メイドは主人を殺したい   作:朱花

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新たなる目的

「スーッ⋯⋯ハッ!」

 

 僕は、一瞬で意識を覚醒させ突っ伏していた机から起き上がった。

 そんな僕を見る周囲の人からの視線が痛い。

 

「⋯⋯寝てたのか」

 

 僕の目の前には、大きく開かれた歴史書があった。

 えーっと⋯⋯どこまで読んだっけ?

 そう思ってパラパラと本をめくるが⋯⋯

 長旅で疲れていたこともあり、なかなか集中できない。

 

「もういいか」

 

 本をパタンと閉じて棚に返す。

 

 ドアを開け、外に出た。

 いつの間にか日が落ちかけ、夕暮れとなっていた。

 

「さて、そろそろ戻るかな」

 

 僕は、エイリさんと約束した場所に向かうべく足を踏み出した。

 

 ⋯⋯その時だった。

 

「オラッ! 直属騎士様のお通りだ」

 

 ⋯⋯なんだ?

 声のした方向を向くと、鎧を身にまとった男たちが偉そうに歩いてきた。

 

「おいおい、アイツら今日も来たのかよ⋯⋯」

「国王様が変わられてからずっとこうね」

「あんなやつは国王じゃねぇよ。 クソが」

 

 ―――ヒソヒソと話す声が聞こえる。

 よく分からないがあまり良い状況では無いらしい。

 

 面倒くさそうな相手なので、僕は無視することに決めた。

 ―――が。

 

「おい、そこのお前! お前だよ! 黒髪の女!」

 

 男のひとりに声をかけられた。

 1回はスルーしたのだが、そこまで特徴を言われては無視するわけにもいかない。

 

「何か用ですか?」

 

 振り向きながら男たちに問いかけた。

 

「へへっ中々の上玉じゃねぇか」

 

 また別の1人が僕の全身を舐め回すように見る。

 

「少し貧相な身体だが⋯⋯。 なんてったって顔がいい」

 

 そんなことを口走りながら、僕に近づいてくる。

 ―――僕でも、流石にこれは寒気を感じた。

 

「だから、何ですか? 私、貴方たちのこと知らないんですけど」

 

 少し、イライラしながら再び問いかける。

 

 男たちは少し驚いたような顔をした後、笑いだした。

 

「ハハハハ、何だあんたよそ者かい。 じゃあ教えてやろう。 俺たちは王宮直属騎士、この国では騎士様には従わねぇといけねぇんだよ。」

 

 王宮直属騎士か。

 厄介な相手だ。

 

 ―――あいつらめんどくせぇからな。

 

 頭の中で、謎の青年が言っていた言葉が思い出された。

(⋯⋯やるか。)

 

 このままだとロクなことにならないので、力を少しだけ誇示することにした。

 

 腰の剣に手をかける。

 ―――その時だった。

 

「ちょっと待てって・・・ お前らの相手は俺だ」

 

 気だるげな声がした。そちらの方を振り返るとそこにいたのは先程の青年。

 

「またお前か! 何度も俺達の邪魔しやがって!」

 

 リーダーっぽい男が声を荒らげる。

 

「うるせぇって。 ソイツには、俺が先に目つけてんだから横取りすんな。」

 

 そう言って青年は眠そうな目のまま構える。

 ―――拳法の構えだ。

 

「やってやる! 野郎ども!」

 

 リーダーっぽい男の一声で、他の男たちが剣を抜き、男に襲いかかった。

 

「お前たちってホントに学ばねぇな」

 

 そう呟いた青年は、軽いステップでその攻撃を躱した。

 そして、攻撃を外した男たちは勢い余って互いが互いに攻撃して、自滅していった。

 

「どうする? まだやるか?」

 

 気だるげな声のまま青年が残ったリーダーっぽい男に言った。

 

「⋯⋯くそっ! 覚えてやがれ!」

 

 男は、三下っぽい捨てゼリフを残して去っていった。

 

「うぉ! 兄ちゃんやるな!」

「スゴーイ! つよーい!」

「アンタは英雄だよ!」

 

 成り行きを見守っていた市民達が湧く。

 しかし、青年は意に返した様子もなく、僕の方へ歩み寄った。

 

「⋯⋯ありがとうございました。」

 

 僕一人でも倒せたのに⋯⋯とは言わなかった。

 

「な? アイツらめんどくせぇっていったろ?」

 

 青年は、面倒くさそんな口調で僕に言った。

 

「どうして貴方がここに?」

 

 僕は、思っていたことを聞いた。

 偶然にしては出来すぎている。

 明らかに、この青年は僕を付けていたのだ。

 

「なんだ⋯⋯尾行してたこと気づいてたのか?」

 

「いいえ、気づいてはいませんでした。 私が聞いているのは、そんなことをした理由です」

 

 別に、尾行されたことは気づかなかった僕が悪い。

 僕が聞きたいのは、その理由だ。

 

 ―――理由?あぁ⋯⋯

 

 すると青年は、僕をキッパリと見て言った。

 

「お前に、国王の暗殺に協力して欲しい」

現在の推しキャラ(番外編の主人公に起用)

  • セリカ
  • サヤ
  • サーチェ
  • エイリ
  • カムラ
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