その話題に触れるな"という認識になってますから」
つばめ「だね。……多分、あの時は皆が過剰に反応してたから暗黙の了解になってただけだと思う。だから、今なら大丈夫って事とかを事前に話しておくよ」
かぐや「お願いしますね。……それと、皆さんとの通話の際に、弦巻くんにあの時の事を私が聞いてみますよ」
つばめ「それって、大丈夫なのかな?やっぱり心のどこかで不安があるんだけど……」
かぐや「不安になるのは分かりますよ。私も暗黙の了解を守ってましたしね。けれど、この際に聞いてハッキリとさせましょう」
つばめ「かぐやちゃんが不安とか言うなんて珍しいね」
かぐや「私も別件ですけど、彼の怒りに触れてしまって彼の怖さを知ってしまったので……」
私がそう言うと、つばめ先輩は苦笑いしつつも"そっか……"と、呟いていた。
大体話し終わると大仏さんが弦巻くんの事で聴いてきたが、"その時が来たら分かる"とだけ伝えた。
その後は解散となった。
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かぐやとつばめと大仏が話をした日から、しばらく経ったある日。
~愛視点~
私は廊下ですばると三鈴と話していた。
優心くんはA組にやってきたB組の豊崎くんと風祭くんに捕まって、B組に連れていかれてしまった。
B組の前を通った時に教室内をチラッと見たら、なんか凄く質問責めにされてたから"大丈夫かな?"とは、心配はしてる。
そんな事を思ってると、三鈴が何か思い出したかのように"あっ!"と言ったから私は耳を傾けた。
三鈴「そういえば、もうすぐバレンタインだよね。愛はやっぱり弦巻くんにあげるよね?」
三鈴が言ってきたのは、バレンタインの事だった。そして当然の如く、優心くんの事にも触れてきたので三鈴の質問にも答えた。
愛「うん。手作りしてあげるつもり」
私がそう言うと、二人は"おぉー"と言ってきた。
愛「そんな反応はしないでよ。何気に恥ずかしく感じるから」
三鈴「普段の愛はクールだからそんな照れてる所は見ないからもっと見たいんだもん」
すばる「うんうん」
愛「はいはい。……それで二人は?チョコ、誰にあげるとかあるの?」
二人の言葉を聞き流して、私は二人にチョコのことを聞いた。
三鈴「上手い具合に話を逸らしたね。……えっと、私たちはクラスの女子に友チョコあげるよ」
すばる「あとは、男子にもあげる」
愛「男子に……って、クラスの男子に?友チョコ的なチョコ?」
二人の答えに私がそう聞き返すと、二人は首を横にふった。
三鈴「古川くんと新川くんにあげるんだ」
すばる「私が新川くんにあげて、三鈴が古川くんにあげるんだよ」
愛「あの二人に?……友チョコ?」
と、私が聞くとすばるが"本命"と言ってきた。
愛「……それはすばると三鈴が二人の事が好き、意識してるって意味だよね?」
すばる「うん。私は新川くんに、三鈴が古川くんの事が好きなんだよね」
ここに来て友達二人の新事実を聞いて驚いてしまった。
愛「初めて知ったんだけど……。因みにいつから?」
すばる「修学旅行の自由行動の時にだよ」
愛「まさかのつい最近!?ってか、修学旅行の時もそのあとの学校生活でも、そんな雰囲気は感じなかったけど!?」
私がそう言うと、二人からは"そりゃそうてしょ"と言われて、私は"え?"と聞き返してしまった。
すばる「だって、愛と弦巻くん達のイチャつき雰囲気とか、普段も仲良し甘々カップルの自分達の世界が凄すぎるからだよ」
三鈴「そうそう。二人の世界が異常だから、私達の雰囲気なんか消されちゃう状態になってるんだよ」
愛「……あ、そう……」
私は二人の答えにそうしか答えられなかった。
すばる「あ、そうだ。愛がチョコを手作りするんだったら、一緒に作ろうよ。私達も手作りするつもりだからさ」
愛「確かに、それいいかも。三人で作ろう。……じゃあ誰の家で作る?」
三人でバレンタインチョコを手作りする事になったから、私は何処で作るか二人に質問した。
三鈴「愛の家で作るのは?愛って今でもほとんど自分の家の事とかの話や、遊びに行かせてくれないじゃん。一回ぐらい行ってみたいなと思うんだけど」
すばる「あ、確かに。私もそう思う」
二人からはそう言われた私は、どうしようかと考えてしまった。
愛(二人に話さないのは、かぐやの使用人の事もあるけど、なにより優心くんと同棲してるから余計に話をするのが恥ずかしいんだよね……)
すばる「愛?」
愛「(でも、二人にはちゃんと色々話してた方がいいよね)
と思った私は、すばると三鈴に今だに話せずにいた大きな出来事を話すことした。
つまり、四宮の使用人だった事や、優心くんの家……弦巻家に住んでいる事だ。
愛「えっと、その前に教えておきたい事が何個かあるんだけど……」
すばる「ん?どうしたの、いきなり改まって……」
愛「まず一つ目。私は今、優心くんの家に住んでいます。つまり同棲しています」
私がそう言うと沈黙が流れて、少ししてから二人が"えぇーー!?"と大声で叫んだ。
私はその二人をなんとか押さえて、二人の質問に答えたりしつつ、色々と教えていった。
まず、優心くんの家に住むことになったきっかけのそもそもの理由を話した。
小さい頃から、四宮家の使用人をやっていた事、かぐやの近衛だった事を理由も含めてを話した。そこから優心くんの家に住む事になったのかという話と理由も話をした。
私が、話し終わるとまたもや沈黙だったが、すばるがいきなり私の手を掴んできた。
すばる「教えてくれてありがとう!色々と腑に落ちたよ」
愛「え?」
と、すばるの言葉に、私はそんな言葉しか出てこなかった。
三鈴「だって弦巻くんと付き合う前とか、付き合ってからの愛とは、なんか壁みたいのがあるって感じてたんだよね」
すばる「でもそういうのが無くなったのも感じてて、なんでそう感じるのか分からなかったんだよね」
三鈴「でも今の話を聞いて理解したんだ。……だから、話してくれてありがとう……愛」
三鈴は笑顔でそう言って、すばるも頷いていた。そんな事を言われた私は嬉しかった。
私が嬉しがってると、三鈴がまた口を開いた。
三鈴「……で、結局は誰の家でチョコ作るの?」
愛「……えっと私の家というか、優心くん家でいい?キッチン回りの調理器具とかお菓子作りの器具が軒並み揃ってるから作り易いと思う。プロが使う物ばかりだしね」
すばる「じゃあ、そうしよう。弦巻くんの家は前から気になってたんだよね、私と三鈴は。だから行けるのはちょうどいいよ」
愛「そっか。けど、明日以降でいい?お互いに作りたいチョコの形を決めたり材料を調達したりしようよ。元々私は今日材料を買いに行こうとしてたし」
私のそんな提案を聞いた二人は頷いてくれたので、今日は解散となった。
私は二人と別れて教室に荷物を取りに行って、教室に入った。中ではかぐやが帰る支度をしていた。
愛「かぐや、もう帰る?」
かぐや「ええ、帰るわよ」
愛「じゃあかぐやのウチに行っていい?」
かぐや「構わないけれど、今日は弦巻くんと帰らないの?」
愛「優心くんは、豊崎くんと風祭くんに捕まってる。B組でまだ話してからもう少し時間はかかる感じだと思う」
かぐや「そう。……じゃあ、先に帰りましょうか」
愛「だね」
と言って、私はかぐやと一緒にかぐやのウチに向かった。
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~四宮別邸~
~愛視点~
別邸に着いてかぐやの部屋でベッドに腰掛けた後に、かぐやとしばらく話をしているとかぐやが質問してきた。
かぐや「愛さんはどんな用で来たの?わざわざ世間話するだけではないでしょ」
愛「そうだね。もうすぐバレンタインでしょ?だから、会長に友チョコあげてもいいか、彼女のかぐやに確認しようと思ってね。……で、あげてもいい?」
かぐや「……弦巻くんにもあげるんですよね?」
愛「そうだよ」
と、私が答えると、かぐやはため息をついてから"オッケー"してくれた。
愛「あ、そうだ。私さ、優心くんに手作りチョコをあげるんだけど、かぐやも一緒に作らない?」
かぐや「……でも去年の出来事がありますし……」
かぐやの言葉に私は自己防衛で忘れていた記憶を思い出した。
私は、忘れてた記憶を思い出しつつも、なんとか一緒に作ろうと誘ってみる事にした。
愛「あ、あぁ……でも、あれはあんなチョコが出来るレシピを渡してきた人が悪いわけだから。私は市販というかちゃんとしたレシピで作るから問題ないよ」
かぐや「でも……」
愛「それに優心くん家で作るんだ。だから、心配な事があるなら、弦巻家の料理人でパティシエとして働いていた人もいるから、その人に教わったらいいし」
私がそう言うと、かぐやは静かになりしばらく考え込んだ。
かぐや「……そうですね。料理人……パティシエの方ならお菓子などの信念なりこだわりがあるから前回のような事はないですよね」
愛「うん!」
かぐや「じゃあ一緒に作ることにします。……愛さんの他にも一緒に作る人はいるんですか?」
私の言葉にかぐやは一緒に作ってくれる事になった。その後に質問してきたからそれに答えた。
愛「すばると三鈴だよ。あの二人もチョコを手作りするから一緒に優心くん家で作るよ」
私がそう言ってから、色々……チョコの材料などの事についての話をしてから、私は家に帰る事にした。
帰り道に、バレンタインのチョコ用の材料を買いながら、帰路に着いた。
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~数日後・休日~
~弦巻家~
すばると三鈴、かぐやとチョコを手作りする事を決めた日から数日が経ち、休日になった。
そして私は今、優心くん家である弦巻家の門の前にいた。
何故、私が門の前にいるのかというと、すばると三鈴が電車で弦巻家の最寄り駅まで来ることになっていたので、私が駅まで二人を迎えに行って、弦巻家まで案内をしたという訳だ。
かぐやは送迎の車で来たので問題はないんだけど、すばると三鈴の方が問題だった。弦巻家を見た瞬間に固まってしまってる。
すばる・三鈴「「……」」
といった感じで、口が開いた状態で言葉が出ていない。そんな状態がある程度続いた時だった。
三鈴「……いやー弦巻くんの家は凄いね……」
やっと三鈴が"凄い"という言葉を言ってすばるが頷いていた。
すばる「自分の家も、凄い方だと思ったけど、こっちもこっちで凄すぎる」
愛「それぐらいで驚いたら持たないよ」
と、二人に伝えた。
私の言葉にかぐやは頷き、二人は"え?"とキョトンとした感じで口から出ていた。
そんな反応した二人を無視して"ついてきて"と伝えて、門を開けて敷地内に入って家まで向かった。
家に着いて中に入った私は、玄関付近を掃除をしていたメイドの人に声をかけた。
愛「ねぇ、今日って優心くんは家にいる?」
メイド「優心様は、こころ様に連れられて公園に遊びに行かれてますよ。朝からお子さん達と遊ぶ約束をしていたそうなので。……お聞きになっていなかったですか?」
愛「ううん。本人から聞いてたけど、確認したかっただけだよ。ほら、もうすぐバレンタインだから」
メイド「あぁ……なるほど。愛様、手作りすると仰ってましたもんね。……優心様とこころ様がお帰りになっても人を近づかせないようにしておきますね」
愛「うん、お願い」
メイドさんと少し話をしてから三人にキッチンの所へ案内した。
すばる「……なんか家の中まで凄いね。門の所からも凄かったけど。それに……」
三鈴「文化祭準備で愛が言ってた通り、執事とメイドと黒服も多いね。……四宮さん家も多いんだっけ?」
かぐや「えぇ。私の家も多い方ですね。ここと比べると少ないですけど……」
すばる「へぇ~」
私の後ろで三人で話をしていた。私は三人の会話に耳を傾けながら、キッチンへ向かっていた。
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~キッチン~
キッチン内に入り早速チョコを作る……という前に、私の隣ににいる人を紹介した。
愛「じゃあ、それぞれチョコを作るけど、分からない事があったら私の隣にいる料理長に聞いて。料理長は凄い人だから分かりやすく教えてくれる筈だよ」
料理長「ハードル上げないで欲しいですよ、愛さん」
すばる「ねぇ、愛。そんなに凄い人なの?」
愛「うん。確か、過去に出場したお菓子系の大会……パティシエ関連の大会は大体はトップ3には入ってるよ。パティシエとしての確かな技術を持ってるよ」
私の言葉に、皆は"へぇ~"と言っていた。
料理長「そういうのは過去の話なので置いといて、今は優心様とこころ様の二人が帰ってくる前に早く作り始めましょう。遅くなればなる程、完成が遅くなりますから」
料理長は、皆の"へぇ~"という言葉を聞き流して、そう言ってきたので、皆は作り始める事にした。
そこからは黙々とチョコ作りに没頭して、たまに料理長からアドバイスを貰いながら作っていった。
さらに時間が経って、チョコが完成した。
皆のチョコは、それぞれ違うチョコなので被ることはなかったが、うまく作れたことに私も含め皆は安心していた。……特に去年の事があったかぐやは目に見えて安心していた。
料理長「では、バレンタイン当日までこちらで預からせていただきますよ。当日までしっかりと冷やしておきますし、当日に黒服が保冷箱を使い、かぐや様達にお渡しします」
すばる「家に持ってかえって親に見られたら、絶対誰にあげるかどうか聞かれるから、ここで預かってもらってた方が安心できるので、お願いします」
三鈴「私もそんな感じになりそうだから、お願いします。お父さんが絶対言ってきそうだから」
料理長の言葉に、二人はお願いしていた。
かぐやは少し悩んでいたが、結局は優心くん家のキッチンの冷蔵庫で預かってもらう事にしていた。
その後は解散となった。かぐやは車で帰り、私はすばると三鈴を駅まで送った。
そうして、バレンタイン当日になった。
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~優心視点~
~2月14日・バレンタイン~
~朝~
今日は一人で登校した。愛は先に学校へと向かってしまったんだ。
学校ですばると三鈴とかぐやに渡しておきたい物があるからと教えてくれたからだ。
そんなこんなで、一人で登校して学校内に入ると男子達がソワソワしているのに気がついた。
優心(今日って何かあったっけ?……あ、バレンタインか。だから、男子達ソワソワしてるんだ)
と、そんな事を思いながら廊下を歩いて、教室に入った。
優心「おはよー」
男子A「おーす」
挨拶しなから、自分の席に荷物を置いたら、目の前に小さめの箱が視界に入ってきた。顔を上げると愛が渡してきていた。
優心「おはよう、愛。……えっと、これは?もしかしなくてもバレンタインチョコ?」
俺がそう聞くと頷いてきた。その頷きを見た俺は凄く嬉しかった。去年も皆から貰って嬉しかったけど、今、好きな人……彼女から貰えたのがこれまで以上に一番嬉しかった。
俺その事を愛に伝えると、顔を真っ赤にしながら"それなら良かった"と言ってた。
愛「……あ、一応、手作りだからね」
優心「余計に嬉しくなったよ。ありがとう、愛」
愛「……ん」
俺は愛の頭を撫でながらお礼を言った。そうしていると予鈴がなったので授業の準備を始めた。
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~放課後~
放課後になり俺は生徒会室に向かおうと教室に出た。教室から出て生徒会室に向かっていると女子生徒がやってきた。
後輩A「弦巻先輩、チョコ貰ってください!」
後輩B「私のチョコも!」
後輩からチョコをもらった。
優心「ありがとう。……二人ってどんなチョコが好きなの?」
二人からチョコを貰ってお礼を言った後に、どんなチョコが好きか聞いた。
後輩A「え?……えっと、私はビターなチョコが好きですけど」
後輩B「私は結構甘いチョコが好きですよ」
優心「二人とも対照的だね。……ホワイトデーの時にビターなチョコと甘めのチョコのお返しするから、楽しみにしてて」
俺がそう言うと、二人は目をキラキラさせながら嬉しそうにしていた。
二人と別れた後に生徒会に向かっていると、大仏・眞妃・千花・エリカ・かれん・龍珠の同級生や後輩、先輩からは朝日先輩とつばめ先輩からも貰った。
朝日先輩からは、かれん達が迷惑をかけているお詫びとしてくれて、つばめ先輩は友チョコ的な感じでくれた。あとこころの分も預かった。
そんな感じでいろんな人から貰いに貰って生徒会室に着く頃には、紙袋三袋になってしまった。
その状態で生徒会室に入ると、会長とミコが居て会長の目の前にある机に山盛りぐらいのチョコが乗っていた。
優心「会長も沢山貰ったんだね」
会長「……弦巻にだけは言われたくねーよ。嫌みじゃないのは知ってるが、他の人には嫌みにしか聞こえねーぞ。それは」
会長は俺を見ながらそう言ってきた。
ミコ「やっぱり弦巻先輩は凄いですね。あ、私からです」
優心「ありがとう、ミコ」
ミコから貰ったチョコを紙袋に入れていると、生徒会室の扉が開いた。入ってきたのは石上だった。
石上「会長……(凄い貰ってる。って弦巻先輩はそれ以上に貰ってるじゃん。いや、二人が沢山貰うだろうとは予想できてたけどさ……)」
生徒会室に入ってきた石上は動かなくなってしまったので、俺はその石上を見て"どうしたんだろう?"と不思議に思ってしまった。
なので声をかけようとしたら、会長に外に行こうと言われたので生徒会室から出た。
話を聞くとミコが石上にチョコを渡すらしく、人がいない方がいいだろうという事で出たと教えてくれた。
会長と話をしながら廊下を歩いていると、愛とかぐやさんがやってきて、愛が会長に友チョコを渡していた。
すると愛から"一緒に帰ろう"と言われたので、帰る事にしたので、その場を離れた。
教室に荷物をとりに行っている間に、愛から紙袋に入ってるチョコの事を聞かれたので答えると、愛が嫉妬してしまった。
そこから家に帰るまでの間、俺は嫉妬してしまった愛の相手をしていた。
こうして、バレンタインの日が終わった。
因みに、家に帰った後にこころが預かっていたハロハピメンバーやポピパからのチョコを、こころから貰った。他のバンドメンバーからは、黒服さん経由や別の日に貰った。
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~愛視点~
2月14日のバレンタイン当日になった。
朝、優心くんより先に家を出て学校に向かった。家で預かってたすばる達が作ったチョコを本人に渡す為だ。
学校に着いて教室で三人にチョコを渡してから、しばらくした頃にチラホラとクラスの皆がやってきたが、まだ優心くんは来てない。
優心「おはよー」
もう少し待っていると、優心くんが挨拶しながら、教室へ入ってきた。
優心くんが自分の席に荷物を置いたぐらいに、私は優心くんの元へ向かった。
そこで、優心くんの視界に入る位置にチョコを見せると、"バレンタインチョコ?"と聞いてきたから、私は頷いた。
優心「ありがとう。……愛から貰えるの凄く嬉しい!去年とか皆から貰えたの嬉しかったけど、彼女に貰える方が凄く嬉しいね!」
いきなり優心くんがそんな事を言ってきたので、私は自覚できる程、顔を赤くさせてしまった。
愛「……あ、一応、手作りだからね」
私がそう言うと優心くんが、頭を撫ででき"嬉しい"と言ってくれたので、手作りして良かったと思った。
私は撫でられながら、すばると三鈴の方をチラッと見てみた。二人もちゃんと渡せたみたいだったので、内心ホッとした。
そうしていると予鈴がなったので授業の準備を始めた。
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放課後になり、優心くんは生徒会室に言ってしまった。
私はというと、かぐやに話をしにいった。
かぐやにチョコの事を聞くと、まだ会長に渡せてなかったみたいだった。
それを知った私は、会長にあげる友チョコを持ってかぐやを連れて生徒会室に向かった。
生徒会室に近い廊下に差し掛かった頃に、会長と優心くんに会った。
私は即座に会長にチョコを渡して、優心くんに帰ろうと言って教室まで荷物を取りに行った。
取りに行っている間に優心くんに会って気になっていた紙袋の事を聞いた。
当然、バレンタインの事と優心くんが人気な事を知っていれば、その紙袋の中身が全部チョコだと分かるが、聞かずにいられなかった。
そして答えはチョコだった。
愛(去年、付き合う前のバレンタインの時は紙袋二袋のチョコを貰っていたはず……。でも今年は一袋も増えて合計三袋になってる。……む~)
そう自覚すると、もう自分の中の嫉妬を押さえられなくなって無意識にほっぺを膨らませてしまっていた。
荷物を持って家に帰る間もその状態が続いてしまい、ずっと優心くんに頭を撫でられたりしながら家まで帰った。
今日は、二人で車で帰ったから周りの人に見られる事は無かったから、恥ずかしい思いはしなかった。
嫉妬してしまったが、今日は優心くんに喜んでもらえたバレンタインだったと思いながら一日が終わった。
次回、遅くなるかもしれませんので、投稿が未定です。出来るだけ急ぎますが、気長に待っていただけたら幸いです。