弦巻こころの兄が秀知院学園に通って過ごす話(完結)   作:春はる

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約1ヶ月ぶりの投稿と遅くなりましたが、話が出来たので投稿です。

では、本編をどうぞ。



第73話

 

 

 

~数日後・朝~

 

 

~優心視点~

 

 

会長を雲鷹に会わせた日から数日、そしてかぐやさんが居なくなってから一週間が経った。

 

今日も愛と登校しているが、校門前に着いた時に、記者が声をかけてきた。

 

記者「Webニュースの者ですが、ここに通っている四宮財閥のご令嬢についてお聞きしたいのですが……」

 

優心「取材については校長が窓口を開いてるので、そこでお願いします」

 

記者「お答えできないと言われたので、ここにいるんです。お答えしてもらえません?」

 

優心「無理ですよ」

 

愛「あの、本当に学校側に取材をしてください」

 

そう言って横切ろうとすると、前を遮ってきた。

 

記者「そんな事は言わずに、お答えしてくださいよ」

 

愛(何、こいつ?)

 

優心(黒服さん達に対処して貰った方がいいかな)

と、俺がそう思った時に、隣から"あら?"と声が聞こえた。

 

かれん「優心さんに早坂さん。どうかされました?」

 

愛「紀さんと巨瀬さん」

 

愛が二人の名前を読んだ途端に、記者が二人の元へ近づいた。

 

記者「四宮財閥のご令嬢について少しお話をうかがいたいんですけど」

 

エリカ「まずは彼女の尊き光聖なる声眩い美しさかは語らねばなりません。彼女は私たちの女神救世主であらせられます」

 

かれん「すいません。取材関連は校長が窓口を設けていますので。……お二人も一緒に来てください」

 

エリカの発言に記者が面食らっている内に、学校に入った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~教室~

 

 

教室で荷物を置いた後に、俺は"黒服さん"と呟いた。

 

黒服(華)「はい」

 

優心「……さっきの記者の対処お願い。あのやり方だと他の生徒にもやると思うから」

 

黒服(華)「対処しております」

 

優心「ありがと」

 

華さんにお礼を言って、華さんが離れた辺りで愛とかれんとエリカがやってきた。

 

かれん「先程の記者に対してお願いされたんですか?」

 

優心「したけど、もう対処をしてくれてたみたいだけどね」

 

かれん「流石は弦巻家の黒服……仕事が早いですね」

 

エリカ「それにしても、二人は記者に困ってた様に見えたけど、どうしたの?」

 

優心「簡単に言うと、かぐやさんの事を聞かれて断ったんだけど、しつこく聞いてきて……」

 

愛「だから、取材は学校側にしてと言って通り過ぎようとしたら、前に回り込んで遮ってきたんだ。そしたら二人がやってきたって事だよ」

 

かれん「お二人にもかぐや様の情報を聞き出そうとしてたわけですか?」

 

かれんの言葉に頷くと、エリカと一緒に苛立ちを見せた。

 

エリカ「かぐや様の情報を軽々しく引き出そうとして」

 

かれん「ある事ない事、言うつもりですのよ!」

 

二人「マスゴミめ!!」

 

愛「マスメディア部所属の二人が、そんな事を言っていいの?それに紀さんは大手出版社の社長令嬢なのに……」

 

かれん「実家が出版社だとから関係ありません!かぐや様の情報を聞き出そうとしている時点で、マスゴミだとそう言ってもいいんです!」

 

かれんの言葉に苦笑いしてしまった。

 

かれん「早坂さんと優心さんはメディアが取材しても使えない内容ってなんだと思います?」

 

苦笑いしていると、真面目な顔をしたかれんがそう聞いてきた。

 

かれんの言葉にすぐに答えたのは愛だった。

 

早坂「嘘の情報とかネタにならない話とか……?」

 

かれん「いえ、違います。優心さんは分かりますか?」

 

優心「……世に出せない発言?いわゆる、ヤバい人の発言?」

 

かれん「優心さんの言う通りで、ヤバい人のヤバい発言ですわ」

 

愛「……エリカが記者に言った言葉だね。あの宗教みたいな言い方の奴」

 

エリカ「早坂さん、ひどい言いぐさだね。私は、ただかぐや様の魅力を語ろうとしただけよ」

 

優心「けど、それがあったからさっき助かったんだけどね」

 

かれん「でも優心さんや早坂さんも、エリカみたいにヤバい人の発言をすれば良かったんじゃないんですか?」

 

その言葉に俺と愛は動きを止めた。

 

優心「え、嫌だよ」

 

愛「そもそも、そういうの無理だし」

 

かれん「ですよね」

 

そんな感じで、かれん達と話をしていると予鈴が鳴ったので、自分の席に戻って授業の準備を始めた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~放課後~

 

 

放課後になり、今日の愛はすばる達と帰るらしく、一足先に教室から出て居なくなった。

 

俺は荷物を持って生徒会室へ行こうと教室を出たが、その時に千花に声をかけられた。

 

千花「優心くん」

 

優心「千花、どうしたの?」

 

千花「お願いがあります」

 

千花に、どうしたのかと聞くとお願いがあると言ってきたから、"どんなこと?"と聞いた。

 

千花「大事な話なので、出来るだけ他の人に聞かれない方がいいんですけど……」

と、千花が言ったから俺は"付いてきて"と千花に言って、空き教室へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~空き教室~

 

 

千花「かぐやさんを助けたいので、協力してもらってもいいですか?」

 

空き教室に入って早々に、千花がそう言ってきた。

 

優心「……協力?」

 

千花「はい。大事な友達のかぐやさんを連れ去られたままにされたくありませんし、何より大人達の勝手な道具扱いされるのも許せません。だから、助けたいんです」

 

優心(……千花は千花で独自に動き始めたって事か)

 

千花「優心くん?」

 

優心「協力と言っても、まず千花は何をするの?」

 

千花「まず情報を集めます。かぐやさんを助けに行くにしても、四宮家内部の情報などをないと、作戦も立てられませんし、生徒会の皆とも協力出来ませんから」

 

優心「四宮家の情報と言っても、どれくらい集められるの?」

 

千花「私の方は、おじいちゃんに聞いたりと協力してくれればある程度の四宮家の情報は集められます。ですけど、足りない分が出ると思うので、そこは弦巻家から教えてくれれば……」

 

優心「なるほどね」

 

千花「……ただ一つ問題があって、かぐやさんをどうやって外へ誘い出すかです。いくら四宮家内部情報を知っても、警備システムとかがあれば救出は難しいです」

 

優心「……それはそうだね。(その辺りは愛に話せば対処可能で、かぐやさん自身に話を伝える方法は……帝に頼めばいけるはず)」

 

千花の話で俺はそう考えた。……けど、千花に協力するとして、最終的にかぐやさんをトップにするという事を話した方が良いのかと思った。

 

優心(……でも、かぐやさんと会長の二人が動き出す前に、こっちはこっちで救出する準備はしてた方がいい。だから、千花にこっちの話をしても問題ない)

 

普段はトラブルメーカー的な千花だけど、真剣という重要な出来事の時は、頼りになるし信用できる。

 

優心(……千花の話に乗って協力しよう。その過程でこっちの話をする事にして、警備システム系は愛に頼もう)

 

千花「優心くーん?」

 

優心(警備システム系は、雲鷹に頼む事も出来ると思うけど、本人は本邸にいるから監視されてる可能性があるし、タイミングが合わない場合があるから期待は出来ない)

 

千花「……優心くん?」

 

優心(愛に頼む時に色々と聞かれるだろうから、その時に話をすればいいか。それと愛自身の事も本人に許可を取ってからだけど、千花に愛自身の事を話そう)

 

千花「ずっと黙ったままで、どうしたです?」

 

優心「……千花の情報集め、手伝うよ」

 

千花「え、いいんですか?」

と、俺の言葉にキョトンとした顔で、そう呟くように言ってきた。

 

優心「え、何……その反応」

 

千花「だって、ずっと黙ったままになってたから、もしかしたら駄目なのかと思いまして……」

 

優心「それはごめん」

 

俺が謝ると、"仕方ないですね"と呟きながら話を進めた。

 

千花「それで、情報集めてまとめたとして、本邸の警備やらはどうするかですけど……」

 

優心「その警備やらの事はアテがあるから、俺に一旦任せてくれない?」

 

千花「アテがあるんですか?」

 

優心「……まぁ、一応。話を通して手伝ってくれるか確認するから」

 

千花「分かりました。話がまとまったら、私に声をかけてください。出来るだけ早くでお願いしますよ、優心くん」

 

"了解"と返事をしてから教室を出て、生徒会室に向かった。

 

生徒会室で作業をやってから家へ帰ったが、家へ帰っている途中で後ろから視線を感じた。

 

後ろを確認しても人は居なかったから歩き出すと、スマホが震えた。

 

画面を見ると、華さんからの電話だったから、その電話に出た。

 

黒服(華)『優心様。先ほど優心様が後ろを見た件ですが……』

 

どうやら、俺が感じた視線についての事だった。

 

優心「あれってなんなの?」

 

黒服(華)『調査会社の人間が調査しているみたいです』

 

優心「……探偵みたいの?」

 

黒服(華)『はい。それと、優心様だけではなく、優心様以外の生徒会メンバーと愛様など、かぐや様と親しい人間の調査もしているようです』

 

優心「だとすると、四宮家関係かな……」

 

黒服(華)『確実にそうだと思いますが、正確な事は今日中に色々と調べてあげておきます』

 

優心「分かった。調べ終わったら、すぐに教えて」

 

華さんの言葉にそう答えてから、通話を切った。

 

優心(あとは、家に帰ったら千花が言っていた警備系の事を愛に頼むか……)

と、華さんとの電話をした後に、そんな事を考えながら家へと帰った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~弦巻家・優心の部屋~

 

 

俺が家に着くと、先に愛が帰っていたから、俺は"話がある"と愛に伝えて部屋に来てもらった。

 

愛「話って何?」

 

優心「単刀直入に聞くけど、愛は四宮本邸の警備システムとかどうにか出来る?」

 

愛「え?……まぁ基本的に、四宮家別邸で使用人をしてたけど本邸にいる事もあったから、四宮家の警備システムを一瞬ぐらいは誤作動させるとか出来るよ」

 

愛の言葉を聞いて、まず一安心した。こっちが警備システムに干渉出来るのが確定したから、上手くかぐやさんを外に出す事が出来る。

 

そう考えてると、愛が"ねぇ"と声を掛けてきた。

 

愛「なんでそんな事を聞くの?」

と、至極真っ当な質問を愛がしてきた。

 

その質問に俺は、放課後に千花と話をした内容を伝えた。

 

千花が、かぐやさんを助ける為に四宮家の情報を集めようとしている事を教えた。

 

それに加え、情報を集めた後に生徒会メンバーでかぐやさんを助ける際に、外に連れ出す時に四宮家に警備システムがあったら助ける事が難しいという事を伝えた。

 

愛「だから、さっき優心くんが四宮家の使用人だった私に、警備システムの事を聞いたって事なんだね」

 

優心「そういうこと。それで、すぐにって訳じゃないけどかぐやさんを救出する時に四宮本邸近くまで行って貰う事になると思うけど、大丈夫?」

 

愛「大丈夫。友達を……かぐやを助ける為だからね」

 

愛の言葉に、俺は頷いて"その時はお願い"と伝えて、愛は"分かった"と返事をしてくれた。

 

優心「千花に、警備システムの件を解決したって伝えるんだけど、愛がなんとか出来るって言うけどいい?」

 

愛「別にいいけど、どうしたの?」

 

優心「いや……千花の事だから、なんで愛が四宮家の警備システムをどうにか出来るのかを、質問責めしてくると思うんだ」

 

愛「あ~、そういう事ね。変に隠すと話が進まなくなるから、私が四宮の使用人だった事とかを話した方がいいって感じ?」

 

俺が頷くと、愛は静かになって考え始めた。

 

少しして愛が口を開いた。

 

愛「……書記ちゃんに話すよ。確かに色々と質問責めされると思うから」

 

優心「じゃあ、明日の放課後にでもいい?」

 

愛「うん、明日の放課後でいいよ」

 

優心「分かった。千花にメッセージ送っとくよ」

と、愛に言ってメッセージを送る為にスマホを操作をしていると、"あ、そうだ"と愛が呟いた。

 

愛「優心くん。今日の帰り、視線感じた?」

 

優心「感じたよ。その言い方は、愛もだよね?」

 

愛「すばる達と別れたあと、一人で家に帰ってる時に視線を感じて、しかも後を付けられてる感じだったね」

 

優心「そっか。……一応、その時に華さんが調査会社の人間って事を教えてもらったよ。詳しい事は、調べてから教えるってさ」

 

愛「やっぱりそうなんだね。皐も同じことを言ってたよ。華さん達と情報共有をして詳しい事は後でって事をね」

 

優心「対処とかは、俺が後で華さん達と話をしとく。それで、話がまとまったら教えるよ」

 

愛「うん、よろしくね」

 

愛からしてきた話は、帰りに感じた視線についてだったから、お互いに少し話をして話し終えた後は、愛は自分の部屋に戻っていった。

 

愛が居なくなってから少しした時にノックされた。

 

返事をすると、華さんが入ってきた。

 

黒服(華)「優心様、調査会社の件で報告です」

 

優心「どうだった?」

 

黒服(華)「四宮黄光が差し向けた人間でした」

 

華さんの報告で、あの探偵の依頼主は黄光だという事を教えてくれた。

 

優心「だとすると、下手に対処しない方がいいね」

 

黒服(華)「と言うと?」

 

優心「対処してたら警戒でもされたら、こっちの作戦に影響が出るかもしれない。それに別の差し向けた人間が容赦せずに手を出してくるかもしれない」

 

黒服(華)「確かにその可能性が高いので、否定は出来ないですね」

 

優心「……一応確認だけど、俺や愛達には手を出してくる事はないよね?」

 

黒服(華)「そうですね。黄光の部下などであれば手を出すでしょうが、調査会社は外部で尚且つ優心様達の調査のみの依頼だそうなので、手を出してくる事はないですよ」

 

華さんの言葉を聞いた俺は、"分かった"と呟いてから、華さんに指示を出しといた。

 

優心「じゃあ、その調査の人間はそのままにして、俺らの調査以外で変な動きをしない様に監視をお願い。他の黒服さんとの情報共有もするように」

 

黒服(華)「分かりました」

 

優心「あ、それとお父様には、もう報告はしてるよね?」

 

黒服(華)「それは勿論です。旦那様も優心様と同じ事を仰ってましたよ」

 

優心「そうなんだ。じゃあ愛には俺から話しとくよ。それと、他の黒服さんに石上とミコと千花達三人の護衛をさせといて」

 

黒服(華)「分かりました。護衛については、班長と話をして三人にすぐ護衛をつけさせておきます」

 

優心「よろしく」

と言うと、華さんは頷いてから部屋を出た。

 

華さんが部屋を出たのを確認してから、俺も自室を出て愛の部屋に向かった。

 

部屋には、愛が居てくれてたから、華さんから聞いた報告を愛に教えた。

 

調査会社の人間には、特に対処せずにいる事を愛は承諾してくれたから、話を終えた。

 

話を終えると同時に、こころが帰ってきたから、晩ごはんの時間まで話をして過ごした。

 

 

そうして一日が終わった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~翌日~

 

 

翌日になり、学校に着くと会長に声をかけられた。そして、会長が屋上へ向かって歩き始めたから、俺は着いていった。

 

 

屋上に着くと、会長が口を開いた。

 

会長「弦巻。昨日の放課後……誰かにつけられたか?」

 

優心「あ、うん。視線を感じたよ。それで、華……黒服さんが調査会社の人間が付いてきているって事を教えてもらったよ」

 

会長「やっぱりそうなのか」

 

優心「その言い方で聞いてくるって事は、会長も調査会社の人間につけられていた感じだね」

 

会長「あぁ。昨日、家に帰った後に護衛をしてくれている四宮の黒服に教えてもらった。あと石上達……生徒会メンバー達の調査をしてた事も聞いた」

 

会長から話を聞くと、調査会社の人間の事を言われた。昨日、華さんが言った通り会長にも調査をしていたみたいだ。

 

会長「弦巻は、調査会社の人間に対処するのか?」

 

優心「いや、何もしない方がいいと思って、黒服さんに調査会社の人間達を監視をお願いしたよ。今の人間は、あくまでも調査だけだから、手を出す事はないから」

 

会長「対処しないままにするのか?」

 

優心「うん。調査会社の依頼者は、四宮黄光らしいよ。だから、今の調査会社を対処したとして、次に差し向ける人間に手を出すように指示するかもしれないからね」

 

会長「……なるほど。確かにかぐやと雲鷹から聞いた長男の情報とかで考えると、下手な事はしない方がいいのは確かだな」

 

優心「そういうこと。……と言っても、絶対じゃないから、ミコと石上と千花の三人に、うちの黒服さんに護衛をするようにお願いした」

 

会長「三人には伝えるのか?……いや、伝えると余計に不安になるな……」

 

優心「うん。だから三人には伝えるつもりはないよ。黒服さんに監視お願いしてるから、余程な事は起きないと思う」

 

俺がそう言うと、会長は"分かった"と言って話を終えた。

 

すると、ちょうど予鈴がなったので教室へと戻った。

 

 





次回の話も今回のように投稿期間があくかもしれませんが、頑張って投稿しようと思います。
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