弦巻こころの兄が秀知院学園に通って過ごす話(完結) 作:春はる
遅くなりましたが、続きです。
では、本編をどうぞ。
愛と猫カフェに行った日から、少し時間が経ったある日。
~放課後~
~優心視点~
いつも通り、教室で過ごしてる時だった。
いつの間にか、帝と翼の二人と教室から居なくなっていた会長が戻ってきた。
会長「弦巻、少しいいか?」
と、会長から声をかけられたから、"どうしたの?"と聞くと付いて来てほしいと言ってきた。
その事に不思議に思いながらも、会長の後を付いていくと、屋上と校舎を繋ぐ出口がある階段の踊り場に着いた。
そこには、帝と翼の二人もいた。
優心「……えっと、俺をそれでここに連れてきた理由って何?」
会長「弦巻は大きい胸と小さい胸どっちがいい?」
優心「……教室戻る」
帝・会長「「ちょっ、待て!」」
会長の言葉を聞いた俺は教室に戻ろうとしたが、帝と会長が俺の腕にしがみついて動きを止めてきた。
翼は近くで笑顔で様子を見てきていたけど、俺はそんな翼を無視して会長と帝に反論した。
優心「何で、胸の話をしなきゃいけないの!」
会長「弦巻!答えるだけでいいから!頼む」
優心「理由になってないよ!」
帝「良いから答えてくれ!」
優心「二人して俺の質問に答えてないよね!?」
俺がそう言っても二人は詳しい事を教えてくれなかった。
会長「頼む!答えてくれ!」
優心「だから、やだ!そもそも、そんな事を俺に聞くために連れてきたの!?」
会長「そうだ!それに、大真面目に話してるんだ」
優心「俺は、大真面目じゃないと思う!」
そう言いつつ、会長と話をする度に俺は"無理!"とか"いやだ!"言ったけど、全然退いてくれなかった。
その様子を見た俺は諦める事にして、会長達の質問の答えを少し考えてから、口を開いた。
優心「……誰にも言わない?特に愛にバレたら絶対嫌われると思うもん……」
会長「普通に女子には言えないから早坂にも言わない。……てか、弦巻って人からの評価や評判とか、気にしてなかったろ。なんで。早坂から評価を特に気にしてるんだ」
優心「……だって嫌じゃん。こんなしょうもない事で愛に嫌われたら……」
帝・会長(……なんか、嫌われたくないと思ってる優心を見るの初めて……。しかも何気に男なのに恥ずかし方が可愛いんだけど……)
会長「もちろん秘密にするから!」
優心「……本当に嫌だけど……言う」
会長「うん。どっちだ?」
優心「……俺、どっちかじゃなくて、彼女の……愛の胸がいい……」
三人「「……へ?」」
優心「もう教室戻る!」
帝「待ってくれ!」
会長達の質問に答えたが、恥ずかしくなって早く教室へ戻ろうとした。すると帝に動きを止められた。
優心「もう!今度は何!?」
帝「さっきスルーしてたけど、優心って早坂と付き合ってたのか!?」
帝の言葉に俺は内心"え?"となった。
優心「……帝、知らなかったっけ?」
俺がそう聞くと、帝は頷きながら"知らねーよ!"と言っていた。
優心「眞妃から聞いてなかったの?」
帝「いや、姉貴からなにも聞いてねーよ。……え、姉貴は知ってるのか?」
優心「うん」
俺がそう言うと、帝がショックを受けた顔をしていた。
帝(マジか……。胸の話も彼女の方がいいって、完全にそういう事をしてるって事じゃん)
俺は落ち込んでる帝を無視して会長に声をかけた。
優心「ねぇ、会長」
会長「どうした?」
優心「もう教室に戻ってもいい?」
会長「まぁ……聞きたい事は聞けたし、弦巻はもう戻っていいぞ。俺らはもう少しここで話をしとこうと思うし」
会長の言葉に"分かった"と返事をして、教室へと向かった。ただ、その戻ろうとした時に、階段から足音が遠ざかる様な音が聞こえたけど、気にしないでいた。
教室に戻った後は愛と一緒に家へ帰った。
その帰り道に、愛から会長に呼ばれた事を聞かれた時は上手く話を逸らして話をしなかった。……けど、珍しくしつこく聞いてきたから、結局のところ俺は折れて話した。
その時に、会長達の会話を話さなかった理由で、嫌われるかもと思って話したくなかった事を伝えた。
すると愛は"それはありえない。嫌いにならないよ"と言いながら頭を撫でてくれたので、俺は嬉しかった。
そんなこんなで一日が終わった。
因みに、今日の出来事から二日後の放課後、会長と帝と翼の三人の叫び声が聞こえた。
その叫び声に俺は、ボーイズトークの時みたいなバカ騒ぎ的なやつと俺は思って気にせず、その日も愛と一緒に帰った。
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~翌日・放課後~
~愛視点~
私とかぐや、眞妃と柏木さんの四人で集まっている。……というのも、かぐやが話したい事があると言ってきて集まったのが、私も含めたこの四人だ。
集まって、お茶会をマキさんが先に口を開いた。
眞妃「あら……この紅茶美味しいわね。ニルギリ?」
愛「ええ。マキさんはインドがお好きだと聞いて」
眞妃「ふーん。気が利くわね。……しかし、この四人でお茶会は、思えば珍しい面子ね。それぞれ絡みはあるけど、渚と愛はお初?」
柏木「ううん。結構、話したりしてたよ。今年は同じクラスだし」
愛「それに去年とかは相談しに生徒会室にきて、私とも話をしたりしたしね」
私と柏木さんの言葉にマキさんは"ふーん"となっていた。
眞妃「まぁ、人間関係にリセットがない所が一貫校の良いで所であり悪い所でもある。言ってしまえば小さい箱庭ね。秀知院は」
愛「でも、そんな箱庭にも風穴が開きますよ。不自然な時期の転校生とか……」
眞妃「……帝の事かしら?別に珍しくないでしょ?」
愛「小さい頃からの知り合いの優心くんですら、知らない時点で何かありますよ。それ以上に、今は四宮・四条両家の抗争が始まろうとしてる。だから無関係とは言えない」
私の言葉にマキさんは黙ってしまった。
眞妃「首は突っ込まない方が良いわよ。あなたに、四宮の後ろ楯は無いんだから」
愛「その代わりに、四宮以上の力を持つ弦巻の後ろ楯はありますよ」
眞妃「……そうだったわね。でもあなたは四宮から離れた訳だから、関係無い話じゃない?」
愛「……四宮だからとかは関係無いとかじゃない。友達を助けて守って、心の底からの笑顔を見たいしさせたい。そう思うのは当たり前でしょ?」
眞妃「完全に弦巻家の思想に染まってるわね。……まぁ、いいわ。そんな友情に免じて教えてあげるわ」
マキさんはそう言って一呼吸置いた。
そして……『四宮家と四条家の抗争はもう始まってる』と呟いてから、詳しいことを教えてくれた。
派閥の人間や会社の買収、会社の重要ポストや大量解雇の人事関係などなどの、マキさんが知っている詳しい話を聞いた。
他にも、弟の帝は元々親の意向もあって転校を受け入れたという表向きの理由で転校してきた形だそうだ。
実際は四条家内でも一枚岩ではなく、弟の帝を上手くコントロールして事を運ぼうとしている人もいるそうだ。
眞妃「帝は立ち回りや政治は上手いから利もなく大人の従う訳がない。だから、仲が良い友達の元を離れた上に優心にも伝えないで優知院に来たのには、絶対理由がある」
愛「なるほど……」
眞妃「おそらく愛の勘繰りは正しいわ。絶対、裏で何か張ってるわ。何かは分からないけどね」
マキさんがそう言った後すぐに、柏木さんが口を開いた。
柏木「けど、結局大人の戦争に子供が割って入る余地なんて無いよ。それが例え帝くんだとしてもね。……結局子供はどうせ見てることしか出来ない」
柏木さんの言葉に私は否定は出来なかった。確かに子供だけでは出来ることは限られている。
愛(でも優心くん家を味方に付けてなら介入が出来る。だけど……)
眞妃「……子供の私達の中で介入が出来るとしたら、優心ぐらいだろうね。まぁ、そうは言っても無理だと思うけど」
柏木「そうね。動くとしたら弦巻家だと思う。けど、今回の件は弦巻家は完全に関係ないから、出てこないんじゃないかな」
私が思っていた事を二人が口に出していた。
この二人の言う通りで、今回の騒動を弦巻家なら介入出来るし騒動を鎮静化もしくは無かった事にすら出来ると思う。
だから柏木さんの言う通り、弦巻家は関係無いから介入はないと思う。
愛(ただ、かぐやとかに何かあったら、優心くんが動いて最終的に弦巻家も介入しそうな気がするな……)
そう考えてるとマキさんから声をかけられた。
眞妃「……愛、どうかした?」
愛「今回の騒動で、かぐややマキさんとかが巻き込まれたりすると、優心くんが動いて最終的に弦巻家も介入しそうと思って……」
かぐや(……)
眞妃「それは言えてるわね……」
柏木「確かにあり得るね」
私の言葉に二人は納得しつつ少し静かになった。
愛(さっき、私の言葉にかぐやがなんとなく反応した……。弦巻家や優心くんの事で、私達が知らない何かを知ってるのかな……?)
そう思った私は、かぐやにその事を聞こうとした時だった。
眞妃「……まぁ、優心関係の事は置いといて、さっきから黙ってる貴女からは何もないの?この会を主催したのは貴女でしょ?本題は何?」
私がかぐやに聞こうとする前にマキさんが質問をしたので、聞こうとしてのを頭の隅に追いやった。
そして、かぐやのマキさんに対する質問の答えを待った。
しばらくして、かぐやが口を開いたがその一言はいきなり、セッ……の事だった。
それを聞いた眞妃さんが、かぐやに問い詰めていたが、本人は恥ずかしがって説明しようとしなかった。
だから、私が男子四人、会長・翼・帝・優心くんの
四人がボーイズトークをしていたのを聞いてしまったことを話した。
そのかぐや達三人で話をしている中で私は、色々と聞かれたことや補足したりして、話をしていた。
すると眞妃さんが私に聞いてきた。
眞妃「それで愛の彼氏、優心はどうだったのよ?」
愛「優心くんの答えは教えません。(それ以上に会長達に何か罰を与えたくて仕方ないんだけど)」
かぐや「確か……愛さんの胸が良いって言ってたわね」
私は言わないで言おうとしたら、かぐやが勝手に二人に教えてしまった。
愛「ちょ!かぐや、なに勝手に言ってるの!?」
かぐや「だって私や眞妃さん達の事を話したのに、自分の彼氏だけ言わないのはちょっと虫が良すぎると思っただけよ」
渚「早坂さん。よかったですね」
愛「あ、うん。……じゃなくて、優心くんの為に教えないでおこうと思ったのに……。なんでかぐやは教えちゃうかな……」
私の言葉に、柏木さんとマキさんの二人が"どういうこと?"と聞いてきた。
愛「優心くん、そのボーイズトークで無理矢理答えさせられた感じらしいんだ。最初は"嫌だ"とか言ってたど、会長達が引き下がってくれなかったみたい」
眞妃「それで?」
愛「私に聞かれたら嫌われるかもって思ったみたいで言いたくなかったけど、私達……特に私には話さない条件で渋々教えたって優心くんから聞いたよ」
柏木「それは確かに彼の為に教えたくないって思うね」
眞妃「でもそれを優心から聞くのも、大変だったんじゃない?その嫌われたくない相手の愛が、自分にそう聞いて来たら恥ずかしいというか嫌がってなかった?」
愛「まぁ……確かに、あまりいい顔というか嫌われるかもって不安な顔をして言ってたよ。まぁ、その時に"そんな事は無い"って伝えてあげた」
二人は私の言葉に"そうだよね……"と言っていた。
かぐやはと言うと、一言"ごめんなさい"と謝ってきたので許してあげた。
愛「あっ、そうだ。マキさんと柏木さんに聞きたいんだけど、帝くんと田沼くんって嫌いな物とかされて嫌な事ってある?」
柏木「なんでそんな事を聞くの?」
愛「ボーイズトークの件で、優心くんに無理矢理聞いたから会長達になにか嫌がらせをしようと思ってね。会長は虫が嫌なのは知ってるけど、二人は知らないから」
眞妃「あぁ……そういうこと。てか、愛は何気にえげつないわね。そんな事をするなんて」
愛「だってあの三人は、彼氏の優心くんに嫌な思いさせたんだよ。何もしないのは私的に嫌だったから、連帯責任として三人にしようと思ったんだ」
そんな私の言葉に三人は一旦静かになってしまったけど、柏木さんとマキさんは田沼くんと帝くんの苦手なものとかを教えてくれた。
その後の話は、かぐやが言い出したボーイズトークでの内容の続きをしていき、時間が過ぎて一日が終わった。
因みに、翌日の放課後に会長・田沼くん・帝くんの三人に、嫌がることの仕掛けをしといた。
その後、優心くんと家へ帰るために、一緒に校舎を出た。その時に叫ぶ声が響いた。
けど、優心くんは気にしなかったから、お互いに聞こえた叫び声以外の学校であった事を話をしながら帰路に着いた。
次回も遅くなるかもしれませんが、よろしくお願いします。