偉大なる蛇をその身に宿して   作:ぬべし@助動詞

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第八話 USJ襲撃事件─慴─

 

 

 

 先程まで戦いの繰り広げられていた広場では、オールマイトと3人のヴィランが相対していた。今にもぶつかり合わんとする程の雰囲気に、多くの生徒達が固唾を飲み、それを見守っていた。

 

 そんな状況でオールマイトは自身への不甲斐なさに、酷くキレていた。

 

「…全く己に腹が立つ。子供達がどれだけ怖かったか!後輩達がどれだけ頑張ったか!」

 

「助けるついでに殴られた…。フッ、国家公認の暴力だぁ」

 

 いつものヒーローとしての笑顔を浮かべる事なくヴィランへと向かっていくオールマイト。そんな彼とは違い死柄木は酷く楽しそうに、ニヤニヤとその不気味な笑みを浮かべて何事かを呟いていた。

 

「流石に速いや。目で追えない…。けれど、思った程じゃない。………やはり本当の話だったのかなぁ?弱ってるって話」

 

 先に動いたのはオールマイトの方であった。

 

 地面を蹴り、一気に加速したオールマイトはそのスピードと自身のパワーを乗せたクロスチョップを放つ。

 

CAROLINA SMASH(カロライナスマッシュ)!!」

 

 しかし、その攻撃は死柄木の指示によって壁になった脳無に完璧に防がれてしまう。続け様に放たれたオールマイトの打撃も全て防がれ、ダメージになっている様子はない。

 

「マジで全然効いてないなぁ!…なら──」

 

 そう言ってオールマイトは脳無の顔面へと打撃を打ち込むが、やはり効かない。

 

 一度後ろに下がりつつ距離を空けるオールマイトへと、今度は脳無が突っ込んでくる。しかし、距離を詰めて来た脳無へと自身から近づいて、懐へと潜り込んだオールマイトは両拳の連打を繰り出す。

 

「攻撃が効かないのはショック吸収だからさ。脳無にダメージを与えたいなら、ゆっくりと肉を抉り取るとかが効果的だねぇ。それをさせてくれるかは別として!」

 

 攻撃が効いている様子のない脳無をひたすら殴り続けるオールマイトを眺めながら、まるで自身の玩具を自慢でもするかの様に、脳無の能力をぺらぺらと喋り出す死柄木。

 

「わざわざサンキュー!そういう事なら、やりやすいッ!」

 

 それを聞いたオールマイトは脳無の背後へまわると、バックドロップを行う。自身よりも大きな脳無の肉体を抱えると、ブリッジの要領で後ろへと倒れながら脳無を地面へと叩きつける。

 

 大きな爆発音に似た音と共に、地面へと叩きつけた事による衝撃で砂が舞って広場一帯の視界が悪くなり中の様子が伺えなくなる。

 

 それを見ていた入り口付近の生徒達から歓声が上がる。オールマイトが来たのだから自分達は助かる、そう言わんばかりに希望を宿したその瞳でオールマイトが戦っている広場を見つめていた。

 

 

 

 しかし、緑谷だけがその場を不安そうに眺めていた。

 

「なんでバックドロップで爆発みたいになるんだろうなぁ…。やっぱ、ダンチだぜオールマイト!!」

 

「授業はカンペ見ながらの新米さんなのに」

 

 峰田と蛙吹の発言を聞きながら、緑谷は自身の中の不安を忘れ去るかの様に自分に言い聞かせる。

 

(殺す算段があるのかもしれない。それでも今、僕らは何を出来るでもないんだ!……むしろそうだ、人質にとられでもしたら足手纏い以下!ヴィランへの憶測よりオールマイトを信じるんだ)

 

 心の中でそう呟きながら、自身の胸の奥から湧き上がる不安を必死に抑える。大丈夫なのだと。自身の師であり、憧れでもある彼を信じるのだ、と必死に言い聞かせる。

 

「そんなクソヴィランなんかボッコボコにしちまえ!!」

 

「やれぇ!金的を狙えぇ!」

 

「みなさん!彼方の様子が気になるのは分かりますが、今は怪我人を運ぶのが先決ですわ!巻き込まれない様に周りへの注意は怠らずに!」

 

 野次の様な声援を飛ばす、上鳴と峰田を注意すると同時に警戒を忘れないように伝える八百万にその場にいた全員が真剣な顔付きに戻る。いくらオールマイトが来たと言っても、未だに襲撃犯達は健在なのである。油断は禁物なのだ。

 

 そんな周りとは違い、緑谷は未だに思考の海の中を彷徨っていた。

 

 緑谷は毎日、通学中にリアルタイムのヒーローニュースを見ているために知っていた、と言うよりも気づいていたのだ。オールマイトが既に活動限界まで個性を使い過ぎてしまっているという事を。

 

 そして彼はごく僅かな人間のみしか知らない、オールマイトの秘密を本人から聞いていた。オールマイトが傷によって活動限界が1日に約3時間程しか無いという事を。

 

(僕だけが知っている。オールマイトの秘密と、そしてピンチを……)

 

 

 

 煙が晴れる。そして現れたオールマイトの姿を見て誰もが言葉を失った。

 

 先程まで気配を消して潜んでいた黒霧によって、脳無の地面に突き刺さっている筈の上半身がオールマイトの足元から現れており、脳無のその左手はオールマイトの傷のあった脇腹に爪を立てていた。

 

「そ、そーいう感じか…」

 

 古傷を抉られ、ブリッジの体勢から動けなくなったオールマイトは脇腹の痛みに苦悶の表情と冷や汗を浮かべていた。彼は戦いが始まってから影を薄くして潜んでいた黒霧に気付けなかった。その原因は己への怒りによる視野狭窄か、はたまた……。

 

「コンクリに深く突き立てて、動きを封じるつもりだったのか?…それじゃ、封じれないぜ?脳無はお前程のパワーになってるんだから」

 

 オールマイトに訪れた絶体絶命の危機的状況。死柄木はそんな状況が酷く楽しくて仕方なかった。殺すべき対象のオールマイト、そんな彼をいとも容易く追い詰める事が出来たのだ。

 

 それだけで彼はこれまでに感じていた苛立ちを全て水に流してしまう程の愉快さに内心したり顔であった。

 

「いいねぇ、黒霧。期せずしてチャンス到来だ!」

 

 その声を聞いた黒霧はゲートを広げると、オールマイトをどんどんと中へと引き摺り込んで行く。逃れようと抵抗するオールマイトだが、傷を抉られ痛みで上手く力を出せず、さらに脳無にしっかりと抑え込まれてしまい、万事休すといった状況であった。

 

 死柄木達の作戦は言葉にすれば酷く単純で、オールマイト程のパワーと、ショック吸収を待つ脳無が抑え、その隙に霧の中で半端に留まった彼の身体をワープを閉じて引きちぎるという物であった。

 

 どんどんと沈んでいくオールマイト。このままでは──

 

 

 

 ──死んでしまう!

 

 そんな事実に思い至ってしまった緑谷。オールマイトの秘密をしり、彼のオタクであり後継者である彼だからこそ、気づいてしまった。

 

「蛙吹さん、担架持つの変わってもらっても良い?」

 

「ケロ?良いけど、なんで?」

 

 蛙吹の了承を得た緑谷は疑問に答える事はなく、広場へと近づいていく。

 

(嫌だ!嫌だよ、オールマイト!貴方に教えて貰いたい事が、まだたくさんあるんだ!)

 

 心の中で叫びながら走り出す。緑谷の頭の中で、約10ヶ月間のオールマイトと過ごした過酷なトレーニングの日々と、自身の人生が大きく変化した〝あの日〟の出来事が流れる。

 

 突然の行動にその場に居た全員が驚き、固まってしまう。

 

「ちょっと緑谷!?アンタどこ行くの!?」

 

「うぁぁぁぁ!!」

 

 叫びを上げて自身を鼓舞する。自分がオールマイトを助けるのだ!、という気持ちでオールマイトの元へと突っ込んで行く。

 

 しかし、現実とは常に残酷で甘くは無い。

 

 あと少しでこの手が届く。そう思った瞬間、黒霧が目の前に現れる。

 

 全力で走っていたため、躱す事は不可能。ここで終わってしまうのか、そうしてワープゲートの中へと全身が入る直前で、目前が爆ぜた。

 

「邪魔だ、デクゥ!!!」

 

 爆豪が黒霧を爆破し、その本体である鉄の鎧の様な物を掴んで地面に叩き付ける。

 

 また、オールマイトを抑えていた脳無は轟の氷結によって右半身を凍らされ、動きを封じられる。

 

「テメェらがオールマイト殺しを実行する役とだけ聞いた」

 

 脳無が凍らされた事により、力が弱まり抜け出す事に成功するオールマイト。ぎりぎりの所で、生徒達の応援が駆けつけたお陰で、九死に一生を得たオールマイトであった。

 

 脳無は凍らされ、黒霧は本体ごと抑えられて動けない。周りには優秀な雄英の生徒に、No.1ヒーローのオールマイト。完全に包囲されてしまった死柄木であった。

 

 

────────────────────

 

 

 そんな広場を眺めて、爆豪達が駆けつけた事により一安心だと、一息ついた蛙吹達は怪我人を運ぶため、入り口へと急ぐ。

 

 そんな怪我人2人を運ぶ4人に、入り口の近くにいた麗日達が気づく。

 

「おーい!梅雨ちゃーん!」

 

 そんな麗日の呼び掛けに気付いた4人は其方へと視線を向け、助けを求める。

 

「おーい!相澤先生と伏黒運ぶの手伝ってくれぇー!」

 

 それを聞いて、運ばれている傷だらけの2人が誰なのかに気づき、驚く。

 

 プロヒーローである、相澤先生と、クラスでも上位の強さを誇る伏黒がここまでボロボロになっているのである。それはつまり、相手にそれ以上の存在が居る事を意味している。

 

 自身達を襲って来たヴィラン達がどれ程の存在であったのかを改めて思い知らされるのであった。

 

「あれって……、相澤先生に伏黒くん!?」

 

「待っててくれ!今手伝いに行くー!」

 

 そう言って駆け出す砂糖と、それについて行く麗日達。怪我人の避難が一応完了するのであった。

 

 

────────────────────

 

 

「黒霧を、出入り口を抑えられた…。こりゃあピンチだなぁ?」

 

 そんな死柄木を尻目に爆豪は黒霧の首元を掴んで抑えながら、逃がすまいとヒーローらしからぬ脅しをかける。

 

「怪しい動きをしたと俺が判断したら、すぐに爆破する!」

 

 黒霧は実体部分である胴体を抑え込まれ、少しでも怪しい動きをすれば即その場で爆破によって、気絶させられるだろう。また、脳無もその右半身を轟に凍らされ、オールマイトも自由になってしまっている。

 

 今度は死柄木自身が追い込まれる事となった。しかし、特段焦った様子もなく、現状を語りながらも、手で隠されたその顔は未だに不敵な笑みを浮かべていた。

 

「攻略された上に全員ほぼ無傷。凄いなぁ最近の子供達は。恥ずかしくなってくるぜ!ヴィラン連合」

 

……やれ、脳無。

 

 死柄木が凍って動けない筈の脳無へと指示を出す。それだけで脳無はワープゲートから無理矢理上半身を出すと、その凍った右足を使って無理に立とうと動き出す。

 

 それを見ながら緑谷は、先の伏黒との戦いを思い出していた。

 

(………死柄木の指示で無理に動けるという事なんだろうが、何で無駄に使い潰す様な指示を出したんだ?何か、回復系の個性で、も…………)

 

「…そうだ、あの時!……オールマイト!あの脳無って奴、傷を再生する個性を持ってる!!」

 

「緑谷少年、本当かそれは!?」

 

 オールマイトからの言葉に慌てつつも、先程の伏黒と脳無との戦いであった事を説明していく。

 

「は、はい!さっき伏黒くんが脳無と戦ってた時、彼はショック吸収対策として、剣を使って攻撃してました。……でも、彼が切り落とした筈の足が何故か元に戻ってたんです!!」

 

 緑谷のその発言を肯定するかの様に、脳無の凍った右半身が崩れ、その断面から肉と骨が生え、肉体が元に戻っていく。そんなグロテスクな脳無を見て微かに、驚愕を露わにする轟達。

 

「奴の個性はショック吸収だけじゃなく、複数存在するという事か……」

 

「さっきの伏黒とかいうガキのせいでバレちゃったよ……。まあいっか。…そこの地味野郎の正解だよ!コイツはショック吸収だけじゃなく、もう一つ〝超再生〟って個性も持ってる」

 

 その言葉に全員が驚く。それも無理の無い事で、この世界において個性とは基本的に1人1つという特別な物だ。無個性やワン・フォー・オール、複合型個性などの特殊な物を除き、基本的には1つだ。それが、この脳無は2つも持っているのだ。普通の人間はまず驚くだろう。

 

「脳無はお前の100%にも耐えられる様に改造された超高性能サンドバッグ人間さ!!………まずは出入り口の奪還だ。行け、脳無」

 

 地面を蹴り加速する脳無。その圧倒的な速度で黒霧を抑えていた爆豪へと突っ込んでいく。

 

 そんな状況に爆豪は呆気に取られた。見えないのだ、脳無の速度が速すぎているのだ。反射神経の高さでいえば、クラスの中でもトップ3に入る程の爆豪ですら、その速さに目が追いつかない。何が起こっているのかすらも分からなかった。

 

 大きな爆発音がした後、其方へと意識を向ける爆豪。何かがおかしい。先程まで爆発音のした位置に自身は居た筈なのだ。それが一瞬で違う場所に座っていた。

 

 では、あの脳無の攻撃を食らったのは誰だ?誰が俺を庇った?俺が庇われた?

 

 そんな思考がぐるぐると爆豪の脳内を巡っていた。

 

「加減を知らんのか……」

 

 煙が晴れた先に居たのは、腕をクロスして脳無の攻撃を防いだオールマイトであった。

 

「仲間を助けるためさ。仕方ないだろ?さっきだって彼処の地味な奴が俺に殴りかかろうとしたぜ?他がために振るう暴力は美談になるんだ。そうだろ?ヒーロー!」

 

 そう前置きをしてから滅茶苦茶な思想を語り出した死柄木。だが、その思想がただの嘘でしか無いのだとオールマイトにすぐに気づかれる。

 

 そんな悪を一刻も早く生徒達の前から退かすためにも平和の象徴(オールマイト)は立ち上がる。生徒達を危険から遠ざけるため、離れるように言うオールマイトだが、それは轟に断られてしまう。

 

 さらに、緑谷に制限時間すらも心配されてしまう。だが、ここはプロの現場であり、オールマイトはそんなプロの中でもトップに立つ男なのだ。

 

「プロの本気という物をそこで見ていなさい!」

 

(緑谷少年の言う通り、時間は残り1分と無い。力の衰えは思ったよりも早い!しかし、やらねばならない!………何故なら私は平和の象徴なのだから!!!)

 

「脳無、黒霧、やれ。俺はガキ共を抑える。………さあ!クリアして帰ろう!」

 

 USJ中央の広場でぶつかり合う平和の象徴(オールマイト)対平和の象徴(脳無)

 

 まずは1発、オールマイトが脳無の腹へと1発打ち込む。それに続いて高速のラッシュが始まる。互いの拳の速度はどちらもほぼ同じ。しかし、相手へのダメージは一緒では無い。オールマイトの方には少しずつダメージが蓄積されていく。

 

 その戦いの余波はとても多大な物で、その戦いを見ていた死柄木や黒霧が、生徒達に近づく事も出来ず立っている事すらキツい程の物であった。

 

 オールマイトはただ全力で脳無を殴っていた。1発だろうと、2発だろうと、100発だろうと、全てのパンチが全力であった。そのオールマイトのラッシュを見ていた緑谷は気づいた、全てが自身では1発が限度である100%以上の打撃であるのだと。

 

「おいおい、ショック吸収って、さっき自分で言ってたじゃんか」

 

「そうだな!だが──」

 

 そう言ってなおも高速の殴り合いは続く。

 

 伏黒と脳無の戦闘が霞んでしまう程の高速戦闘。それに誰もが目を奪われる。ある者は自身が目指したNo. 1という物の遠さを痛感させられ、またある者は、自身が目指すプロの本気の凄さに圧倒され、またある者は、自身が憧れた存在の戦う姿に余りにも遠いその背中に、さらに憧れて、各々が思いを抱いてその戦いを見ていた。

 

「──君の個性がショック無効では無く、吸収ならば!限度があるんじゃないか?!………私の100%に耐えるのならば、それ以上の力で捩じ伏せるだけだぁ!!」

 

 そう言って脳無を殴り飛ばすオールマイト。此処で初めて脳無が相手の攻撃のショックを吸収しきれずにその打撃で空中へと吹き飛ばされる。そんな脳無へと、地面を蹴り、跳んだオールマイトはある言葉を投げ掛ける。

 

「なあ、ヴィランよ。君はこんな言葉を知っているか!!」

 

 空中へと投げ出された脳無の腕を掴み、空宙で回転しながら投げ飛ばす。その後を追う様にまるで宙にある足場を蹴るように上空を蹴り、その衝撃波で加速して地面へと着地を果たす。

 

 脳無は再生が追いつかず、ショック吸収すらも意味を為さない攻撃の嵐にさらされ、ボロボロであった。そんな状態で地面へと叩きつけられ、完全に無防備な隙を相手へと晒してしまう。

 

──ヒーローとはピンチに陥いる事の多いものだ。常に死と隣り合わせの仕事である。それでも市民の平和のため、その度にピンチを乗り越え、ねじ伏せ、粉々に破壊して、何事も無いかのような笑顔で悪を倒さなくてはならない。そうやって進歩し続ける事でしかヒーローという職業は続けられない。

 

「……さらに向こうへ!Puls Ultra(プルスウルトラ)!!!」

 

 オールマイトの渾身の一撃によって、USJの天井を突き破って吹き飛んでいく脳無。平和の象徴対策としての駒が倒されてしまった。これによってヴィラン側の勝機はほとんど無くなったも同然であった。

 

「なんだよ!?全然弱って無いじゃん。アイツ、俺に嘘を教えたのかよ!!」

 

 そう言いながら自身の首を掻きむしる死柄木。その癇癪を抑えるように黒霧がオールマイトの負傷と今こそがチャンスなのだという事を語る。その言葉で冷静さを取り戻した死柄木はオールマイトへと黒霧と共に接近する。

 

 その状況で生徒達は棒立ちを決め込み、それを見ているだけだった。オールマイトが負けるなんて事はあり得ないのだと、彼の事情を知らないが故の楽観視。無知が引き起こしてしまう行動であった。

 

 しかし、緑谷は気づいた時には足を犠牲にオールマイトを守るために黒霧へと突っ込んでいた。全員の虚を突いた攻撃。先のオールマイトに匹敵するほどの速度での接近である。そこらのチンピラ程度のヴィランならば反応すら出来ずに終わるだろう。

 

「……オールマイトから、離れろぉ…!!」

 

 しかし、それにすら反応されてしまう。ゲートを通して死柄木の掌が緑谷の顔面を捉えようとする。触れられて仕舞えば最後、その顔はボロボロに崩れ去り死ぬだろう。

 

 そして、緑谷が目を瞑った瞬間──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──3発の銃声が鳴り響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんよみんな、遅くなったね。至急動ける者を連れて来たッ!!」

 

「1年A組、飯田天哉。ただいま戻りました!」

 

 斯くして、雄英に所属する多数の教師──プロヒーローが駆けつけたのだった。

 

 

 

 

 

 

 





ここまで読んで下さりありがとうございます。
お気に入りや評価、感想、誤字報告など、いつもありがとうございます。執筆の励みになるのでありがたいです。
オリ主くんは睡眠中なので出番は無しです。取り敢えずUSJ襲撃事件を終わらせたい。次でアニメ一期は終わると思います。
以上、後書きでした。
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