新約 仮面ライダーGHOST   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今回の題名はオーズ風。前回から一週間後の話です。楽しんでいただければ幸いです。


第二話:剣豪と天才と不幸な少女

「くそっ、あと一歩だったところを…!」

 

「逃がすか!」

≪カイガン!フーディーニ!マジイイジャン!すげぇマジシャン!≫

 

 

 北海道のとある高原。翼を広げて空を飛び逃げ出すライト兄弟二人分の業を宿したカルマに対し、背中に飛行ユニットを付けた青く魔法使いを彷彿とさせるパーカーを身に着け二本角を生やして鎖が交差したような絵柄の仮面の姿「フーディーニ魂」に変わったゴーストが鎖を飛ばして拘束。そのまま引きずり落として地面に叩き付け、レバーを押し込んで飛び蹴りの体勢で飛び込んだ。

 

 

≪ダイカイガン!フーディーニ!オメガドライブ!≫

 

「でりゃああああ!」

 

 

 そのまま鎖で雁字搦めにしたライトカルマを引き寄せて飛び蹴りを叩き込み、爆散。爆散後から出てきたライト兄弟のパーカーゴースト二体を回収して眼魂を手に入れてオレ魂に戻り、同時にパーカーゴーストフーディーニがマシンフーディーと言う名のバイクに変形してそれに乗り込み先を急ぐゴースト。ゴーストに初変身したあの戦いから一週間。ゴーストは、日本中を駆け巡り既に17個の眼魂を回収していた。

 

 

「フーディーニを始めとして、ニュートンにビリー・ザ・キッドに項羽にニコラ・テスラ、今回はライト兄弟。本当に有名な偉人ばかりだな」

 

 

 エクストリーマーからの情報で、カルマの元締めであるネクロは東京を中心にサブカルチャーに秀でた日本人を利用してカルマを作り出しており、日本中でカルマによる怪事件が起きていることが分かったゴースト。

 最初に手に入れたフーディーニが姿を変えたマシンフーディーによる「瞬間移動マジック」を用いた能力である空間転移で日本中を駆け回り、片っ端から怪事件が起きた場所に急行してカルマを狩ることを繰り返していた。その途中で銀行強盗を行っていたカルマとは異なる怪人ドーパントを倒したりもしたが、カルマだろうがそうでなかろうが人命が関わるならほっとけないのはゴーストの性分だった。

 

 

「…仮面ライダー、ねえ」

 

 

 行く先々で人々を助け、そう呼ばれる様になったゴースト。その名にふさわしいかは置いといて、認められた気がして少し嬉しくなる。この名を大事にしよう、そう思った。すると空を飛んでやってきたのは緑と黒で彩られたコンドルの様なナニカ。それが変形した黒電話「コンドルデンワー」を手に取ったゴーストは、受話器を耳に当てる。

 

 

「もしもし?ああ、エクストリーマーか。アンタが言ってた北海道のカルマは倒したぞ。二つも眼魂を手に入れた」

 

≪「二つ?それは兄弟だったり二人で有名だったりする偉人の眼魂だね。それはラッキーだ。これで17個か。順調じゃないか」≫

 

「一週間で17は順調なのか?まあいい、次は何処だ?」

 

≪「今度は東京で誘拐事件が起きている。二体のカルマ反応が固まってるから注意してくれ」≫

 

「了解。また東京にとんぼ返りか。いい加減にしてほしい所だな」

 

 

 やはりというか東京に多くカルマは現れ、たまに北海道や九州にも現れるためいったりきたりで休まる暇もない。ゴーストはマシンフーディーのハンドルを切って踵を返し、青い光と共にその場から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が何をしたって言うんですか…」

 

 

 勉強途中で飲み物を買いに出かけた私。先日銀行強盗に遭ったばかりだというのに、今度は誘拐されて廃屋で拘束されてしまった。目の前には、二人の男女。一人は静電気で逆立った白髪赤眼でだぶだぶの白衣を着た少女で狂ったようにパソコンのキーボードに何やら打ち込んでいて、もう一人は着流しを着て長短二つの木刀を手にした初老の男性。二人とも左手に何か目玉の様な装飾がついた腕輪を付けているのが共通点だろうか。

 

 

「……おい、エジソン。まだお前の研究の準備は終わらないのか」

 

「ちょっと待っててよムサシ。ボクの研究は超デリケートな計算と調整の上で完成するんだから!」

 

 

 不満げに苛立ちの籠った声を上げる男と、それにのほほんと返す少女。自販機の前にいた私をあっという間に車で攫った誘拐犯だ。男がキャラバンの運転をして、少女の方がスタンガンで私を拉致してたから少数の誘拐犯なんだろう。だがさっきから私の身長とか体重とか何を食べたかとかしか聞かれなくて、電話番号とかは聞かれないからただの誘拐犯じゃないかもしれない。

 

 

「ああ、不幸だ…」

 

「不幸?バカ言っちゃいけないよモルモットちゃん」

 

 

 ぽつりと漏らした口癖に反応したのはエジソンと呼ばれた少女。どう見ても日本人なのだがあだ名とかなんだろうか。エジソンは「ちっちっち」と指を揺らしながら自慢げに語る。

 

 

「君はこの世紀の大発明の人体実験に選ばれたのさ!偉大な大発明の第一成功者になれるかもしれないというのに不幸なわけないじゃないか」

 

「世紀の大発明…?」

 

「そうさ!これこそボクが制作した、大量の電気を肉体に流して人間を強化するマシン!その名も…グットツヨクナルンダーVSXさ!」

 

 

 そう言って掲げたのは電極のついたヘルメットとギブスの様な装置。明らかに安全性が保障されてない機械だった。え、これの実験体にされるの?過去最大に不幸だと思うのだが。

 

 

「そのネーミングセンスはどうかと思うぞエジソン」

 

「名前なんてどうでもいいの!わかってないなあムサシは。これは君の念願でもあるじゃないか。ボク達二人の(カルマ)を滾らせられるんだ!一石二鳥のそれだよ!」

 

 

 そう言って左手の腕輪の目玉の様な中心部を押しこむエジソン。するとその腕輪から何やらパーカーの様な幽霊の様な物が飛び出してエジソンが着るようにして被さり、意識を失った少女が倒れると同時に異形の何かが少女から抜け出たように現れる。

 

 

≪ヘイガン!エジソン! エレキ!ヒラメキ!発明王!≫

 

 

 電極を模した装飾がある銀のパーカーと、電球を模した黄色い模様が彩られた黒いのっぺらぼうの様な仮面。その下はボロボロの白衣を着た青白い骸骨の様な四肢、胴体には不気味な単眼が存在していた。その姿はこの前、銀行強盗に遭った際に助けてくれたゴーストをドーパントの様に歪にしたような…怪人だった。でも、世間でよく知られているドーパントじゃない。そもそもドーパントは風都って街にしか基本的に出ない筈だし!

 

 

「さあ!あとはこの装置を装着して、ボクが3000Vの電撃を流すだけ!」

 

 

 その怪人から聞こえる声は、倒れたはずのエジソンと呼ばれた少女の声そのもの。彼女の生霊か何かなのだろうか。私だから見えてるだけなのかと思ったが、そうでもないようでヘルメットを掴んだことから実体があるようだ。

 

 

「そう言ってどうせまた失敗するんだろう?」

 

「もう十何人も実験して来たから今度こそ大丈夫だよ!さあさあ!ボクの最高傑作、電気超人第一号になる栄誉を受ける準備はいいかな、モルモットちゃん改め結城鴒ちゃん!成功したらこの、強い奴と戦いたい変態!ムサシと戦ってもらうけど問題ないよね!」

 

「誰が変態だ」

 

「準備なんてできるはずがないし戦う気もないです!私を返して!」

 

「生憎とだが我も我慢の限界でな。常人を越えし強者と戦える時を我は待ち侘びているのだ…!」

≪ヘイガン!ムサシ! 決闘!ズバッと、超剣豪!≫

 

 

 そう言ってムサシと名乗った男も左手の腕輪の目玉を押し込み、赤いパーカーみたいな幽霊が被さってその体からエジソンとよく似ているが赤く頭部に日本刀が刺さっているような装飾のパーカーの下は白衣ではなく着流しを身に纏った、交差した刀の様な模様の仮面の怪人が抜け出てきた。

 

 

「あなたたち…一体、なんなんですか!」

 

「我等はカルマ。我が身を支配する業に縛られし者…!」

 

「どうしようもなく叶えたい業のために人間であることを捨てた自他ともに認める狂人さ!」

 

 

 カルマ。やっぱり、ドーパントじゃない。でもその名前、どこかで聞いたような?そう妙に冷静な頭で考えているうちにヘルメットを私の頭に付け、ギブスを装着してくるエジソン。そして両手を摺合せ、電気をその間に目に見えて溜め始める。

 

 

「安心して!成功すれば君は超人だ!このボクが十何人も犠牲にして完成させたんだもん!成功するよ!するする!」

 

「貴様の言う超人。どれほどか、楽しませてもらうぞ」

 

 

 バチバチとフラッシュする。もう、だめだ。諦めかけたその時。

 

 

 

 

 

≪ダイカイガン!オレ!オオメダマ!≫

 

「辺鄙なところに隠れてるんじゃねーぞシュート!」

 

 

 そんな声と共に天井が巨大なナニカを撃ち込まれて粉砕され、何か巨大な目玉の様な物がエジソンとムサシの二人のカルマを押し潰す。そして巨大な目玉が消え去ると共に空からふわりと降りてきたのは、見覚えのある仮面の幽霊だった。

 

 

「ようやく見つけたぞカルマ共………あれ?アンタ、この間の…」

 

「アハハ…また会いましたね、ゴーストさん」

 

 

 これが運命の再会だと言うことを私達はまだ知らない。




相変わらず巻き込まれているヒロインちゃんと、マッドサイエンティストのエジソンちゃんと戦闘狂のムサシさんの登場でした。まだ主人公の名前が明かされてないっていうね。

カルマは閉眼(ヘイガン)することで本体の意識を閉ざして生霊であるカルマになります。左手の腕輪は押し込むと目が閉じるギミックつきのメガウルオウダーが生物的になったみたいなものです。肉体から離れない未完成の眼魂ってイメージ。

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