闇の中を俺は疾走する。
「ふっ⋯⋯!」
その途中で見つけた騎士は片っ端から殴り倒していく。
「ここだ!」
遂に城の入り口に辿り着いた俺はその中に走り込もうとする。
(⋯⋯?)
―――何かを感じた。
その感を信じ、別の場所に飛び移る。
瞬間、元いた場所が爆ぜる。
(―――!)
爆裂魔法だ。
「おいおい、危ねぇだろ⋯⋯」
そうボヤきながら、跳ぶ。
目指すは魔法を発動した対象がいる場所。
近くにある草むらだ。
「⋯⋯よく来たな」
そこに隠れ潜んでいた男が口を開く。
「うるせぇ黙ってろよ。 さっさと死にやがれカイナ。お前が一度でも俺に勝ったことがあったか?」
俺はその男―――幼なじみで、今回の討伐対象であるカイナに言い放つ。
「ふっ⋯⋯相変わらずの傲慢さだな、サーチェ。 生憎だが―――そのつもりは無い!」
「そうかよ!」
言うが早いか俺はカイナに向けて走り出し、正拳突きを繰り出す。
「その愚直さも変わらない。 だから、王国を乗っ取られるんだよ」
俺の突きは、易々とカイナに受け止められる。 今までだったらこれで終わっていたはずなのに⋯⋯
そして⋯⋯
「⋯⋯ッ!」
どこからか剣が現れ、俺の腹を横から裂く。
「てめぇ⋯⋯!」
俺は追撃を仕掛けんとする幼なじみを見つめ、叫んだ。
「ふんっ!」
振り下ろされる剣。 それをバックステップで回避した俺。 追撃を仕掛けようと体制を整える。
しかし、そこに先程までいた場所にカイナはいなかった。
「これで終わりだ!」
「⋯⋯!」
声が聞こえたのは⋯⋯背後。
いつの間にかそこにいたカイナが俺に向けて剣を振り下ろしている最中であった。
反応が間に合わずに背中を斬られてしまった。
派手に飛び散る血飛沫と激痛がそれを証明していた。
「これが⋯⋯これが勇者の剣か! 素晴らしい! 素晴らしい力だ!」
そう言ってカイナが剣を見せつけるようにして歩み 寄る。
「てめぇ⋯⋯馬鹿な真似しやがって」
勇者の剣が、普通の人間に使えるはずがなく⋯⋯
この馬鹿が何かをして魔力を増幅させているのは明らかだった。
更にいえば、先程の背後をとった行動。
あれは恐らく影移動だ。 あの技を使うことができるのは、一部の限られた存在と
つまりこれは⋯⋯
「馬鹿な真似? あぁ悪魔契約の事か。悪くないものだよ? これも」
「悪魔に乗っ取られるかも知れねぇのに⋯⋯良いのかよ! そんなこと! お前の成し遂げたい正義は、そんなもんだったのかよ!」
俺が思い出すのは、幼き頃の日々⋯⋯
『僕、大きくなったらこの国を、正義を守る騎士になるんだ! 祖国のためにサーチェを守れるくらい強くなるんだ!』
そんな純粋な目標を抱えていた彼が、二年前のある日―――
「サーチェ⋯⋯この国を君には任せられない」
そう言って俺をマグノリアから追い出した。
俺にはその理由が分からなかったのだ。
「正義⋯⋯だと? 」
みるみる彼の顔が激昂の色に染っていく。
「そんなものが何の役に立つんだ! 正義だけでは誰も守れない! 大事だった人も! サーチェだって⋯⋯弱いから誰も守れなかったんだ! 弱さは罪だ⋯⋯だから僕は力を得たんだ!どうしてそれが分からないんだよ!」
「ぐっ⋯⋯」
カイナは再び俺に斬り込む。
回避が間に合わずに何発か貰ってしまった。
⋯⋯まずい。 非常にまずい状況だ。
依然背中から溢れ出る大量の血液が俺の神経をすり減らしていく⋯⋯
「これこそが力の照明! 勇者の剣だ! 僕は認められたんだ! そして⋯⋯強くなったんだ!」
うわ言のように呟きながらカイナは攻め続ける。
「うるせぇよ。 お前は⋯⋯借り物の力で威張ってるだけの雑魚に過ぎねぇんだよ」
こちらからも攻撃を仕掛けるが⋯⋯勇者の剣に触れたら拳が斬られてしまうため、思うように攻撃が通らない。
「そうか⋯⋯もういい。 散れ!」
そう言ったカイナの魔力量が急に高まる。
―――大技が、来る!
そう思って身構える。
「
カイナが唱えたのは、古の魔王が開発した大魔法。
俺の身体を闇が捉える。
そして⋯⋯その闇が一瞬で崩壊する。
その崩壊エネルギーが全て、俺にかかる。
「ぐっ⋯⋯ァァァ!」
大きく吹き飛ばされ、遥か後方の床に叩きつけられる。
その衝撃が身体に伝わり、もはや動くこともままならない。
「終わったな⋯⋯。 僕の勝ちだ、サーチェ」
カイナも、俺に向かって悠然と歩み寄ってきた。
「ま⋯⋯だ⋯⋯終わっ⋯⋯」
喉がまともに働かず、声が上手く出ない。
「これ以上動くんじゃない。 僕は君を苦しめたくないんだ」
カイナは剣を振り上げる⋯⋯
「後は、僕に任せて大人しく死ね」
そう言って勇者の剣を振り下ろした。
たいあっぷ⋯⋯見て欲しい⋯⋯
現在の推しキャラ(番外編の主人公に起用)
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セリカ
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サヤ
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サーチェ
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エイリ
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カムラ