弦巻こころの兄が秀知院学園に通って過ごす話(完結) 作:春はる
前回の続きで、黒服の華についての触れている話です。
この一話で華の話がまとまっています。
では、本編をどうぞ。
~優心視点~
俺は華さんの話を始めた。
優心「まず、華さんと初めて出会った時の事なんだけど、愛には俺が熱を出した時に言った夢の話の時なんだ」
愛「あ、小さい頃に家族全員で山の麓にある別荘に行ったって話?」
会長「そうなのか?」
優心「うん。その時は、俺が6歳でこころが5歳だった。それで、その帰り道に弦巻家の塀の所を服とかがボロボロになりながら歩いてたんだ」
愛「は、華さん、そうなんですか……?」
愛の問いかけに、華さんは頷いて自分から話を始めた。
まず、華さんのフルネームは井島華で、実家は料理屋。
その料理屋は、料理の味も見た目も評判もよく、専門店にも引けを取らないぐらい美味しいお菓子も充実しているお店。
両親は幼馴染みで二人とも料理もお菓子も凄く作るのが上手い人だった。そして俺と同い年の弟も居た。
そんな家族で過ごしていたある日のこと。
黒服(華)「私が高校から帰ってる時に、いわば誘拐されてしまったんです」
会長「……それが青龍派閥の人間だった?」
黒服(華)「そうです。連れて行かれた場所であのクソ人間がいたんです。……それで襲われそうになったんですけど、なんとか抵抗して逃げ出したって訳です」
石上「それで逃げ出した先が、ちょうど弦巻家だった」
黒服(華)「そうです。だから、優心様達があの時に家に帰ってきて無かったらどうなってたかって事ですね」
愛「確かに……」
黒服(華)「助けてもらってから、両親と弟達の事を話して確認してもらったら、実家でもあるお店が無くなって家族全員が事故死に見せかけた状態で殺されてました」
かぐや「……それはあの青龍がやったって事ですか?」
黒服(華)「そうですよ。私が抵抗して逃げて私を探している傍らで、まず両親に金で黙らせようと両親に金を渡そうとした。しかし両親は頑なに断り、警察に被害届を出すことをしていた」
優心「それを聞いた青龍は一旦引き下がったけど、ご両親が警察署に行く最中で衝突事故、弟さんは家の火事が原因で死亡した」
俺と華さんの説明に皆は口が塞がらない状態になっていた。
優心「まぁ、当然お父様達が被害届を出したりと行動してたけど、警察や検察の人間の一部が勝手に四宮家に忖度して青龍は不起訴になったし、青龍は金で出版やらの方面に金で黙らせてたよ」
かぐや「それは四宮家が介入してたんですか?」
優心「ううん。青龍が一人で全て金で黙らせてたらしい。家自体や雁庵さん、黄光と雲鷹さんは介入はしてない。つまりは、警察検察一部の勝手な忖度と青龍が金で黙らせたという事だよ」
俺の言葉に、皆は許せない感じになっていた。
優心「さっき言った事は、うちで調査済みだから全て事実だよ」
かぐや「事実ですか……。あの、弦巻くん。その時にお父様は何かしなかったんですか?」
優心「……雁庵さんが警察と検察に言ったらしいけど、"四宮家が今さら何を言っているの?"みたいな感じで、動いてくれなかったそうだよ。今までの四宮家のやり方のせいで結果は変わらなかったってさ」
かぐや「……そうですか……」
と、かぐやさんが一言呟くと生徒会室は静かになったが、華さんが口を開いた。
黒服(華)「そこから当然ですけど、私は荒れに荒れまくってましたし、泣いてましたね。けど、優心様とこころ様が変に同情しないで普段通りに笑顔にしてくれようとしてくれました」
かぐや「前に、公園で弦巻くんの性格と笑顔に救われたって言ってたのは、その事だったんですね」
黒服(華)「はい。それに、こころ様の"泣きたい時はいっぱい泣いて"と言われました」
かぐや「そうなんですね」
黒服(華)「えぇ。それに何より優心様が、"華ちゃんが今いっぱい泣いて悲しんだ分、絶対に笑顔になれて幸せになれる"って言ってくれた時は嬉しかったですね」
華さんが皆に確かに俺が言った言葉を皆に言ったから、俺は驚いた。
優心「皆にそれを言わないでよ!恥ずかしいよ!てか、覚えてたの!?」
黒服(華)「覚えてるに決まってるじゃないですか。その後にも色々と笑顔にしようと行動してくれたり、弟がいるのを知った途端に"お姉様"って呼んできたり……」
優心「もうダメ!言っちゃダメ!」
と、俺は咄嗟にそう言いながらソファーから立ち上がって口を塞ごうとしたら、華さんは俺が立ち上がる前に俺の所に来て俺の動きを止めて頭を撫でてきた。
黒服(華)「……あの時は、本当に優心様には助けてもらえたんですよ。これだけはどんな事があっても変わりません。だからこそ私がどんな事になっても優心様を支えるつもりですよ」
優心「……そんな死ぬような事は絶対に言わないって、約束したよね。俺は弦巻家の使用人は全員家族だって思ってるから、そんな事を言うのは絶対に許さない」
黒服(華)「ふふ、ごめんなさい」
と言いながら、華さんはずっと頭を撫でてくれた。
優心「~~♪♪」
しばらく頭を撫でてもらってると、皆がいる事を思い出して華さんから離れて皆を見た。
皆はニヤニヤとして見てたから、俺は凄く恥ずかしくなった。
優心「もう華さんの話は終わり!俺はもう帰るよ!」
愛「あ、待って。私も一緒に帰るよ。華さん、車の用意は出来てます?」
黒服(華)「恐らくは。……どうです?」
黒服(皐)「準備万端です」
華さんと皐の言葉を聞いた俺は、すぐに鞄を取りに教室へと向かった。
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~愛視点~
優心くんの護衛をしている華さんの事を色々と聞いて、口が塞がらなかった。
だって、あの青龍が華さんだけじゃなくて家族にまで手を出していたから……。
すると、かぐやが声をかけて少し話をした後に、華さんが優心くんを見ながら話してきた。
黒服(華)「えぇ。それに何より優心様が、"今いっぱい華ちゃんが泣いて悲しんだ分、絶対に笑顔になれて幸せになれる"って言ってくれた時は嬉しかったですね」
華さんがそう言うと、優心くんが恥ずかしそうにしてたけど、その後も優心くんが恥ずかしそうにしているのを気にせずに話し続けていた。
でも、優心くんは流石に恥ずかしさが限界にきたのか、華さんの口を塞ごうとした。
けど、華さんは優心くんが口を塞ぎに来る前に、優心くんをうまく動きを止めて頭を撫で始めた。
この時に二人で話をしていて、優心くんは母親の心美さんよりも華さんに撫でられてる方が嬉しそうにしていた。
愛(初めて見た。こんな状態の優心くんを……)
と思ってると、かぐやたちに声をかけられて質問されたから答えながら優心くんを見ていた。
少しして、優心くんは"ハッ!"ってなる感じで私達の方を見てきた。どうやら私たちがいるのを忘れてて、今さっき思い出した感じの様子だった。
私達に見られてた事に恥ずかしくなった優心くんは"帰る"と言ったから、私も帰ることにした。
華さんに車の準備が出来ているか聞くと、皐に確認してて皐が準備が出来ている事を教えてくれた。
すると優心くんは一足先に教室に荷物を取りに行っちゃったから、私も急いであとを追いかけた。
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その後、優心くんは車の中でも恥ずかしそうにしていたけど、家に着く頃には落ち着いていた。
そして晩御飯を食べ終わり優心くんが自室に戻った後に、私はメイドや執事や黒服の人達に優心くんと華さんの仲の良さを聞いてみた。
聞いてみると、小さい頃は今日の生徒会室での出来事みたいに頭を撫でられるのは何度かあったそうだ。
優心くんとこころの二人が小さい頃から、両親は仕事でいない事が多かった。
それで、こころはちょくちょく黒服の人達にお願いを言ったりしてたけど、優心くんはどっちかと言うと我慢をする方だった。
華さんが自分から優心くんの護衛を希望したのも相まって、心美さんが華さんに優心くんの事を構ってあげてってお願いをしていたと聞いた。
だから華さんは護衛の黒服としてもプライベートとしても長くいる時間があった為に、あんな感じの仲の良さだったりがあったそうだ。
愛(まぁ、姉弟の様に育った……私とかぐやみたいな感じかも)
そう結論つけた私は自分の部屋に戻りベッドに入ろうとした時に、部屋のドアをノックされた。
返事をすると、優心くんが部屋に入ってきた。
話を聞くと、明日の休みにポピパが主催ライブするという事と、優心くんにも見にきてほしいと沙綾から連絡が来たそうだ。
それで、優心くんは私も一緒に見に行きたいと思って声をかけてきたと教えてくれた。
愛「そのライブって、ポピパ以外だと誰が出るの?」
優心「えっと、ロゼリアとハロハピとアフターグロウとパスバレだよ」
愛「凄く楽しそうじゃん。私も見に行くよ!」
優心「じゃあ、沙綾にチケット二枚を取り置きのお願いしとくよ」
愛「うん、よろしく。……あ、ライブハウスはどこなの?」
優心「ギャラクシーだよ。ますきの実家の所だよ」
愛「分かった」
と返事をすると優心くんは部屋から出たから、私は部屋の電気を消した。
ベッドに入って、"楽しみだな"って思いながら眠りについた。
こうして一日を終えた。
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~かぐや視点~
弦巻くんの護衛をしている黒服の華さんの話を聞いた。
私と会長が二人で話している傍らで、黒服の華さんが感情剥き出しで青龍に憎悪を向けていた事を、車の中で愛さんから教えてもらった。
そして今日の放課後で詳しい事を教えてもらったが、驚くと怒りの感情しか出てこなかった。
うちの人間が汚い事をしているのは承知していたが、弦巻家の人間にまで被害が出てたとは思わなかった。
そんな感情を抱きながら話を聞いていた時に、華さんが弦巻くんから言われて嬉しかった言葉を私達に言ってきた辺りで雰囲気が変わった。
弦巻くんが凄く恥ずかしがり最終的に頭を撫でられると、私達の事を忘れた感じでそのまま二人で会話を始めた。
かぐや「愛さん。弦巻くんは家でも、ああいった感じなんですか?」
愛「ううん。あんな感じの優心くんは、初めて見たよ。母親の心美さんよりも嬉しそうにしてる……」
石上「……でも、微笑ましい感じですね。姉弟みたいな感じで……」
愛「そうだね」
少し話をしていると、弦巻くんが思い出した感じで私達を見てきた。
そして私達に見られていたと分かると、華さんに言われていた事よりも恥ずかしくなった様で、愛さんと家に帰ってしまった。
その様子に、生徒会室に残ってる皆は呆気に取られてしまっていたが、会長が口を開いた。
会長「……でも、あれだな。弦巻の黒服の事が分かったし、弦巻の意外な一面を見られたから良かったって感じだな」
ミコ「そうですね」
石上「でも、主人と使用人ってあそこまで仲が良くなることってあるんですかね?……四宮先輩どうなんですか?」
石上くんが、主人と使用人の関係について聞いてきた。
かぐや「そういうのは、ほとんど無いと思いますよ。四宮家と四条家は異常な所がありますが、それを無しにしても他の富豪名家でも、あの二人程の関係はない筈です」
会長「四宮と早坂は?」
かぐや「私と愛さんは、姉妹の様に育ちましたし仲は良い方だと思いますが、弦巻くんの方と比べると全然だと思います。それに、弦巻くんは使用人は家族と言ってました。その時点で違いすぎますよ」
私がそう言うと、皆は"はぁ……"と言った感じになっていた。
かぐや「……今日は、そろそろ帰りましょうか。時間も最終下校時間に近づいてきてますしね」
会長「……本当だな。じゃあ今日は解散だ。今日は金曜だし、また来週だ」
会長の一言で皆は生徒会室から出ていった。
私も帰りの準備をして家へ帰った。
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~優心視点~
生徒会室で華さんの事を話して、家へ帰った。
晩御飯を食べて部屋でゆっくりしていると、スマホから着信音が鳴ったから、画面を見ると沙綾からの電話だった。
電話に出て用件を聞くと、明日の休みに主催ライブをギャラクシーでやる事を教えてくれた。
おたえがサポートギターの件もチュチュ達となんとか話がまとまって復活したポピパを見てほしいと、沙綾と他のポピパの皆が思ったらしく、俺に連絡したと教えてくれた。
他の出演するバンドは、ロゼリアとハロハピとアフターグロウとパスパレだそうだ。
優心(こころ、ポピパの主催ライブの事は言ってなかったけどな。……かぐやさんの件であまりこころに構ってあげられなかったし、教えてくれるタイミングが無かっただけかも)
沙綾『優心先輩?……それで、来てくれますか?』
優心「あ、うん、行くよ。けど、愛にもちょっと声をかけて良い?行くなら愛と一緒に行きたいから、愛も行くかどうか確認取ってくる。また、あとでかけ直すよ」
沙綾『分かりました』
電話を切った俺は、"愛も行きたいって言うだろうな"と思いながら、愛の部屋に行きポピパの主催ライブの事を話した。
話をすると、やはり行きたいと言ったので、ライブハウスの場所とかを伝えてから部屋から出て自室に戻った。
自室に戻った後に沙綾に連絡をして、チケットを二枚取り置きしてもらった。
通話を切ったあと、俺はベッドに入り寝ることにした。
こうして、濃い一日が終わった。
今回で、華さんの話は終了になります。
次回以降は、かぐや様側の方とバンドリ側(アニメ&ガルパ)の両作品にある日常系エピソードなどを、メインに書いていきます。
そして、ひとまず次回の第79話に関しては、バンドリアニメ二期最終回の、ポピパがやる主催ライブを優心と愛が見に行く話を書いて投稿します。
そうは言っても、書くとしたらライブ前やライブ終わりでの会話メインで、ライブシーンなどはカットすると思うので、あまり期待しないで待っててください。
それに加え、投稿まで時間が掛かってしばらく待ってもらうかと思いますが、待ってくれたら嬉しいです。