偉大なる蛇をその身に宿して   作:ぬべし@助動詞

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第九話 事件の終わり

 

 

 

 先生達が駆けつけた後、これまでの出来事が嘘だったかのようにあっさりと事件は収束した。死柄木は黒霧と共に脳無と他のヴィランを置いて逃走し、残されたヴィラン達も先生達の活躍により、ものの数分で戦闘不能へと追い込まれ、警察へと引き渡された。

 

 今はUSJの外の広場にて、警察主導の下、生徒達の確認が行われていた。

 

「……16、17、18…。両足重傷と、全身重傷だった彼等2人を除いてほぼ全員無事か……」

 

 そう言って、生徒達の人数確認を行なう塚内警部。

 

 確認が終了し、それを皮切りに生徒たちがざわざわと騒がしくなる。黒霧により分断されたため、生徒達はあまりお互いが何処でヴィランと戦っていたのかを把握していない。ましてや、通信が妨害されていたので尚更であろう。それゆえ、みなそれぞれが何処にいたのかや、そこでの状況などを話し合い、それぞれの気持ちを共有していた。

 

「僕がいた所はねぇ、何処だったと思う☆?」

 

「そうか、やはりみんなの所もチンピラ同然だったか……」

 

「ガキだと舐められたんだ」

 

「しかし、そのおかげで俺が1人で戦う事が出来たのも事実……」

 

「でもよ、中央でオールマイトと戦ってた奴らはヤバかったぜ!?伏黒もその内の1人にやられちまってよ…」

 

 今回の襲撃の際、1人だけ暴風・大雨ゾーンに飛ばされた常闇は孤独にヴィランと戦っていた。暴風と大雨による足元と視界の不良の中で、チンピラ同然とはいえヴィランを何人も相手取っていたのである。それだけで、常闇の戦闘センスの高さが伺えるだろう。

 

 1人だけ、無視されている者が居るがそんな事はもはや日常である。今更無視されるのなぞ、御愛嬌だろう。

 

「とりあえず生徒らは教室へ戻ってもらおう。すぐ事情聴取ってわけにもいかんだろ」

 

 部下との話し合いを一度終えた塚内警部は生徒達を教室へと返そうと指示を出す。しかし、そんな彼に蛙吹が相澤先生の安否を確認する。

 

 襲撃事件による最終的な怪我人は、相澤先生、13号先生、オールマイト、伏黒、緑谷の計5人である。そしてその内の3人が病院へと搬送され、治療を、受けていた。

 

「あの、相澤先生は……」

 

「彼なら、両腕粉砕骨折、顔面骨折とかなりの重傷だが、幸いな事に脳系の損傷は見受けられなかったそうで、後遺症も特に無いとの事だったよ」

 

「ケロ……」

 

 伏黒が途中で脳無から相澤先生を助け出した事により、後遺症が残る程の怪我は無かったのである。伏黒の無謀な戦いは、ある意味で無駄では無かったのであろう。

 

「あ、あの、恵さん達の容態は……」

 

 塚内警部の話を聞いていた八百万などの生徒達が詰め寄る様に、彼に他の怪我人の状態を尋ねる。

 

「恵?……ああ、伏黒くんか。彼は、身体の至る所を骨折していたのと、肋の骨にヒビが入っていたそうだが、命に別状はないそうだ。13号の方は背中から上腕にかけての裂傷が酷いが命に別状はなし。オールマイトも同じく命に別状なし。彼に関してはリカバリーガールの治癒で充分処置可能との事で保健室へ」

 

「デクくんは……」

 

「緑谷くんは……!?」

 

「緑……ああ、彼も保健室で間に合うそうだ」

 

「「良かったあ……」」

 

「私も保健室の方に用がある。三茶!後は頼んだぞ!」

 

 怪我人全員が命に別状がない事を聞いて一安心した生徒たちは塚内警部の指示に従い、教室へと帰って行った。そして、指示を出した本人も用のある保健室へと足を進めるのだった。

 

 

 

 夕暮れ時、保健室にて、オールマイト、塚内警部、リカバリーガール、緑谷の4人が話していた。

 

 オールマイトが1年A組の生徒達のこれからの成長を確信している時、病院へと搬送され、治療を終えた伏黒は──

 

 

────────────────────

 

 

──夢を見ていた。

 

 家族4人で楽しく過ごしている夢だ。

 

 プロヒーローになった俺の活躍をテレビで見て、楽しそうに談笑している姉貴と両親。そんな3人を見て幸せを噛み締める様に微笑む自分。そしてそれを見ていた姉貴と両親がいっそう楽しそうに笑い出す。

 

 ごくごくありふれた日常のひとコマの様な景色。

 

 そんな絶対にあり得ない存在しない記憶。何かが違っていればあり得たかもしれない未来。

 

──そんな夢もすぐに崩れ去る。

 

 何者かによって引き裂かれたのである。

 

 後に残ったのは何もない真っ暗闇。まるで影の中にいるかの様な暗闇、そんな空間だけが残った。

 

 そんな暗闇の中で、自身の視界の先に誰かが居る事に気づく。

 

 そのシルエットに見覚えがあった。右腕に装着された一振りの剣と、背後に浮かぶ法輪。常人の二周り以上の大きさをした筋骨隆々な肉体と、後頭部から背中にかけて流れる様に伸びた蛇の尾。

 

 それは摩虎羅であった。

 

 此処はいったい何処なのか?何故こんなところに摩虎羅が居るのか?何故、何故、何故……。

 

 そんな分からない事だらけの状況に置かれ、思考の渦に呑み込まれる。

 

 思考で完全に動きを停止してしまった俺とは裏腹に摩虎羅は此方の方を向くと、ゆっくりと歩き出す。

 

 摩虎羅の腕が俺に触れる程の距離にまで近づくと、俄に摩虎羅の右腕が動き出す。すると、そのまま俺の腹を貫いた。

 

 あまりに突然なその行為に、目の前の存在へと顔を向ければ何かを伝えたいかの様に此方を見て首を横に振っていた。

 

 俺はそれが何を意味しているのかを理解する事なぞ出来るはずもなく、そのまま意識が遠のいていく感覚に身を委ねた。

 

「ごめんね恵、いつか話せる時が来るから。…………いつも近くに居るからね…」

 

 

 

──意識が浮上する。

 

 ふと、目が覚めて視界に入ったのは先程までの真っ暗闇の世界とは真逆な白い天井。それは何処か見覚えのある天井であった。

 

 あ、これ病室だわ…、と一瞬で理解した俺はゆっくりと上半身を起こす。

 

 すると、全身にこれ以上ない程の痛みが奔り、思わず歯軋りと共に小さな呻き声が口から漏れる。

 

 この痛みはおそらく、器のキャパ以上の呪力を肉体に流して無理に酷使していたからか、それともあの脳無にやられた傷がまだ痛むのか、それともその両方か。

 

 などと考えながら、窓に反射して映る自身の姿を見てみれば、そこには包帯がぐるぐるに巻かれた1人の男が写っていた。

 

 外から差し込む光も既に茜色になっており、今が夕暮れ時である事を示していた。

 

 そんな夕日によりオレンジ色に染まった病室を見渡しながら考える。

 

(俺が病院に居るって事は、なんとか助かったって事か……。まぁ、オールマイトが来てたんだし当たり前か。…それにしても、俺って結構自惚れてたのかもな………。雄英高校に次席で合格したことといい、その後の戦闘訓練での圧勝といい、最高峰でもさらに上に位置していたからこそ、俺はプロの世界でも通用出来るかも知れない、と何処かで自惚れてたんだろうな………)

 

「……情けねぇ…」

 

(俺は誰かを救えるのだと、守れるのだと、そういう慢心が無かったと言えば嘘になる。そうだ、誰かを守る事が簡単な事じゃないなんて、痛い程に身に染みている筈なのに…………クソッ、こんな強さじゃ誰も守れやしねぇ、もっとだ。もっと強くならないと)

 

 そうだ、伏黒恵(おれ)という人間はヒーローにならなくちゃいけないんだ。誰かを救って、誰かを守って。

 

 そのためには強くならなければならない、誰にも負けない程に、もっと強くならないと。今よりももっと、もっともっと、もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっt──

 

「伏黒さーん、失礼しま、ッ!?お、お目覚めになられてたんですね!?!?」

 

「……あ、はい。ども」

 

 危うく変なドツボにハマるところだった思考が、看護師さんの声により逸れる。危ないところを看護師さんのおかげでギリギリまともな状態に戻ってこれた。

 

「……み、見られてないよね?大丈夫だよね?お、おはようございます!お体の方、何か違和感とかございますか?」

 

「いえ、特には…」

 

 俺は何も聞いていないし見ていない。そうだ、変な独り言を喋りながら見るからに怪しい動きで病室に入ってきた看護師さんの存在なぞ俺は知らないし見ていない。

 

「まあ、先生の治療はしっかり終わってますし、違和感なんてある訳ないんですけどね!」

 

「じゃあ、なんで聞いたんすか……」

 

 とてつもなくイラつく看護師さんだった。本当になんでそんな質問したんだ。ウザ過ぎて殴りたくなってきた。

 

「いやぁ、定型文ってやつですよ〜、気にしちゃダメです!」

 

「あぁ、はい……そっすか…。まじなんなんだこの人…頭痛くなってきた………」

 

 しばらくこの人と喋っていて分かった事があった。俺はこの人のテンションについて行けないという事である。

 

 正味話すにつれてどんどん疲れてきた。そのせいなのか知らないが体の力が抜けてベッドに倒れ込み寝転ぶ。それを見た看護師さんは急に真面目な顔付きになり、語り出す。

 

「疲れが出ちゃったって感じですね。詳しい事情とかは、明日先生から聞くと思いますから、今日はそのまま寝ちゃって下さい。治療が終わったとは言え、まだ怪我人なんですから無理は禁物ですよ。……それではおやすみなさい伏黒さん」

 

 そう言って看護師さんは扉を開けて病室から出て行った。

 

 あの人何のためにこの部屋に来たのだろうか。俺と喋った後にそのまま帰っていってホント何なのだろうか。

 

(……ホントなんなんだあの人)

 

 そんな思考を最後に眠りについたのだった。

 

 

 

 そして翌日目が覚めた俺は担当の先生から怪我についてと、今日様子を見て大丈夫そうなら明日の朝には退院出来るのだという説明を受けた。

 

 その後、俺は見舞いに来た上鳴、瀬呂、切島、芦戸、耳郎の5人と何故か病室でハンバーガーを食べていた。

 

「──で、なんでマ○クなんだよ」

 

「まあまあ良いじゃねぇか」

 

「俺、怪我人なんだが?」

 

「こういう時こそガッツリ食う方がイイじゃん?」

 

「俺、入院中なんだが?」

 

「看護師さんとかにバレなきゃ問題ナシよ!」

 

 周りの奴らと喋りながらもそもそとハンバーガーとポテトを頬張る。正直昨日の昼からまともな物を食べていないので死ぬほど美味しい。病院食についてはノーコメントだ。

 

 なんて事を考えていると耳郎が心底疑問だという風に上鳴に問いかける。

 

「それにしても、上鳴はなんでマッ○にしたわけ?バレたらヤバくない?」

 

「それにはとっても深ーい理由があるわけよ」

 

 そうなのか。どんな理由なのか素直に気になるところだ。別にお見舞いの品なぞ不要なのだが、明日退院出来るし。でもまあ、善意での行為なので口には出さず、素直に受け取っておく。

 

「ほら、相澤先生が最初の時に、『放課後マックで談笑したかったのならお生憎……』って言ってたじゃん。だからさ、お見舞いに乗じて、放課後じゃねえけどマック食いながら談笑すれば良いんじゃね?って思ったわけよ。その方が伏黒も気が楽かなって思ってよ」

 

「それあんまし深く無いじゃん」

 

「俺的には深いの!!……そんな事を言うなんて、お母さん悲しいわ耳郎ちゃん」

 

 そう言ってオヨヨヨと変な泣き真似を始めた上鳴の頭を耳郎が容赦なく叩く。スパーン!という小気味良い音がなり、上鳴の頭から煙が上がる。

 

「ふざけたのは悪かったけど叩く事ないじゃん!さらにバカになったらどうすんだ!?」

 

「アンタはそれ以上バカになる事は無いんだから安心しな」

 

 そんな2人のやり取りを眺めながら、先程のツッコミのあまりの威力に顔が引き攣る。流石にその威力は上鳴が本当に余計バカになるのでは?と変な心配をついついしてしまう。

 

 まあそれでも、ここまで自身の事を考えてお見舞いに来てくれた上鳴達には感謝の念しかない。

 

「……その、お前らありがとな…」

 

 そう言ってソッポを向いてしまう。やはり照れてしまうのは仕方ない様な気がしないでもない。

 

「「「照れたな」」」

 

 全員がニヤニヤしながら、そう言ってこちらを見つめてくる。恥ずかしいから非常にやめてほしい。

 

 生ぬるい視線と恥ずかしさに耐えきれず、俺が倒れたあの後何があったのかを訊ねて無理やり話題を変える。

 

(((あ、無理やり話題変えた…)))

 

「もうさ、オールマイトが凄かったんだよ!? 1人でとんでもない化け物みたいなヴィランをぶっ飛ばしちゃってさ!それに、飯田が先生を引き連れて戻って来た時はアタシ泣きそうだったよ!」

 

 そう興奮しながら語る芦戸。それほどオールマイトの戦いは凄かったのだろう。プロの中でもトップの戦いを身近で見れたというのは中々ないとても貴重な体験だ。正直、俺も見たかった程だ。

 

 その後も他の轟や尾白に、切島などの他の場所に飛ばされた奴らがどう戦っていたのかや、先生が駆けつけてからの大まかな状況を聞いたりしていた。すると、切島が俺に、脳無がどんな奴だったかという質問をしてくる。

 

「脳無がどんな奴だったかぁ??」

 

「ああ。伏黒は直接脳無と戦ったんだろう?やっぱり見てるのと実際に戦ってみたのとでは全然感じ方が違うと思うんだ」

 

「……そうだな、正直あれは俺達生徒じゃ全く歯が立たないと思う。それくらいには強かったと思う。でも、相性次第じゃそうでもない。轟なら凍らせて終わりだと思うしな。………相性次第とはいったけど、俺が何よりヤバいと思ったのは、アイツ人間みたいな形は保ってたけど戦い方というか、意識が人じゃなかった」

 

 脳無の恐ろしかった所はそこなのだ。普通の人間を相手にしている、なんて認識をしていると足を掬われてしまう。再生系の個性とおそらく肉体を弄り回されたであろうフィジカルと、存在しない自我。これらが合わさっている事により、腕を切り落とされようと、足を切り落とされようと、止まる事のないバーサーカーとなっているのだろう。

 

「脳無はさっきお前らから聞いた話からも分かるけど、再生系の個性を持ってた。んで、普通の人間が脳無の様に再生系の個性を持ってたとしても、自身が傷付く事への恐怖で躊躇する筈なんだ。けど脳無はそれが一切無い。俺が足を切り落とした時も次の瞬間には再生して動いてた」

 

 ここまで色々と語ったが、俺の感じた事を述べた所で何か意味があるのだろうか、なんて思ってしまう。俺が今語った事はあの場で脳無を見ていた奴らなら誰でも思いそうな事ではないだろうか。なんて考えていると。

 

「ここまで俺の質問に真剣に答えてくれてありがとな。………俺は伏黒をスゲェ奴だと思ってる。あんだけ強いのもそうだけど、1人であんな強えヴィラン相手に相澤先生助けて、1人で命張って戦ってたなんて誰でも出来る様な事じゃねぇ。それに俺は今回の事件何も出来なかったから尚更だ……。お前はホントに〝漢〟だと俺は思う」

 

「「「切島………」」」

 

 まさか切島がこんな事を思っていたとは知らなかった。でも、やっぱりそうだよな。みんな何か悩みを抱えて生きているんだ。

 

「正直俺も切島とおんなじだわ。13号先生が目の前でワープ野郎にやられて俺はなんも出来なかった。俺はヒーロー志望の人間として死ぬ程悔しい……」

 

「アタシも一緒!アタシも、ただ見てるだけしかできなかった。そんなのヒーローを目指す者としては最低だよ!」

 

 そう言って口々に悔しさを語る切島、瀬呂、芦戸の3人。やはり、今回の事件で悔しさや自身の不甲斐なさを感じた者は俺だけでは無いのだろう。いや、クラスの奴らほとんど全員なのかもしれない。それぐらい俺達生徒にとっては大きな経験だった。

 

「こっからだな。この悔しさを忘れずに強くなる。それでしかこの気持ちは晴れない。俺は成すべき事のために強くなる……」

 

 そんな俺の言葉にどんどんと同意の言葉が重なっていく。俺も、アタシも、俺も、俺も、ウチも、と聞こえてくる声に、良い学友を持ったものだと意味もなく感慨に耽っていると……。

 

「あら、恵さん?他に誰かおりますの?……入りますわよ?」

 

 そんな幼馴染みの声が扉の前から聞こえてきた。

 

 そして、扉が開き声の主が部屋のベッド周りでマックを食べながら熱く語り合っていた俺達を目にした瞬間、幼馴染みが爆発した。

 

「ちょっとアナタ達!?何を食べておりますの!!ここは病院であり、恵さんは怪我人ですわよ!?……あ、ちょっと!待ちなさい!?」

 

 百が怒りの声を上げながらベッドへと近づいてくる。その声を聞いた上鳴達は「ヤバっ!?」と呟くとゴミを集めカバンにそれを突っ込むと、そそくさと扉から逃げる様に出ていってしまった。出て行く着前に、芦戸と耳郎が、あとはお若いお2人でごゆっくりー、とニヤつきながら言っていたのを俺は見逃さなかった。

 

 もはや打ち合わせをしていただろ、とツッコミたくなる様なスピードで帰っていったあの5人は後日絶対ぶん殴るとして、今は幼馴染みの相手をしなければならない。

 

「──まったくもう!聞いていますの恵さん!?」

 

「ああ、聞いてる聞いてる」

 

 それにしても百が直接お見舞いに来るとは思っていなかった。いや、そもそもアイツら5人が見舞いに来た事すらも予想外だった。今時個性や、科学技術の進歩により怪我による入院というものが殆どなくなった現代なのだ。普通に考えてお見舞いには来ないだろう。それでも此処に来たアイツらといい百といい、本当に良い奴ら(ぜんにん)なのだろう。

 

 なんて長々と考えて、目の前で喋っている幼馴染みの言葉を聞いていなかったのが仇となってしまったのか、百をさらに怒らせてしまう。

 

「ちょっと恵さん?先程からボーっとして、聞いていますの?」

 

「……あ、あぁ」

 

「……むぅ、もう怒りましたわ!そこに正座なさい!!アナタはいつもそうです!!人の話を聞いている様で無視して、(わたくし)がどれだけアナタの事を思って言っているのか理解しておりますの!?」

 

 あーやらかしたなぁ、と考えてながらも正座して、百のお説教を甘んじて受け入れる。今回は完全にこちら側に落ち度があるので仕方ない事だ。足が痺れて来たがあまり考えないようにして意識から外す。

 

 

 

 それから約10分程の間、その病室にはお淑やかな少女の怒声が響いていたという。

 

 そんな病室の扉を少し開けて、ニヤニヤと気持ち悪い顔をしながら病室の中を覗いている看護師が居たとか居ないとか。

 

「若いって良いなぁ〜、青春だなぁ〜」

 

 

 

 

 

 




看護師さん:名前とかは特に考えてない。なんか生まれたキャラ。


今回も読んで下さりありがとうございます。
お気に入りに登録、誤字報告やら色々とありがとうございます。励みになります。
漫画読んでたら前回から2週間近く経ってました。恐ろしいね。ホントにごめんなさい。
この夏からはしっかり勉強しろ!と怒られたので失踪します………多分。
以上、作者の後書きでした。

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